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仕事はたのしむもの【書評】梶山 寿子(著)『35歳までに知っておきたい最幸の働き方』(Discover21)

日本は今、これまでの歴史上なかった大きな大きな変化の時代に入りました。
かつて、日本の変化の時期には必ずモデルがありました。

明治維新の時にはイギリス、終戦の時にはアメリカといった目標になる国があったのです。
しかし今は目指す目標がありません。

そんな標なき変革の時代に、「新しい働き方」「幸せな生き方」を指し示すのが本書です。

 

【目次】
序章 「仕事の幸福」を手に入れるために
1章 経済と社会の新ルールとは?
2章 本気で仕事をたのしむ
3章 得意なことをやればいい
4章 「組織人間」を卒業する
5章 他人のためにバカになろう
あとがき

【ポイント&レバレッジメモ】

★”リセット”がもたらす4つの変化

 大規模なリセットによって、仕事を取り巻く環境はどう変わるのか。キーワードとして浮かぶのは次の4つです。
 1 成長神話の崩壊
 2シェア経済の広がり
 3 クリエイティブ資本の台頭
 4 管理型マネジメントからの脱却

 これらが複合的に影響して、私たちの仕事や働き方に革命的な変化をもたらす。旧世代の価値観では「馬鹿じゃないか」と思われるような常識はずれ、型破りな生き方にこそ、これからの時代の幸福のヒントがあるのです。

★短くなる企業の寿命

 企業の寿命(繁栄を謳歌できる期間)もさらに短くなるでしょう。
 80年代には「会社の樹目用は30年」という説が社会に衝撃を与えましたが、最近では「日本企業で約7年」という説もあるほど。<中略>

 日本では、就”職”ではなく、就”社”だといわれますが、この際、就社という意識はすっぱり捨てて、自分の職種やスキルを重視するべき。
 やりがいのある仕事とそれなりの給料を確保するには、プロフェッショナルとしての自分の価値を高めるしかないのです。

★ワーク・ライフ・バランスはもう古い

・「仕事はつらいもの」→「仕事はたのしむもの」
・「言われたことを器用にこなす」→「得意なことに専念する」
・「大企業での長期安定雇用」→「フリーエージェントも視野に自律」
・「出世やお金のために働く」→「人のため、社会のために働く」
小賢しいことは考えず、多少の回り道も気にしない。
思いっきり仕事をたのしんで、生き生きと輝く。
お金持ちであろうとなかろうと、「一番の娯楽は仕事だ」と笑顔で言い切れる人が”人生の勝ち組”になるということです。

★夢中になるから成果が出せる

 仕事をたのしむことが成果を生むのです。
 「たのしむ」という言葉に違和感を覚えるかもしれませんが、本来、仕事とは楽しいもの。夢中になれる仕事を持っている人は間違いなく幸せです。<中略>
 ”公私混同”で仕事をおもしろがっている人には底力がある。働く理由、やる気の源は自分の内側にあるので、迷いも少ないのです。

 

★統一規格から脱する

 21世紀になっても、相変わらず出る杭は打たれ、小学生までが「空気を読む」ありさまですが、これから来る「クリエイティブの時代」には、みんなMサイズの”統一規格”から脱して、人と違う部分、自分にしかないものをアピールしなくてはならない。
 プチサイズ、トールサイズ、3Lサイズだって、「みんなちがって、みんないい」。
 「~らしくなければ」「~あらねばならない」と型にはめるのではなく、各々の独自性や独創性を許容したいもの。
 日本が競争力を維持するためにも、たとえ周囲から浮いていても、それをプラスとして受けとめる懐の深さが社会に求められているのです。

★転職に近道はない

 最近は「やりたいことをやりなさい」という大人の言葉やビジネス書の煽り文句に踊らされて、「転職探し」というなの「自分探し」に必死になっている若い人が多いように思います。
 でも、そうやって頭で考えているうちは、転職なんて見つからない。早々に「自分の転職はイラストレーターだ」などと決め込んで、ゴールめがけて一直線に進もうとしても、計画どおりに物事は運ばないのです。
 寄り道や回り道をしながら、与えられた目の前の仕事を必死でこなすうちに、自分の「得意なこと」がわかり、進むべき道が見えてくる。「得意なこと」なら成果も上がり、周囲からも評価される。だから、どんどん面白くなるのです。

★働き方を自由に選択できる社会へ

 「サラリーマンの給料は”宮仕え”を強いられる拘束料だ」というのは「居酒屋の愚痴」の定番ですが、クリエイティブの時代になれば、拘束すること、規律で縛ることの意義は薄れる。既成概念を打ち破るようなイノベーションを生み出すには「~しなければならない」と型にはめるのは逆効果だからです。

 正社員だから高い給料をもらうのではなく、イノベーション創出に貢献できる、会社にとって貴重な人材だから給料を払う。
 この考え方を突き詰めれば、いつどこで仕事をするかはそれほど問題にならないはずです。

★みんなの幸せを考えることが成功をもたらす

 これまでの成功とは「お金や地位を得ること」でした。
 ですが、利他の心や相互扶助の精神が復活すれば、成功の概念も変わる。
 人のために働き、その”報酬”としてたくさんの信頼や信用を頂いて幸せになる。そんな心の満足、魂の贅沢を”成功”と呼ぶ日が来ると思うのです。
 つまり、自分の利益ではなく、みんなの利益やみんなの幸せを考えることが、信頼や信用を生み、企業や個人に成功をもたらす。
 見返りを求めず、相手を幸せにすれば、巡り巡って自分も幸せになるということ。
 人から求められ、信頼されることが、充実した人生や至福の時間を与えてくれる。
 心の贅沢に勝るものはありません。

【感想など】
本書のような内容の本が共感を呼ぶ時代になるとは・・・。

バブル以前にこの本が出ていたら、おそらく「いいこと書いてるね」だけで、あとは鼻で笑われるだけだったでしょう。

あれから20年。

厳しい時代があまりに長く続きましたが、けっしてムダではなかったのでしょう。
我々の価値観を変えさせるには、これだけの厳しさと時間が必要だったのだと思います。

そして、だめ押しだったのが昨年の震災。
人間にとって本当に大切なもの気づかせ、世の中の価値観の変化、パラダイムシフトのスピードと方向性を一気に決定づけたと思います。

ワタクシ思うのですが、本書に書かれている新しい価値観は、実は全然新しくありません。

お金だけが仕事の目的じゃないとか、
好きなこと、得意なことを極めようとか
利他の精神が大切だとか、

一つ一つはどれも、これまで繰り返し繰り返し論じられてきたものばかりです。

でも、今までは「利益よりも先に世のため人のため」とか「組織に属せず自分の夢を追う」という生き方をすると「バカじゃないの?」と思われるのがオチでした。

特に、バブルで日本中が浮かれた頃や、ヒルズ族や勝ち組なんて言葉が流行った時期にこんな価値観に従って生きることは、「立派な人ですね」と言われつつも、同時に”禁欲主義の苦行僧”の様に奇異な目で見られたことでしょう。

それが、昨年の震災で状況は一変。

しかも価値観の変化に時期をあわせるように、日本でもフリーエージェントといった雇用形態が市民権を得始め、個人の活動を支えるSNSの普及といったインフラの整備等々、パラダイムシフトのスピードが本格的に上がってきたように思います。

明らかに、ある一つの方向へ歴史は動いていると。

20世紀までの資本主義とはちがう、労働者と消費者を大切にする、企業や産業が世の中に貢献する、利他の精神が利益を生む、真の資本主義の時代に入りかけているんだと。

こういう本を読むとワクワクしてしまいます。

ただ一つだけ

「日本はもう経済成長できない」という考えをベースに、「物質ではなく心の豊かさを求めましょう」という”足るを知る”テイストの幸福論が最近多く見受けられます。

しかしワタクシは、この考えはいかがなものかと思います。

なぜなら、日本の使命は、世界の中で”清貧”のお手本になることではない。

一人ひとりがクリエイティブで付加価値の高い仕事をたのしんで行うことで、21世紀型の経済発展を世界のどの国よりもいち早く実現して見せることこそ日本の使命なのではないでしょうか。

本書で説く価値観が広く普及し、そういった企業や個人がしっかりお金でも評価される社会。

精神的にも物質的にも幸せで豊かな社会。

これこそが日本が目指す社会モデル、「最大幸福社会」とするべきでしょう。

そこへ到達するためには、本書に書かれている働き方や価値観がキーポイントとなると思います。
標なき変革の時代に、本書が示す「新しい働き方」「幸せな生き方」が私たちの標となるでしょう。

新しい働き方と仕事に対する考え方が、日本をさらに経済成長させ、物心ともに豊かで幸せな国となることを願っています。

本書はDiscover21社の大竹様より献本していただきました。
ありがとうございました。

【関連書籍】

<著者の本>

 

「“問診”で問題の核心に迫る」(佐藤可士和)、「自分がわからなくても信じて任せる」(亀山千広)、「1,000万人の大衆の代弁者になる」(五味一男)―。今、求められているのは、柔軟な発想で企画を立案し、巧みなコミュニケーションでプロジェクトを引っ張る能力だ。日本を代表する旬のプロデューサー9人を取り上げ、その企画力や統率力の秘密を明らかにする。

<本書内で引用・紹介されている本>

 

全米が泣いた実話のベストセラー。生まれながらのエリートに突然訪れた人生の急降下。偶然働くことになったニューヨークの片隅のスターバックス。そこで出会った、素晴らしい人々と仕事。想像を絶する下降人生の先で、ついに見つけた人生の真の豊かさと、働くことの素晴らしさは、日本人が忘れかけた「大事なもの」。

 

本書では、不況下でくすぶっていたイノベーションが実用化されるにつれ、インフラが整備されて新しいライフスタイルが生まれ、それにともなう人の移動が都市を生成・改変して繁栄を築いていくしくみを豊富な事例から解き明かし、都市にとって何がうまくいき何がうまくいかないのかを見極める。また、開放性と自由を求める「クリエイティブ・クラス」をひきつける必要性を説きつつ、同時に、ブルーカラーや就労人口の大半を占めるサービス業の仕事を魅力的でよりクリエイティブなものにする必要性をも力説する。世界が注目する都市経済学者による刺激的な社会・経済再生論。

 

帝国化・金融化・二極化する世界、一国単位ではもう何も見えない。1995年を境に、大航海時代にも匹敵する「世界経済システムの変革」が始まった。第一級のエコノミストが明らかにする、グローバル経済の驚くべき姿。

 

車や自転車、工具のシェアからモノのリサイクル、リユース、そして、お金や空間やスキルのシェアまで、インターネットとソーシャルネットワークによって今、かつてない多様なシェアビジネスが始まっている。大規模なコラボレーションとコミュニティが生みだすフェイスブック時代の新しい〈シェアリング・エコノミー〉が、21世紀の社会と経済のルールを変えていく!

 

21世紀にまともな給料をもらって、良い生活をしようと思った時に何をしなければならないか―この「100万ドルの価値がある質問」に初めて真っ正面から答えを示した、アメリカの大ベストセラー。

 

リストラやリエンジニアリングでは、21世紀の競争に勝ち残れない。10年後の顧客や業界の姿をイメージし、自社ならではの「中核企業力」(コア・コンピタンス)を強化して未来市場の主導権を握れ!日米で話題を独占したベストセラー、待望の文庫化。

 

20世紀型のマネジメントは時代遅れだ。従業員すべてが自発的に働き、創造性を発揮し、夢や情熱を実現させることができるマネジメントを目指すべきだ。それを実現している企業を紹介し、未来の経営を大胆に提示する。

 

実際、戦後の高度経済成長期からバブル崩壊まで、私たちの幸福とは、「物質的豊かさと幸福は関係ない」と頭ではわかりつつも、モノを買い続けることであった。しかし、社会の成熟と経済不安の両面から、今ようやく「物質的豊かさ」を超える幸福の物語の兆しが見えている。新しい幸福をもたらす消費行動が始まっている。わたしたちが、幸福のために、モノに代わって求めているものとは!?

 

フリーエージェントというと、プロ野球でお馴染みだが、米国では企業社会でも一般的になってきた。1つの企業に所属するのを嫌い、企業と自由に契約を結ぶ人のことだ。既に就業者の4人に1人の割合に達するという。彼らの多くは、情報技術(IT)を駆使して同時に数社の仕事をこなす。
 終身雇用で社員を雇うのは企業にとってリスクだが、逆に1つの会社に自分の人生を捧げるのは個人にとってもリスクである。とりわけ企業の平均寿命が短くなっている状況では、いくつもの企業と契約を結ぶリスクヘッジが不可欠と著者は書く。日本の多くの企業が「終身雇用」の暖簾を下ろし大幅な人員削減を厭わなくなった中で、日本でもフリーエージェント社会の到来は間近なのかもしれない。

 

仕事は本来、楽しいもの。やる気が出ない責任は、職場にも「あなた」にもある。「タコツボ」から抜け出したいけど抜け出せない人への処方箋。時代は今、忙しく働きすぎるバーンアウト(=燃え尽き症候群)から、会社にいても、やる気も仕事もないボーアウト(=社内ニート症候群)へ。

 

なぜこの会社には、4000人もの学生が入社を希望するのか?なぜこの会社は、48年間も増収増益を続けられたのか?なぜこの会社の話を聞いて、人は涙を流すのか?6000社のフィールドワークで見出した「日本一」価値ある企業。

 

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