本を耳で読む Amazon Audible 30日間無料体験キャンペーン実施中

半年で世界史の知識が飛躍的に身につく【勉強法】佐藤優(著)『読書の技術』から、社会人のための世界史の学び直し方法の紹介

_SL1500_

以前、こちらの本

を紹介した記事のなかで、

著者の「学校教育では国際情勢を理解するための「世界の常識」をきちんと教えない」という主張に、高校の世界史の教科書にはちゃんと国際情勢を理解するための基礎となる「歴史」が学べるようになっていると反論しました。

そして、ビジネスパーソンが「世界の常識」を身につける一つの方法として、世界史の教科書をつかって歴史の学び直しを提案しました。

今回紹介する佐藤優さんの『読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門』 の中に、世界史の教科書を使った国際情勢の理解の方法を紹介されています。

そしてそれに付随して、社会人が世界史の勉強をする実験検証も紹介されています。
かなりマッチョな方法ですが、このエントリーで紹介したいと思います。

 

 

半年で世界史の知識が飛躍的に身につく、佐藤優氏推奨の社会人のための世界史の学び直し方法のポイント

 

★高校の教科書は社会人向け?

 

筆者は大学の専門課程で理科系の課目について勉強したことがないので、文科系の内容についてしか正確なことを言えないが、高校の教科書に記載されている事項で、その内容を正確に理解するためには大学を飛び越えて大学院レベルの知識を必要とするものも多い。なかでも社会科にその傾向が著しい。特に世界史はロシアならば4年かけて教える内容を1年で詰め込んでいる。この内容を高校生に理解しろというのが無理だと思う。  裏返して言うならばビジネスパーソンが基礎知識を強化しようとする場合、高校の教科書と学習参考書を手引きにして、それに少し工夫を加えれば、短期間、具体的には半年から1年で、かなり高いレベルの知識と教養を身につけることができる。 

高校の教科書は馬鹿にできません。

佐藤氏によると、世界史関しては高校の教科書はかなりレベルが高く、高校生向けというよりは社会人に最適なレベルとのこと。

高校の教科書を使って一定期間しっかり勉強すればかなり高いレベルの知識と教養を身につけることができるそうです。

ちなみに本書中では世界史だけでなく、日本史や国語、数学の勉強例も紹介されています。

★世界史勉強の基本指導方針

本書中で紹介されいてる実験検証例では、被験者は20代なかばのフリーター青年で、同社大学合格を目指しています。
勉強を始めた段階では偏差値40程度でした。

さて、最初に指導にあたり以下の3つの方針を決めています。

(1)世界史の勉強は1日4時間以内にする。だらだら長時間勉強をしても学力はつかない。
(2)教師陣の指導を信頼し、与えられた以外の課題に手を出さない。
(3)毎日の勉強量をメールで簡潔に報告する。このとき見栄を張って、過大な報告をしない。実態を正確に把握しないと適切な指導ができないからである。 

被験者がフリーターということで時間的に余裕がありますが、実際には社会人が一日に勉強にとれる時間はせいぜい2時間が限界でしょう。

このあたりは差し引いてお読みください。

では実際にどんな勉強方法をしていったか見ていきましょう。

★第一段階

 

 大学入試の標準とされるのは先ほど取り上げた佐藤次高他『詳説 世界史 改訂版』(山川出版社)だ。しかし、この教科書を読んだだけで、内容を記憶することはできない。そこで、通史については、わかりやすい青木裕司『NEW青木世界史B 講義の実況中継』(全5巻、語学春秋社)を通読することにした。ただし、第5巻は文化史なので、後回しでよい。
 この作業と並行して、石井栄二編『詳説 世界史書きこみ教科書 世界史 改訂版』(山川出版社)を処理した。これは、『詳説 世界史 改訂版』本文の重要事項を空欄にし、解答が欄外に書かれている教科書だ。この欄外の解答を本文に書き入れていく作業を行う。単純な「力仕事」だが、これで知識が身体を通して身につく。
 青年はこの作業を約6週間で終えた。

最初の段階では教科書と参考書を使い通史を確認する作業に終止しています。
「単純な力仕事」と著者は表現していますが、この段階が勉強においてはいちばん退屈でつまらない段階。
いかにこの段階を乗り切るかが社会人の勉強ではポイントになると思います。
もし時間があるなら歴史モノの映画を観たり、小説を読むといったエンタメ性を盛り込むのもありだと思います。

 

 


★第二段階

 

 第二段階として次の課題を指示した。  鈴木敏彦『ナビゲーター世界史B』(全4巻、山川出版社)を読み、その後、前出の『実況中継』第5巻(文化史)を読んだ。
 それと並行して、佐々木巧/塚原直人編『30日完成スピードマスター世界史問題集 世界史B』(山川出版社)と神奈川県高等学校教科研究会社会科部会歴史分科会編『世界史A問題集』(山川出版社)を消化した。この2つの問題集は、世界史の骨組みとなる基礎知識を定着させるのに最適だ。この青年は、第二段階の課題を9月初めまでに処理した。

この段階で注目して欲しいのはいかに続く文章

 ここで9月初旬に行われた大手予備校の全国統一模擬試験をこの青年に受けてもらった。100点満点で64点(平均点31・7点)、偏差値は65・3、学力レベルはS(偏差値65・0以上で最高ランク)だった。さらに11月の模擬試験では、偏差値が70を超えた。

半年で受験生としてはほぼトップクラスといっていいレベルまで達しています。
国公立大2次の論文問題とは違うので、通史を丁寧にしっかり読み込み、基礎的な問題集をこなせば半年でここまで到達できるのです。

 

 

山川出版社
2015-02


★第三段階

仕上げ段階です。

 第三段階として、2011年1月まで以下のカリキュラムをこの青年に消化してもらった。
 『実況中継』『ナビゲーター世界史B』の再読。そして、塩田徹/永井英樹編『各国別世界史ノート 重要事項記入式』(山川出版社)に取り組んだ。この教材は、教科書を読むだけでは理解しにくい各国史、地域史を把握するのに最適だ。ビジネスパーソンが国際政治を理解する基本書として用いることもできる。並行して世界史教育研究会編『世界史B 世界史問題集 新課程用』(山川出版社)、植村光雄他『関関同立大世界史 改訂第4版』(河合出版)を解いてもらった。
 さらに、木下康彦/木村靖二/吉田寅編『詳説 世界史研究 改訂版』(山川出版社)の精読を指示した。本書は、高校教科書『詳説 世界史 改訂版』の構成に即し、内容を深く掘り下げ、大学院レベルの内容も含んでいる。 

通史の通読を続けつつ、より内容の深い各国史に取り組んでいます。
また、通史でもより内容の深い参考書を読み込んでいます。
広く浅くから全体に深度を深める勉強です。

この結果、被験者は受験した同志社大学のすべての学部を合格したそうです。
(国語と英語に関しては別の人が指導しています。)


世界史教育研究会
山川出版社
2005-02



感想など

いかがだったでしょうか。
上記の実証例はあくまでも受験生のものですので、社会人がそのままこのメニューをこなそうとするのは現実的ではありません。

しかし、著者が

  いまから世界史の勉強をやり直したいと考えている読者も、ここで提示したプランから若干間引きをして勉強すれば、半年程度で世界史に関する知識が飛躍的に身につく 

というように、基本的にはこういった高校の教科書と受験用の問題集や参考書を使えば、社会人として身に着けたい世界史の知識と教養をかなり広範囲に深く得ることができるはずです。

その時の勉強法のコツとしては

短期間で試験に合格するようにするためには、「漆塗り」のように、反復を重視する勉強が効果的だ。

だそうです。

繰り返しですね。
(これができないから苦労するのですが・・・)

ちなみに佐藤氏は学校教育、高校の教科書や学習参考書と社会人の勉強教材についておもしろいことを言っています。

 筆者は、高校レベルの教科書と学習参考書を活用することをすすめる。
 日本の書籍市場では、ビジネス書と学習参考書の相互乗り入れが、ほとんどなされていない。また、大学以上の教育で用いられる書籍と、高校までの学習参考書についても、まったく別の扱いになっている。そのために学習参考書(特に大学受験を想定したもの)に蓄積されている優れた知的成果を社会人が用いることができなくなっている。これは大きな社会的損失だ。 

学校での勉強は何の役にも立たないとよく言われますが、それはせっかく勉強した知識が学校と社会で分断されているからではないかというのです。

そしてこれは社会的損失だと。
確かにそうですよね、何年も勉強してきたものが使えない。
でも、その知識が必要なのはわかっている。

この分断を繋げる方法の一つとして、社会人向けの”教科書”を著者は提案しています。

(教科書は)いずれもよくできた作りで、中学生の学力があれば理解できる記述になっている。ただし、教師が教えることを想定して作られているので、説明を割愛している箇所が多い。しかも15~18歳を対象に書かれているので、社会人が実務に役立てるという視座がほとんどない。記述が退屈なために、忍耐力のないビジネスパーソンは、教科書を読了できないかもしれない。
 この退屈さの壁を突破するためには、数学や英語の専門家が高校教科書の内容を社会人向けに書き直す必要がある。出版不況の中で、読者は実用性、功利性を求める。それゆえに、高校レベルの学力に照準を合わせた大人向けの書籍は有望なマーケットだと筆者は思う 

こういう大人のための”教科書”、単発的なテーマではたくさん出版されていますが、体系的なものはあまり見かけません。

そういった”教科書”で、退屈ではないものが出れば状況は変わるかもしれません。
出版社の方、ぜひ考えてみてください。

 

目次

はじめに
第1部 本はどう読むか
第2部 何を読めばいいのか
第3部 本はいつ、どこで読むか
おわりに

関連書籍

歴史好きとして知られるライフネット生命の出口治明さんの新刊もオススメ。

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA