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「大公開時代」の幕開け【書評】ゲイリー・ヴェイナチャック(著)『ザ・サンキュー・マーケティング』( 実業之日本社)

すごい時代になったもんだ。
ソーシャルメディアの普及は、商売の形を根本的に変えてしまった。

と、思っていたのですが、ちがうちがう。
商売の基本はむしろ本質に回帰していたんですね。

 

【目次】

解説■本当の意味でのワントゥワンマーケティングが実現する(金森重樹)
はじめに
第1部 サンキュー・マーケティング=ビジネスの原点!
第2部 サンキュー・マーケティングで勝利する方法
第3部 サンキュー・マーケティグの成功例
巻末付録 サンキュー・マーケティングの実践に役立つヒント

【ポイント&レバレッジメモ】
★一人ひとりの顧客と一対一の関係を築く

 ソーシャルメディアの登場で消費者は友達や家族と付き合うのと同じように、企業とつき合うことができるようになった。
 新しい技術をいち早く利用し始めた人たちは、企業といつでも対話できるというチャンスに飛びつき、やがてそれに関心を持つ人がドンドン増えて、その後を追っている。<中略>
 今だけではなく将来にわたって市場で影響力を持つには、企業ブランドはソーシャルメディアを正しく適切に利用して、一人ひとりの顧客と―――顧客基盤がどんなに大きくても―――一対一の関係を築くことがなんとしても必要なのだ。

★「サンキュー・マーケティング」を実践する企業のみ生き残る

 ソーシャルメディアを利用する企業のトップは基本的に、小さな町の商店主のような考え方をしなければならない。
 商売を長期的にとらえ、短期的な評価基準は使わない。個性を発揮し、情熱や気持ちを表すことをどの社員にも認める。お客一人ひとりを世界一大切なお客さまのように扱って口コミで評判が広まるよう奮闘する。要するに、曾おじいちゃん世代が当然と考えてビジネスに取り入れていた理念や手法を学んで、採用するわけだ。
 僕たちは「サンキュー・マーケティング」という名前がぴったりの世界に生きている。そこでは、古い時代と同じように顧客への心遣い、しかも本物の心遣いのできる企業だけが競争に勝つというチャンスがあるのだ。

★僕が声を大にして伝えたいこと

 サンキュー・マーケティングで成功するということは、親切にしてあたり障りなくものを売るということではない。それなら誰にだってできる。
 あなたがお客を大切に思い、あなたが提供する商品に満足してもらえるかどうかを気にかけているということを、あらゆる機会をとらえて、印象深く、あなたらしく示す、それがサンキュー・マーケティングでの成功なのだ。

★勝敗のカギは絆の強さ

 いつかCEOになりたいと考えている人は、絶対にこの列車に乗らなければならない。会社の文化を大きく変え、しかもきちんとやるつもりなら、かなりの時間を技術が必要だ。<中略>
 あなたの言うことを人がどれくらい気にかけているかは、フォロワーの数とかそれに類するものの数ではなく、あなたとフォロワーとの絆の強さによって決まる。このゲームでは、本当の人間関係を一番たくさん築いた人が勝者なのだ。

★社内にもサンキュー・マーケティングを適用する

 福利厚生が充実している会社にいる社員は、辞めるとき強く逡巡するだろう。でも、社員を本当に満足させ、この職場でずっと働こうと思わせるのは二つしかない。
 一つは、自由裁量での仕事が認められること。もう一つは、自分の個人的な欲求が満たされたと思えること。
 ただし、そう思えることはほとんどない。これを実現するには、企業のトップは、顧客に対して一人一人にあったサービスを提供するように、社員に対しても一人ひとりにあったマネジメントをしなければならない。すごく面倒そうに思えるかもしれないけれど、ごくシンプルな話だ。サンキュー・マーケティングの原則を社外だけでなく社内でも適用すれば、それでいいのだ。

★ネット上に存在しない人ともつながるために

 僕は自分のブランドを築くのにほぼ100%ソーシャルメディアを使い、伝統的メディアは100年以上前の早馬便みたいなものだと考えている。そんな僕が、ソーシャルメディアを使ったブランドの構築について書いた本を、伝統的メディアを利用して宣伝した理由、それは、できるだけ多くの人に話しかけたかったからだ。
 ネットなら膨大な数の人たちとつながることができる。一方、まだネット上に存在しない人もいる。そういう人たちも僕には大切だ。<中略>
 マーケティングをソーシャルメディア一本でやっていける企業もあるだろう。ソーシャルメディアはどんな会社にも間違いなく成果をもたらしてくれる。
 でもソーシャルメディアだけを使う企業は伝統的メディアの可能性を確かめず、損をしている。両方のプラットフォームを、それぞれの可能性を最大限生かしながら補完的に活用すると、素晴らしいマーケティングを展開できるはずだ。

【感想など】
スマホの普及との相乗効果で、2008年頃から日本でも本格的にTwitterが流行だしたと思ったら、気がついたらFacebookだ、Google+だ、いややっぱりmixiだと、雨後の筍のような乱戦模様となっているのがSNS。

そして、流行物に敏感な出版業界からは、SNSをビジネスに結びつける内容の本が出版ラッシュとなっっております。
その多くが、SNSのいい面ばかりを強調しているのは仕方のないところかもしれません。

確かに、世の中にはSNSをうまく使って顧客を増やした成功例がたくさんあります。
それに、社長自ら率先してツイートしているソフトバンクの孫さんのような人もいます。

こういった時節柄、「我が社もSNSを使って何かできないか?」と経営者が考えるのは当然のことと思いますし、長期的に見てそれは正しい判断だと思います。

ただし、その前に本書をお読みいただきたい。
SNSは無料で、新規顧客がドンドン増えて、売り上げが伸びる
そんな魔法の道具ではありません!

そこのところの”現実”の部分をしっかり書いてくれているのが本書なのです。

さて、その内容

本書で著者のゲイリーが自信のマーケティングを「サンキュー・マーケティング」と名付けているのが本当に言い得て妙だと感じました。

都会の人や若い人はわからないかもしれませんが、田舎には食料品から日用雑貨まで何でも売っているコンビニエンスストアのような商店が必ずありました。

ただ、コンビニと全然違うのは、そこはコミュニケーションの場、近所のおばあちゃんたちの憩いの場なのです。

ワタクシが子どものころですからそんな大昔ではありません。
大型のスーパーだってあったんですよ。
値段は当然スーパーの方が安い。

でも、近所のおばあちゃんや奥様たちは、その何でも屋さんに集まってくる。
それは楽しいから。

ワタクシもそこへお使いに行くが好きでした。
買い物するとそっとガムや飴をおまけで入れてくれるんです。

つまり、田舎の何でも屋さんにはスーパーマーケットには無い”絆”や”サンキュー”があったんですよ。

で、ゲイリーが実行したのはこの田舎の商店の”絆”や”サンキュー”を、舞台をSNSに移して、規模を拡大したということ。
基本的にはそれだけのことなのです。

しかし田舎の商店主が近所のおばあちゃんと楽しい時間を過ごすときに、お相手するのはせいぜい一度に数人程度。
それに対してゲイリーは数千人、数万人のフォロワーを相手に、みんなにファーストクラスの対応をする。

これがどれほどの手間と時間を要することか想像してほしいのです。

決してSNSは楽に顧客や売り上げを増やせる魔法の道具ではない。
今までに無かった便利な道具ではあるけれども、道具である以上、それ特有の使い方があるし、人と人がつながるという根っこの部分では、手間もかかるし煩わしさも存在する。

けれど、それをわかった上で、覚悟を決めて使うなら、ゲイリーや本書に収録されている成功例のような成果が期待できる。
特に田舎の小規模の企業や店が、全国区の大企業相手に勝負できる可能性がある。

リスクは当然ありますが、長い目で見れば使わない方が損失になる道具だと思います。

「大公開時代」の幕開けに、自らリスクを負ってジパングを目指す経営者の皆さまに、必読必携の書。

本書は実業之日本社、編集者の酒井様より献本していただきました。
ありがとうございました。

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