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【読書カード】石弘之(著)『火山噴火・動物虐殺・人口爆発』 (歴史新書y)

 

火山噴火・動物虐殺・人口爆発 (歴史新書y)

火山噴火・動物虐殺・人口爆発 (歴史新書y)

  • 作者:石 弘之
  • 出版社/メーカー: 洋泉社
  • 発売日: 2010/04/06
  • メディア: 新書
 

 

「トバ・カタストロフ理論」 イリノイ大学スタンリー・アンブローズ
・人類はいつから衣服を着るようになったか
 ご先祖が裸で全身を毛で覆われていたころ、シラミは「アタマジラミ」の一種類だけだった。だが、人類が次第に体毛を失っていく。なぜ失ったのかは人類進化最大のナゾの一つである。代わって衣服を身につけるのにつれて、衣服を住みかにする新しい亜種の「コロモジラミ」が出現した。彼(ドイツのマックスプラン研究所のマーク・ストーキング)は世界各国からシラミを集めてDNAを比較し、進化の系統樹をつくってこの二種がいつごろ分化したのかを突き止めた。
 この結果、アタマジラミからコロモジラミが分化したのは、誤差はあるにしてもだいたい7万2000年前であることが判明した。つまり、この頃人類は衣服を発明したことになる。人類がアフリカを出て世界各地に拡散していく2~3万年前のことだ。

・衣服の発明の時代を環境の歴史から検討
 約7万3000年前、インドネシアのスマトラ島でトバ火山が大噴火を起こした。最近の10万年ほどでは最大級の噴火の一つで、地球の平均気温が長期間にわたって3~5度低下したとみられる。

 人類の遺伝子の多様性からみて、このときに人口は1万人以下にまで減り、絶滅の危機に瀕したともみられる。このときに、生き残るために人類が衣服を発明したのではないか。逆に、衣服を知らなかった人々は死に絶えたのかもしれない。

■環境歴史学は広範囲の研究分野を巻き込んだ新しい学問分野である。上記の例で言えば生物学、DNA研究、火山、地学分野の融合である。

〇現存する狩猟採集民の調査からみても、農業は膨大な作業が必要であり生業としてけっして有利ではない。アフリカ南部のコイサン族(ブッシュマン)の例をみると、食べ物を手に入れるために必要な労働量は、平均して週に二日半程度である。農耕とは異なり、労働量は1年中ほぼ一定で、食料調達のために1日10キロ以上を歩き回ることはまずない。
 女性は毎日1~3時間働き、残りの時間は余暇を楽しんで暮らしている。男も1週間狩りをすれば、2~3週間は何もせずに過ごす。グループの人口の4割は、食料調達のための仕事をまったくしていない。彼らの栄養状態も、私たちの食事と比べて何ら遜色がない。それどころか、カロリー摂取量は必要レベルを上回っているし、蛋白摂取量にいたっては必要量より約3割も多い。

■「狩猟採集」から「農業」への変化は「農業革命」といわれるような急な変化ではない。

■自然が豊かであれば、労働時間等農業より狩猟採集の方が効率がよいことは驚きである。

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