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新日本式経営!【書評】山本敏行(著)『日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方』(ソフトバンククリエイティブ)

 

日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方

日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方

  • 作者:山本 敏行
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2010/11/30
  • メディア: 単行本
 

 

成果主義、非正規雇用社員、リストラ…
いつしか当たり前になった日本。
しかしこの国にはかつて“社員は家族”という気風があった。

今、新しい時代にふさわしいカタチに進化して“日本式経営”が誕生しています。

 

【目次】

はじめに
第1章 「社員第一主義」の非常識な働き方
第2章 社員のモチベーションがアップする非常識な制度
第3章 小さな会社が成功するための非常識な戦略
第4章 I T で会社の利益を楽しく増やす
第5章 モチベーションと利益が上がるI T ツール活用法
おわりに

【ポイント&レバレッジメモ】
★うまくいっている経営者の話には3つの共通点がある
①社員のために自分の時間を使っている
②社員についての愚痴や不満を言わない
③自分の会社、自分の社員のことを楽しそうに話す

★社員満足が顧客満足を生む

 ECスタジオは社員満足を第一に考える「社員第一主義」で経営しています。「社員が満足していない会社は顧客を満足させることはできない」という考えのもと、社員をいかに満足させるかが、経営幹部の仕事であると考えています。顧客と接し満足させるのは社員であることから、一見遠回りに思える社員満足度を高めることが、結果的に顧客満足度を高めることになるのです。

★ECスタジオしないこと14カ条(抜粋)
2 株式公開しない

 ECスタジオは設立当初から株式公開はしないと決めていました。理由はITを活用すれば設備投資が不要で、市場から資金を集める必要がないこと、そして上場した多くの公開企業が社員第一ではなく株主第一になってしまうからです。

4 経営理念を共感していただける会社としか取引しない

 ECスタジオの経営理念は「メイクハピネス──私たちはITを通して幸せを創り出します」です。ECスタジオの定義する幸せとは「心の豊かさ」であり、「心の豊かさ」を構成する3つの要素、「経済的豊かさ」「時間的ゆとり」「円満な人間関係」を社内にも社外にもITを通して実現していくことがミッション(使命)です。
ECスタジオの経営理念に共感していただけない会社とは、たとえ収益が見込めるビジネスであったとしても取引しません。

7 社員をクビにしない

 ECスタジオは経営理念に共感し、経営ビジョン実現に向かっている社員をクビにしません。売上が上がって人手が足りないから採用し、売上が下がったら社員をクビにするということでは、社員も安心して働けません。会社側としては一旦雇ったら本人が辞めたいというまでクビにしないという覚悟で採用するため、安易な採用はしなくなります。

8 売上目標に固執しない

 売上目標などの数値目標はとても大切ですが、数字に追われて出る効果は一時的で長続きしません。競合や市場という不確定要素がある中で、数字に固執すると社員が無理をし、顧客に迷惑をかける可能性があります。

13 日本にプラスにならない事業はしない

 しかし一方で日本人の苦手な部分も垣間見ました。特に苦手なのが仕組みづくりやITの活用です。日本人の魅力をまだまだ活かせていないのがもったいないと感じ、「日本を良くしたい!」と強く思い、創業しました。
特に、ITの活用が遅れている中小企業に対して、ECスタジオが世界中から最新情報を収集して選別し、安価で効果の高い製品・サービスを提供していきます。

★社員にやりたいことをさせる

 人はロボットと違って感情があり、感情によって仕事へのモチベーションや生産性は大きく左右されます。もちろん、すべてがその人の得意なこと・やりたい仕事である必要はなく、やらざるを得ない仕事もあって当然です。
ここでポイントになってくるのは、やりたいことができている仕事の割合であったり、上司が自分の意見を聞いてくれたり、採用してもらえるかもしれないという可能性を感じることができる組織の状態を作り出しておくことが重要であるということです。

★決して怒らない

怒られてやる気が出るなんて、ウソです。そんな人は、見たことがない(笑)。ほとんどの場合、上司に怒られた社員は、その根本原因よりも怒られた事実にとらわれてしまうのでは? 上司として部下を教育することは重要だと思いますが、怒る必要はありません。むしろ怒らないことによるメリットのほうが大きいのです。会社の雰囲気が悪くならない、怒られないことで逆に自問自答して次は気をつけようと思う、怒ることに時間を取られないなどいいことずくめです。<中略>
部下に成果が出ないからといって怒ったとしても、怒られないために頑張るようなモチベーションは長続きしません。上司が部下を見極め、足りない部分をフォローして上司と部下が共に成果を出していくという姿勢が重要です。

★社員と会社の夢を一致させる

ECスタジオでは全社員で「夢をつくる」セミナーを受けて、社員のビジョンづくりを支援しています。ビジョンをどう実現していくかなどをみんなの前で発表したり、お互いのビジョンに対して意見を述べ合うということもしています。また、「夢部」という部活動も自主的に生まれ、定期的にビジョン実現の進捗状況を発表して、アドバイスし合う活動も行われているようです。会社の経営ビジョンが自分のビジョン実現の過程にあることが認識できれば、仕事に対するモチベーションはさらに上がります。

★全社員が経営を学ぶ

ECスタジオでは毎週、売上の状況や取引先とのやり取り、そして今後の戦略などを全社員に1時間かけて話していますが、この研修(日本創造教育研究所の「業績アップ6か月特訓」)を修了した社員は経営者視点・現場視点で聞くことができるため、理解度が明らかに違います。会社がどこに向かっていて現在はどのような状況かを理解しながら働いてもらうと、社員のベクトルが一致します。

【感想など】
今回の【ポイント&レバレッジメモ】では 第1章 「社員第一主義」の非常識な働き方 からの抜粋に留めました。 

なぜなら、本書ではこの後、ECスタジオで導入されている様々な制度、

ランチトーク制度、ゴーホーム制度、強制退勤制度、ノートーク制度、アイフォーン支給制度、遣唐使制度、バースデー制度、ブルーベリーアイ制度・・・等々

が紹介されていて、どれも非常に面白くそして社員さんが羨ましくなるのですが、そこにばっかり目がいくと本質が見えなくなってしまうので、あえて割愛。

本書の本質、キモの部分は著者が

最も大切なものは会社の考え方であり、小手先のテクニックでは会社の永続的な発展、社員満足度の向上にはつながりません。

制度はあくまで手段であって目的ではないということです。この制度を整えたら、社員のモチベーションが必ず上がるかというとそうではありません。あくまで生まれてきた制度は結果であって、重要なのは制度を導入するプロセスであるということです。会社の理念やビジョン、経営幹部への信頼や同僚とのコミュニケーションなどの基礎的な部分をクリアしていることが前提で、社員からボトムアップで生まれてきた制度であるからこそ、モチベーションが上がるのです。

と語るように、「社員第一主義」の理念なのです。

ダーウィンが「変化できるものが生き残る」と言ったように、バブル崩壊後、生き残った日本の企業は日本式の雇用形態(終身雇用、年功序列賃金)を捨てて“変化”してしまいました。

あの松下電器がリストラを発表したときの衝撃は今でも覚えています。

よく巨大企業は絶滅した恐竜にたとえられます。
大きさは“強さ”でもありますが、その“大きさ”ゆえに環境の急激な変化には対応できない。
結局、“派遣社員”というトカゲのシッポを切り落としたりつなげたりするすべを身につけ、恐竜は巨大な図体を維持するという姿になってしまいました。

そして怖いのは、リーマンショック以後のそうした派遣切りに対して、国民も慣れてしまったこと。

これも一つの企業のカタチだとは思います。
でもこれで本当にいいのか?これで本当に日本企業は国際競争力を身につけることができるのか?
そもそも社員って景気動向によって雇ったり切ったりしていいものなのか?

そういった企業とそのあり方に対する釈然としない不満、憤慨に答えを出してくれたのがこの本だと思います。

「社員第一主義」というのは昔からありました。
先述した松下電器の松下幸之助さんがそのもっともよい例でしょう。
しかし、松下電器は恐竜になって失敗した…。

著者はその辺りのことをよくわかっていらっしゃるのでしょう、「社員第一主義」を本当に実現するためには何をして、何をしてはいけないかということが。

それが、 ECスタジオしないこと14カ条 に現れています。
もうワタクシこれを読んだとき感動しましたよ。

「株式公開しない」「社員をクビにしない」「会社規模を追求しない」・・・

ワタクシ、“会社は株主のモノ”という考え方が大嫌いなんです。
会社はやはり、経営者と社員、そしてその家族のものですよ。

そして社員にとって会社は労働を通して世の中に貢献する舞台であり、自分が成長するための自己実現の舞台でもなくてはならないとも思っています。

景気動向次第で都合よく扱われる“シッポ”であるはずがありません。

そしてこの14カ条には、「日本にプラスにならない事業はしない」「日本市場だけにこだわらない」ともあります。

ぜひECスタジオさんが新しい日本式経営の模範となってもらいたい。
社員を大切にし、なおかつ、時代の変化に素早く対応できる企業がこれからの日本式経営企業のスタンダードになることができれば、この国は再び活性化するのではと思います。

こういう企業が日本にある!
まだまだ日本も捨てたもんじゃない。そう思って嬉しくなる一冊。
山本社長、頑張ってください。平成の松下幸之助とならんことを!

 

日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方

日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方

  • 作者:山本 敏行
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2010/11/30
  • メディア: 単行本
 

 

本書はECスタジオ様から献本していただきました。
ありがとうございました。

【関連書籍】
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  • 発売日: 2010/02/23
  • メディア: 新書
 

 
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