おはようございます、言葉の魔術師になりたい一龍(@ichiryuu)です。
さて今日は、岩波貴さんの新刊をご紹介。
毎回目からウロコネタ満載の岩波さん、今回のテーマはお客に購買させる「言葉」です。
セールスさんはもちろん、言葉でお客様に”伝える”仕事をされている方なら一読の本です!
【目次】
序章 相手の脳がYESと反応する〝販売心理学〟って何?
1章 営業トーク 思わず買ってしまう言葉づかいの法則
2章 広告・チラシ・ポップ パッと目にとまる言葉の仕掛け
3章 セールス文章 惹きこんで購入させる話の展開
終章 心が開けば、財布が開く
・ビジネス書の書評ブログ一覧
・無料追加情報
【ポイント&レバレッジメモ】
★お客様に「買わせる」ではなく、お客様に「合わせる」
人の脳は外からの情報に対し「警戒の姿勢」をとるように働いています。誘いかけに対する脳の基本的反応は、その名の通り「NO」なのです。そのため、警戒を解き、興味を抱かせるためには「買わせよう」ではなく、まずは「合わせよう」と考えることが大切です。
つまり購入を呼びかける前段階として、まず、①認識させ、②共感を得ることが必要になります。初対面の人を相手にする場合も、話の内容以前にこちらに対する「好き嫌い」の感情が優先されるものです。安心感を与え「好き」の部類に選別されなければ、話を聞いてもらうことさえ難しいものです。
★優位な立場を保つための「相づち」の工夫
営業マンは、相づちとして「ハイ」は多様すべきではありません。一般に返事は「ハイ」と答えよと教育されてきたと思いますが、しかし、この「ハイ」という返事には「理解した」という意味の他に、相手に対する「服従」や上下関係における「下の立場」を形成させる働きがあるのです。<中略>
では、営業マンは、どのような相づちをすればいいしのでしょうか?
それは「ええ」という表現です。「ええ」の返事のなかには服従関係は成立しないのです。
最後まで対等な立場で話を進めることができます。
「ええ、え~え~え~」のようにつなげた後なら、「でしたらこちらの商品がピッタリだと思います。こちらの商品ですと・・・」という具合に、話をこちらペースで進めていきやすくなります。私が電話営業での成績を急に伸ばせたキッカケも、実はこの「ええ」の相づちの発見だったのです。⇒「返事」や「相づち」の持つ立場の形成力を意識する
★信頼できるプロであることを間接的に伝えるフレーズとは?
私はお客様から悩みことを相談された場合、すべての話を聞き終えた後、穏やかな口調で意識的に次の言葉をかけるようにしていました。
「実は最近、同じご相談を受けることがすごく多いんですよ」
実際によく受ける質問の場合に限りますが、この返答をすることで、お客様に「このことで悩んでいるのは自分だけではないんだ」「この人は、これまでにいくつも同じ案件をこなしてきたプロなんだ」という安心感や信頼感を与えることができます。⇒孤独感を取り除く言葉が信頼感を生む
★相手を怒らせてしまっても「このひと言」で流れは元に戻る
相手がこちらの話の意味を取り違えて激怒してしまったような場合、叫ぶように次のフレーズを投げかけるだけで、話の流れを修正することができます。そのフレーズとは・・・
「そこなんです!一見よくない話のように聞こえるじゃないですか!」
重要なのは、初めの「そこなんです!」の一言。これで、相手が怒っているポイントを正当で的確なものであると指摘したことになり、その後の「一見よくない話のように聞こえるじゃないですか!」を、抵抗なく受け入れてもらうことができるようになります。
このフレーズには「あなたの考えはもっともです」と相手を肯定し、しかも「実は本来の意味は別なのだ」ということを瞬間的に理解させ相手をクールダウンさせる効果があるのです。⇒「そこなんです!」のツッコミで流れは元に戻せる
★思わぬ大物とお近づきになれる言葉のかけ方
その業界で力のある有名人に近つくために効果的な「言葉のかけ方」があります。
いわれてみれば当然のことなのですが、意外と意識されていない「人脈構築上の知恵」でもあります。意中の相手にメールをするときは、次の言葉で話をスタートさせましょう。
「先生の○○を利用させていただいております○○と申します」
見ず知らずの人間が相手に近づく最も自然な方法は、相手の「お客様になること」です。「お客様だから」という理由付けほど相手に接近しやすい根拠はありません。⇒人間は高評価をしてくれた相手に心を開きやすい
★「買ってください!」をやんわりと表現するフレーズ
「お試しください」(あらゆる商品)
「実感してください」(美容・健康・洗剤など)
「その目で確かめてください」(洗剤・掃除機など)
「この温かさをあなたの肌で感じてください」(衣類・布団など)
「次は最も厳しいあなたが試してください」(洗剤など)
表現こそ違いますが、これらはすべて「買ってください」という意味です。商品にピッタリな「結果としてお買い上げにつながる呼びかけの言葉」を研究してみましょう。⇒出費をイメージさせにくい表現で呼びかける
★経費をかけないで売上げが伸びる「ミラクルフレーズ」
経費をかけないキャッチコピーづくりのキーワードは「自然」「天然」「伝統」「頑固」です。
・伝統を感じさせる
「伝統」や一頑固」という言葉は、敢えてそのようにしてじると感じさせる「志」を連想させる
「伝統製法」「伝統をかたくなに守り続吟た製法で」「伝統の作り方を頑固に守りぬく」「○○年間変わらぬ製法で」・ナチュラル感を演出する
「余計なものは一切加えず」「人の手を加えることをせず」「天然そのままの姿をお届け」「大自然の恵みそのまま」「自然を愛するあなたへ」・欠点を逆手に取る
「時代遅れのサイズの大きなラジオ」→「大きくて高齢者にも使いやすいラジオ」
「古めかしい不動産物件」→「ヴィンテージ物件」「アンティーク物件」「レトロな物件」
「明らかに高い商品」→「高くて手を出す人がいないため購入すれば確実に目立つ商品」
「欠損品・キズ物」→「賢い主婦ならわかる”訳ありお買い得”商品」
★確実に財布を開かせる「パグジャの法則」とは?
①「パッ」と目につくアイキャッチの要素
②「グーッ」と引き込まれる説明の要素
③「じゃあ」と行動に至らせる要素
「パッ」の段階では、読ませるというより、脳が思わず反応するようなコピーやデザイン性が重視されます。心に届かせるためには、まず目に届かせる必要があるからです。
「グーッ」と文章に引き込み「じゃあ」注文しようか、とさせる段階においては、さらに「その部分ごとに読み手にどのような感情変化をさせたいか」を意識することが重要です。
つまり、目を引いたあとに重要なのは、読み手の「感情変化の順序」を意識することなのです。⇒コピーは行動までの「きっかけ」と位置づける
★効果的に「感情の波」を作る「7つのステップ」
①目をひく・・・「おっ」
抱えている問題を認識させ注目させる
②共感・・・「そうそう」
その悩みの持ち主ならわかる不幸を伝える
③悲観・・・「え~」
更なる不幸の可能性を伝え不安をあおる
④改善策・・・「何っ!!」
改善できる商品の存在と効果を伝える
⑤安心・・・「なるほど!」
推薦文や利用者の声などを証拠とともに提示する
⑥憧れ・・・「お~」
改善された生活をイメージさせる
⑦行動・・・「じゃあ」
限定特典とともに電話番号を伝えるなど行動を促す⇒文章のひな形を持てば制作時間を短縮できる
【感想など】
◆言葉ひとつで「儲け」は変わる
いつも目からウロコネタを提供してくれる岩波貴士さんの新刊です。
今回はお客に買わせるための「言葉」がテーマ。
実際の対面のセールスから、電話セールス、はたまたポップ、チラシの文章まで幅広く使える「言葉」のオンパレード。
本書タイトルが「おおげさじゃないの?」と思われる方もいるでしょうが、実際に自分自身の買う買わないの決定要因って、やっぱり言葉が大きなウェイトを占めていると思います。
先日、テレビを買った時も、テレビのような工業製品はどこの店で買っても同じ。
値段だってどの量販店もほぼ同じです。
では何件かまわった電気屋さんで、どうしてそこで買ったのかというと、それはセールスさんの対応とお客であるワタクシへの説明の美味さでした。
言葉というの大きな武器です。
しかも無料。
使い方次第で儲けを10倍どころか青天井で伸ばしてくれる可能性があると思います。
◆とにかくネタ満載
セールスさんが儲けを伸ばそうと思えば、やはりトークを磨かなければなりません。
語彙を増やしましょう。
本書もこれまでの同著者の本同様ネタの宝庫、セールスさんが語彙を増やすのにピッタリです。
「こんな言い方ができたんだ!」と目からウロコの連続ですよ。
今回【ポイント&レバレッジメモ】で紹介したのは本の一部分。
ネタが多過ぎて、とてもじゃありませんが紹介しきれません。
【目次】を見ていただいたらわかりますが、3章からなるメインテーマで紹介されているメソッドの他、各章にさらに追加のコーナーがあって、
・そんな言い方があったのか! お客様の心をつかむ営業トーク 66ネタ
・そんな表現あったのか! お客様の心をつかむキャッチコピー 41ネタ
・そんな展開があったのか! 読ませる文章の鉄則 16ネタ
と、てんこ盛り。
ネタバレ自重のため割愛しましたが、
「数字を使ったなるほどコピー」とか、「否定することで関心を集めるコピー」などはブログでもかなり使えそうな表現です。
(なお、ワタクシが一番関心したのは「仲介」「あっせん」を「窓口業務」と言い換えるネタでした。これだと「手数料」のイメージを連想させない)
◆ブロガーも必見
ブログ運営者として読んだ場合も、この本は参考になります。
最近は映像などもよく使われるようになってきましたが、今でもブログはやはり文章によって読者に伝えるのがメインの手段。
同じ情報、結末を伝えるにしても、言い回しひとつ、伝える順番ひとつで読者に与えるインパクトは違ってくるもの。
特に当ブログでもアフィリエイトリンクを貼っているわけで、紹介する本の伝えたいことを伝えるだけでなく、できればポチって欲しいのが本音。
読者に次の行動をとってもらうためにどう伝えたらいいかは、伝統的な「起承転結」ではちょっと違うような気がしていました。
「感情の波」の7つのステップは大いに参考にしたいところです。
それに「パグジャの法則」。
以前からブログの見せ方という点で、文章だけでは同値ても単調になりがちなブログに変化を付けたいと思っていました。
これ、大文字や小文字、色文字を使ったりしてブログでも応用が利きそうですね。
ただ、あまりやると情報商材のサイトみたいになりそうだけど・・・
また、先述の 読ませる文章の鉄則 もブロガー必読。
例えば、
ブログ記事が書けないときの奥の手
ブログの記事などが書けないと悩むときは「腹立たしい情報」を探すことです。反発したくなるニュースや他人の意見に触れるようにすれば、いいたいことや書きたいことはおのずと湧き出てくるものです。相容れないことに対して「反発したくなる人間心理」を利用するわけです。
といった、記載もあって、なるほどなるほどと引込まれました。
◆唯一の懸念材料?
最後に、本書を読んでいて唯一の懸念材料を。
それは、セールスマンの手の内がわかってしまうこと(笑)。
セールスさんと話していても、「お、この展開は7つのステップ踏んでるな」とか、お店でポップを見ても「あ、このポップはパグジャ使ってるな」とか。
挙げ句の果てにセールスさんともめたとき、「そこなんです!」なんていわれたら、「岩波さんの本読んだでしょ」ってツッコミ入れてしまいそう。
まぁ、それだけそのセールスさんが勉強しているということで、信頼してもいいのかな。
勉強熱心なセールスさんはもちろん、言葉でお客様に伝える仕事をされているなら読んで絶対損はありません!
本書は著者の岩波貴士さんから献本していただきました。
ありがとうございました。
【関連書籍】
本書中で引用・紹介されている本
著者は20年間にわたって、スモールビジネスを対象にした経営コンサルティング活動を行ってきた。アドバイスしてきた企業は25000社にも及ぶ。本書はその経験を生かし、職人の視点からスモールビジネスが失敗しがちな原因を分析。そのうえで、成功するためのノウハウを明かした本で、それが全米でもベストセラーになった大きな要因だろう。
本書によると、米国では毎年百万人以上の人たちが会社を立ち上げる一方、1年目に40%、5年目で80%以上が姿を消しているという。その多くは「事業の中心となる専門的な能力があれば、事業を経営する能力は十分に備わっている」という誤った仮定で事業を始めるからだ。実際には専門的な仕事をこなすことと、事業を経営することは全く別の問題だと述べる。帳簿をつけたり、人を雇ったりと、これまでに経験がないような仕事がわき出してきて、本業に手が回らなくなる。そうならないためには、収益を生み出す事業を定型化して、パッケージにしてしまうことが大事だ。つまり、自分がいなくても、ほかの人が同じように事業を回せる仕組みをつくることだという。そして、「どうすれば、ほかの人に任せても、事業は成長するだろうか?」などの質問を投げかけ、目標設定や組織戦略、人材戦略など、具体的なノウハウを解説していく。職人タイプの経営者が本物の経営者になるために参考とするには最善の書であり、スモールビジネスに関心のある人にもおすすめしたい。
何かとじたばたするのにゆとりがない人と、何でも早くてゆとりがある人の違いはどこにあるのか。早くてゆとりがある人は仕事の体系的なやり方を知っている。また、専門スキルだけでなく汎用スキルを駆使している。本書は前半で即効性の強いスキルを、後半で仕事の確固とした体系を紹介する。
【Amazonキャンペーンのお知らせ】
本書の発売を記念して、Amazonキャンペーンが行われています。
しかも、もう始まってます!
■日時 2013年11月6日(水)~7日(木)
そして気になる特典は・・・多過ぎて書ききれません。
詳細はこちらのサイトで↓
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【管理人の独り言】
本書でも当ブログを紹介していただきました。
ありがとうございました。
そうそうたる書評ブロガーさんたちと一緒に紹介されていて、なんだか恥ずかしい・・・
なお、岩波さんのサイトにはリンク付きのビジネス書の書評ブログ一覧もありますので活用してください。