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選択肢は世界中にある!【書評】山本 敬洋(著)『国境なき大学選び 』(ディスカヴァー携書)

 

国境なき大学選び 日本の大学だけが大学じゃない! (ディスカヴァー携書)

国境なき大学選び 日本の大学だけが大学じゃない! (ディスカヴァー携書)

  • 作者:山本 敬洋
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2010/07/17
  • メディア: 新書
 

 

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夏休みも残り2週間となりました。
今回は、『言葉はなぜ生まれたのか』に続いて、夏休みに子どもと読みたい本の第2弾。
といっても高校生対象かな?
本書を読むとグローバルな視点で進路を考えるようになりますよ。

 

【目次】

総論編 「大学選び」を考えよう

「国境なき大学選び」をすべき3つの理由

海外進学の前に考えるべき4つのこと

大学を選ぶということ

今こそ日本の大学も変わるとき

インタビュー編 私たちが選んだ海外大学12
 スワースモア大学  アメリカ
 ハーバード大学  アメリカ
 北京大学    中国
 マサチューセッツ工科大学  アメリカ
 タフツ大学   アメリカ
 エセックス大学   イギリス
 ハワイ大学    アメリカ(ハワイ)
 ウェスリアン大学   アメリカ
 ラトローブ大学   オーストラリア
 オレゴン州立大学  アメリカ
 インディアナ大学  アメリカ
 ベイツ大学    アメリカ

資料編

【ポイント&レバレッジメモ】

★海外進学を選んだ人の3つの理由
1 仕事で使える語学力が身につく

 知的水準の高い文章を英語で読み、それを批判的に論じる文章を書けるようになることが最も重要

2 自分の思う道を進める

 アメリカの大学では複数の興味を追求し、途中で1つに特化したり別の専攻を追加したりすることが柔軟に行われます。
 複数の興味があって、大学進学時に可能性を絞りたくない、あるいはまだやりたいことがよくわからない、という人には、こういった制度が向いているかもしれません。

3 最高の環境で学べる

 MITの2008年の研究費は、約12.5憶ドル。東京大学の2倍近い額を持っています。<中略>アメリカは資金配分の傾斜が日本よりも緩やかであるため、たとえば日本で第5位の九州大学より、アメリカで39位のインディアナ大学の方が研究資金を豊富にもっている。

★海外進学の前に考えるべき4つのこと
1 資金

(アメリカの場合)公立・私立どちらに行くにしても、日本より(授業料は)100万円程度高い計算になります。

こうした(奨学金)制度を利用できさえすれば、日本の大学と比べて金銭的な負担はほとんど変わらないどころか、日本の大学より安く済む可能性さえあります。

2 卒業までの道のり

科目としての外国語がどんなに得意でも、それを使ってレポートを書いたりゼミで議論をしたりするのは、別次元の難しさがあります。文献の膨大さに圧倒されるのは一度や2度ではすまないでしょう。

3 就職活動

海外の大学を卒業した後、その国にずっととどまって働くのはビザの関係でかなり難しい

4 日本への再適応

(大学にいる間にできるネットワークなど)日本にいるだけで当たり前に積める経験が、海外に進学することで抜けてしまう可能性がある

【感想など】
いやーこういう時代になったんですね。
ワタクシが大学受験したはるか昔、留学なんて想いもしなかったですよ。

もちろん、そんな度胸もなかったし英語力も乏しかったというのはありますが・・・。

なんか隔世の感がありますね。
ワタクシも留学したくなってきました(絶対無理ですが)。

さて、今回の【ポイント&レバレッジメモ】では海外留学の基本的なところのみピックアップしましたが、本書のメインディッシュはもちろんインタビュー編の12人の留学経験者の生の声。

これは面白いです。
留学を真剣に検討している方には貴重な情報源になることでしょう。
もちろん本書はそれが王道的読み方です。
そのための本ですから。

ですがワタクシのような留学するはずがないオッサンは、留学体験者の声から“グローバルな人材”とか“現代”というものが垣間見えたのが面白くその辺のことを書かせていただきます。

まず、海外留学の目的の大きな一つは、何んと言っても英語などの語学力習得でしょう。
これについて興味深いコメントをいくつか。

英語をスラスラ話せないことが問題なのではなく、話さないことが問題なのだ。

世界に出たいと考える前に、日本についてより多くの知識を得ることが必要なのではないか…(エセックス大学、米川真美さん)

語学とはそもそも日本語がある程度できないと伸びていかないということがよくわかりました。(ラトローブ大学、田沼真希子さん)

つたない英語でも、相手が知りたい情報を自分が持っているときには、相手が我慢強く耳を傾けてくれるということを体験できました。(オレゴン州立大学、橋本道尚さん)

まず12人皆さんに共通しているのは“度胸”がついたという部分。
結構“会話は度胸”という部分がありますよね。

しかし、度胸がつき、英語を流暢に話せるようになればそれで“グローバルな人材”となるかといえば、そこにはさらにハードルがあると思います。

せっかく英語という伝える道具を身につけても伝えるモノがなければ宝の持ち腐れ。
それは、日本人としてのアイデンティティ(歴史とか文化とか)がバックボーンとなるのでしょうが、高校卒業してすぐの大学生にそれを求めるのは酷かもしれません。

なんせ、日本の高校は自国の歴史である“日本史”が必修ではないというおかしなカリキュラムですから。

そして、“伝えるモノ”、つまり価値ある情報やスキルを身に付けたとき、相手は言葉を超えて“聞く耳”を持ってくれ、“発信”ができるグローバルな人材となるのではないかと。

あっ、英語できないオッサンが偉そうなことを・・・。

それから、本書で紹介されているアメリカの大学について読んでいると、アメリカという国の懐の深さとか、底力といったものを感じました。

アメリカの学校の方がすごく実践的(頭の使い方、プレゼンスキル、論理思考など)な内容を教えていた

 UNDPの上司の方がおっしゃっていたのは、「日本の大学を出た人は、基本的に受け身の状態で会社に入ってくるので、なかなか自立せず、会社が手取り足取り教えなくてはいけない。それで10年、20年すると、アメリカ人とは違うやり方で仕事ができる人が出てくる。ただし若いうちは、アメリカで教育を受けた人の方が断然できる」(マサチューセッツ工科大学、陸翔さん)

日本の大学には日本の良さも確かにあるのですが、アメリカの場合は学生がすごく勉強している雰囲気が伝わってきますし、その勉強の内容が極めて実践的。

社会人1年目からバリバリ一線で働けそうなアメリカの学生に比べて、日本の新卒社員は野球に例えれば“高卒ルーキー”といった感じ。
ある程度会社で育ててから実戦配備しないと、最初から前線に送りだすと壊れてしまう。

さらに、大学の専攻の選択システムも

専攻の移動は紙1枚提出するだけで可能でした。こうした柔軟性が、アメリカの大学のメリットの一つ(オレゴン州立大学、橋本道尚さん)

入ってからの柔軟性があって、専攻の組み合わせなども多様。

こういった大学の充実ぶりは間接的に国力につながるものと思います。
研究費の額といい、システムやカリキュラムの充実ぶりといい、あらためて日本の大学は遅れているなぁと感じました。

そして、意外だったのは北京大学。
共産国ですからいろいろな制約があるのかと思いきや

普段の生活は、とにかく自由です。学校は何も管理しませんから。

教室内では教授も、共産党の政策の問題点をどんどん指摘し、批判していますよ。

自由なんですね。

また、

中国は今ものすごい翻訳ブームなので、英語で本が出ると本の2週間くらいで中国語訳が出版されます。だから、中国人学生にとっては、英語で出版される本にすごくアクセスしやすい環境になっていますね。

コピー大国という現実もありますが、こういうスピード感は今世界一かもしれません。

その国の勢いを表す例として

北京大学の留学生の大きな特徴は、要人の子息が多いことです。隣の部屋には、ラオスの首相の息子が住んでいましたし、アフリカを含め途上国からきている大使の息子や娘がとても多い。

北京大学に来てよかったと思っていることの1つは、海外の首脳や要人に会えることです。各国首脳の訪問回数では、他のどの大学にも負けないと思いますよ。(北京大学、加藤嘉一さん)

というコメントも興味深い。

英語を勉強でき、アジアアフリカの要人とコネクションができるという意外なメリットがあるのが北京大学。
物価も安いし、将来を見越して投資のつもりで留学するには未公開株の様な穴場かもしれませんね。

さて、最後に
常識なのかもしれませんが、ワタクシ的にショッキングだったのが

「海外の大学に行ったからといって、海外で就職できるわけではない」

という現実。

そういえば、留学したワタクシの先輩や同級生で海外で就職した人は一人もいません。

それに全員が全員英語を使う仕事に就いたわけでもありません。
高校の同級生でハワイに留学してた奴は、結局家業のせんべい屋をついで、毎日せんべいを焼いてますもんね(笑)。

じゃ留学は無駄かといえば、けしてそんなことは無いでしょう。

帯に

2009年、ハーバードの学部生数、日本人5人、中国人36人、韓国人42人

とあるように、国際舞台での“発信”を考えた場合、あまりにも少ない。

未来を担う若者よ、日本の大学だけが大学じゃない!
世界に出て“グローバルな日本人”を目指そうではないですか!

ワタクシもちょこっと英語の勉強してみますから。

 

国境なき大学選び 日本の大学だけが大学じゃない! (ディスカヴァー携書)

国境なき大学選び 日本の大学だけが大学じゃない! (ディスカヴァー携書)

  • 作者:山本 敬洋
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2010/07/17
  • メディア: 新書
 

 
楽天ブックスのリンクはコチラ⇒ 『国境なき大学選び』

本書はディスカヴァー21社様から献本していただきました。
ありがとうございました。

【勝手に表紙評】
もうこの表紙の赤色は、間違いなく赤本を意識した作り。
受験地獄世代のワタクシには、この表紙を見た瞬間に苦しかった時代がはっきり蘇ってくるデザインです(笑)。

それにしても、ディスカヴァー携書って、いわゆる新書なんですが、表紙のデザインは自由なんですね。

【関連書籍】

 

増補 日本語が亡びるとき: 英語の世紀の中で (ちくま文庫)

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  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
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「課題先進国」日本―キャッチアップからフロントランナーへ

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世界の大学危機―新しい大学像を求めて (中公新書)

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  • 作者:潮木 守一
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2004/09
  • メディア: 新書
 

 

 

ハード・アカデミズムの時代

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  • 作者:高山 博
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1998/06
  • メディア: 単行本
 

 

【参考記事】
ディスカヴァー社長室blog:日本人5人、中国人36人、韓国人42人。何の数字かわかりますか? ●干場

【管理人の独り言】
iPhone、iPad所有者で英語に興味がある方に気になる新刊を紹介します。

 

iPhone英語勉強法

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  • 作者:松本 秀幸
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2010/07/23
  • メディア: 単行本
 

 

 

iPad英語学習法

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  • 作者:湯川鶴章
  • 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
  • 発売日: 2010/07/30
  • メディア: 単行本
 

 
ワタクシも日常会話ぐらいの英会話は出来るようになりたくて、犬の散歩中などにiPhoneで英語のオーディオブックを聞いたりしています。
そして、学習機器としてiPhone、iPadの両方をもっとうまく使えないかと模索しているのですが、そんなワタクシにぴったりな本じゃないですか!

これは読みたい!
でも東京旅行の影響で金欠状態。ん~、でも読みたい。
お願い、献本して~。

2 COMMENTS

干場弓子

非常に丁寧なご紹介、ありがとうございました。思わず読み込んでしまいました!ほんと、もう関係ない年代になっても、生の声は、面白いですよね。
そして、カバーは、はい、ご明察通り。
カバーのデザインは、自由にやってます。

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一龍

干場社長
コメントありがとうございます。
もしワタクシが高校生の時にこの本を読んでいたらと、若い人がうらやましくなりました。
この本をきっかけに、どんどん世界に日本人が出ていくようになるといいですね。

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