まいぷら

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まんがと侮れない『孫子の兵法』、古典はこう読めばよかったのかと納得




おはようございます、一龍です。

今日ご紹介するのは『まんがで身につく 孫子の兵法』 です。

言わずと知れた古代中国の兵法書、『孫子の兵法』ですが、まんがと侮ってはいけません。
まさかこんなふうに現代のビジネスシーンに役立てるとは!という目からうろこの一冊でした。

 

まんがで身につく孫子の兵法のポイント



孫子の兵法とは


孫子の兵法について、詳しくはWikipediaの孫氏(書物)をご覧いただくとして、ようするに2500年前の兵法書である。



13篇からなるのだが、簡潔な文章で構成されていて文字数は少ない。



また、非常に現実的で、現状を分析することを重視しており、古代の書物に見られるような呪術的な部分や、「徳」といった中国古来の価値観や哲学的な要素はほとんど見られない。

非常に実践的な戦争ハウツー本といえるものです。
それゆえ、のちの戦略家や政治家のテキストとして重んじられてきました。




★孫氏の心を読む


そんな古くから読まれてきた『孫子』ですが、『孫子』にかぎらず、『論語』などの中国の古典、さらにはギリシア哲学や仏典、聖書などの宗教上の重要な書物に至るまで、現代のビジネスバーソンが役に立てるための読み方には一つのポイントかあると思います。

そのポイントとは



2500年前のことをそのまま使おうとしてはダメよ。
孫子の兵法はそのまま現代文に訳すだけでは使えないの。
時代が違うし戦争をしているわけではありませんからね。
孫氏が言いたかったことは何なのかその心を読むわけ。
時代を超えて語り継がれている心理を現代に応用するのよ。

ということです。

時代も社会も違った我々が、古典を読む時に心がけるべきはエッセンスを抽出して、現代の状況に適応させる必用かあります。

しかしこれが一番厄介で難しいことです。

古典というのはただでさえ文章が難解だったり、わからない単語が多くてとっつきにくいものです。
読み手にとってストレスとなるものが多いのが現実。

そこで入門用として本書のような漫画はかなり有効だと思います。



★ビジネスストーリー漫画と孫子の兵法の融合が絶妙


漫画は1ページあたりの情報量が少ないため、たとえ6000字程しかない『孫子』でも、全てを網羅することはできません。

ただ、そのエッセンスを伝えるには非常に有効かと思います。
特に本書、『まんがで身につく 孫子の兵法』 では、ビジネスストーリーの中にうまく『孫子』の要となるポイントを、現代のビジネスシーンに適応させて解説してくれいるのですが、これが本当に絶妙。

はっきり言って上手いです!

例えばこのシーン。



進出してきた業界大手の企業(全日本食糧)に対して、主人公の会社(オクダ食糧)が対抗していくのがメインストーリーですが、

「智将は務めて敵に食む。」

(訳:敵地に遠征している優れた将軍は、敵地での食料調達を考えるものである)

という『孫子の兵法』を引用しています。

普通は何のことかわからないですよね。
戦地調達のことですもの。

ところがこのストーリーの中ではこんなふうに解釈して、自体の打開を計っています。

本書後半の解説から引用すると

 ここでは「敵に食む」とは、「敵をうまく利用すること」だと考えましょう。
 競合企業が敵であることは間違いありませんが、同じ商品を扱っているとすると、共同でその商品のPRをする協力者とも捉えることができます。

 まんがでは、ネット通販大手と対向するのではなく、その物流システムや決済サービスを利用することを考え、全日本食糧の物流網や商流を利用して「新鮮胚芽パック」をオクダ食糧の物流が届かないエリアへ流すことを舞は思いつきました。

こんなふうに『孫子の兵法』をビジネスシーンに応用していくというところまでなかなか気が付かないものです。

古典ってこういうふうに「変換」して読むんだなと教えられました。


★人生訓としてもどうぞ


さて『孫子の兵法』は古来人生訓としても読まれてきました。
ある意味人生は戦いですからね。

たとえば

「用兵の法は、その来たらざるをたのむことなく吾が以って待つこと有るをたのむな」

(訳:用兵の原則としては、敵がやって来ないだろうという憶測をあてにするのではなく、自軍に敵がいつやって来てもよいだけの備えがあることを頼みとするのだ。)


というのがあります。

「備えあれば憂いなし」ということですね。
この場合の「敵」とは、人生においては「変化」とか「危機」といったネガティブなものを想像してしまいますが、「チャンス」と捉えることもできます。

いつなにが起こるかわからない、いつチャンスが巡ってくるかわからない。

だから備えておくというのは2500年前も今も変わらない人生の真理なのです。



ということで、ビジネスストーリーを通じて『孫子の兵法』のエッセンスが学べる本書。
人生訓としても楽しめる一冊ですので、まだ『孫子の兵法』を興味はあるけどまだ読んだことがないという方、ぜひ入門用として読んでみてはいかがでしょう。

オススメです。




本書はあさ出版、古川様から献本していただきました。
ありがとうございました。


目次


第1章 私のせいで、得意先がつぶれちゃった!? 〜智者の慮は必ず利害を雑う〜
第2章 新商品を企画して売り込め 〜小敵の堅なるは大敵の擒なり〜
第3章 低価格米にネット商品、手ごわい敵との戦い 〜智将は務めて敵に食む〜
第4章 大手の価格構成に、最大のピンチ! 〜呉越同舟
第5章 売るべきなのは「お米」じゃなかった? 〜千里なるも戦うべし〜
最終話 戦わずして勝つ道はある 〜人の耳目を一にする〜 
よくわかる『孫氏』の言葉解説
あとがき






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