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バランスシートを使った成功本!【書評】小飼弾『弾言』(アスペクト)

本日ご紹介するのは

 

弾言 成功する人生とバランスシートの使い方

弾言 成功する人生とバランスシートの使い方

  • 作者:小飼 弾,山路 達也
  • 出版社/メーカー: アスペクト
  • 発売日: 2008/09/25
  • メディア: 単行本
 

 

小飼弾氏と言えばかつてオン・ザ・エッジで幹部だったプログラマー。
しかしワタクシ的には 404Blog Not Found の運営者でとんでもなく影響力のあるαブロガーのイメージ。
私もブログで書評らしきものを書くはしくれとして、「いつかは俺も追い抜いてやる・・・」と目標にする人でもあります。

そんな氏が初の語り下ろしという形で出版されたとあっては読まないわけにはいきません。

はたしてどんな”弾言”がとびだすのか

 

【目次】

第1章 ヒト part1
 ――自分の価値を「見える化」してレベルアップ
自分で打てる手はいくらでもある
暮らしがキツいのは、モノ扱いされているから
自分という会社を建て直す
カネ以上に時間を節約すべし    他

第2章 カネ
 ――相互理解のツールとして戦略的に使いこなす
カネの誕生
カネは相互理解のためのツール
暴走するカネ
自分の収支をバランスシートを使って考える
バランスシートの質を見極める      他
  
第3章 ヒト part2
 ――ネットワークにおける自分の価値をアップする
コネの価値はいくら?
コネを見える化するのが会社
バラバラな個人の集団に過ぎなかったオン・ザ・エッヂ
日報を書くことを義務づける
適切なサイズの仕事をする      他
  
第4章 モノ
 ――「本当は所有できない」ということを理解する
増やせないのがモノ
石油がなくても自然破壊は起こる
「モノ」は増やせない代わりにいくらでも回せる
エネルギーは、あらゆるゴミを資源にする
太陽エネルギーの効率利用が世界を変える     他

【概要】
本書はヒト、モノ、カネの関係を、バランスシートの観点から見直している
つまり
資産=負債+資本 ⇒ カネ=モノ+ヒト
そしてそれぞれの定義は
カネ・・「われわれが利用できるモノゴト」のすべて。 そのうち「見える化」されているものが金
カネは 
モノ・・「昔も今もそこにあって使えるが、根源的に作り出せないもの」
ヒト・・「工夫次第でいくらでも生み出せるもの」
からなるというのが基本テーマ。

このバランスシートを使って小飼氏が生き方のヒントを語っています。

【ポイント&レバレッジメモ】
・うまく人生をマネジメントするために自分で「打てる手」は飛躍的に増えている
・時給いくらで計算される仕事というのは、「ヒト」ではなく「モノ」的な仕事
・自分という会社を立て直すなら自分でコントロールできる経費削減から
・ワーキングプア問題の本質は多くの貴重な時間を奪われていること。ワーキングプアといわれる人たちは自分の時間を安売りしている

★時間
・カネ以上に時間を節約する  
週40時間以上働かない 
・物を買うときは、自分の時給(ものを買うのにかかった時間)を考える 
・隙間時間を内職に充て自分の価値向上を図る ⇒ 勤怠管理は自分の裁量、自分の行動記録をつける

★会社の辞め時、辞め方
・残業が多く、学ぶべき人がいない会社なら辞める ⇒ そのためには貯金する。「いつでも辞められる」という自信が仕事にもポジティブに働く
・プロジェクト単位で働く人間は、会社でベストを尽くしたらスパッと辞めるべき ⇒ 自分の居場所をつくるためだけの仕事はしない

★読書は最強の自己投資
・隙間時間の最も効果的な活用法は読書
・「衝突断面積(cross section)を広げる」⇒問題意識を持って自分は何を知るべきか、自分には何が足りないかを考える。そうするとヒントになりそうな情報が入った時にピンとくる。ただしアンテナのチューニングは毎日意識してやる
・本を読み終わったら今度は「自分を読む」⇒その本を読む前の自分と読み終わった後の自分がどう変わったか。読書の質はこれで測れる。
・本に付箋を貼ってはいけない⇒付箋を貼るのは情報を固定化する行為。「だいたいこんな感じ」という曖昧さを残しておく
・本を読んだら内容を自分なりに咀嚼して実践してみる

★情報
・テレビは(だらだら)見るな ⇒ 負け組の定義「テレビを消せない人」。タバコで縮まる寿命より、テレビで無駄にする寿命のほうがずっと長い
・「新聞は読むな」・・「プッシュ型」の情報を一度全部捨ててみる ⇒ 情報の押し売りを断れない人は「負け」

★生きる目的
人生は目標や目的ではなく過程。しかし目的があると過程が楽になる。目的を設定することは手段。目的を手段と間違えるな

★カネ
・カネとは人々が生み出した共同幻想
・カネで何でも買える社会は良い方向に変えやすい
・カネは価値交換のツール ⇒ 他人とのコミュニケーションをシンプルにするツール
・自分で作れないモノは人からカネで買える世の中が、人々を幸せにしてきた
・カネを媒介にすれば、交渉ごとはシンプルになる

★自分のバランスシート
・資産=負債+資本
・バランスシートで重要なのは、サイズではなく ⇒ 稼ぐ能力のある人はたくさん資産を持つ必要はない。しかし実際はカネを使うには時間と頭脳というコストがかかるので金持ちは貯めてしまう。また、貧乏人は借金(負債)で資産を大きくしてしまう。
・資産が大きいことの利点は行動の選択肢が増えること。逆に借金は自分の未来を担保に入れて現在の自由を手に入れるようなものである。ただし、借金には目標(働く理由など)を明白にするという利点もある。
・カネは、バランスシートで考える習慣をつける ⇒ 負債は自分ではコントロールしにくい要素。できるだけ圧縮して身軽にしなければならない。
・知的生産はキャッシュフローを生み出すのにどれだけ時間を使ったかで測定 ⇒ 「いいか悪いか」ではなく「定量的」に「ナンボ」で考える習慣をつける
・自分の「棚卸」 ⇒ 自分にとっての最適解を導くため、自分にとって質の良い情報を集めて、資産のバランスシートを作る。年収、健康状態、勉強時間・・・・

★知的生産
「バカに払う給料はない」 ⇒ ヒトとしての価値あげなければ生き残れない時代。知的生産はわずかなコストで向上できる。

★コネの価値
・「コネの価値」・・現代においては人間どうしがつながっていることにこそ価値がある
コネの価値=集団が生み出す価値-∑(個人の価値)     ∑・・総和

★人間関係
・人付き合いのパラダイム転換 ⇒ 「少・密」から「多・疎」へ
・「人の心はカネで買える」とは、人間関係を可視化して考えること。(例)「いくらもらえれば、このイヤな人間と住めるか」を考える。
利益=(顧客当たりの単価-顧客当たり獲得コスト-顧客当たり原価)×顧客数
『勝間式「利益の方程式」』より
これをベースに↓
・「モテ」の方程式 ⇒ 本人の満足度=(相手の単価-獲得コスト-付き合いに必要な時間)×相手の数
・類が友を呼ぶ ⇒ 友人一人あたりから得られる利益=相手の単価-付き合いに必要な時間
・こじれた人間関係はいったんロスカット(損切り)

★モノ
モノは増やせない。寿命があるので所有することもできない。 ⇒ 代わりにいくらでも回せる
・石油がなくても自然破壊は起こる ⇒ もう行のために人間は森林を食いつぶしてきた。文明崩壊は資源枯渇によって起こる
・安価で使い放題の十分なエネルギーさえあれば、あらゆる資源は再生可能 ⇒ 資源問題はエネルギー問題を解決すればよい。太陽エネルギー、天然ガスが有望。
・人口爆発は起こらない可能性が高い ⇒ 世界人口は2040年ころに80億となりそこから次第に減少。
・日本は都市化を進めるべき ⇒ コンパクトシティ(徒歩圏内に生活に必要な機能が集中している都市構造)化を推進するとエネルギーの利用効率が高まる
・モノを一番有効活用する方法 ⇒ モノを所有するのではなく、モノにアクセスする権利をカネで買うようにする。その取引価格の決定は市場経済に任せる。
・貧しい国々を助ける方法 ⇒ モノをカネ化する道筋をつける、貨幣経済のネットワークに組み入れる。そうすれば経済は勝手に成長していく。
「ベーシック・インカム」(負の所得税)・・・国民であれば一定金額の支給を国から「無条件に」「個人が」受けられる制度

【感想など】
山田真哉氏以来の”会計ブーム”に乗って会計学的考えを人生や生き方に取り入れることを主張する本が増えていますが、さすがに小飼氏。
本書は他書よりさらに一歩踏み込んだ書と言えるのではないでしょうか。

特筆すべきは「第4章 モノ」。
タイトルこそ「モノ」ですが扱うテーマは大きい。
前半部分がバランスシート的考えを利用することを通して個人としてどう生きるか、をメインテーマにしているの対して、第4章ではがらっとスケールが変わって、環境、エネルギー問題に言及しており、さらに「ベーシック・インカム」にまで話が及ぶ段になると氏の守備範囲の広さにただただ脱帽でした。

さすがに多読のカリスマ書評家です。

さて成功本として読んだ場合ですが、内容としては平易。
ですが、バランスシートを導入して自分自身を「見える化」するために「仕分け」してみるというのは面白いし新鮮ですね。
己を知るというのは意外と難しい作業。
ですがカネという物差しを使えばすべてがシンプルに測定できるということに気がつきました。
私も「自分の値段」を考えてみたいと思いました。

それから「モテ」の方程式も気に入りました。でも若い子がこの式を知ってしまったら「利益」を考えながらデートしたりするようになるのかな?
これはあまり知らない方がいいかもしれませんね。

ともかく、小飼弾氏の初語り下ろし本。
さすがに良書。
生き方を考える上で新たな視点を与えてくれる一冊です。

 

弾言 成功する人生とバランスシートの使い方

弾言 成功する人生とバランスシートの使い方

  • 作者:小飼 弾,山路 達也
  • 出版社/メーカー: アスペクト
  • 発売日: 2008/09/25
  • メディア: 単行本
 

 

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