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限界は自分自身がつくりだすもの、人は自ら限界の檻に入る性なのか?

おはようございます、オリンピックに毎日一喜一憂している一龍(@ichiryuu)です。

さて今日ご紹介するのは、かつて世界陸上やオリンピックでも活躍された為末大さんの著書、『限界の正体 自分の見えない檻から抜け出す法』 です。

本書では「思い込みが、可能性に蓋をすることがある」「限界は自分が決めている」ということをアスリートの観点から、「限界の檻」に入らないための方法論を為末さん自身の経験を元に解説してくれています。

人はだれでも目標を持って生きているもの。しかしそこには知らず知らずのうちに限界を作っているかもしれません。

今回のエントリーでは本書の 第1章 限界とは可能性を閉じ込める檻である から、限界を自ら作ってしまう要因や目標設定のポイントをピックアップしてみました。

 

限界の檻に入らないための限界の正体と目標設定のポイント

★大きな夢よりも大切なこと

 
アスリートはなんらかの目標を設定して、それに向けてトレーニングをするものですが、為末さんは
 
結果を出しているアスリートほど、「遠くにある大きな目標よりも、目の前にある小さな目標を優先している」
と体感するそうです。
 
多くのオリンピック選手に目標設定についてインタビューすると、ほとんどの選手がはじめは大きな夢や目標を持っていなかったといいます。

彼らが成功を手にできた理由は 

 
「目の前の問題を解決し、改善を繰り返す」
 
ことに集中したからに尽きるのです。
 
 彼らは、やみくもに大きな夢を描くのではなくて、その日の目標立てて、トレーニングをしていたわけです。「オリンピックに出たい」「メダルを取りたい」といった目標は、その過程の中で見つかったものでしょう。

★目標の罠

人は誰しも目標を立てるからこそ、計画的に頑張ることができます。
しかし一方で、目標を立てることによる弊害もあるといいます。

 目標をどこに置くか、設定の仕方を誤ると、目標が「限界の檻」となって成長を阻んでしまいます。こうなると、行動のために立てた目標が、逆に行動を妨げてしまう。「目標の限界化」という現象です。
 目標が、限界の檻に変わるには、3つのパターンがあると僕は見ています。

①目標達成にこだわりすぎる→自分を見失う
②目標が遠すぎる→続かない
③ 大きな目標達成する→燃え尽きる

★目標には下方修正すべき時がある

目標達成にこだわりすぎると自分を見失うといいますが、為末さんは目標の下方修正を柔軟に行っていたといいます。

 僕は現役時代、目標の下方修正を柔軟に行っていました。
 本番までの大きな目標と、当日、何を狙うかの目標が変わってもかまわないと考えていたのです。
 実際に僕は、メダルを目標としていながら、本番当日は現実的な判断をして、自分がいちばん頑張れそうな、決勝進出に狙いを変えたことがあります。目標の下方修正を妥協ととらえる人もいるかもしれませんが、振り返ってみると、目標を下げたからこそ、力を出し切ることができたのだと思います。

★集中力が続かないのは、意思が弱いからではない

目標が遠すぎると「続かない」に関して、為末さんはこんなふうに考えています。

 人間には、体感的な射程距離があると、僕は考えています。
「頑張れば届きそうな距離」
「頑張っても届かない距離」
「届きそう」と思えるなら、どうすればいいのかを具体的に考えることができますが、「届かない」と感じてしまうとどうしたらいいのかわからないので、モチベーションをコントロールしにくくなります。
 そう考えると、一生懸命頑張れば、なんとか手が届きそうな、ちょうどいい高さの目標が設定できさえすれば、モチベーションは自然と高まります。
 目標は、低すぎても緩んでしまいますが、高すぎると自分を信じきれなくなって、努力が浮ついてしまう。高すぎる目標は、たいてい失敗に終わります。そして、失敗を繰り返すと、人は自己嫌悪に陥ってやる気を失うものです。
前出の

「目の前の問題を解決し、改善を繰り返す」

に通じる部分がありますが、スモールステップを積み重ねることが継続の要点ということです。

★努力が限界を作る

 自分が目指す目標に対して、一定量の努力を積み重ねた結果、届かないと実感した時点で、人は限界の檻に入ります。
 
いわゆる気持ちが折れるという状態です。
ここで著者は、「努力」が限界を作るのであれば次のようにすれば限界を感じないのではないかという考えます。 
 
 
目指す目標があって、そこに対して努力をしたけれど、届かなかった時に限界の檻に入るのであれば、
「そもそも目指す目標がなければ、限界を感じない」
「そもそも努力をしていなければ、限界を感じない」
と考えることもできます。
これは一種のパラダイムシフトのようにも見えますが、私たちは「好きなこと」、そして「夢中」になっているものには「努力している実感もなく継続」できます。

「好きなこと」でも嫌になるのはそこに目標を持ち込むからです。

 目標を持たず自分にできる範囲で楽しんでいる限り、人は限界の檻に入りにくい。また、よく知らない世界、経験したことのない世界には、限界を感じにくいと思います。

★考え方を変えるだけで結果が変わる

「限界とは、目標掲げたときに生じる理想と現実のギャップである」

 だとするならば、ギャップを修正できればよいのですが、なかなか簡単ではありません。なぜなら僕たちには、社会的な生き物であるがゆえに、外部からの限界の圧力に常にさらされているからです。それが、社会の常識です。
2001年の世界陸上のとき、為末さんは初めて銅メダルを獲りましたが、そこにはアンカーが働いていたのではないかと分析しています。

アンカーとは 

 

 
僕たちは、ある情報を受け取ると、受け取った情報を基準点(アンカー)として物事を判断するようになります。この心理的な傾向のことをアンカリングといいます。
このアンカーが違ったものであったなら、もっといい結果も残せたかもしれないというのです。
 
 
 数字だけでなく、社会の常識や世間の声などがアンカーになって、その人の能力を制限することがあります。
 僕が銅メダル終わったのも、
「日本人の陸上選手に、金メダルは獲れない。銅メダルでも立派」
 と言う論調が、無意識レベルで僕のアンカーになっていたからかもしれません。
 仮に、「日本人でも頑張れば金メダルが獲れる」「もはやメダルは当たり前だ」という考えが日本に広まっていて、その考えが僕のアンカーになっていたら、違う色のメダルを獲れていたかもしれません。

★自分がもう若くないからが行動を制限する

私たちは意識しないうちに自ら限界の檻に入っていることがあるようです。

たとえば「もう若くないから」という言葉を僕ぐらいの世代になるとよく使います。

しかしこれも一種の限界設定

「自分がもう若くないから」
「自分には能力がないから」
 そういって人は自分にいろいろなレッテルを貼って、自分の行動に制限をかけています。自分らしさにこだわるほど、限界の檻から脱け出せなくなるのではないかと僕は考えています。
 人は無意識のうちに自分で自分にレッテルを貼っていて、レッテル通りの行動するようになる。これは心理学で「レッテル効果」と呼ばれています。

★期待に応えようとするとうまくいかないメカニズム

また自分の外部にも限界を作る要素はあります。
例えば周囲の期待です。 

 限界の檻をつくる要素のひとつが、周囲の期待です。
 世の中の人の期待は、たいてい世の中の「想像の範囲」内にあります。
 ということは、期待に応えようとすると、想像の範囲の中でしか活躍できません。
 周囲の期待に応えることは、言い換えると、社会の檻の中で最大限、頑張る事と同義ではないでしょうか。かけられた期待以上の結果は出せない。そんな気がします。

 

 他人の期待を満たすだけの生き方は、他人の人生を生きることと同じです。
 期待とは、相手が勝手に抱いたイメージに過ぎないし、そのイメージに自分を合わせようとすると、自分本来の行動が取れなくなってしまうことがあります。
 だったら、周囲のイメージによって作られた自分になろうとしないほうがいい。
素晴らしい記録を残す選手にはこの周囲の期待を意に介さないというのが一つの資質なのかもしれません。
 
 
 世界的に活躍し続ける選手の中に、マイペースで、多少わがままに見える選手が多いのは、自分のやりたいことに軸を置いていたほうが、期待以上の結果を残せることがわかっているからでしょう。
確かに名選手というのは自己流を貫く人が多いと思います。

★自分探しはいきづまる


「自分探し」をする若者は、何時の時代にもいるものですし、「自分らしく生きる」というのは最近のはやりの言葉です。

しかしここには罠があると著者はいいます。 

 自分らしさを見つけることは、自分の限界を設定することに似ています。
 「私は〇〇なタイプ」「自分とは、こうなんだ」と自分で自分が決めつけてしまうと、かえって、不自由になります。自分らしさという言葉にとらわれ、自分自身を狭い檻の中に押し込めることになりかねないからです。
 
 

 

『限界の正体』感想

◆限界は自分で作り出している

リオオリンピック開催中で、普段テレビを見ない僕も毎晩種目に関係なく日本選手の活躍や、世界トップレベルのアスリートたちのケタ違いのパフォーマンスに釘付けとなっています。

そんな時期にちょうどタイミングよく本書を読む機会をいただきました。

そしてまずインパクトを受けたのが本書巻頭の

「多くの人は、自分の限界の『もっと手前』を、限界だと思い込んでいる」
という言葉。

「出しきった」と思う限界点からまだ余力があるというのです。
そして、やり方次第ではそのあともう少しが引き出せると。

もちろん、何をどうやっても勝てないという限界はあります。
それも為末さんは認めていて

人間の能力も、才能も、時間も、命も、有限です。矛盾するように思うかもしれませんが、僕は、限界はあると思っています。
と述べられています。

ボルトの走りを見ていると、日本人では絶対に勝てないと思ってしまいますよね。

ただ、限界を突破することは技術であり、そのスキルを身につけることができるとするならば、自分の能力をまだまだ先に伸ばせる可能性が出てきます。

その方法論を本書では考察し、その中で、限界の檻とは何なのかを解説してくれています。

僕らはこれから世界レベルのアスリートになるわけではありません。

日常の生活の中で、自分の夢をかなえるため努力を続けるささやかな生活をしているだけです。

ただ、もしかすると、そのささやかな夢や目標でさえも、実はもっと高い設定が可能かもしれません。

本書はそのための一助となるでしょう。
いやそれどころか、大きな可能性を示唆していくれている本だと思います。

為末さん自身が本書巻頭で、気持ちを高めるだけの自己啓発書ではないと言っています。

いかなるときも、自分の可能性を信じられる人になること。考えすぎて、動けなくなる「限界の檻」から脱し、自分の限界を、自分で引き上げて、チャレンジし続けられる人、すぐに行動に移せる人。
がこれからの変化の激しい時代に生き残っていける人だと思いますが、そういった人のためのバイブルとなる本なのです。 

限界のさらに先に難なく飛び越えていく人になるために、ぜひ。

本書はSBクリエイティブ様より献本していただきました。
ありがとうございました。

目次

序章 誰かができれば自分にもできるという心理
第1章 限界とは可能性を閉じ込める檻である
第2章 なぜ人は自らの限界の檻に入るのか
第3章 自分の見えない檻から脱出する
第4章 無意識をつかって、自分の可能性を拓く
おわりに

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