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精神力だけではない集中力の高め方【書評】西多昌規(著)『精神科医が教える「集中力」のレッスン』大和書房

2014-10-18-09-42-43

おはようございます、一龍です。

今日ご紹介するのは当ブログでお馴染みの精神科医西多先生による「集中力」の本。

「次回予告」でずーっと紹介しますと引っ張り続けてようやくの更新です。

 

はじめに

集中力というのは仕事でも勉強でも非常に重要であることは言うまでもありません。
なので、ビジネス書の世界でもしばしば取り上げられるテーマです。

しかし、集中はとてもメンタルな所作でありながら、精神科医の立場から書かれたものはあまりなかったと思います。

精神科医の目から観た、集中のためのアドバイスを幾つかポイントとしてピックアップしました。
まずばそこからお読みください。

ポイント

★「攻めの集中」は楽観主義で、「守りの集中」は悲観主義で臨む

 

 自分で望んでおこなうものとそうでないものでは、集中の仕方も違ってきます。前者が「攻めの集中」だとすれば、後者は「守りの集中」とも言えるでしょう。<中略>
 「攻めの集中」では、「少しだけ難しいこと」を対象にして取り組むのがポイントです。簡単な問題を集中的に繰り返すことなどは、このパターンです。
 また、「攻めの集中」のときは、なるべく成功した時の喜びやもらえる報酬といった、ポジティブなイメージを持ちましょう。そもそも集中するべき対象は、自分のためになると思ってやっていることですので、前向きなイメージは大切です。<中略>
 逆に、やる意味を感じられず納得いかないような、モチベーションがあがらないときは、どうすればいいのでしょうか。
 実は、このような「守りの集中」を高める原動力は、他人から怒られたり批判されたりすることへの恐怖心です。<中略>
 「守りの集中」では、危険や叱責といったネガティブなイメージを持って取り組む方が、皮肉ですが集中することができます。

★ノルアドレナリンの働きを高める三つのコツ

 

 一つ目のコツは、集中しなければならない作業に締め切りを設けることです。これを「デッドライン効果」といいます。
 二つ目のコツは、集中の合間に、「休憩」を入れることです。ノルアドレナリンはストレスによって活性化するので、集中も長時間続けると脳も身体も疲れます。<中略>適度に休息を取ることは、次のノルアドレナリンがちゃんと働く準備をするという意味でも大切です。
 最後のコツは「休憩」にも通じますが、ノルアドレナリンをムダにしない、使いすぎないようにすることです。そのためには、ぶっ続けの作業や勉強は避け、間に息抜きになるような簡単な作業などを挟むことも大切です。プリッシャーによる集中は、あまりに長く続くと、脳も身体も疲弊してしまうからです。
(ノルアドレナリンは注意力や集中力を固める役割も担っている脳の神経伝達物質)

★加齢による集中力の低下は「脳のよそ見」が増えるから

 

 加齢による集中力低下を防ぐためには、「余計なことに気を取られない」ことが重要になってきます。情報処理のスピードを速くすることは、引退間際の野球のピッチャーがストレートの速度を増やそうと努力するようなものですから、いくら脳トレをしても限界があるでしょう。
 では「脳のよそ見」はどうすれば防げるのか。20頁でもご説明した、集中には「マルチタスク」よりも「シングルタスク」という考え方です。注意や集中を「仕分けする」能力が鈍ってきたなら、仕事や作業を「仕分けする」努力と工夫を怠らないことが大切です。

★体内時計をコントロールして長続きする集中を手に入れる

 

 一般的には、目が覚めてから2〜3時間程度経過した午前中が、体温も上昇し、覚醒レベルが高くなる時間帯です。<中略>
 覚醒レベルが上がるもう一つの時間帯は午後3時頃から夕方にかけての時間です。<中略>
 夜型から朝型への劇的なシフトは難しくても、生活習慣を徐々に変え、睡眠覚醒リズムをコントロールすることはできます。脳、いや体内時計は、変化に合わせていける柔軟性を持っているのです。2〜3日で合わせようとせず「じっくりと」シフトさせていくのが、コツです。
 すぐにできるのは、朝型・夜型にかかわらず、午前と午後に集中する時間を決めてしまうことです。時間帯といった幅のあるものより、ピークなど点のようなものをイメージするといいでしょう。

★目標設定で集中のレベルを上げる7つの方法(抜粋)

 

・「いつ」「どこで」「どのように」「どれくらい」をイメージする
 抽象的なイメージでは、集中するエネルギーが湧いてこないのもしかたがないことです。目標を決めてから、具体的に「いつ」「どこで」「どのように」「どれくらい」その達成のために行動するかをはっきりと決めること、自分が集中しておこなっているイメージを得ることができます。
 集中している場面をイメージする「イメージトレーニング」は、重要です。なんとなくやればいいでは、最悪の場合、作業に手をつけずにダラダラ過ごしてしまいかねません。自分自身で計画を考えて作り上げることで、集中している状況がイメージされ、それに続く行動が脳の中で生み出されるのです。

・「制限時間」を決めるコツは、ほんの少しのオーバータイム
 「少し焦る」「ちょっとギリギリ」程度の、ほどよいプレッシャーであることが重要です。全く焦らず楽勝では、集中力は眠ったままでしょう。こといって、1分や2分のような極端な短時間でいきなり集中力をフルスロットルにできるわけがありません。

★ネット時代に集中力を維持する5つのコツ(抜粋)

 

・シングルタスクを意識する
 ネットを巻き込んだマルチタスクは、現代のビジネスワークでは避けられないのかもしれません。しかし注意・集中力が簡単に分散されるだけでなく、ネット依存・中毒によって注意・集中力はもっと深刻なダメージを被りかねないことを、肝に銘じておくべきでしょう。集中すべきタスクを一つに絞るべきというのが、マルチタスクに流れやすいネット時代の基本路線だということです。

・メールチェックの時間枠を決める
 10分なり15分間などとメールを読んでレスをする時刻と所要時間を、決めておく

・SNSも時間枠を決めて対応
 SNSから集中力を守る方法は、ネット依存対策と通じるものがあります。ただ、基本はメールと同じです。時間枠を決めた「SNS休憩」を確保してしまうことです。

・「つながらない」時間を大切にする
 ネット・SNS奴隷から開放されるためには、あえて「つながらない」練習が必要です。まとまった「つながらない」「つながれない」時間を確保することが、集中力を維持する鍵になります。

★集中力が身につく8つの生活習慣(抜粋)

 

・「朝食は抜かない」のが集中への第一歩
 朝食を少量でも、バランスを取ってなるべく起床1時間以内に食べる
 ※西多先生の朝食は「シリアル」とヨーグルト、それにグレープフルーツないしオレンジジュース

・運動を習慣化すると集中力がつく
 日中の覚醒を上げてエネルギー消費をするのに一番自然な行動は、運動

・「孤独」と「ピア・プレッシャー」の長所と短所
ピア・プレッシャーはモチベーションの維持や適度な集中を保つには適しているのかもしれませんが、時間の感覚をも忘れてしまうような「集中」「没頭」には、やはり厳粛な「孤独」が求められるのではないでしょうか。
 かといってずっと孤独な戦いが続くのも、先進的に消耗します。場面に応じて、ピア・プレッシャーを活かしたり、あるいは孤独な環境に自分を置いたりするなど、作業に応じて環境をスイッチする工夫も、一つの集中術です。

感想

 

◆集中力も一種のスキル

集中力、ほしいですよね。

集中力というと体育会系の方は特に、すぐに”精神論”に結びつけてしまう風潮がいまだにあるように感じます。

「集中しろ!気持ちがたるんでる!」というあのノリです。

でも僕は集中力はある種のスキルだと思っています。
トレーニング次第で上達するもので、そのパフォーマンスのレベルは練習量とその時の体調と環境に左右されるものだと。

スポーツの練習の中や、日々の勉強や仕事の中で集中力を発揮することで集中力は高められていくので、結局のところ集中力が必要な”なにか”をすることが集中力を高めるトレーニングとなることは否めませんが、無闇矢鱈に発揮するだけでなく、どうしたらもっと集中できるかといった工夫できる面はまだまだ語られていないように思います。

著者の西多先生は精神科のお医者様ということで、本書ではこのあたりをうまく科学的に説明されています。

つまり、集中力を高める、あるいは持続するための体調管理や環境の面です。

◆環境は大切

今回本書を読んで特にインパクトだあったのが「加齢による集中力低下」というところ。

僕も年齢とともに集中力が落ちてきたという実感があって(もともとあまりなかったけど)、このテーマは”集中”して読みました。

解決方法としては集中できる環境を作るということ。
それを言われると身に覚えがあるんですよね。

常に机の上に何冊か本が乗っているため、こうしてブログを書いていても「そういえば・・・」といった感じで本にすぐ手が伸びてしまう。

毎週月曜の朝に机上を片付ける週間を続けていますが、つねに必要ないものが机上に存在しない状態にしようと思います。

集中するしかないだろ!という環境づくりができて、ラクにすーっと集中状態に入っていけるというのが理想なんだと思います。

集中するのに精神力が必要というのもなんか変な話ですからね。

◆自分のリズムを見つける

あと、「集中力は有限」というのも参考になりました。

上記した「加齢による集中力低下」で一番感じるのが集中の質の悪化ではなく、持続力が短くなっていることと、長く集中した後の回復の遅さなのです。

集中の時間に関しては諸説ありますよね。
ビジネス書によっては30分で回せなんていう集中法もあります(やってみたけど短すぎて自分には合いませんでした)。

これに関しては人それぞれなんだと思います。
僕の場合は45分集中で休憩を挟むぐらいのペースが最近は調子いいです(昔はもっと長く持続できたんだけどなぁ)。

自分で色々試してみて、最適なリズムを見つけるしかないでしょう。
ただ、一旦見つけたら仕事でも勉強でも、そのリズムが崩れないようにするのがポイント。

そして、そのリズムが午前と午後の集中力が高まる時間帯になるようにしたらさらにいいかもしれませんね。

集中力をさらに高めたい人は参考になると思います。

なお、本書の最後のあたりでADHDに関する記述もあります。
「自分はもしかしてADHDかもしれない」と思っている方、チェックリストがありますのでまずは確認してみてください。

本書は著者の西多先生から献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

はじめに
1章 脳の癖を知って集中力を高める8つのレッスン
2章 体内時計を整えて集中力を強化する7つの技術
3章 目標設定で集中のレベルを上げる7つの方法
4章 ネット時代に集中力を維持する5つのコツ
5章 集中力が身につく8つの生活習慣
6章 続く集中を手に入れる6つの上手な休み方
7章 メンタルコントロールで集中力に磨きをかける5つの条件

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