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新大航海時代は日本が切り拓く【書評】松本紘(著)『宇宙太陽光発電所』(ディスカヴァーサイエンス)

 

宇宙太陽光発電所 (Dis+cover science)

宇宙太陽光発電所 (Dis+cover science)

  • 作者:松本 紘
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2011/06/26
  • メディア: 新書
 

 

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昨日4周年をむかえ、5年目に突入最初に紹介する本は、当ブログにふさわしく(?)夢とロマンに満ち、スケールの大きいテーマの本を!ということで本書を選んだのですが・・・。

かなりシビアな現実を知ることにもなりました。

 

【目次】

はじめに
第1章 どうなる?現代文明
第2章 わが国の宇宙開発の現状
第3章 宇宙太陽光発電所(SPS)構想とは  「病める現代文明」救済の国家戦略
おわりに

【ポイント&レバレッジメモ】
★人口について
◇「地球100億人定員」説

 食料学者に尋ねて見ると、土地の不要能力やたんぱく質の送料などから判断して、地球上の人口は100億人程度が限界だと答える人が少なくありません。つまり、、「地球の定員」は100億人だといっていいでしょう。
 その一方で、世界人口会議などで行われた議論によると、2050年に地球人口は約90億人に達するとされています。
 この推計が正しいとすれば、早ければ今世紀の半ば過ぎには、「地球の定員」に達してしまう計算になります。私たちに残された時間は、決して長くはなく、後50年もありません。

◇日本は人口半減する

 特に日本は、今世紀末に人口が現在の50~70%に減少するという予想もあり、最悪の場合、日本の人口が5000万人程度になってしまう恐れがあります。今世紀の半ばには、4人に1人が周りからいなくなり、農村部では現在みの周りにいる2人に1人がいなくなる状態になると警告されています。ローマ帝国が滅びたのも、ローマ人の人口減少にともなうものでした。
 このままでは、日本の未来は非常に暗いと言わざるを得ません。人口が減少してしまうと同時に、超高齢化社会へ転ずると、知力、労力、が減少するのは明らかなことで、日本がよって立つ基盤がどうなるかを、私たちは真剣に考える必要があります。

★安定成長の循環型社会(持続可能社会)は実現するか

果たして、安定した「循環型社会」というものは実現するでしょうか?
私には、どう考えても難しいように思えます。

資源やエネルギーのリサイクルを軌道に乗せ、低エネルギー消費・消費節約型生活の実現に向けた努力は、日本を含めた先進諸国で緩やかに進められることでしょう。
それでもなお、これに対してずっと急速に進む世界的な資源・エネルギー・食料不足や、開発途上国の経済発展への意欲によって、安定した循環型社会は世界規模では決して実現されないことは明らかなのではないでしょうか。

★日本よ、決断せよ エネルギー小国から宇宙エネルギー大国へ

私の持論は、日本と人類が今後生き残り、そして現在手にしている繁栄を失わないためにも、世界に先駆け、宇宙先進国と協調して宇宙太陽光発電所(SPS)を建造し、その技術を足がかりとして宇宙へ進出すべきだということです。
そして、人類が地球というパイを食べ尽くして餓死する前に、太陽系という大きなパイを手に入れ、「太陽系を食べる」ことで人類という種を存続させるべきだと考えます。
この大きなパイには、太陽というエネルギー工場があるため、次々とエネルギーが再生産されます。日本は現在の宇宙技術、水準からいえば、そのリーダーシップをとるチャンスがあり、またとらなければならないのです。

★宇宙太陽光発電所
◇宇宙太陽光発電所(SPS)とは

「宇宙太陽光発電所」(SPS)は、宇宙空間で超大型の太陽電池パネルを広げ、太陽光発電によって得られる直流電力をマイクロ波に変換して、送電アンテナから地球や宇宙都市の受電所に設置される受電アンテナ(レクテナ)へ送電し、再び直流電力に戻す方式の発電所です。

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◇SPSのメリット
 1 効率のよさと安定性
 2 原子力発電と同規模の基幹大型安定電源
 3 クリーンなエネルギー
 4 自己増殖が可能

★つねに新しい芽に財源、人材を

わが国の高等教育に対する公的支援は、世界の傾向とは全く逆向きで、財政支援が6年間にもわたり縮減され続けています。
世界中のほとんどの国が世界ランキング入りを目指す優秀大学の支援を強化しているという世界情勢の変化に目を向けず、「これでいいのだ」としている状態はまさに日本の経済と同じで、将来に大変大きな禍根を残すと強く懸念しています。その見直しは、行政レベルだけではなく、大学自身もその機能についてそれぞれの大学で行う必要があります。

私の信念は、どんなことでも100%現状を維持するのではなく、つねに20%は新しい芽に財源、人材を振り分ける勇気を持つ、ということです。

【感想など】
ワタクシのような、宇宙戦艦ヤマトやガンダム、そしてスターウォーズを見て育った世代にとっては無条件でワクワクするテーマの本です。

挿絵もかっこいい!
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ですが本書はSFではなく、現実の科学本。
本書第1章で、まず突きつけられたのは、食糧・資源・エネルギーをめぐる暗い未来予測でした。

人間の脳は見たいのもしか見ないようにできているそうですが、我々の未来に対してもこの作用が働いているようです。
私たちは、「エコ」とか「リサイクル」に務めることで、「循環型社会」が実現できると、思っている、あるいは思いたいのです。

しかし現実問題はそんな努力では乗り越えられないし、根本的な解決にはならない。
しかも急を要します。
タイムリミットは後40年ほど。

その間に食糧・資源・エネルギー問題を解決できなければ、地球規模での争奪戦が始まるでしょう。
その意味するところは”戦争”です。

さて、肝心要の「宇宙太陽光発電所」に関しては、今回大幅に割愛させていただきました。
というのも、ワタクシなどが分かったふりをして説明するとボロが出そうなので(笑)。
技術的な面は、ぜひ本書を直接お読みください。

それはさておき、ワタクシが重要なポイントだと思うのは、「宇宙太陽光発電所」が技術的にも資金的にも現段階で十分実現可能であるということ。

であるならば、ぜひ政府に号令をかけてもらいたい。
震災復興の一つの目玉として、脱原発を宣言し、「宇宙太陽光発電所」建設をぶち上げてもらいたい。

「被災者を救うのが先だ」とおっしゃる人がいるでしょうが、元の状態に戻すことが復興ではないはず。
元の状態よりもさらによい社会を作るのが真の復興です。

それに、こういう公共投資ならワタクシは大賛成ですし、本書に書いているように20年ほどで建設費をペイできるのなら、20兆円ぐらい復興国債を発行して日銀に買い取らせ、建設国債同様60年償還にし、その中から1兆円を建設費に回したらどうですかね。
デフレ対策、景気対策にもなるじゃないですか。(上念さんの影響だなぁ)

そしてなにより、

かつてケネディがアポロ計画を立ち上げたように、宇宙開発というのは国威高揚効果もあります。
日本国民に「我々はどこへ向かうのか、何に拠って立つのか」を示すグランドビジョンにもなります。

菅総理、大英断のチャンスですよ。
このまま辞任したら、あなたは「ただ政権にしがみついていただけの総理」という評価になってしまいますよ。
もし総理がだめなら、「2番ではだめですか?」といった某議員さん、名誉挽回のチャンスです。

今こそ政治家は国民に大号令をかける時なんですがねぇ。
誰も動かないなら我々国民が地道に動きますか。

40年後、生きていればワタクシは80歳ぐらいで、ヨボヨボの爺さんです。
子供達は50代、孫達が20代ぐらいでしょうか。

孫達は豊かで平和な暮らしをしているのか、それとも枯渇寸前の資源をめぐり戦場に出征しているのでしょうか。
それを決めるのは今を生きる我々の使命です。

未来の子供達のために、まずはお読みください。

 

宇宙太陽光発電所 (Dis+cover science)

宇宙太陽光発電所 (Dis+cover science)

  • 作者:松本 紘
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2011/06/26
  • メディア: 新書
 

 

本書はディスカヴァー21、編集者の三谷様より献本していただきました。
ありがとうございました。

【勝手に表紙評】
久々に表紙評をしたくなる表紙の本。

とにかくカッコイイ!
このSPSのCGすごく綺麗です。
2001年宇宙の旅を思い出してしまった。

【管理人の独り言】
本書を読んでいて一つだけ疑問に思うところがありました。
それは“安全”という点。

原発事故以来、「安全です」という言葉には、脊髄反射的に疑ってかかるようになってしまったのでお許し願いたいのですが、
もし、宇宙太陽光発電の故障でマイクロ波が受電所以外の、たとえば居住地域に照射されたらどうなるんでしょうか?

電磁波は体に悪いとよく言われていますが、マイクロ波もその一種ですよね。
ん~気になるなぁ。

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