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「対話読書」が読書体験を変える!【書評】矢島雅弘(著)『エモーショナル・リーディングのすすめ』

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おはようございます、一龍です。

今日ご紹介するのは久々に読書本。
著者は私も毎回楽しみに聞いているポッドキャスト「新刊ラジオ」ブックナビゲーターの矢島雅弘さん。

本を紹介するプロフェッショナルだけに、その読書法もかなりユニークで参考になるものでした。
はたして著者の推奨する「エモーショナル・リーディング」とは。

 

はじめに

本を紹介するポッドキャスト、「新刊ラジオ」でブックナビゲーターを務める著者の矢島雅弘さん。
その読書方法はちょっと特殊。
番組で本の魅力を紹介するという最初からアウトプットありきの読書をされているからです。
その読書方法、名づけて「エモーショナル・リーディング」。
しかし特殊と言いつつも、この読書法がおそらく一般の読書においても効果的な読み方なのです。
ということで今回は「エモーショナル・リーディング」のポイントをピックアップしてみました。

ポイント

 

★「エモーショナル・リーディング」とは?

 

「エモーショナル・リーディング」は、直訳すれば「感情的な読書」となりますが、より正確にいえば、「肯定的な感情で本と向き合い、ポジティブな感情で著者のメッセージを受け取る読書術」です。

★本は「著者の分身」、読書は「著者との対話」

 

 学んできた体系的な知識、経験則から導き出された知恵。それらを読者の仕事や人生に役立ててほしいという思いが一冊の本としてまとめられています。
 そこには等身大の人間としての著者が存在します。
 いうなればい、ビジネス書は「著者の分身」なのです。<中略>
 本を「著者の分身」とするならば、読書はさながら、著者からのマンツーマンレッスンを受けるような、あるいは著者と対談するような「対話」です。
 「百聞は一見に如かず」といいますが、「本は著者の分身」「読者は著者との対話」という意識を持つことは「百聞を一見に近づける」ことにほかなりません。

★「対話読書」のメリット

 

 「対話読書」にはいくつかのメリットがあります。
 ひとつめは、「感情や思考が具体的になる」ことです。
 リアルな「対話」をしていると、自分の気持ちが素直に言語化され、自分がどう思ったのか、何を感じたのかが自覚できます。<中略>

 二つめのメリットは、「読書が客観的にならない」ということです。
 著者と精神的な距離を置いたまま読書をしていると、どれだけ良い言葉があっても自分に向けられたものではないように感じてしまいます。<中略>
 対話をすると客観的ではいられません。<中略>
 対話の当事者になれば、著者の言葉をただ読むだけではない、「考えながら読む」という一歩踏み込んだ読書ができるようになるのです。

 三つめのメリットは、「興味が湧く」ことです。<中略>
 「聞く」ことを意識すると、本の中にあるちょっとした記述に興味が湧くようになります。
 一般的な意見とは異なる見解が書かれていれば「なんで?」と聞きたくなりますし、ユニークな体験談などを見つければ「面白いですね、詳しく聞かせてくださいよ」と声をかけたくなる。
 どうしても興味が湧かず(読書中に)眠くなってしまう人は、まずは「著者に聞きたいこと」を探してみるといいでしょう。

★著者のビジュアルを想像してみる

 

 ただ文字を追うよりも、「こんな人が語っているのだな」と思うと、俄然「対話」のイメージが湧いてきやすくなります。
 たとえば『伝える力』が大ヒットしたジャーナリストの池上彰さんは数多くの著作を出されていますが、メディアへの露出も多くすぐにビジュアルが頭に浮かびます。そして、池上さんの本を読むときは、池上さんのゆったりと丁寧に解説してくれる口調をイメージしてみるのです。
 すると文字を追って、「自分の声」で再生されていた文章が「池上さんの声のイメージ」で再生されるようになり、著者の姿が立体的になって「対話」がやりやすくなります。ポイントをついた疑問を感じたら、お約束の「いい質問ですね」とイメージの中で言わせてしまうのもいいかもしれません。

★「はじめに」と「小見出し」は丁寧に読む

 

 ビジネス書の「はじめに」と「小見出し」は、とても重要です。
「はじめに」はほんの数ページ程度ながら、なぜこの本を書いたか、どんな事柄に問題意識を持っているか、その問題に対してどのような解決策を考えているかなど、著者の主張の根源となるものやその概念が語られています。
「小見出し」は、どういう流れで著者がそのテーマについて語ろうとしているのかが俯瞰でき、内容を把握するための道標になります。<中略>
 ビジネス書の著者は優秀なビジネスマンや学者であることが多く、普段から企画書やプレゼン資料などを作成していくので、本の「小見出し」も、簡潔ながら何について語っているのかが想像しやすくなっています。ですから、本文を読む前に、「はじめに」と「小見出し」を丁寧に読んでおくと、何に気をつけて読もうかという方針が決めやすくなります。 

★「やってみましょう」「チェックリスト」にはノッてみる

 

 ビジネス書を読んでいると、「◯◯と言ってみてください」「□□を思い浮かべてください」「△△してみましょう」というような提案や、いくつもの設問が並んだチェックリストが書かれていることがあります。<中略>
 そういった、その場でできる著者からの提案やチェックリストには、必ずノッてみてください。なぜなら「プチ体験」ができるからです。
 せっかちな人や理屈だけで物事を考えがちな人は、ここを読み飛ばして先へ進んでしまうでしょう。しかし、著者は読者がその「プチ体験」に乗ってくれると信じてその先を書いていますし、「プチ体験」よる実感がないまま先を読んでも、本当の意味での理解や納得はできません。<中略>
著者の意図がなんとなく予想できたとしても、まずはノッてみましょう。

★基本は「賞賛」「ツッコミ」「共感」

 

 「対話読書」には、肯定的な姿勢が欠かせません。
 その基本は、端的に言うと「賞賛」と「ツッコミ」と「共感」という三つのアクションに集約されます。
 「賞賛」は、「すごい」「面白い」とポジティブな感情を示すこと。
 「ツッコミ」は、疑問や反論を投げかける行為、もしくは相づち。
 「共感」は、同意や納得、親近感を表すこと。
 この三つの対話的アクションをしながら読書を進めていきます。

感想

 

◆「対話読書」は読書という行動の本質に近づく読書法

本来「エモーショナル・リーディング」は

①対話読書
 著者と語り合うように本を読み進めることでホントの精神的距離を縮め、より能動的な姿勢で本と向き合いながら理解を深める
②エモーション・メモ
 読書をしながら要旨や結論を記録するのではなく、「感情」をメモすることで、何が自分にとって大事なことなのかを認識する
③エモーション・アウトプット
 読んだ本の良いところを人に語ることで、本から得た知識が整理され、新たな発見が生まれる

の三段階からなっています。

アウトプットするところまでを含めて「エモーショナル・リーディング」なのですが、今回は最初の「対話読書」にフォーカスしてみました。

さて、ご自分の読書と比べていかがでしょうか。

私はこの読書法、かなり読書という行動の本質をついたメソッドだと思いました。

というのも、読書の本質には「他人の人生を擬似体験する」という要素があると思いますが、これを楽しむのにこの「対話読書」はぴったりだと思ったのです。

とくにビジネス書の場合、自分が就けない仕事を体験したり、経験できない成功や失敗、さらにはそこから得られる教訓を得ることができたり、幾通りもの人生を生きられたりと、その疑似体験自体が楽しいし、そこから多くのことを学べるからこそ価値を感じられるわけですが、より深く味わい楽しむためのちっょとしたコツが有ると感じます。

読書の疑似体験って、テーマパークのアトラクションとよく似ていると思うことがあります。
たとえばディズニーランドのジャングルクルーズを思い浮かべてください。

あのアトラクションはガイドと一緒にノリノリで体験すると楽しいですよね。

でも、「ジャングルじゃないし、動物は作り物だし、襲われることもないし、そもそもここは千葉だし」なんてこと考えていたら全然楽しくない。

読書も同じで著者の主張や体験にノリノリで向き合ってみるとのめり込めるし、ワクワクも倍増します。

例えば、業績をV字回復させた名経営者の経営記なら、その経営者の参謀とか部下にになった気持ちで「社長、どうしましょう?」と問いかけながら。
「〇〇大学流、☓☓教室」といった人生論的な本なら、その先生の生徒になって教室で講義を受けているつもりで読むと。

そして読書というのは本来そういう気持ちで行うものだと思うのです。
つまりどれだけ意識して体験型アトラクションにもっていけるか。

そこで感動の深さとか、記憶への残り具合が決まってくる。

だとすれば、本書で著者が提唱する「対話読書」はまさに読書という活動の本質を的をついた読書法だといえるのではないかと感じました。

◆苦手な本ほど「エモーショナル」に

しかし実際の読書という物理的な行動だけを考えると、脳内だけで行われる結構地味で退屈な作業です。
そのため、たとえ好きなジャンルや作家さんの本でも、読書中に眠くなる経験はだれにでもあるでしょう。
それに、どうしてもポジティブになれない読書もあるものです。

たとえば自分の苦手な分野の本を読まなければならないとき。
仕事や勉強のために興味のない本を義務的に読まなければならないとき。

しかもそれが専門用語や数字やグラフが多い専門書であったりしたらもう読書を楽しむなんてことはできないですよね。

なんというか、「罰ゲームか!」って感じで。

でも、そういうポジティブになれない自分の苦手な分野の本ほど「エモーショナル」に読むのが効果的なんだと偶然気が付く出来事がありました。

先日リアル本屋さんでこの本

を立ち読みしてみました。

6000円という高額で700ページ超えの本でありながらベストセラーになっている最近話題の本ですよね。
書評ブロガーとしてはチェックしておかなくてはと思い、本屋さんで手にとってみたのですが、パラパラとページを捲ってみて、静かに本棚に返しました。

「これ、自分にはムリだわ」と。

もともと経済音痴なのでその圧倒的なボリュームと、特にグラフなどの資料が生理的に受け付けませんでした。

ところがです、夜にふとニュースを観ようとつけたテレビに「白熱教室」が映り、ピケティ先生がまさに白熱の講義をしているじゃないですか。

で、色々グラフがどんどん出てくるんです。
やっぱり意味がよくわからないのですが、ふと気が付くとテレビに向かって「わかりません!」とか「絵っ?どれ?どの線のこと?」などと質問とかツッコミとかをしている自分がいるのです。

しまいには「先生、汗ふいてください」とか。

で、最後まで番組を観てしまいました。
内容の理解度は低いと思いますが、結構楽しいし興味は持てました。

これってまさに「対話読書」と通じるものです。

高価なので買わないと思いますが、もし『21世紀の資本』を今手渡されたら多分読みきれる自信が(ほんの少し)あります。

ピケティ先生を画面でみたので、本を読んでもその語り口とか声とか汗っかきな感じとか思い浮かべて読めそうだからです。

とすると、読書でどれだけ理解できるかとか、深い感動を味わえるかとかというのは、どれだけリアルに著者をイメージできるかによるんじゃないかと、本書を読んで気が付きました。

結局読書もコミュニケーションなんだなと。

ということで、著者と読書の中でコミュニケーションを取る方法がぎっしり詰まった本書。

読書初心者の方はもちろん、読書家の方より深い読書体験のためのアイデアが得られると思いますので一読をおすすめします。

なお、本書の内容については読書好きとして他にも「そうそうそれわかる!」というテーマがいっぱいありましたので、また別の記事でも取り上げたいと思います。

今日のところは「対話読書」について思ったこと感じたことを書いてみました。

本書はDiscover21社様から献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

はじめに
第1章 楽しむことで学びは変わる
第2章 本と対話する「エモーショナル・リーディング」
第3章 「エモーショナル・リーディング」実践編
第4章 もっと読書を楽しむための5つのこと
第5章 ブックナビゲーター矢島の「僕の読書を変えた一冊」
おわりに

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