「フォードvsフェラーリ」【レビュー】異質な二人の純粋な友情物語

出典:映画.com

こんにちは、子供の頃にスーパーカブームではじめてフェラーリを知ったなおさん(@ichiryuu)です。
2020年、映画館で観る1本目は「フォードvs フェラーリ」です。

「フォード vs フェラーリ」公式サイトはこちら

「フォードvsフェラーリ」【レビュー】異質な二人の純粋な友情物語


監督は「ローガン」などウルヴァリンシリーズのジェームズ・マンゴールド
主演はボーン・シリーズのマット・デイモンがカーデザイナーのキャロル・シェルビー、「ダークナイト ライジング」のバットマン役クリスチャン・ベールがレーサーのケン・マイルズ役。

この布陣だけでも十分映画館に足を運ぶ理由になりますが、ちょっとこの映画は知識を頭に入れてから行ったほうがいい映画だとおもいます。

少なくとも、フェラーリとフォードの会社の歴史と社風。
そしてシェルビーとマイルズの人となりを知っておくと、この映画ぐっと面白くなります。

ことの発端はエンツォ・フェラーリとフォード2世との確執

この映画、ラストのフォードvsフェラーリの対決の舞台は、1966年のル・マン耐久レース。

そもそもなぜフォードがル・マン耐久レースに出場するようになったかというと、それはフェラーリ創業者のエンツォ・フェラーリにフォード社長フォード2世がブチギレたから。

経営が悪化していたフォード社はフェラーリを買収することで若者の人気を獲得しようとしました。

しかしエンツォ・フェラーリはこう言います。
「フォードは醜い工場で醜い車を作る醜い会社だ」

この言葉にカチンときたフォード2世が、「レースでフェラーリに勝つ!」と言い始めるのがこの映画のストーリーの発端となります。

ここで知っておきたいのはこの2社の違い。

ご存知の通り、フォードは自動車王をヘンリー・フォードが世界に先駆けてベルトコンベヤー方式による大量生産で、安価な一般大衆車T型フォードを大ヒットさせたことで大きくなった自動車メーカー。

一方フェラーリは、レーシングチーム「フェラーリ」からスタートして、レース用のスポーツカーを市販車として販売しはじめて自動車メーカーとなった会社。その制作スタイルも全て職人による手作り(今も同じ)です。

レースと車の性能に職人気質でこだわってきたフェラーリにとってみれば、フォードなどは「安い一般大衆車しか作れないメーカー」という印象だったと思います。

この全くベクトルの違う2社に加えて、フォードチームのマイルズとシェルビーも移植の人たちでした。

ケン・マイルズは、第2次大戦中は戦車の操縦士で、大戦後ケン・マイルズは各都市で行われるレースに出場して得た賞金で暮らしていたアマチュアレースドライバーでした。
正式な大きな大会で戦っているレーサーではないのです。

一方キャロル・シェルビーは、アメリカ人としては珍しいルマン経験者の元ドライバーで、心臓の病気でドライバーを引退してからは車のデザイナーをしていました。
しかし、彼もデザイナーとしてはアマチュアで正式に勉強したわけではありません。

ちなみに、彼がフォードに呼ばれたのは、彼がデザインした車に、フォードのエンジンを積んで、レースでシボレーに勝ったことがきっかけだったようです。

要するに、この映画、単なるフォードとフェラーリが戦ったレースの映画ではなく、王者フェラーリに素人野武士集団(といってもフォードは大会社ですが)が挑戦状を叩きつけてまんまとやっつける映画なので、ちょっとその背景を知っておくと数倍楽しめると思います。

レースシーンが少ない!

ということで、ようやく感想を書き始めますが、期待していただけに正直言ってかなり欲求不満です。

上記の、フォード2世がブチギレて「レースでフェラーリに勝つぞ!」ということろから、車の開発に苦労するシーンが「プロジェクトX」的にどんどん出てきて、でもそれを根性と努力とチームワークで乗り越え、あとは本番のレースシーンが全体の3分の1ぐらいあるのかと思うじゃないですか。

この映画、全体で153分も上映時間があるんだけど、フォード2世がブチギレするまでに1時間以上かかります。
2人の主役の内面を丁寧に描くのはいいんですが、とにかく話がスタートしない。
前半に草レースみたいなシーンがちょっぴり出るけど、ほとんどがホームドラマとビジネスドラマみたいなシーンばっかり。

あやうく睡魔に負けそうでした。

そしてメインイベントのル・マン耐久レースシーンですが、時間的にはあっという間。

ちょっと肩透かしでしたね。

ただ、レースシーンに関しては、すごかった。
まるで、助手席に座っているような感覚。
おそらく、車のボンネットとか側面に複数カメラを設置して撮影しているんだと思いますが、ほとんどCGも使ってないのではないでしょうか。
もっと、レースシーンが見たかったなぁ。

人間ドラマがこの映画のみどころ

おそらく監督は人間ドラマをしっかり描きたかったのでしょう。

特にシェルビーとマイルズの友情はとてもおもしろい。
全くタイプの違った二人ですが、レースに対する純粋な思いでつながっている。
ある意味特殊な友情が成り立っていることがこの映画から伝わってきました。
そこを描かないと、ル・マン耐久レースのゴールシーンに(史実だといえ)納得できないですかね。
友情がなければ、マイルズがあんなことをするはずがありませんから(何をしたかは劇場で)。

ちなみに、おっさん2人が喧嘩するシーンは最高!

また、マイルズを主軸にしてみると、夫婦愛と親子愛がとてもいい。
カトリーナ・バルフ演じる奥さんのモーリー・マイルズがとにかく素敵。

それにノア・ジュプ演じる長男ピーター・マイルズの、父を慕い父に憧れ父の背中を押す姿もよかったし、レースに勝って息子を助手席に乗せる父親って文句なしにかっこいい!

レースシーンが少なくてちょっとがっかりしたけれど、この家族の姿にほっこりできたのでまぁ良しとしまうょうか。

あと、人間ドラマという点では会社組織のダーティーな面も表現されていますが、ここはお好みで。
ただ、この映画を見たら絶対フォード車に乗りたくなくなるのでご注意を。

この本の評価
ストーリー 〈寸評〉前半長すぎ
(3.0)
映像 〈寸評〉レースシーンはグッド
(4.0)
音楽 〈寸評〉60’sが好きなら
(4.0)
キャスト〈寸評〉主役の2人!
(5.0)
デート 〈寸評〉彼女が車好きなら
(4.0)
総合評価
(4.0)

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