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日本がとるべき道は?【書評】鈴置高史(著)『中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』 日経BP社

おはようございます、韓流スターはヨン様しかわからない一龍(@ichiryuu)です。

さて今日は、日経ビジネスオンラインの人気コラム、「早読み 深読み 朝鮮半島」をまとめた、鈴置高史氏の本をご紹介。

これを読めば、日本人の韓国観が大きく変わります。

 

【目次】
プロローグ 中国の空母が済州島に寄港する日
第1章 「中国」ににじり寄る「韓国」の本音
第2章 「日本」を見下す「韓国」の誤算
第3章 「米国」と離れる「韓国」の勝算
第4章 『妖怪大国』を見つめる日本の眼
エピローグ 結局は「中国とどう向き合うか」だ

【ポイント&レバレッジメモ】

★韓国人の対中感情

 韓国人も中国が好きというわけではない。だが、横暴な中国に支配されることに「慣れている」のだ。今もそうだ。ソウルの待ちで反日・反米デモは時々起こるが、反中デモはまず起きない。韓国の知識人に問うと、多くが「中国に逆らうものではありません」と答える。
 日本人には意味がわからない。そこで、質問を重ねて韓国人の対中感情を分解し、因数が2つあることに気づく。「日本や米国には少々無茶をやっても大丈夫だけど、中国はどんな報復をしてくるか分からない」という恐怖感。もう1つは「中国には絶対適わない」という上下意識である。

★韓国経済の対中依存度の高さ

 確かに、韓国の対中依存度は高い。韓国の中国(香港を含む)への輸出額は全体の約30%。日本の25%と比べて少し高い程度だ。ただ、韓国経済は輸出に頼る度合いが極端に大きい。GDP(国内総生産)に対する輸出比率は50%を超えている。日本の15%前後と比べものにならないほど高い。対中輸出が韓国経済の死命を制する。
 なぜ、対中依存度が上がるとまずいのか。それは中国が外交交渉の武器として経済を平気で利用する国だからだ。

★韓国が考える「従中卑日」戦略の外交利点

(1)中国と一緒になって日本のイメージを落とすことで、その効果を大きく増せるうえ、日本からの反撃を減らすことができる。竹島・尖閣問題で中国と一緒になって「戦犯国=日本の強欲な領土要求」を世界で宣伝しているのは、まさにこの狙いからだろう。

(2)「従中」が米国の不興を買いそうな時は「卑日」で言い訳できる。典型的な例が、中国が不快感を示す日韓軍事協定を結べと米国から迫られた際に「戦犯国、日本の反省が足りない」という理由を掲げて拒否したケースだ。

(3)中国にとって「韓国は日本よりいい子」になるので、中国から日本よりは大事にされる。実際、2012年の中国に日本製品ボイコット運動で、韓国人の期待通りに自動車など韓国製品の売り上げが伸びた。

★中国の”いい子”になって生き残りを図る

 まだ、症例が少ないので結論は出していませんが、「日本が米国の信頼を失えば日米同盟が揺らぐ。すると日本初の米中摩擦が減るので韓国としては望ましい」という韓国人の心境を反映しているとも思えます。<中略>
 これからは、「日本こそが平和の敵だ」と世界で宣伝、中国からはかわいがってもらう一方、米国には日本不信感を植え付ける。これにより米中対立を乗り切るのも反日の目的となる可能性があります。

★なぜ韓国は中国の空母に恐れをなすのか

 日本人は空母が脆弱なものと知っています。<中略>ところが、韓国は空母をもった経験がありません。逆に、北朝鮮や中国に対して、韓国は何かあるとアメリカの空母を使って脅してきたのです。<中略>韓国は他国を米国の空母で威嚇してきただけに、空母で脅されるという初めての経験に動転しているのです。
 私が中国だったら、EEZ交渉で韓国にこう持ちかけるかもしれません。「黄海を友好、平和の海にしよう。その証しに、沿岸国以外の海軍艦艇が入るのを拒否しよう」。中国は米海軍お鑑定が、ことに空母が黄海に入ること極度に嫌っています。

★今でも財閥が跋扈する韓国

 韓国でなぜ、財閥がこれだけの力を持つのか。答えは簡単です。日本と同じような相続税制があるにも関わらず、ちゃんと税金を取っていないからです。2004年に日本で発覚下、級・西武鉄道グループの有価証券報告書虚偽記載事件のような手口を使って、ファミリーが財閥の支配権を維持し続けています。<中略>
 役所はもちろん、司法もほとんどのメディアまで財閥に取り込まれていて、10年間続いた左派政権でさえ、財閥の正常化に取り組みませんでした。

★日本企業を追い出す中国

 中国が日本人と日本企業を敵視し、追い出しも辞さない空気に変わったことに注目すべきです。これまで日本に言うことを聞かせるために、人質である日本企業を苛めてみせるというのが政府の作戦でした。ですから「イジメ」にも限界があった。
 でも、日本から資本や技術を貰う必要はなくなったと中国人は考えはじめました。資本は輸出するほどになりましたし、技術も退職者やネット経由で容易に盗める時代です。
 そして、中国に会社が育ったことが大きい。彼らにとって日本企業は邪魔者です。中国の政府よりも企業が熱心に日本叩きに乗り出すでしょう。

★「話せば分かる」は下策中の下策

 そもそも、下手に「尖閣」での話し合いに応じれば、中国の仕掛けたワナにはまってしまいます。日本人は話せば何らかの妥協ができると無意識に思っている。一方、中国は日本が話し合いに乗ったら、武力を使って「尖閣」を奪取する可能性が高い。
 なぜなら、話し合いに出た瞬間、中国は「日本が中国の領有権も潜在的に認めた」と見なし、軍事的力を行使しても世界から非難されなくなる、と考えるからです。

【感想など】

「韓国がアメリカから離れ、中国に従う」、長らくアメリカと同盟関係にあり、冷戦時代から自らを西側諸国の一員と信じて疑わない日本人には、同じくアメリカと同盟を結んでいる韓国がそのような動きをするなどとは信じられないでしょう。

ですが、これは日本人の勝手な思い込みでしかりません。
韓国は大陸国家なのです。

つねに強大な中国の歴代王朝が陸続きで隣国に存在し、冊封体制の中で生きてきた国なのです。
米韓同盟など、たかだか数十年の歴史しかありません。

中国が貧しかった時代ならいざ知らず、現代のように中国が経済的に成長し、逆にアメリカが疲弊して「世界の憲兵」の役割を果たすのに危うい状態になれば、またもとの冊封にもどるのは歴史的に必然でしょう。

韓国のこういった変わり身の早さをワタクシは責めるつもりはありません。
日本のように中国との間に海という天然の巨大な”堀”があるのならのほほんとしていられますが、陸続きですぐに攻め入られてしまう朝鮮半島の歴代王朝は、常に中国の顔色をうかがわなければならなかったのは仕方がないことですし、今後もそうして米中間をうまく渡って行こうとするはずです。

日本人だって尖閣問題で中国がいかに厄介な隣国であるか、ようやく分かってきたはずですし、そもそも日本は中国と国境を接していることに気がついたはずです。

本書を読んでまず思うのは、新しい東アジアの秩序を構築する時代に入ったということ。
そして、これから激動する可能性が高まっていること。

本書でも書かれていますが、韓国は中国と接近しアメリカから離れる、一方で朝鮮半島に影響力を持ち続けたいアメリカは北朝鮮に接近する可能性が出てきた。

そして日本は中国包囲網の一翼を担い、その責任は今後ますます増大することになるであろうということ。
ところがアメリカには往年の力はない。

となると日本はどういう方向に進んで行くのか。

これはワタクシの勝手な思い込みかもしれませんが、本書を読んできるうちに最近のニュースが、どんどんつながってきました。

なぜアメリカはアベノミクスに同意するのか。
なぜオバマ大統領はTPPで日本に譲歩するような約束をし、参加をうながしたのか。
なぜ日本は派生タイプに艦載機があるF-35の開発に参加するのか。
なぜ憲法改正なのか。
なぜ集団的自衛権議論が起こるのか。
なぜ政府は原子力発電の再稼働に執着するのか。

対中国、対朝鮮半島情勢と言うキーワードで考えると、すべて合点がいきます。

さて、最後に地政学的なお話を。

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これは日経BPアソシエの1月号に掲載されていた網野史観による南が上になった地図です。
司馬遼太郎さんの「坂野上の雲」を読まれた方ならおなじみだと思いますが、大陸から見れば朝鮮半島は日本への渡り廊下のような存在です。

日露戦争はこの渡り廊下をロシアが南下してきそうだったので勃発しました。

この半島には2つの国が現在存在しますが、もし2国とも、あるいは統一して、半島全体が中国の影響下に入ったらどうなるか。

歴史を見れば明らかでしょう。
日本は備えるべきです。

まずは本書を読み、東アジアの現状を知り、我々のとるべき進路について現実を見る。
見たくないものでも見なければならない時が来た、そう感じる1冊でした。

本書は日経BP社、田中様より献本していただきました。
ありがとうございました。

【関連書籍】

同著者の既刊本。

 

中国が韓国を買収韓中連合艦隊が津軽海峡に迫る―。日経新聞ベテラン記者が描く迫真の近未来小説。

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