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今すぐ市場に出て「生きる力」を実戦で鍛えよう!!【書評】ちきりん(著)『マーケット感覚を身につけよう』ダイヤモンド社

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おはようございます、一龍です。

今日ご紹介するのはちきりんさんの久々の書きおろし新刊。
いつも新しい視点を提供してくれるちきりんさんの今回のテーマは「マーケット感覚」。

おそらくこれからの時代を生きていくためのキーワードとなると思います。

 

はじめに

当ブログでもお馴染み、というか月間200万PV超えの人気ブロガーさんなので私が説明する必要もないちきりんさんの新刊です。

社会派ブロガーとして様々な問題定義や視点を提供してくれる方ですが、本書のテーマは「マーケット感覚」。

平たく言うと「これから市場はどうなるのか?」という観点で物事を考えましょう、そういう思考力を身に付けましょうということです。

というのも、これから生きていく上で重要なスキルとなるから。
どうしてそうなるのか、「マーケット感覚」とうどういうもので、どうやって身に付けていくのか。

まずはポイントからご覧ください。

「マーケット感覚」を身につけるためのポイント

★市場化を加速するネットの思想

 

 就活や婚活の例でわかるように、社会の市場化を可能にしたのは、インターネットの普及です。ネットの技術が、不特定多数の需要者提供者のマッチングを容易にし、相対取引を市場取引に移行させる基盤となりました。
 しかし技術だけではなく、その思想においてもインターネットは、社会の市場化を促進しています。そいうのも、ネットの世界ではできるだけ少ない規制を原則とし、問題行為は「個別の問題の摘発」によって排除するという考え方で運営されているからです。<中略>
 インターネットで世界がつながり、海外の企業や人と取引する機会が増えれば、世界の中でも最も規制的(非市場的)といえる日本の社会にも、その影響が及びます。私たち日本人が覚悟を決めなければならないのは、「これからの社会は、どんどん市場化していく。それを避けることは、もはや不可能だ」ということなのです。

★キャリア形成にも不可欠なマーケット感覚

 

 市場化する社会では、政府が認定した資格を無思考に目指すのではなく、その資格を必要とする職業がおかれた市場の状況について、正しく理解するためのマーケット感覚が不可欠です。<中略>
 自分が勉強しいる間に、その仕事に対する需要の大きさが替わってしまうかもしれないのだから、ひとつの分野にこだわり続けるより、需要が増える分野を見極め、伸びている分野に素早く移動することのほうが、よほど有用な場合も多いのです。<中略>
 市場化の進む社会におけるキャリア形成では、市場の動向をいち早く見極めるためのマーケット感覚と、需給バランスの変化に合わせて自分のスキルや専門性をシフトするための柔軟性や決断力が、何より重要になるのです。
 

★「市場創造」が世界を豊かにする

 

 ごく身近にある価値の発見は、個人が稼ぐ力の源になるだけでなく、社会を豊かにする原動力でもあります。<中略>
 これらの例(高校野球甲子園大会、B-1グランプリ、世界遺産など)からわかることは、もともと存在していたモノの中に、新たな価値が見いだされ、巨大な市場になったものがたくさんあるということです。それらを市場として大きく育てたのは、最初にものや制度を作った人ではありません。途中で、その潜在的な価値に気づいた人なのです。
 そしてこの「潜在的価値に気づく能力」こそがマーケット感覚です。高校の部活の全国大会や、小さな村のイベントを目にした、マーケット感覚にあふれた誰かがその価値に気づき、市場化をしかけて、これだけ大きな存在に成長させたのです。<中略>
 新たな価値を見いだすことができれば、新たな市場、そして大きな経済価値が生まれます。まだ取引されていない潜在的な価値に気がつき、市場化するーーー多くの人がマーケット感覚を持つことで、個人はもちろん、世の中もどんどん豊かになっていくのです。

★プライシング能力を身につける

 

 自分の価値基準を持ち、プライシング(値付け)能力を身につけるためには、不動産や教育といった大きな買物をするときはもとより、洋服や家電を買うたび、何らかのサービスを受けるたびに、付いていく値札をいったん忘れて、「この商品、このサービスの自分にとっての価値はいくらなのか?」と考える癖をつけることです。
 日々そういう意識を持って買い物をしていると、自分にとってなにか価値であり、どんなものに、どれだけの価値があるのか、少しずつわかってきます。考え続けることにより、「自分独自の価値基準」も明確になってくるのです。
 そして独自の価値基準が持てれば、今度は値札のないものでも、価値が判断できるようになります。潜在的な価値を見つけるためのマーケット感覚は、そうやって鍛えていくのです。

★自分の欲望に素直になろう!

 

 成功しているビジネスパーソンはみんな、自分の欲望にとても正直だし、かつ、ストレートにそれを表現します。「アレがやりたい!」「これを実現したい!」と、突拍子もない希望を次々と表明します。
 こうして自分の欲望に素直に向き合うと、自分の中にある欲望センサーの感度が高まり、他者の欲望や、人間全体に共通するインセンティブシステムについても、理解が進みます。そうすると、市場で人がどう動くかもわかるようになり(=マーケット感覚が鍛えられ)、結果としてビジネスも成功するのです。
 だから、たとえ手に入る可能性が低くても、欲しいものを「欲しい!」と強く意識し、自分の欲望に真正面から向き合うことが、これからはとても大事になります。日本では学校でも家庭でも、「我慢すること」に価値があるかのように教えますが、我慢するよりも「自分はなにが不満なのか→自分が求めている理想的な状態とは、どのような状態なのか→自分がほしいものは何なのか」と考えるほうが、よほど建設的です。

★作り込みより「とりあえずやってみる」 

 

 組織型の「決めてから→やる」方式では、細部まで完璧に作りこむことがとても重要です。他の案はすべて捨ててひとつを選んだのだから、選んだ一つは絶対に成功するよう、万全を期す必要かあります。
 一方、市場型の「やってみて→決める」方式では、どんどんやって見るためのフットワークの軽さと、ダメだと思えば早めに見切る意思決定の早さのほうが重要です。このように市場化した社会では、「作り込み能力」より、「素早い行動力と迅速な意思決定」のほうが重要であるため、前者には圧倒的な強みがあるのに後者の能力に劣る日本企業が、苦戦を強いられているのでしょう。<中略>
 このような、評価や意思決定プロセスにおける組織型から市場型への移行という変化を理解し、できるだけ早く市場型のアプローチに慣れていくことが、今後はすべての人にとって重要になるでしょう。

★市場性が極めて低い学校

 

 市場性が極めて低い場所のひとつが、学校です。特に日本では、どんなに授業か面白くなく、学生の学びに役立たない先生でも、そのために給与が下がったり、解雇されたりすることは、まずありません。必須科目ならどんなにつまらない授業でも、全学生が受けてくれます。
 だから、就活に失敗した人が留年したり、大学院へ進学して就活をやり直すというのは、とても馬鹿げたことなのです。なぜなら、就活が不調に終わったということは、マーケット感覚が不足していた可能性が高いのです。だったらそれを身につけるのに最も向いていない学校に居続けるより、さっさと社会に出てマーケット感覚を養ったほうがよほどマシでしょう。

★「変」or「替」 

 

 私たちはみんな生まれてきたその日から、変化することによって成長してきました。様々な失敗を繰り返しながら、そこから学び、自分を変えていくことでしか、「よりよい自分」に近づくことはできません。
 しかも、「どんなに世の中が変わっても自分だけは(自社だけは、この業界だけは、この国だけは)変わらないぞ!」と抵抗していると、どこかの段階で淘汰されてしまいます。「変わる」ことを拒否するモノは、「替えられてしまう」からです。

★親が子どもに伝えるべきこと

 

 これから親が子どもに伝えるべきことは、特定の資格や専門性を勧めることでも、ましてや特定の企業を目指させることでもありません。そんなことより、変化は恐れるものではなく、楽しむものなのだと身をもって教えてあげましょう。
 変化が起きると、今まで必要だったものが不要になり、新たなモノへの需要が生まれます。過去の人気商品を作っていた企業の仕事は減るけれど、だからといって変化を恐れる必要はありません。洗濯板が売れなくなったことを嘆くより、洗濯機が売れ始めたことを喜ぶほうがマトモですよね。大事なことは、その変化を自ら感じ取り、進むべき方向を早めに見極めることのできるマーケット感覚を身につけることなのです。

感想

 

◆「ロジカルシンキング」と「マーケット感覚」は表裏一体

本書は2011年に出版されてベストセラーとなったコチラの本

と対になる本とのこと。
『自分のアタマで〜』は、ロジカルシンキングの本でした。

勝間さんがブレイクしたくらいからロジカルシンキングとかフレームワークという言葉をよく聞くようになったし、一時期ブームとなっていたと思います。

今でも「マッキンゼー」を冠に使ったビジネス本が登場しますが、たいていはロジカルシンキング本ですよね。

いずれにせよ直感派(という言葉を言い訳に何も考えていない)の私にとってはロジカルシンキングとの出会いは衝撃的だったのを憶えています。

実際、ロジカルシンキングのパワフルさは私も職場で何度も経験することになりました。
しかしそれと同時に、ロジカルシンキングが問題解決の万能特効薬ではないことも数多く経験してきました。

それは人間の感情の絡む問題です。
感情って理論で説き伏せり予測したりすることができないんですよね。

なので、今回ちきりんさんが『自分のアタマで〜』の対となる本書を出版したことはすごく腑に落ちました。

「マーケット感覚」は人間の感情にスポットを当てて問題解決をするスキルとも言えるものです。

そして、ロジカルシンキングと「マーケット感覚」からの両面から問題解決を考えることが必要ですよと。

本書の挿絵で言わんとすることがわかりますね。

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なるほど、「ロジカルシンキング」と「マーケット感覚」は表裏一体なんだ。
ここでひとつ納得。

ちきりんさんがブログで提供してくれる問題定義やそのユニークな解決アイデアはロジカルシンキングだけでアプローチしているのではないからだったんですね。

それはともかく

本書で大きく納得共感できたのは、この「マーケット感覚」はこれからの時代を生きていくための力強いスキルでもあるということでした。

◆「マーケット感覚」=「生きる力」

いつの頃からか学校教育の目標のひとつに「生きる力を育む」というものが掲げられるようになりました。

しかし、現在中学生と高校生のわが子たちの受けている教育をみていると、「生きる力」を学校は教えているのか?そもそも「生きる力」ってなんなのか?という疑問をずっと持っていました。

「生きる力」というものはいろいろな要素で構成される総合力だと思っています。
学校で習う基礎学力ももちろん大切ですが、自分を律する力とか、人を思いやる心とか、人間関係の構築力とか本当に多岐にわたると思います。

それらをまとめて「生きる力」というのだと思うのですが、これって簡単に言うと「社会で生きる力」であり、もっと現実的に言うと「市場で生き延びる力」ですよね。

そして「市場で生き延びる」ために一番必要なスキルは「稼ぐ力」ではないかと私は思っています。
ところがこの「稼ぐ力」というのが一番似合わないというかなじまないのが学校です。

そもそも学校教育は産業革命以後にスタートしていて、世の中が産業化していく中で必要な人材を育成することを目標としてきました。

すなわち、産業労働者と官僚を育成することです。

どんなに忙しくても「滅私奉公」、上司に言われたことをきちんとやる人間、もっというとお上に文句を言わないでしっかり働いて税金を納める国民を育てることが教育方針の根底にあります。

その大前提として終身雇用というシステムがあったのですが、そのシステムだけ先に崩壊してしまい、教育だけが古い形態と内容のままというのが現状でしょう。

いくら学校の勉強ができても、偏差値の高い学校に進学しても、そこには「稼ぐ力」を学ぶ機会はないのです。

しかし、時代はどんどん進んでいます。
明らかに「個人の時代」が来ているのを感じます。

フリーランスという言葉がよく聞かれるようになりましたが、個人事業主はもちろんのこと、サラリーマンも「稼ぐ力」を養い、時代の変化にうまく乗って生きていくスキルが必須になってきたと言えます。

でなければ、自分が乗っている船が浮沈戦艦だと思い込んでいて、実は泥船だったと気がついた時にはもう遅いという事例がこれからどんどん登場してくることでしょう。

では、どうやって「マーケット感覚」=「生きる力(稼ぐ力)」を身につけるのか。

本書ではその方法が色々解説されていますが、いちばんいいのはとにかく市場に乗り出してみることです。

◆市場というリングに上がろう

新しいスキルを身につけるとき、ふたつのステップがあります。

何かを学ぶ際には、ふたつのステップを経ることが必要です。ひとつは、組織から学ぶこと、もうひとつが、市場から学ぶことです。組織からの学びには、学校に通って学ぶ方法と、会社に入って上司や先輩の指導を受け、研修に参加して学ぶという方法があります。一方市場から学ぶ方法は、「やってみて、失敗し(もしくは拒否され)、その失敗や経験から学ぶ」という形になります。

先ほど学校には学ぶ機会がないといいました。
「マーケット感覚」(稼ぐ力)は市場に乗り出してみることが一番の学習です。

しかも今は実際の市場で経験から学ぶのにとてもいい時代でもあります。
それはインターネットの存在です。

このブログのようにアフィリエイトリンクを貼って売れそうなものを紹介するのもいいでしょう。
ヤフオクやせどりもいいでしょう。

自分のアタマを使ってものを売る体験をしてみることです。

また、せっかく個人で情報発信できる時代です。

小説家志望、ミュージシャン志望、芸術家志望など、これまではなかなか発表の場所すら確保しにくかった分野でも簡単に表現場所を設けて、どんどん市場に自分の作品を送り出してみることです。

こういった経験が、ほとんどコストも掛からず体験できる時代というアドバンテージを利用しない手はありません。

私は思うのですが、この先20年で世の中がガラッと変わると。
なぜかというと、バブル経験世代が引退して、インターネットを自在に操る中高生が社会の中核になるでしょ。

ということは、

インターネットで市場を人生の早い段階で経験できた若者の時代になるからです。
今は想像もつかない新しいサービスや商品が市場でしのぎをけずるとても賑やかな社会になっているのではないかと。

なんかそう考えるとワクワクしますね。
ほんょを読んでそんな未来を考えてしまいました。

マーケット感覚を多くの人が身につけワクワクした社会になることを期待しましょう。
もちろん自分もその市場に参加しますよ!

本書はダイヤモンド社編集者の横田様から献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

序 もうひとつの能力
1 市場と価値とマーケット感覚
2 市場化する社会
3 マーケット感覚で変わる世の中の見え方
4 すべては「価値」から始まる
5 マーケット感覚を鍛える5つの方法
終 変わらなければ替えられる
さいごに

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