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村上春樹に学ぶ、読まれる文章の2つのポイント【雑記】あなたの文章は前のめりになりますか?

村上春樹さんといえば、現在日本を代表する作家さんであることは衆目の一致するところでしょう。

独特の世界観とついつい引きこまれてしまう文体は、読んで楽しいだけでなく、文章を書く者として憧れと同時にどうすれば人を引きつけ、大勢の人に読まれる文章が書けるのか知りたい!という対象でもあります。

今回は村上春樹さんの文章のポイントを2つ、ご本人の発言から発見したのでまとめておきます。

 

ポイント1 相手が読みやすく、わかりやすく、受け入れやすく感じる文章

今年1月から読者の質問へ村上春樹さんが答えるということで「村上さんのところ」が話題になっています。

そのたくさんの質問への回答の中にこんな回答がありました。

文章を書くときにいちばん必要なのは、おそらく親切心だろうと僕は常々考えています。相手が読みやすく、わかりやすく、受け入れやすく感じる文章を書くこと。それが大事です。文章というのはあくまで伝達のためのツールですから、読みにくい文章というのは、そもそも根本原理に反しています。

そういう「わかりやすい」文章を立体的に組み合わせることによって、できるだけ深く、奥行きのある総合作品をつくりあげていきたいというのが、僕の基本的な考え方です。そこにはあるいは結果的に、鋭い文学性や芳醇な香りが生まれてくるかもしれません。でもひとつひとつの文章自体はできるだけ優しく、そしてシンプルなものでなくてはならない。それが基本です。もちろん「おれはそうは思わない」という書き手の方もおられるでしょうが、少なくとも僕はそう信じて今までやってきました。

「どうか鋭くあろうと思わないでください」より

村上春樹さんの文章ってとてもわかりやすいのです。
非常に平易な言葉で書かれています。

それ故、村上さんが登場した頃は「村上作品が好き」と言うと、「あんなのは文学じゃない」という人もいました。

そういう批判をする人って恐らく、文学とは高尚な文体の芸術で、少し凝った言い回し、難しい単語を使わないといけないと思っているのでしょう。

たしかに日本で”文豪”と呼ばれる大作家さんたちにはそういった”重さ”がつきものでした。

しかし村上さんがこの回答でおっしゃっいてるように、小説にしろエッセイにしろそもそも文章というのは伝達ツールなのです。

相手が読んで伝わらなくては意味が無いのです。

ましてや、硬く、難しい文章など最初から読者との間にハードルを設けてしまって読む気をなくさせてしまいます。

相手が読みやすく、わかりやすく、受け入れやすく感じる文章

これが文章を書く者としてまず考えなければならないポイントだと思います。

ただし、ブロガーとしてはここまでのレベルでいいのですが小説家となるとちょっとこのレベルでは物足りないでしょう。

というのも、優しい文章というだけでは文章に深みがなく、のっぺりとした感じになると思うのです。

この回答の後半に村上春樹さんの文章の秘密が書かれています。

「わかりやすい」文章を立体的に組み合わせる

というのがそれ。

これが村上文学の真骨頂なのです。
まぁ、この立体的に組み合わせるというのはそうそう真似できるものでもないし、ブロガーとしては「わかりやすい」文章が書ければ十分でしょう。

ポイント2 人を前のめりに次へ進めるリズム

さて、上記の「わかりやすい」文章という回答を読んだとき、なるほどなぁと思いつつも、でもなにか足りないと感じました。

村上作品にはいったん読み出したらやめられない、人を引きつけて話さない魅力があるのですが、それは「わかりやすい」文章というだけでは説明が足りない。

なぜなら村上作品には一種の”心地よさ”があるからです。

それが一体何なのかずっとわからなかったのですが、先日たまたま読んだこの本

この本に答えを発見しました。

この本は村上春樹さんと柴田元幸さんが翻訳について対談している内容をまとめたものなのですが、その対談の中で文章を翻訳する時にプライオリティのトップに来るものについて村上春樹さんは

 僕の場合はそれはリズムなんです。呼吸と言い換えてもいいけど、感じとしてはもうちょっと強いもの、つまりリズムですね。 

と言っています。

これを読んだとき、一気に謎が解けた気がしました。
村上文学の心地良さの正体は“リズム”なのです。

また、別の部分では

 僕は思うんだけど、創作の文章にせよ、翻訳の文章にせよ、文章にとって一番大事なのは、多分リズムなんですよね。僕が現在形と過去形をある程度混在させるというのも、あくまでリズムを作っていくためです。原文ではひとつの文章を二つに分けたり、原文では二つの文章を一つにまとめたりするのも、つまるところリズムのためです。そういうリズムが総合的に絡みあってこないと、その文章は「とん・とん・とん」という単調なリズムになっちゃうわけですね。「とん・とん・とん」だと人はなかなか読んでくれないです。「トン・とん・トン」というリズムが出てくると、それは人が読む文章になる。

うーむ、なるほど、単調になってもいけないわけなのですね。

そして目からうろこだったのがこの文章に続く部分。

 文章っていうのは人を次に進めなくちゃいけないから、前のめりにならなくちゃいけないんですよ。どうしたら前のめりになるかというと、やっぱりリズムがなくちゃいけない。音楽と同じなんです。

読む人を前のめりにする文章かぁ。

確かに良い文章というのは引っかかりがなくて、次へ次へと進んでいきますよね。
ストレスなく読み進められるというか、自然にスーッと読めてしまう。

これが村上文学の秘密だったのですね。

ブロガーとして読者にとって「わかりやすい」文章というのは絶対に目指すべきところですが、やはり多くの人に読んで欲しいし、そうなるためにもこれからはリズムというのも意識して書いていきたいと思った次第。

目指すは「前のめり」だ!

編集後記

今日ネタ元にさせていただいた「村上さんのところ」ですが、新潮社から単行本化されるとのニュースが発表されています。

しかも紙だけでなく電子書籍化もするそうです。

もし実現すると村上春樹さんの初めての電子書籍作品となります。 

楽しみですね。

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