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「ベン・ハー」【教養的映画鑑賞】人類の歴史の影の部分に分け入る光

「ベン・ハー」【教養的映画鑑賞】人類の歴史の影の部分に分け入る光

映画から歴史的教養や雑学を学ぶ教養的映画鑑賞、8回目の今日は「ベン・ハー」です。

あのシーンを観ろっていうと思うでしょ?
それもあるけど他にも観てほしいシーンがあるんですよ。

はじめに:「ベン・ハー」、人類の歴史の影の部分に分け入る光

あまりにも有名なこの映画は、ルー・ウォーレスの小説『ベン・ハー』を映画化したものです。

ですのでフィクションなのですが、

ユダヤの都エルサレム。豪族の息子ベン・ハーは、ローマ軍の新将校としてやってきた幼友達メッサラと再会。
だが、今やふたりの間は対立関係にあり、ベン・ハーは反逆罪に問われ、奴隷として軍船に送り込まれてしまう。
やがて海賊軍隊との激戦の中、ローマ艦隊司令官アリウスの命を救ったベン・ハーは、ローマ屈指の剣闘士に成長。
生き別れた母と妹の仇を討つため、宿敵メッサラとの対決、大戦車競争に挑む。
      
 (Amazonの内容紹介より) 

というストーリーに、うまく当時の史実が絡み合っていきます。

歴史教養的見どころ

◆娯楽の王道、戦車競技

この映画の最大の見せ場はなんといっても戦車競技のシーンでしょう。
CGのなかった時代に、よくこの映像を撮ったなと感心してしまいますし、今見ても手に汗にぎります。

また、物語的にもキーポイントとなる重要なシーンでもあります。

映画史に残る名作を代表する名シーンだけに、この映画を紹介するときには必ず登場するので、当ブログ的にはあえて避けて通ろうかとあまのじゃく的な気持ちもあったのですが、「歴史教養的」にはやはり外すことができないのです。

なぜなら、以前紹介した「グラディエーター」や「スパルタカス」のような剣闘士の試合と、本作品に登場する戦車競技はローマ人にとっては娯楽の王道だったからです。

競技自体もさることながら、スタジアムの雰囲気からも当時のローマ市民の熱狂ぶりが伝わってきます。

時代はオクタヴィアヌスが始めた帝政を引き継いだティベリウス帝統治時代。
ローマが世界帝国としての足場を固めつつある時期で、国の勢いを感じさせるシーンでもあります。

◆業病の谷

苦難の末、生き別れてしまっていた母と妹を探し出すベン・ハーですが、彼女たちは「私たち業病なの」と告白し、また患者は谷に隔離されています。

業病というのは現代でいうハンセン病(ライ病)のことです。
(「業病」という言葉自体、この病気に対する差別と偏見を含んでいるので使いたくないのですが、歴史用語として使わせていただきます。ちなみに「業病」と呼んだのは、感染症の原因が分からなかった時代、病気の原因は”業(カルマ)”、つまり前世で悪い行いをしたとか、祟りのようなものが原因だと思われたことによります。 酷いですね)

さて、差別云々は置いておくとして、「業病」だけでなく、人類の歴史は様々な病気との戦いの歴史でもあります。

今現在もデング熱だとかエボラだとかさわいでますよね。
人類が根絶できたのは感染症は天然痘だけなのです。

近代医療のなかった時代、感染症にどう対応したか、隔離しかなかったのです。
患者は人里からはなれた場所に集めて隔離する。

当然そこには絶望と死しかないのですが、人類はそうやって生き抜いてきたわけです。
そんな歴史の影の部分が業病の谷のシーンであり、影故に映画に登場するのは非常に珍しいシーンですのでぜひ見てほしいと思います。

◆イエスの布教

ではなぜ「業病の谷」のような人類の歴史の影の部分のシーンが登場するのか、それはイエスが布教に訪れるからです。

イエスの誕生シーンから始まるのを見ても分かるように、実はこの映画はイエスの物語、本当の主役はイエスなのです。

演出なのかこの映画ではイエスの顔をはっきり映しません。
しかしそれが神秘性を生み出しています。

ぜひ見てほしいのは業病の谷の近くで説教を始めるイエスのもとに人々が集まるシーン。
2000年前のイスラエルの地で、こんな風にイエスのもとに人々は集まり、説教を聞いたのだなと印象に残るシーンです。

人々が忌み嫌う業病の谷に進んでおもむき、神の愛を説くイエスは、間違いなく虐げられた人々の”光”だったのです。

最後に個人的な感想を

実は「ベン・ハー」をちゃんと観たのは今回が初めてでした。

3時間以上ある長い映画ですが、本当にあっという間で、惹き付けられました。

そして驚いたのは監督がウィリアム・ワイラー監督だったといこと。
「ローマの休日」の監督さんですよね。

ということは「嵐が丘」も「大いなる西部」も・・・

いやぁ、幅広いわー。

基本データ

公開:1959年
監督:ウィリアム・ワイラー
主演:チャールトン・ヘストン
212分

ベン・ハー (字幕版)
チャールトン・ヘストン
2013-11-26


ベン・ハー (新潮文庫)
ルー・ウォーレス
新潮社
1960


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