
おはようございます、不惑の一龍(@ichiryuu)です。
今日は発売からちょっと時間が経っているのですが、ちきりんさんの”働き方本”をご紹介。
「おいらのために書いてくれたの?」っていうぐらい、自分にぴったりですごく共感できた本です。
多分40代の方が読むと共感者続出ということになると思いますよ!
ちきりん(著)『未来の働き方を考えよう』:読書メモ
★働き方を考える時代
今必要なのは、デキるビジネスパーソンになるためのノウハウでも、20年後まで残る仕事を選別するための目利きの方法論でもありません。必要なのは、組織と個人の関係性や家族の在り方も含めた、根源的で本質的な働き方の問題について、ひとりひとりがしっかりと考えることなのです。
★「家庭と仕事の両立」は男女共通の課題へ
「妻が香港ですごくいい仕事をオファーされたんだ。だから自分も退職してついていくことにした。ボクが現地で仕事を見つけるまでは、子育てを担当するつもり」などと言うカップルに、外資系企業では普通に出会います。彼らは順番にキャリアチャンスを譲り合い、支え合っているのです。
私は全く同じことが、そのうち日本人夫婦にも起こるだろうと考えています。
★IT革命のもたらすもの
ITの進化は、これまで圧倒的な力をもっていた国や大企業などの大きな組織から、今まではそれらに従属するしかなかった個人や、個人が集まっただけのネットワークへ、パワーシフトを起こしています。
★個人の意志で選べる未来
産業革命とIT革命には、パワーシフトを起こしつつあるという点以外にも共通点があります。それは、没落する層と新たにパワーを得る層が、実は流動的だということです。<中略>
技術による社会革命では、個人の判断と行動により、没落する側に入るか、勃興する側に入るかが決まっていくのです。<中略>
IT技術の進化は、国家や大組織の力を減じる一方、今の、そして未来のすべての個人に、自らの意思と選択によって、新しい可能性を追求できる機会を与えてくれています。自分が今、滅びゆく大組織側にいたとしても、それを嘆く必要はありません。新しい時代に成功するチャンスは、技術の進化が続く限り、あとからくる個人にも、常に用意されているのです。
★「一生ひとつの仕事」は非現実的
寿命が100歳となる時代には、働き方も大きく変わります。65歳の一律定年など不可能で、みんな80歳くらいまでは働かないと、個人の生活も社会も立ち行かなくなります。そしてそんな時代になれば、一生のうちにひとつの職業しか経験しないなどという人は、珍しくなるでしょう。
★ストック型からフロー型へ
私は、「これからはみんな、ストック型からフロー型にシフトしていく必要がある」と考えています。<中略>
今後、人生100年の時代になれば、ストックが多いことより、その時々になんらかの価値を生み出し続ける「フローの力」の方が重要になります。たとえば、貯金はあるけれど自分で稼ぐ力のない人と、貯金はないけれど、自分で稼ぐ能力のある人の対比が、わかりやすいでしょう。
★職業は二回選ぶものと考える
私が提案したいのは、最初から「職業人生は二回ある」という発想をすることです。「みんな、一生の間にふたつの異なる働き方を選べるものだと考えようよ!」という勧めです。
従来の働き方は、20代で就職した後65歳まで42年間働き(もしくは70歳まで47年間働き)、定年後は寿命まで余生を楽しむというものでした。しかし今後は、職業生活をふたつに分け、職業も二回選び、前半と後半で異なる働き方をするのだと、考えるのです。
★二回目だから選べるオリジナル人生
もしも最初から「働き方は40代半ばで再設計するものだ」と考えていたらどうでしょう? その少し前から「そろそろ次の働き方を選びなおすタイミングだな。今度はどんな働き方にしよう」と考え、もっと自然に別の選択肢を選ぶことも、可能になるのではないでしょうか。<中略>
二度目の選択時には自分のやりたいこと、やりたくないことが明確です。学生時代は、大半の人が社会のことも、働くことの実態もよくわかっていません。でも20年も働けば、今の仕事を本当にあと20年も続けたいのか、稼げるお金の額が、自分の人生にとってどれほどの意味をもつのか、みんなしっかりわかっています。
ちきりん(著)『未来の働き方を考えよう』:感想など
◆ど真ん中ストライク!
以前紹介して、特にブロガーさんへ激プッシュした
の中で、こういう一節がありました。
『未来の働き方を考えよう』(文芸春秋社)に書いた通り、私はずっと前から「一生の間に、最低でもふたつの異なる働き方を体験したい」と考えていました。
「プロブロガーを目指す」と公言しているワタクシにとって、この「一生の間で、二つの異なる働き方をする」というの、すごく惹かれる言葉でした。
で、本書を早速読んでみたのですが、これがまさに今のワタクシの心境にど真ん中ストライク!
ものすごく共感してしまったので、発売からは少し時間が経っているのですが、ご紹介しようと思い、この記事をアップしました。
◆若者はダメ、オッサンはOK!は矛盾?
以前からこのブログで何度も書いてきましたが、昨今の働き方本が提唱する働き方や生き方には、僕は諸手を上げて賛成ではありません。
むしろ警鐘を鳴らしている側です。
就活にものすごく苦労して入った会社を無闇に辞めるのは「ちょっと待て!」と言いたい。
特に、「自分さがし」に出かけようとする若者には
「本当の自分はつねにあなたの中にあるんだよ」
と、宗教家のようですが、でも本当にそういってあげたい。
「探して見つかるもんじゃないんだよ」と。
どうして見つからないかと言うと、ほとんどの若者が圧倒的な経験不足なのです。
これ、自分自身を振り返るとよくわかる。
「石の上にも3年」という言葉はよくできた言葉だと思います。
実際に3年、なにがなんでも我慢しろとはいいませんが、ちょっと歯を食いしばって頑張った先に見えてくるものとか得られる経験ってやっぱりある。
こういう経験を知らずして、会社を辞めて放浪したところで、何も見えてはきませんよ。
だから、むやみに辞めるなと若者には言い続けてきました。
「冒険に簡単に出るな!」と。
「じゃあ、仕事辞めてプロブロガーを目指しているあなたはどうなのよ?言ってること矛盾してない?」とツッコミを受けそうですが、自分の中では全然矛盾していません。
「実際に20年、同じ仕事を続けてみればわかるよ」と言って突き放すのもあれですが(ごめんよ若者たち)、本当に20年働くと色々なものが、見たいものも見たくないものも見えてきます。
だからこそ、本書のちきりんさんの提案はすごく納得できる。
というか、「やっと理解者に出会えた」って感じでちょっとホロッときましたよ。
◆体力と好奇心、そして死
僕は働くのが嫌なわけではありません。
むしろ、働くのは好きだし、できるだけ長く労働者でありたいと思っています。
ただね、40代になってくると色々と体の変化や心境の変化が出てくるものです。
本書でちきりんさんが仕事を辞める理由として
・体力的な問題。
・新しいものに対する純粋な好奇心と、長らく続けている仕事への飽きという表裏一体の感情です。
の二つをあげていますが、まさにこれ僕も同じ。
体力的に今のペースで65歳とか70歳まで働くなんてとても無理。
それに、もういいかげん仕事に飽きてしまっています。
「もう学ぶべきものがないな」と。
そして、さらに追い討ちをかけたのが数年前に大病を患ったことでした。
「死」というものを、人生の有限性を意識したとき、「このままの人生だと死ぬ時に絶対後悔する」という強い想いにとらわれてしまいました。
「死ぬ時に、いい人生だったと満足して死ねる、もっと納得できる生き方をしたい」、病気をして以来毎日そう思うようになりました。
40代というのはちょうどそういう時期なのかもしれません。
人生経験をある程度積み、人間的に成熟して(ワタクシはどうかわかりませんが)、自分自身について周りも含めてしっかりと見つめることができるようになる年齢なのでしょう。
だから
40代で働き方をリセットする大きなメリットは、そういった生活のすべてにおいて、自分のコントロールを取り戻せるということです。とりあえず働き始めた20代とは異なり、「自分が望ましいと思える生活スタイルをまず想定し、それが可能になる働き方はないのか?」という順番で考えられる、それが「人生で二回目の働き方の選択」です
という考えにすごく共感できるし、実際に実行するのに一番適しているのかと思います。
◆舞台に上がろう!
僕が選ぼうとしている道は、本書にあげられている例の中で
「世の中の”あるべき論”から降りる道」
恵まれた環境の大企業を辞めてしまったり、ミニマムな生活を選んだりという、いわゆる上昇志向から降りてしまう道です。
ということでしょうか。
でも、自分自身はけっして「上昇志向」から降りるつもりはありません。
経済的にも精神的にもです。
そして、
誰の人生にとっても「心からやりたいこと」が見つかるのは僥倖と言えるほどラッキーなことです。
とありますが、やりたいことがハッキリとしていますし、それをすでに実現しているモデルも存在しています。
この実現に向けて頑張っている今はとてもワクワクしています。
これって本当に幸せな状況ですよね。
「自分には特別な能力はないけれど、それでも一生の間にこんな生活ができたら楽しそうだ」と思える働き方は誰にでもあるでしょう。たとえ人生の後半だけであっても、それが実現できたら、とてもワクワクできますよね。
まさしくその通り。
40代で生き方をリセットして、人生の後半戦を楽しんで生きる。
世の中の同世代のみなさん、こういう生き方、いいと思いません?
最後に、本書で引用されている某作家さんの言葉を
「人生の傍観者になるな。自分の人生の舞台を、観客席からぼーっと見ていてはいけない。舞台に上がれ、演じるのだ」
舞台に上がりましょう!
【目次】
はじめに
序章 ”働き方本”ブームが示すモノ
第1章 現状維持の先にある未来
第2章 世界を変える3つの革命的変化
第3章 新しい働き方を模索する若者たち
第4章 「ふたつの人生を生きる」
第5章 求められる発想の転換
終章 オリジナル人生を設計するために
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