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世界は着々とその日にむかっている【書評】朝倉 慶(著)『2012年、日本経済は大崩壊する!』(幻冬舎)

ハッキリ言って、恐怖だ。
2012年?もしかしてそれまでもたないのでは?

日本という島国にどっぷりつかっているうちに、世界は大変なことになっていたんだ。
そして、津波よりも恐ろしい波が押し寄せてくる。

 

【目次】

はじめに
第1章 暴走するコンピューター支配で、市場の崩壊は加速する
第2章 商品価格の高騰でインフレ爆発が起きる!
第3章 2012年に向け、日本経済はどうなるのか
第4章 2012年に向け、米国・EU・中国の経済はどうなるのか
第5章 日本人が資産を守るために知っておくべきこと
あとがき

【ポイント&レバレッジメモ】

★日本の債券暴落の予兆
①最大の買い手がもはや購入できない
◇国債を買い支えているのは

(国債を購入し続けているのは)実は、銀行なんです。まさに民間の金融機関が、大挙して国債を購入してきたのです。
日本の金融の構図を考えると、ゆうちょ銀行から民間の銀行に資金が流れ、これによってゆうちょ銀行は国債の買い余力がなくなった。しかし、その資金の受け皿となった民間の銀行が今度は国債を購入していて、結果としては国債の需給に変調は来さなかったというわけです。

◇なぜ銀行は国債を買い続けたのか

これはなぜかというと、2008年のリーマン・ショックに起因しています。リーマン・ショック後、景気は大幅に冷え込み、日本各地で極端に資金需要が冷え込んできたのです。そして日本経済は構造的なデフレ状態に陥り、需給ギャップが約30兆円に上ると言われていました。どうしても民間の資金需要が盛り上がってこなかったのです。
となると、銀行にはゆうちょ銀行などからも資金が流れ、お金が溢れかえったのです。<中略>
このだぶついた資金が国債の買い付け資金となっていたのです。

◇東日本大震災で民間銀行に余剰資金はなくなった

2010年の統計では1年間で13兆2000億円の資金余剰だったため、銀行の国債の購入に拍車がかかっていたわけですが、2011年は震災の関係で状況が一変、資金余剰どころか1ヶ月で9兆円近い融資要請が大手7行だけであるのです。今後もさまざまな資金が必要になるのは必至ですから、民間銀行の懐はさらに逼迫していくでしょう。

②公的年金は購入どころか売却せざるをえない

公的年金の積立金は、2008年度末で124兆円弱となり、ピーク時の150兆円を大幅に下回っている状態です。ところが給付金は増える一方です。必然的に積立金を取り崩して年金の給付にあてるという形になってきているのです。<中略>
国債の売却が始まったのは2009年度からですが、この動きが始まった以上、加速こそすれ、収まることはないでしょう。そういう意味では国債の安定的な買い手であった発行額の1割以上を保有している公的年金が、国債の売り方に回ってきたという構造的な変化は、国債市場に大きな影響を与えないわけにはいかないでしょう。

③国債安全説は盲点だらけ

よく、「日本国債は国内で95%保有されているからデフォルト(債務不履行)の危険性はない」という意見を聞きます。このような短絡的な思考は物事の本質を見ていないため、非常に危険だと思います。<中略>
仮に金利急騰となれば、国債の価格は即座に暴落、その途端に日本全体は金融危機に陥ってしまいます。金融機関が保有している国債の価値がなくなるからです。日本の金融機関が全滅状態になると言っても過言ではないでしょう。<中略>
日本の個人金融資産1400兆円のほとんどが金融機関を通じて国債の購入にあてられているわけですから、国債が債務不履行になれば、実質日本の個人資産、金融機関に預けている資金が水泡に帰すということです。

④郵政グループが直近で9兆円も売却!

とにかく、グループ全体の事業が縮小してきているのです。その一番の原因は、お金が集まらないということです。<中略>現在の貯金の残高は約175兆円、これはピーク時に比べて約90兆円も減っているのです。<中略>
問題は、この郵政グループが、日本国債の一番の安定した買い手であるということです。
郵政グループは、集めた資金の約8割を日本国債の購入にあてており、いわば、国債価格を支えてきた立役者なのです。その郵政グループが国債の買い手として、公的年金に続いてピンチになってきているのです。

★早ければ秋には日本にインフレが到来する

特に注意しなければならないのは、いわゆる生活必需品、つまり我々が生きていくためにどうしても必要で何があっても買わなくてはならないものが、さらに激しく上昇していくことです。<中略>
経済学上では、このような不景気ではインフレは来ないのですが、今回は違います。それでも激しいインフレがくるのです。<中略>
一般的に農水産物の場合、平常時では1割供給が減ると3割値段が上がり、3割供給が減ると倍に値段が跳ね上がると言われています。<中略>
よく考えてください。これらの農作物や魚の供給が止まるのは秋からですよ!本当の意味での供給の途絶、値段急騰の危機は、まさにこれからです。

【感想など】
前日に引き続き経済危機ものの本をご紹介。

基本的に危機を煽るような本は、あまり好きではないのですが、本書はハードカバー、250ページ越えのボリュームと中身の濃さでかなり読み応えがあり、正直ぐいぐい引き込まれる“面白い”本でした。

というのも、日本の経済危機だけではなく、主要通貨とその国、つまり、アメリカ、EU、中国についてそれぞれの危機的状況を解説するとともに、世界的な資源争奪、ヘッジファンドの儲けの手口にまで話題が及んでおり、「なるほどそういうシナリオなのか」と多角的にグローバルな経済の動きを紹介してくれているから。

例えば、

・コンピュータプログラムを利用したヘッジファンドのデリバティブ取引
・アメリカの食糧戦略
・ギリシアのデフォルトによるユーロ危機
・中国の地方政府の巨額の債務

などなど

しかもどのトピックスも「目からウロコ」どころか、なにやら恐ろしくなってくるような話題が・・・。

例えばアメリカの食糧戦略では

除草剤のラウンドアップで有名なモンサントという遺伝子組み換え作物開発会社が登場しますが、この会社が開発した「ターミネーター」という品種はできた種子が発芽しないのだそうです。

つまり、毎年この会社から種を購入しなければならないということ。

そして、こんな会社を擁するアメリカが中国の胃袋をつかんでいる(中国はアメリカからトウモロコシを輸入するようになった)、という事実。
昔、キッシンジャーは

「石油を支配できれば国を支配できる。食料を支配できれば人間を支配できる」

と言ったそうですが、まさにこれを国策として推し進めているんですね。

また、
その中国は、こっそり日本株を買い続けて、日本の名だたる企業約90社の大株主となり、日本企業そのものを狙っているという事実。
さらにはその株取引をアドバイスしたのが日本人で元東京証券取引所の取締役だったということ。

日本株が安いうちに大株主になって、日本の技術を会社ごとごっそりいただこうという魂胆なのでしょう。

(こういう事実を知ると、日本だけが量的緩和をせず、デフレ不況に喘いでいる原因は、日本は弱いままにしておこうという“某国の陰謀説”というのも真実味があるような気がしますね)

それにしても、アメリカも中国も国家戦略をしっかり持って着々と進めているようですが、日本はどうなってるんでしょうか。
たぶん何もやってないんでしょうね。

さて、興味の尽きないトピックスが目白押しなのですが、

今回の【ポイント&レバレッジメモ】では、最近のワタクシの関心事である“日本はデフォルトするのか?”とか、“日本の財政破綻”に関連する部分だけを抜き出しました。

が、本書を読めば、日本の経済状況や国債の発行高だけをみて、破綻するしないを議論してもあまり意味がないことを、お分かりいただけるものと思います。

ただ、ワタクシの場合、日本だけを見ても意味がないのはわかるのですが、ドルとユーロと元が複雑に絡み合っているグローバル経済について、じゃあドルがこけたらどうなるの?とか、ギリシアがデフォルトしたらどうなるの?とか、中国のバブルがはじけたらどうなるのか?といった“その先”のことについては皆目見当がつかないので、そちらの方面は今後の課題ということで勉強していきたいと思います。

とりあえず日本の経済破綻についてですが、
本書著者の朝倉氏もやはり先日紹介した藤巻氏と同じく、日本国債の暴落が日本の破綻の引き金となると見ていらっしゃるようです。

しかし怖いのは、その時期を待たずにもうインフレが始まってしまうかもということ。
それは世界的な需要の高まりをうけて、資源と食料といった“商品”価格の高騰に引っ張られるかたちで。

つまり、日本はデフレ不況のただなかでありながら、食料など生活必需品の分野でインフレが始まるという恐ろしい状況が、今年の秋からはじまるのだそうです。

この予測ははずれてほしいものですが、確かに東北のコメの生産量は落ちているし、漁業も完全に復活とまではいかないでしょう。

ましてや、本書に書かれているような私たちにはどうしようもない、世界的な金融危機が発生したら・・・。
どうなるんでしょうね。

100年に一度、1000年に一度といった大災害に直面している日本に、さらなる国難が襲いかかるのでしょうか?

本書の 第5章 日本人が資産を守るために知っておくべきこと として、資産の防衛の方法も書かれていますので、コチラもぜひお読みください。

本書は幻冬舎の四本様から献本していただきました。
ありがとうございました。

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