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個人経営の志士となる【書評】谷本真由美(著)『日本に殺されず幸せに生きる方法』あさ出版

おはようございます、ヨーロッパなイタリアとイギリスに行ってみたい一龍(@ichiryuu)です。

さて今日は、谷本真由美さんの最新刊をご紹介。

『ノマドと社畜』で話題となった谷本さんですが、今回の内容もかなりエッジが立っています。

「日本に殺されず・・・」というタイトル、その真意やいかに。

 

【目次】
はじめに
第1章 人権侵害、人命軽視国家ニッポン
第2章 これからの日本を襲う「介護」の大問題
第3章 死にゆく日本、イタリア、スペイン
第4章 日本はまだ、本当の危機ではない
第5章 「不況先進国」イギリスに学べ!
第6章 今の日本で幸せに生きるために
おわりに

【ポイント&レバレッジメモ】

★「人気の会社は過労死企業」の現実

 日本の大学生に就職先として人気がある企業225社のうち、実に60.8%に当たる137社が「国の過労死基準を超える時間外労働を命じることができる労使協定を締結していることが、労働局に対する文書開示請求によって判明した」というのです。<中略>さらに、東証一部上場の売上げ上位100社(2011年決算期)のうち7割が、月80時間以上の残業を社員に認めていることが分かったと報道されています(2012年7月25日付け東京新聞)。<中略>
 つまり就職人気企業のほとんどが、社員が毎日夜遅くまで働くことを認めているというわけです。<中略>
 日本を代表するような企業に勤めている人でさえ、あまりに厳しい労働環境のため、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」は実現されていないのです。

★会社はそもそも「仕組み」でしかない

 大事なのは何をやるか、何をなすか、であり、「どの仕組みに属しているか」ではないのです。しかし、日本のおかしいところは「どの仕組みに所属しているか」を重要視し、それがまるでその人自身であるかのように思い込んでいる人が多いことなのです。
 「会社」を気にする人は一度「会社って一対何だっけ?」と考えてみると良いでしょう。自分がいかに馬鹿げたものにこだわっていたのかがよくわかります。あんなものは、単に給料を稼ぐための「仕組み」なだけで、自分が人生を賭ける場所でも、友達を作る場所でも。帰属意識を確認する場所でもないのです。
 「会社のために働く」とか言うのは日本人だけです。

★「医療が成長産業」の真っ赤なウソ

 高齢者に医療サービスを提供しても、確かに高齢者は健康にはなりますが、働いている人たちではないので、健康になって何かを生み出してくれるわけではありません。
 高齢者のためにお金をいくら使っても、その使ったお金が戻ってきたり、大きく増えることはないのです。これはつまり、「現状では医療にいくらお金を費やしても成長することはない」ということです。
 介護に関しても同じことです。介護は病氣であったり、体が不自由なお年寄りの世話をするサービスで、新しいサービスや商品を生み出す活動ではありません。
 さらに、いくら介護をしても、お年寄りは現役世代ではありませんので、労働力とはなり得ません。何かを生み出す活動ではないのに、「成長産業」と言われているのです。

★経済が下降中の国には、共通点があった!

 まずその原因の1つは「透明性のなさ」です。透明性とは、条約、法律、プロセス、ルール、手続きなどが明確で、公式なものとして使用されること。一部の人やグループだけではなく、広く一般に知られており、様々な人がそれらの公開されているプロセスや法律などを使用して、公正な条件で希望することを実現できること、です。
 もっと簡単に言うと「明確で、正しく、公式で、簡単に認識できて、広く受け入れられている習慣」であり、逆に言うとこれらが欠けていると「透明性がない」のです。

★日本にはまだまだ余力がある

 (エコノミスト誌によると)2001年から2010年のあいだ、日本はアメリカと同程度に成長し、人口1人当たりのGDPに関してはアメリカを超えているのです。<中略>
 日本の問題は、有権者の多くを高齢者が占めていることだとしています。高齢者の多くは、税金を払うよりも子どもにお金を直接渡したいと考えており、社会保障のカットや高齢者に課税するような施策は実施しにくいことが理由です。
 また、政治家や官僚自身の多くが中年以上であり、自分たちに不利な政策は実施しないという点があると指摘しています。
 つまり、日本にはまだまだ余力があり経済も思ったほど悪くはないが、人口の高齢化と、官僚制度、高齢者が多く保守的な有権者が改革の足を引っ張っているということなのです。

★「いまだに80年代な働き方」を見直す時期

 今の時代に重要なのは、ものの量や値段ではなく質であり、物理的な「物」ではなく、「考え方」やその考え方の「ユニークさ」なのです。特に資源に恵まれておらず、人件費は新興国に比べたらうんと高い日本が勝負していかなければならないのは、「考え方」や「ユニークさ」など、形のない物なのです。
 同じような考え方をする人々が、同じ服を来て、同じマナーで一斉に工場のラインでせっせと物をつくる、というやり方は、今の日本に求められていることではありません。
 日本に必要なのは、違うもの、違う考え方、ユニークなやり方を生み出すような人たちを支援して成果に結びつける働き方なのです。

★持つべきものは「汎用性の高いスキル」

 現在務めている会社内の人脈や社会知識がたくさんあっても、外に放り出されたときに食べていける保証はありません。<中略>会社の外でも通用する技能なりスキルなど「汎用性の高い能力」を普段から磨いておかなければなりません。<中略>
 そのようなスキルをどうやって磨けばよいかというと、やはり普段から、会社の外で様々なことをやり、実務で磨くのが一番なのです。
 一番よいのが、副業をしてお金を稼ぐことです。お金を稼ぐとなると真剣に活動しなければなりませんので、スキルは嫌でも身につきます。ダメならお金を得ることができないのですから。

【感想など】
ワタクシはバブル世代。
「勉強して、いい大学に入って、いい会社に入れば一生安泰」という価値観が骨の髄まで染み込んで成長した世代です。

もちろん、労働にたいする考え方は「80年代」がベース。
一生懸命働いて、会社や組織に貢献することがあたりまえという考え方。

なので、頭ではもうそんな価値観や働き方が通用しない時代だというのは分かっていながらも、本書の内容はあらためて衝撃的でした。

冒頭の、”過労死””長時間労働”そして世代的にそろそろ気になりつつある”親の介護”。

これは働き方や労働に対する価値観を今すぐ根本的に変えないとえらいことになるなと、本書を読んでガツンとやられました。
このまま行くと、親の介護で生活が破綻する上に、自分の健康も危ないぞと。

ちなみに、先日、父親がちょっとした手術を受けるというので介護休暇を取って付き添いにいきました。
うちの職場は割と恵まれていて介護のための休暇が取れるのですが、それでも年間5日間。

本格的に親が要介護となったらすぐに消化してしまうでしょう。

おそらく、福利厚生の充実した会社でも似たような実情ではないでしょうか。

ここは根本的に働き方を見直すしかありません。

ではどう働くか?
本書で著者はサッチャー以後のイギリスに答えを求めています。

本書でも触れていますが、サッチャーさんの改革には今でも賛否両論あります。
行き過ぎた保護は規制に繋がり、自由な経済活動を削いでいてきます。
でも、行き過ぎた実力主義もどうかと思います。

『日本でいちばん大切にしたい会社』に登場するような、「社員は家族」的なかつての日本の企業経営が日本には向いているのではないかと思っているワタクシには、”仕事は契約”という非常にドライな労使関係というのはどうも好きにはなれません。

日本には日本独自の労働環境や労使スタイル、労働に対する価値観があっていいと思っています。

ただ、労働者として「仕事は自分と家族のため」と割り切った”覚悟”だけは、これからの労働者に必要なんだろうと思います。

それこそが変化の基盤だからです。

それと関連して、副業の経験には大賛成。
本業の仕事を20年ほど続けていますが、このブログを始めたのをきっかけに本業では「全然スキルが広がっていない」ことに気づきました。

このブログは収入を考えた場合は大赤字ですが、本業を何年やっていても知り合えなかった人と繋がったり、お小遣いでは買えないたくさんの本を献本していただけたりと、得るものがたくさんありました。

「残業続きで副業なんてする余裕がない」とおっしゃる方が大勢おいでることと思いますが、まずはプライベートな時間を確保するところから始めてみてはいかがでしょう。

その時間で経験できることがマネタライズできるかどうかは別にして、行動することで人生になんらかの変化をもたらすことになると思いますよ。

それが思わぬ方向に発展するかもしれません。

最近、安倍総理の改革の方向を見ていると、どうも近い将来、日本も労働市場の流動性が高まりそうな気がします。

クビ!はい次の仕事。
そんな時代が来そうです。

それに備えるためにまず会社の外に目を向ける。
たとえクビにならなくてもいいじゃないですか、それで人生がより楽しくなるなら。

僕らはもう主君に仕える忠義の武士であり続ける必要はありません。
いつ脱藩し浪士となっても、志士として活動できる準備をしておきましょう。

そのヒントがこの本にあります。

本書はあさ出版編集者の吉田様より献本していただきました。
ありがとうございました。

【関連書籍】

同著者の既刊本

 

国連職員などとして数カ国で働いてきた著者(現ロンドン在住)が、日本で流行るノマド論のおかしさを一刀両断。組織に寄りかからず自立した働き方が必要となる日本の未来を担う人たちのために、本当に有益なアドバイスを贈る。

 

「日本が世界で尊敬されてるってのは嘘」「日本人が勤勉で責任感があるというのも大嘘」「何か考えを突き詰めて議論するよりも、『空気』に合わせることの方が重要」「不幸の押し付け合い」―それが、今の日本。「クレクレ病、何でも人のせい、傲慢で怠け者」―世界は今のJapanをこう見ている。日本生まれでロンドン在住、元国連職員の「ツイッター芸人」あのMay_Roma、初の完全書下ろし。

本書内でサッチャー改革を象徴する映画として紹介されているのがこちら

 

1984年のイングランド北東部の炭鉱町。母親を亡くしたばかりの11歳の少年ビリーは、炭鉱労働者の父の命令でボクシングを習っていたが、その練習場の隣でバレエ教室が開かれたことから、たちまちクラシックバレエに魅せられてしまう。バレエ・ダンサーに憧れる少年の成長を描き、日本でも今年ロングラン・ヒットとなった微笑ましいヒューマン感動作。

【管理人の独り言】

イタリアやスペイン、それにイギリスもいずれ行ってみたい、というより短期でもいいから住んでみたいと思っていましたが、本書を読んで『やっぱり日本でいるのがいいや』と思ってしまったワタクシは日本の井の中に居続けるのだろうなぁ。

いやいや、何歳になっても進取の気性をなくしてなるものか!

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