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「シン・ゴジラ」【映画レビュー】この国の「現実」を浮き彫りにした快作であり怪作だ(ネタバレ有り)

「シン・ゴジラ」【映画レビュー】この国の「現実」を浮き彫りにした快作であり怪作だ(ネタバレ有り)

今年映画館で観る9本目、「シン・ゴジラ」

「シン・ゴジラ」の公式サイトはこちら 

本当に久しぶりに劇場で見た邦画にしびれました。 

 

 

シン・ゴジラ

シン・ゴジラ

 

 

 

 

「シン・ゴジラ」、「現実(ニッポン)vs虚構(ゴジラ)」このキャッチが本作品の本質を見事に表している

とにかく話題になっていて、異例の大ヒット(すでに興行収入は30億円を超えたらしい)となっている「シン・ゴジラ」。

「エヴァンゲリオン」の庵野さんが総監督ということもあって、随所にエヴァっぽい場面や表現が見られるのも確か。

率直に言ってエヴァンゲリオンの代わりに自衛隊の通常兵器でゴジラという使徒を迎撃する映画という印象を受けたとしてもそれは間違いではないと思う。

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それに、突っ込みどころは確かに多数あった。

特に「ヤシオリ作戦」では、都合よくゴジラがひっくり返ってくれる上に、ポンプ車で薬剤を強制的に”飲ませる”というのに正直一瞬引いてしまった。

また、物足りなさもある。

アクション映画や戦争映画好きにとって期待していたゴジラの大暴れするシーン、そして自衛隊の戦闘シーンが非常に短いということだ。

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後半、ほとんどゴジラは止まっている(寝ている?)。

自衛隊の迎撃シーンは、10式戦車だけでなく、16式機動戦闘車までほんの少し映すという凝りようなのに、あっという間に終わってしまう。

海自にいたっては海上を航行しているだけ。

これにはかなり欲求不満だ。

しかし、これらの突っ込みどころや物足りない点すらも映画全体からすると「気にならない」といか、この映画のテーマからいえば「気にする必要が無い」と思えてしまうのだ。

「シン・ゴジラ」ただの娯楽映画ではない。
ましてや子供向けの怪獣映画では決してない。

では一体何なのか。

その本質を一言で完璧に表現しているのがキャッチの

「現実(ニッポン)vs虚構(ゴジラ)」

だろう。

見事にこの国の「現実」をゴジラという「虚構」と対峙させることで浮き彫りにしている。

序盤の危機発生時の何も決まらず時間だけが過ぎていく閣僚会議。
「想定外」で片づけてしまう思考停止している政治家。
まったく意味を成さない御用学者と、その人達の意見のほうを重視する権威主義。
そして、アメリカの言いなりとなる政府。
最後には国連安全保障理の熱核兵器攻撃裁決までも受け入れてしまう。

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しかしダメダメなでけで終わらないのもこの日本という国。

若手政治家と若手官僚たちによる「巨災対」がチーム一丸となってゴジラに立ち向かう。
これがアメリカ映画だったら一人のヒーローと、一人の天才科学者によって問題を解決するのが常套手段。

しかし、チームという「組織」で立ち向かう姿にこの国の「現実」、底力を見たように思う。
極めつけが、途中総理大臣はじめ閣僚が「消滅」してしまうことだ。

この国はトップダウンではない、やはり「和」の国なのだ。
また、身を挺して国を支える人がいる、命を投げ出して戦う自衛官もいる。
避難所で恐怖と困難に耐える人達がいる。

これこそがこの国の強みであると「シン・ゴジラ」は教えてくれる。

だから、多少の突っ込みどころや不満などは霞んでしまった。

「シン」に込めた様々なメッセージ

「シン」とは一体何を意味するのかというのもこの映画の話題の一つ。

新シリーズという「新」は当然、真実の「真」、神様の「神」もあるだろう。

しかし僕の脳裏によぎったのは地震の「震」。

どうしても、3・11を思い浮かべすに入られないだろう。

特に序盤のゴジラが川を遡ってくるシーンは津波そのもの。
そして火炎による首都破壊と放射能汚染。
300万人の疎開。

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しかし「震」だけが浮かんだのではない。
この巨大な災害に打ち勝つ人々の国民と自らを信じる「信」も映画を見終わってしっかりと感じることができた。

日常我々は感じることがないが、日本人の深いところを映し出している映画でもあると思う。

そうだ、深いという字も「深」(シン)と読める。

まとめ:久々に邦画の快作であり怪作である

最後に。

僕は映画好きではあるが、邦画を劇場で見たのはいつ依頼か思い出せないぐらい久しぶりだった。
おそらく学生のときに見たのが最後だろうから25年は経っている。

とにかく、劇場に足を運んでまで見たいと思わせる邦画がこれまでなかったのだ。
なにせ僕の映画館に観に行くかどうかの判断基準は

大きなスクリーンで見たいと思わせる映像かどうか

で、この基準を超えるものが今までなかった。

「シン・ゴジラ」は完璧に合格だ。
邦画のこれまでのCG技術を格段に前に進めた映画だと思う。

技術革新の一方で、この「ゴジラ」シリーズすべてに根底するメッセージも健在だったのも嬉しい。
すなわち「核」や科学技術、環境に対する警鐘だ。

伝統をしっかり受け継ぎ、表現技術を格段にアップした「シン・ゴジラ」は、邦画で久々の快作であり怪作であることは間違いない。

さいごに、この映画は「セリフで見せる」という特徴もあるので、本作で一番好きなセリフを紹介しておく。

幕僚長の

「礼はいりません、仕事ですから」

です。

これはしびれた。

日本人はかくあるべきと唸りました。

 

シン・ゴジラ

シン・ゴジラ

 

 

 

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