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英語独特の「感覚」で納得【書評】西澤ロイ(著)『頑張らない基礎英語』あさ出版

おはようございます、一龍です。

今日ご紹介するのは西澤ロイ先生の「頑張らない〜」シリーズ最新刊。
「基礎英語」のタイトルですが、本当に基礎の基礎の部分を腑に落ちるように説明してくれています。

 

はじめに

今回本書がスポットを当てているのは英語独特の「感覚」。

小難しい文法理論は置いといて、どの表現がどんな「感覚」をもっているのか、どんな「感覚」で使われるのかをわかりやすく解説してくれています。

まずはその一端を、私が分かっているようで分かっていなかったものをピックアップしましたので御覧ください。

ポイント

 

★命令文という名前に惑わされてはいけない

 

 日本語では「命令」という言葉には強い、重い感じがありますが、英語では感覚が少し違います。「必須/緊急である」ことを伝える形とされていて、単純な指示でも命令形を使います。

★pleaseをつけても丁寧にはならない

 

 pleaseは日本語に訳すなら「お願い」や「どうぞ」に当たりますが、本質的には「自分が相手にしてほしいこと」を伝える言葉です。
Please go straight. 
と言ってしまうと、「お願いだからまっすぐに行ってください」という意味になり、逆に不自然です。

★canのコアの意味は「可能性」

 

 canを「できる」という意味だと暗記するのではなく、ぜひもう少し正確に理解しておきましょう。
 canの本来の意味は「可能性がある」ことを表します。違う言い方をするなら「やろうと思えばできる」ということです。

 なお、canやmay、shuld、mustなど1語の助動詞には、意味が二面性(2つの意味合い)を持つという特徴があります。つまり、canには「できる」の他にもう1つ押さえておくべき意味合いがあるのです。
 例えば、次の文はどういう意味でしょうか。
(a) His story can be true.

  be動詞を現在形にして
His story is true.
 と言えば、「彼の話は本当だ」という意味になります。そこにcanがつくことで「彼の話は本当の可能性がある」「(ひょっとすると)本当かもしれない」という意味になります。

 このように、canの意味には「できる」と「かもしれない」という二面性があります。ただし、この2つの訳語だけを暗記しても、英語の気持ちがわかるようにはなりません。ぜひ、canという言葉が持っている「(うちに秘めた)可能性」を感じてください。

★to不定詞の「後から補足する」感覚

 

「to不定詞は、日本語の”連用形”と一緒」
 単に「したい」ではなく「食べたい」。単に「物」ではなく「食べ物」。単に「行く」ではなく「食べに行く」。連用形はこのように、その動詞の意味をプラスして、意味をより具体的にします。
さて、「食べたい」「食べ物」「食べに行く」の3つは、実はそのままto不定詞に訳すことができます。
食べたい → want to eat (名詞的用法)
食べ物 → something to eat (形容詞的用法)
食べに行く → go to eat (副詞的用法)

 なお、to不定詞を様々な用法に分類することは、研究のためには必要かもしれません。しかし、英語を使う人には「これは名詞だ」などという意識はありません。日本語でも「食べたい」の「食べ」は連用形だ、などといちいち考えませんよね。
 大切なのは、to不定詞は「後から動詞で意味を補足する」という意識を持つことです。

★be going to は「物事が動き出している」

 

 次はbe going to です。これは3語セットで助動詞として機能します。be going to も「予定」や「予測」を表します。
では、
I’m going to visit Osaka next week.
の意味は、will の時とはどのように違うのでしょうか?
 
 be going to を分解して考えてみましょう。まずbe going は、現在進行形と同じ形をしています。つまり「行っている/向かっている」意味があると考えられます。
 そして、to visit と続きますが、to は「矢印」でしたね。つまり、visitという方向(来週大阪を訪問する)に「今向かっている」ことを表します。
 実際に訪問するのは来週のことですが、すでにそこに向かっている・・・つまり、「物事が動き出している」ニュアンスがあるということです。例えば、チケットをや宿泊などの手配を行っていたり、大阪での予定を調整していたり、などです。

★may の過去形 might

 

 may の過去形はmightです。mightにすることで「もしかしたら・・・かもしれない」という、mayを弱くした意味合いになります。
It may rain tonight. → It might rain tonight.
 may を使うと「降るかもしれないし、降らないかもしれない」ですね。might にすることで「もしかしたら降るかも」くらいの意味になります。
 ところで、なぜ過去形にすることで、意味が弱まるのでしょうか?
 実は日本語でも同じです。意見を伝える時に「私は◯◯だと思う」と「私は◯◯だと思った」だと、過去形のほうが響きが柔らかいですよね。

★日常会話でのshall

 

 さて、日常会話でshallを使うとしたら、shall I…? (…しましょうか?)とShall we…?(…しませんか?)という2つの用法を押さえておけば事足ります。文字通りに捉えると「私/我々が・・・するのは運命ですか?」と神様に申し出るような感じです。それが形骸化して、提案する場合に使われると考えてください。
Shall I make some coffee?
「コーヒーをお入れしましょうか?」という風に申し出る表現です。
 Can I…? やMay I…?も申し出る場合に使えます。微妙なニュアンスの違いになりますが、canを使う場合には「・・・できますか?」というやや婉曲的な言い方で尋ねることになります。mayは、へりくだって「相手の許可」を求めるイメージです。
 それに対してShall I…? の場合には、「それが進むべき道ならば当然やりますよ」と申し出るニュアンスになり、そこから相手に寄り添うようなあたたかみが生まれます。

 

感想

 

◆それぞれの表現の微妙なニュアンス、「感覚」が腑に落ちる

本書は「基礎英語」というタイトルですが、広い意味での英文法の本です。

とにかく学生時代に英語が苦手だった私ですが、苦手になった原因の多くの部分が英文法だったと思います。

というのも、用語がよくわからないのと、言葉を数学の公式のように語順や使い方を定義したところ。

おそらく英文法というのは、幕末から明治にかけて英語を読解するために当時の学者さんが「語学」として作り上げたのだと思うのですが、なんか漢文を読解するのと同じノリなんですよね。

日常使用する「言葉」という意識ではなく、まるで暗号読解のような。

日本語である古典でも、助動詞の活用とかぜんぜん理解できなかった私に、不定詞の◯◯形とか言われてもさっぱり馴染めませんでした。

きっと私と同じような人は多いはず。

でもね、考えてみれば英語圏の人はみんな自然と言葉を覚えて話せるようになるわけですよ。
いちいち文法を考えて話している人はいないでしょう。

それは自然と語順や活用の仕方やそれぞれの表現の持つ「感覚」とか微妙なニュアンスの違いを覚えて使えるようになるから。

違う言語を使っている私たちは、公式のような英文法からではなく、この「感覚」を知ることから学んでいったほうが自然なんじゃないかと思うのです。

だって、英語は言葉ですし、文法なんて考えずにネイティブは自然と覚えていくわけですから。

本書ではこんな考えを強くさせてくれます。

特に曲がりなりにも学校で英語の勉強を経験している大人の私たちにとっては、英語を学び直すのならこういう本がいいと感じることでしょう。

学生時代に小難しく感じていたことが、本書を読んで「そういうことだったのか!」と腑に落ちる経験が連続してやってくると思います。

たとえば上記したpleaseやshallなど、とても簡単でわかったつもりになっている単語も、実は本来の使用する場面ではこういう感じで使うのですよと説明されて納得。

canも「できる」という意味だけで捉えるからちゃんと理解できなくなるんですね。

こういう「感覚」を学校でも教えて欲しかったなぁ。

◆COLUMNも

そういった「感覚」の解説で、本書では「そうだったのか」体験を何度も味わうわけですが、本書のおすすめのもう一つがコラム欄。

読んでいるとやたらコラム欄が多い本だと気づくと思いますが、このコラム欄がまたいい!

例を挙げると、

お店での注文時には必ずpleaseを言おう

とか

「これを下さい」は I’ll have this, please. とか、I’ll take this, please.というのが普通。 

とか

maybeは「たぶん」よりも可能性が低い

といった「感覚」だけでなく、ちょっとした英会話のヒントもたくさん解説したくれています。

もう、コラムだけで一冊本ができそうなほど充実。
コラムでも「そうだったのか!」体験が連発です。

◆時制がわかる

「感覚」と同様に本書の解説がわかりやすかったのが「時制」でした。

これも私は学生のとき苦手で苦戦したもの。
過去完了とか現在完了とか、「いつ」のことがどの表現なのかややこしい。

しかし本来英語ってシンプルな言語なので、

その出来事や動作などがいつの時点のことなのかを、絶対的に(=他の言葉に影響されることなく)表現しているだけなのです。

とあるように、何時のことかをはっきりとさせているだけで、なおかつ日本語の表現にはいつのことかはっきりさせることがあまりないことが、英語と日本語を変換する時にややこしくなるんですね。

でもこんなふうに

図にしてくれて解説してもらえたら原理は納得。
あとは覚えて自分で使いこなせるようになるよう努力するだけです。

そこは自分で努力しないと。

ということで、本書一冊読んでかなり英語が特異になった気がしています。

最後に本書を読んでもう一つわかったことが。

それは私が完全に中学校で習った英語の初歩を完全に忘れているということ。

ちょうど中学校を卒業した子どもが使っていた英語の教科書を貰ったので、中学の英語の教科書の復習から英語学習を始めてみようと思います。

毎年「今年は英語をやり直そう」といいつつ、全然勉強していませんが、この本を読んだのを機に、本当に始めてみようかな。

本書はあさ出版編集者の吉田様から献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

Chapter1 さまざまな時制表現を捉えなおす
 Lesson1 「・・・ている」では捉えきれない現在進行形
 Lesson2 「命令」ではない「命令文」
 Lesson3 canは「できる」ではない
 Lesson4 to不定詞の「後から補足する」感覚
Chapter2 時制表現の総仕上げ
 Lesson5 to不定詞と動名詞の違い
 Lesson6 未来を表す4つの表現
 Lesson7 現在完了形の真実
 Lesson8 様々な助動詞のイメージと使い方
Chapter3 複雑に思える文法も感覚的に理解しよう
 Lesson9 時制の一致と過去完了形
 Lesson10 仮定法の「感じ方」
 Lesson11 様々な疑問文

関連書籍

西澤ロイ先生の「頑張らない」しりーず、既刊本もオススメです。

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