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『アレクサンドル ネヴァ大戦』【教養的映画鑑賞】ロシアの英雄とノブゴロド公国を知る

『アレクサンドル ネヴァ大戦』【教養的映画鑑賞】ロシアの英雄とノブゴロド公国を知る


映画から歴史的教養や雑学を学ぶ教養的映画鑑賞、27回目の今日は『アレクサンドル ネヴァ大戦』です。

日本人は知らないロシアの英雄を描いた作品です。
 

はじめに:『アレクサンドル ネヴァ大戦』、ロシアの英雄とノブゴロド公国を知る


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ストーリー(Amazonより)

歴史に残る大激戦“ネヴァの戦い”を破格のスケールで描くソード・アクション。1240年、若き王子アレクサンドルが統治する中世ロシアのノヴゴロド公国。東からはモンゴル帝国に、西からはドイツとスウェーデンからなる北方十字軍に領土を狙われ、一触即発の危機にあった。ある日アレクサンドルは山賊に襲われていた十字軍騎士ヴェルヴェンを救出し城に迎えるが…。


予告編



アレクサンドル ~ネヴァ大戦~(Aleksandr. The Neva Battle... 投稿者 crazyhis



歴史教養的見どころ


◆西欧とは違うノヴゴロド公国の文化


物語の舞台は1240年のノヴゴロド公国
その英雄アレクサンドル・ネフスキーを描いたのが本作品です。

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世界史の教科書ではキエフ公国とともにその名前ぐらいしか登場しません。

 リューリク(ルーリック ?〜879年)にひきいられたノルマン人の一派(ルーシ)が、スラブ人の地域に進出し、862年にノヴゴロド公国を建てました。さらに882年、ノヴゴロド公が南下してキエフ公国を建てました。

後のロシアの起源となる国なのですが、ほとんど日本人には馴染みのない国です。

とういことで、この映画は資料的に結構貴重です。

まず見て欲しいのがノヴゴロドの風景と、ログハウスのような木造の宮殿。

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同時代の西ヨーロッパではすでに石造りの大きな建造物が建てられていますが、ノヴゴロドは森林地帯であり、豊富な木材を利用しての木造建築が主流です。



◆ネヴァ川を遡るスウェーデン軍はまさにバイキング


本映画ではノヴゴロド公国を取り巻く複雑な国際情勢がバックに描かれています。

東からはモンゴル軍、そして西からはスウェーデンドイツ騎士団です。

このスウェーデンドイツ騎士団カトリック系であり、ノヴゴロド公国は正教。
カトリックから見れば正教は異端なわけで、宗教を口実にスウェーデン北方十字軍といわれるバルト海沿岸の異教徒に対する戦争を仕掛けていたのです。

そういう日本人から見れば「同じキリスト教やん!」といいたくなる、わかりにくい情勢の中、ノヴゴロド公国の独立を保ち続けたアレクサンドルはやはり卓越した領主だったといえるでしょう。

それはともかく、攻め入ってきたスウェーデン軍を見て欲しいのです。

ネヴァ川を舟でさかのぼってくるスウェーデン軍はまさにバイキングそのもの。
あの竜頭のついたバイキング船は、水深の浅い河川でも侵入可能で、外洋から大陸内部まで、彼らの活動範囲が広大だったことをこのシーンでうかがい知れます。




◆バトゥの使者登場


もう一つのノブゴロド公国にとっての脅威であるモンゴル軍。

タタールと記述されていますが、要するにチンギス・ハーンの孫に当たるバトゥの国、キプチャク・ハーン国のこと。

この使者が本映画で登場します。

アレクサンドルはタタールに対して臣下の礼をとりつつも、独立を保ち続けます。

一節にはジュチがアレクサンドルの武勇を恐れて侵略しなかったともいわれてますが、モンゴル族が実際に東ヨーロッパに進出していたんだなというのをこの映画では感じられます。




◆中世騎士の一騎打ち


この映画のクライマックスは邦題のネヴァ河の戦いです。

川の畔に陣をはり、野営していたスウェーデンドイツ騎士団の連合軍に、アレクサンドルが朝駆けの奇襲をかけます。

しばらくは泥臭い白兵戦が続くのですが、最後にアレクサンドルと騎士団の隊長との一騎打ちシーンが登場します。

これ、ヨーロッパの時代劇でよく登場する馬上槍試合の実戦版です。
なかなか映画では一騎打ちの実戦シーンって無いので重要かと。

馬は最高速度60km/hぐらい出るから、すくなくとも相対速度100km/hぐらいで相手の長槍がガーンとあたるわけですからすごい迫力だと思いますが、なにやら古式ゆかしい源平合戦を思い出したりもします。

ちなみにアレクサンドル・ネフスキーの「ネフスキー」という名は、「ネヴァ川の勝利者」という意味で後世に付けられたものだそうです。



最後に個人的な感想を


この映画、本コーナー的には資料的価値が高く地味ながら歴史好きには楽しめるものだと思います。

ただし、エンターテイメントとして見た場合、かなりショボイと言わざるを得ません。

特に最後の、そして最大の見せ場であるネヴァ河畔の戦いは、もっとドラマチックに見せることができたんじゃないかと、かなり不満。

エキストラのかずが少なすぎて、斥候同士の小競り合い程度にしか見えない規模。

もうちょっと見せ方を工夫して欲しかったなというのが正直な感想です。



基本データ


監督:イーゴリ・カリョーノフ
主演:アントン・パンプシニ
公開:2008年
110分




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