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志を旅せよ!【書評】佐々木常夫(著)『これからのリーダーに贈る17の言葉』( WAVE出版)

ベストセラービジネス書作家、佐々木常夫氏の新刊です。
今回はリーダー論。

17の珠玉の言葉たちに出会えたあなたは幸せです。
それはリーダーにとって真に大切なものに気がつかせてくれるからです。

 

【目次】

第1章 自分自身のリーダーであれ
第2章 自分の頭で考え抜く
第3章 本物の自信を持つ
第4章 「志」を旅せよ

【ポイント&レバレッジメモ】

★己のなかに、熱意を抱け

 本来、人を動かすのに「武器」は必要ない。
 いや、そもそも「人を動かす」という発想自体が、リーダーシップの本質からはずれているのかもしれない。
 大切なのは、己のなかに「自分の志をなんとしても実現したい」というピュアな思いがあるかどうかなのだ。
 そして、つらくても、苦しくても、その思いをとげるために自らを、その志に向けてリードし続けることができるかどうかなのだ。
 その思いが本物であれば、きっと周りの人は動き出す。
 そのとき、私たちは初めてリーダーシップを発揮することができるのだ。

★上を見て生きろ。下を見て暮らせ。

 上を見て生きろ、下を見て暮らせ―――。
 これは、私が大切にしている言葉である。
 「上を見て生きる」とは、志に従って生きるということであり、「下を見て暮らせ」とは、目の前の仕事で一つひとつ結果を出すことによって足下を固めていくということである。
 志に価値が生まれるのは、なんとしてもそれを実現しようと全力を尽くすときである。たとえ、失敗してもあきらめずにやり抜こうとする姿にこそ人は共感を寄せるのだ。だからとことん結果にこだわらなければならない。
 そのような姿勢こそが、リーダーシップを磨き上げるのだ。

★「志」をもつとは、言葉をもつことである。

 リーダーにとって、言葉はきわめて大切なものだ。
 大げさにいえば、「命」のようなものだ。
 どんなに立派な「志」をもっていても、それが相手に伝わらなければ、その「志」は存在しないに等しい。そして、「志」が伝わらなければ人はついてきてくれない。
 だから、自分の言葉を磨き上げなければならない。
 そのためには、自分の考えや思いを書くことだ。
 書くことによって、自分のなかの矛盾や相克を知ることができる。そして、それを乗り越えるために考えつくすのだ。
 そうすれば、いつか必ず自分の言葉がもてるようになる。それは、自分を確立することに等しいのだ。

★異質な者を尊重せよ。そして、あえて批判を求めよ。

 私たちは肝に命じなければならない。
 異質な者を尊重せよ。
 あえて批判を求めよ。
 そういう生き方こそが、ダイバーシティを生み出すのだ。
 そして、自らを過ちから遠ざけることができるのだ。

★すべての人を活かせ。

 そして、”落ちこぼれ”の2割を育てようとするリーダーのいる場所は、おしなべて士気が高い。
 なぜか?
 「このリーダーは、われわれを育てようとしている。そして、何があっても自分たちを見捨てない」
 そういう信頼感をメンバー全員が共有するからだ。
 そして、メンバー同士で競争するのではなく、お互いに支え合って職場全体で成果を勝ち取ろうという気運が生まれる。これこそ、孟子のいう「人の和」なのだ。
 だから、私は断言したい。
 すべての人を生かす―――。
 これこそ、リーダーの基本なのだ。

★リーダーシップとは、高め合うものである。

 人生とは「学び」そのものである―――。
 私たちは、「学び」を求めて学問に向き合い、恩師と出会い、書物をひもとく。それは、人生を深めるために欠かせないことではある。
 しかし、実は、もっと深い気づきを与えてくれるのは、日ごろそばにいて、あたり前のように接している人々なのかもしれない。<中略>
 首相であれ、社長であれ、課長であれ、新入社員であれ、フリーターであれ、主婦であれ、高齢者であれ、全体のために、社会のために貢献しようというリーダーシップに上も下もない。すべて、対等な関係にあるのだ。
 そして、お互いのリーダーシップを尊重し合い、高め合うことによって、社会や組織の力は最大化されていくのだ。

【感想など】
いまや押しも押されぬビジネス書ベストセラー作家の佐々木常夫氏の最新刊です。

ワタクシにとってはこの本

が佐々木本との最初の出会いだったのですが、公私ともに大変な経験をされ、その経験から投げかけてくれる佐々木氏の言葉が非常に心地よく、初めて読んですぐにファンになってしまいました。

厳しさを含んだ優しい語り口が心に染み入る独特の佐々木節で、若手ビジネスパーソンに示唆に富む教えを垂れることのできる、現在のビジネス書界では貴重な存在となっています。

さて、本書は表題からもわかるように”リーダー本”です。
そして、贈られるのは17の言葉。

17です。

これまでの前述の著書やコチラの本

からすると、少なく感じますよね。

これをどうとるか? 
ワタクシはこの”少なさ”に意義があると思いました。

古今、リーダーには色々なタイプがいて、組織や時代や地域性によっても適したリーダーは様々だと思います。
また、リーダーに求められる技量・テクニックも多岐にわたります。
つまり、組織の数だけリーダーの種類はあって、リーダーとはこういうものであるという正解はないのではないかと思うのです。

技量・テクニックなどは枝葉の部分。
一番大切なのは、芯の部分。

佐々木氏も

結局のところ、リーダーシップとは「生き方」そのものである

と言っているように、リーダーシップとはどんな「生き方」をするかという過程のなかで徐々に身につき発揮できるようになるもの。

だから、本書は枝葉ではなく、芯、あるいは軸と言ってもいいと思いますが、そこに焦点を当てた本。
従って、非常にシンプル。

あまりにシンプルすぎて、読者はもしかすると「そんなことはもうわかっている」とか「えっ、これだけ?」と拍子抜けするかもしれません。

しかし、そういった読者にワタクシは訊いてみたいのです。
「あなた志をもっていますか?」と。

おそらく有史以来、人類は様々なリーダー論やリーダー像を語ってきたと思いますが、本書で語られる17の言葉は、リーダーとはどうあるべきかを究極に濃縮した言葉なのだと思います。

そして、この17の言葉はどんな時代、どんな組織にも通じるものだという点で非常に価値があるものだとも思うのです。

と、いうのも、時代は動いています。
しかも加速しています。

佐々木氏は東レを約40年勤め上げた方。
しかし、当ブログの読者の皆さんは、もはや同じ会社で定年まで働ける時代ではないことを肌で感じているはずです。

フリーエージェントという言葉がよく聞かれるようになりました。
会社という器の形がごく近い将来、大きく変容するのではないかとワタクシも感じています。

そうなると、課長や部長という役職でリーダーシップを発揮するステージもなくなることでしょう。

しかし、そういう社会になればなるほど、増々リーダーシップは必要になるのではないでしょうか。

「リーダー不在」を嘆く論調にはくみしない。
 なぜなら、リーダーシップとは、権力者や組織のトップにのみ存在するものではないからだ。本来、リーダーシップの有無は、権力の有無とは無関係であり、私たち一人ひとりが、その”持ち場”において発揮するものだと私は考えているのだ。

この考えに全く同感で、プロジェクトごとに集まったチームで、やはりリーダーシップは必要となるのです。

ただ、困るのは会社という組織でリーダーとしての訓練を積む機会がなくなったり、間近にお手本となるリーダーがいなくて学べないという状況になる可能性があることです。

そういう時代になったとき、本書は今以上に価値をもつのかもしれません。
それは、ここに書かれているのが、いつの時代でも、どんな組織でも通用するリーダー論だからです。

最後に、

今後どんな時代になるのかわかりませんが、会社組織で生きようとも、個人の力量で生きようとも、

自分自身が「自分のリーダー」として生きる

ことにこだわっていきたいと思います。

表題のとおり、「これからのリーダーに」必読必携の名著。

本書はWAVE出版、渡辺様より献本していただきました。
ありがとうございました。

【関連書籍】
<著者の本>

 

苦しいときも“家族の絆”と“仕事”で乗り越えた男のドラマ―入院43回、繰り返す自殺未遂、6度の転勤、単身赴任、激務、そして…。次々におこる家族と仕事の大波乱。何がいけなかったわけではない。ただ、目の前の問題を元気に解決していくしかなかったという著者から学ぶサラリーマン一家の大樹(ビッグツリー)論。

<本書内で紹介・引用されている本>

 

なぜこの会社には、4000人もの学生が入社を希望するのか?なぜこの会社は、48年間も増収増益を続けられたのか?なぜこの会社の話を聞いて、人は涙を流すのか?6000社のフィールドワークで見出した「日本一」価値ある企業。

 

「個人は質素に社会は豊かに」をモットーに、「メザシと行革」で国民に親しまれた土光さんは日本的経営哲学を自ら体現した清廉なる経済人であった。本書は土光さんが石川島播磨重工業、東芝社長、経団連会長、臨時行政改革推進審議会会長などを務めた折の言行を収録、全ビジネスマンに贈る言葉となっている。

 

戦後復興に全力を尽くし、高度経済成長を駆け抜け、晩年は国家再建に命を燃やした。私生活では贅沢を嫌い、社長時代も生活費は月3万円。今こそ「メザシの土光さん」の話を聞こう。

 

これは、当事者が語る稀有な復活劇であり、危機管理のユニークなケーススタディーであり、同時にコンピュータ業界とそのリーダーシップの原則に関する、思慮深い回想録でもある。『Who Says Elephants Can’t Dance』は、ガースナーのビジネス界における歴史的な偉業をまとめたものなのだ。読者をIBMの最高経営責任者(CEO)の世界に引きずり込むガースナーは、経営陣の会議を詳しく振り返り、プレッシャーに満ちた、後に引くことを許されない決断について説き明かしている。さらに、彼が苦労して得た結論、つまり偉大な会社を経営するために最も重要な要素とは何か、という点についても教えてくれる。

 

「儲からない」といわれた個人宅配の市場を切り開き、「宅急便」によって人々の生活の常識を変えた男、小倉昌男。本書は、ヤマト運輸の元社長である小倉が書き下ろした、経営のケーススタディーである。

 

日本実業界の父が、生涯を通じて貫いた経営哲学とはなにか。「利潤と道徳を調和させる」という、経済人がなすべき道を示した『論語と算盤』は、すべての日本人が帰るべき原点である。明治期に資本主義の本質を見抜き、約四百七十社もの会社設立を成功させた彼の言葉は、指針の失われた現代にこそ響く。経営、労働、人材育成の核心をつく経営哲学は色あせず、未来を生きる知恵に満ちている。

 

汗を出せ、智恵を出せ、もっと働け!
4000億円の不良資産を一括処理した翌年に史上最高益を出して世間を瞠目させた伊藤忠商事の経営トップが、人生と経営の指針を語る。

 

「落ちこぼれ」と言われ傍流を歩んできた三男坊が運命のいたずらで社長就任。「独裁者」「バカ殿」と呼ばれながらも自らを信じ進めタ世界企業タケダへの改革。その半世紀を抱腹絶倒のエピソードとともに語る。

 

「クロネコヤマトの宅急便」を生み出して日本人の生活スタイルを変え、ヤマト運輸をトップ企業に育て上げた小倉昌男。経営から退いた現在は、私財を投じて障害者福祉に情熱を燃やす。「官僚と闘う男」の異名をとった硬骨の経営者が、その生きざまと哲学を語る。

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