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トリプル安から資産を守れ!【書評】藤巻健史(著)『マネー避難』(幻冬舎)

マネー避難 危険な銀行預金から撤退せよ!

マネー避難 危険な銀行預金から撤退せよ!

  • 作者:藤巻健史
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2011/06/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

フジマキ流の藤巻氏の登場!
テーマは「マネー避難」。
次々と日本を襲う国難から、我々の資産を守るには、そして日本が復興するにはどうしたらいいのか。
タイムリーな一冊です! が、少々疑問も・・・

 

【目次】

はじめに
Part1 日本の財政はここまで悪化している!
Part2 分不相応に贅沢だったこれまでの生活
Part3 震災後、日本経済はどう動いたか
Part4 電力不足は経済にどう影響するか
Part5 財政破綻に拍車をかける大震災
Part6 国債・円・株の暴落は避けられない
Part7 日本経済はこれからどうなるのか
Part8 豊かでなくとも、豊かに生きる
Part9 危険な銀行預金から撤退せよ! ~震災後の資産運用の見直し
Part10 日本経済復活へ向けて何をすべきか
Part11 日本経済復興へのシナリオ
Part12 えんが暴落した後、日本は復活する
おわりに

【ポイント&レバレッジメモ】

★社会福祉費を減らさないと、本当の意味での支出減にはならない

 「増税の前に支出を減らせ」という議論をよく聞きますが、その提言は耳に快いと思います。しかし実は、国家の支出の4割は社会福祉関係なのです。
 厚生労働省の歳出(29兆円)だけからみると、社会福祉費は滅茶苦茶に多いとは思われないかもしれませんが、多くが地方交付税や社会保障に充てられた公債費のことを考慮に入れると、社会福祉関係は歳出の4割と考えるのが正しいようです。

★なぜ「国債の日銀引き受け」は禁止されているのか

日銀の引き受けとは「日銀が政府から直接、国債を買いとって紙幣を渡すこと」です。<中略>すなわち直接、
政府と日銀が取引をするのが「日銀の引き受け」なのですが、今は財政法第5条で禁止されています。
というのも昔、これによってすごいインフレ、つまりハイパーインフレを引き起こしたからです。それに懲りて、「日銀の引き受け」は禁止されているのです。
今も日銀は、多額の国債を保有しています。しかし購入した相手は国ではなくて、民間金融機関なのです。「民間金融機関が国から買った国債を、今度は日銀が買い、その対価を民間金融機関に渡す」ということをやっているのです。これを「買い取り」といいます。
「引き受け」と「買い取り」の差は、「国→日銀」対「国→民間金融機関→日銀」で、単に間に「民間金融機関」というステップが入っているか否かだけの差で、<中略>法律上OKなのです。

★国債・円・株のトリプル安

トリプル安、すなわち「株価、国債価格、円の大幅安が同時に起こる事態」をあいかわらず想定しています。
2010年、2011年と44兆円規模の国債を発行するわけですが、これは新しく必要とするお金です。このお金を国債入札で集められない、すなわち国債が完売できないことを未達というのですが、未達を契機に瞬間的に株と円と国債が大暴落するだろうという予想は基本的に変わりません。
もっとも、「国債未達を契機にトリプル安」というシナリオが、「底なし沼のようなトリプル安」になるかもしれないと震災後に思い始めました。じわじわとトリプル安が進むシナリオです。

★外国人は日本国債を持っていなくても売り崩せる

震災前に「日本国債は95%を日本人が持っているから、市場が崩れることはない」という議論をよく聞いたのは先述したとおりです。
しかし、それは先物というデリバティブを知らない素人コメンテーターが言った話で、
実際はそんなことはありません。先物であれば、事前に国債を保有していなくても、簡単に売り崩すことができるのです。日本人が日本国債を95%持っていようが、100%持っていようが、「外国人は国債をマーケットで売り崩せる」という認識を持っておくべきです。

★なぜ国債・円・株が暴落するのか
1 国債価格が暴落する

再建価格の暴落は、国債の入札で起こる可能性があります。ただでさえ新たな国債購入資金が枯渇してきているのに、復興資金需要で民間金融機関の国債購入資金も枯渇すると思うからです。資金枯渇を明確に認識する機会が未達なのです。
あるいは、日銀が禁じ手の「国債引き受け」をすると発表した瞬間に、外国人が国債市場になだれ込んでくるかもしれません。中央銀行への信認が失われるからです。

2 円が暴落する(円安になる)

・「先物のドル買いが、直物のドルを押し上げる
・貿易黒字が大幅に減少する
・日本の国力がこの震災でガクンと落ちる

3 株価が急落する

今後、さらに企業収益の悪化が明確になりますから、その観点からも、株価は大幅に下がると思います。<中略>
円の下落は通常ですと、企業業績の好転を意味し、株価はプラス要因なのですが、今回起こりうる円の暴落は「日本売り」で起きるわけですから、かなり大きな株価の下押し要因になると思のです。

【感想など】
「日本は経済破綻するのか?」「どうすれば経済は活性化するのか?」「どうすれば震災から日本は立ち直ることができるのか?」

こういったところが最近のワタクシの関心事、読書テーマの一つとなっています。
そして、大震災以来、タイムリーなテーマのため、このテーマに関する本の出版が相次いで行われています。

今日紹介する本もその中の1冊。
しかも、経済・投資分野のビッグネーム、藤巻健史氏です。
当ブログ初登場!

一応、本書のメインテーマはタイトルからもわかるように、
日本の財政が危ないので、財政破綻して円が紙くずになる前に、我々の大切な資産を「マネー避難」させましょう
というもの。

この点に関しては、本書のキモの部分ですので直接本書をお読みください。
今回の【ポイント&レバレッジメモ】では財政破綻に関する部分だけピックアップさせていただきました。
(ただ、そのマネーの避難方法と避難先にはかなり疑問。最近の為替の動きを見ていると、その国のほうが日本よりヤバイんじゃないかと。)

さて、日本の財政破綻ですが、藤巻氏のシナリオは以下の通り
「国債の未達」→日銀の国債の引き受け→外国人の日本に対する信認崩壊→国債・円・株のトリプル安&ハイパーインフレション

藤巻氏の主張は、国債の未達が引き金となって国債・円・株のトリプル安がやって来るというもの。

実際、復興の為に国債の発行はやむ得ないところでしょう。
しかも、市中銀行は復興の為に手持ちのお金を融資にまわして国債を引き受ける余裕がないのも確か。

そこで「日銀の国債の引き受け」となる可能性が高いのですが、それをやると信用がなくなって国債も円も暴落。
すると、普通は円が弱くなると株価は上がるのですが、今回は株も売られてトリプル安になるという・・・。

そうなのかなぁ。
一時的にそうなるのかもしれませんが、

例えば、本書には1ドル3000円の可能性もあると書かれていますが、仮にそんなことになれば日本製品は外国で飛ぶように売れて製造メーカーは空前の大好景気。
結果、円が強くなり為替レートは短期間に元に戻って行くような気がするのですが。
(輸入に頼っている食料に関してはかなり深刻な状況になると思うけど)

それに、「国債の日銀引き受け」ですが、もし日銀が新たに20兆円分のお札を印刷して政府に渡したとしても、そのお金は回り回って市中銀行に預金として巡ってくるのですよね。

その市中銀行に日銀が引き受けた復興国債を買い取らせてしまえば、タイムラグがあるだけで「市中銀行による買い取り」と同じだと思うのですが、これって素人の浅知恵なんでしょうか?

そして、もう一つ疑問だったのはハイパーインフレが起こるというもの。

ハイパーインフレってこういうのを想像されると思うのですが↓
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この時のドイツは

・重要な工業地帯を第1次大戦の戦勝国に奪われて生産能力がなかった
・天文学的な賠償金を課せられた
・政府が機能していない

というマイナスの条件が重なってハイパーインフレが起きましたが、現在の日本は全然違うでしょ。
(政府が機能していないというのはソックリかも・・・)

そもそも素人の素朴な疑問なのですが、一体、年率何パーセントを越えるとハイパーインフレなんでしょうか?
誰か教えてください。

さてさて、いろいろと疑問点を書いてきましたが、本書後半では日本復興はどうしたらいいのか、藤巻氏の提案が書かれています。

その中でワタクシも大賛成なのが 円高是正、1ドル200円 というもの。
輸出関連企業の業績が上がれば、東北の雇用も促進され復興もスピードアップすると思うので、これは実現して欲しいのですが、現実の為替は1ドル70円代に突入、真逆をいってます。

こうなったら「禁じ手」と言われてますが、「日銀の国債引き受け」が復興費と円安を一度に生み出す魔法の一手にますます見えてくるのですが、これも素人の浅知恵でしょうかねぇ?

疑問点ばかり書いてしまいましたが、正直に言えば、全体的にもう少し「どうしてそうなるのか」という詳しい説明がもう一歩踏み込んで欲しかったなと。

著者の他の著書を読んでいないので、もしかしたら他書で詳しく説明されているのかもしれませんが、ワタクシの様な経済ど素人には逆に疑問が増えてしまう点が多々ありました。

まぁ、自分自身の勉強不足も原因の一因ですので、もう少し勉強しないとと反省です。

本書は幻冬舎の四本様から献本していただきました。
ありがとうございました。

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