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さらに昇華するアナログノート術!【書評】奥野 宣之(著)『情報は1冊のノートにまとめなさい[完全版]』 ダイヤモンド社

おはようございます、やっぱりライフログはアナログよね〜、と思う一龍(@ichiryuu)です。

さて今日は、あの100円ノートの一大ブームを巻き起こした(?)、オッ君こと奥野宣之氏の名作が完全版として帰ってきましたので早速ご紹介。

デジタル全盛の昨今、徹底したアナログぶりは、アナログノート術派の皆様必見でございます!

【目次】
序章 情報はシンプルでなければ使えない
第1章 ノート一冊でつくれる「知的生産システム」
第2章 一冊にまとめる「三つのルール」
第3章 効果的に情報を入れる「書き方・貼り方」
第4章 アイデアの素材を生み出す「ライフログ」
第5章 素材を活用へとつなげる「知的生産術」
第6章 ノートを自在に参照できる「索引化」
付録 ノートを200%使い倒すアイデア集
あとがき

【ポイント&レバレッジメモ】

★ノートに集めるから素材になる

知的生産の素材をノートに集める」のではなく、「ノートに(ピンときた情報を)集めると知的生産の素材になる」と。
このような仕組みになっているから、本書のやり方でノートを使えば、何かの仕事をしているとき、
・考えを進めるための足がかりになる
・新たな視点、切り口が生まれる
・アイデアや発想を思いつく
・思いついたことを成果物に活かす
といった効果が得られるのです。

★「ごちゃまぜ」だからヒントになる

10年以上ノートを使ってきた経験から言えることは、
「使えそうなものほど使えず、使えなさそうなものほど使える」
ということです。特に「仕事には何の関係もないが、おもしろい」という切り抜きや考えごとのメモほどアイデアの芽になることが多い。<中略>
大事なのは、幅広い情報の中から「ピンときたもの」を集めることです。

★1冊にまとめる「3つのルール」

1.一元化 →何でもかんでもここに入れる
2.時系列 →「日付ラベル」を入れて時系列で記録
3.索引化 →入れた情報を「索引化」して取り出す

★ペンの使い分けは「シチュエーション別」で

「ペンを場所に帰属させる」という方法です。
たとえば、デスクにいるときは万年筆や鉛筆を使い、外出や出張のときは、主に油性のボールペンを使うことにしています。もっとカジュアルな外出のときは、サインペンなどの派手な色のペンをポケットに差して出かけます。
こうしておくと、ノートに書かれたメモが、どこで書かれたのか、どんなシチュエーションで書かれたものか、あとで見たときにパッとわかるようになります。

★気分を変える「超一等地」の使い方

 ノートの最初のページと最後のページは、なにも書かないで残しておきます。<中略>
僕の場合、この場所を「リゾート」と呼んで、非常に気分のよくなる「とっておきのもの」が出てきたときに貼っておくことにしています。
たとえば、子どもの写真や絵をはじめ、いただいた礼状やファンレター、『ナショナル・ジオグラフィック』に載っていた美しい動物の写真、行きたかった土地での記念スタンプ(スタンプの場合はその場で押す)・・・といった具合です。

★「とりあえず貼る」だけでも行動と状況がわかる

 書類などの資料は「迷ったら貼る」が原則です。本書のノート方式は、「代替わり」のおかげで容量は無限ですから、多少、不必要な資料を貼付けてしまってもまったく問題ありません。むしろ「貼るか貼らないか」と悩んでいる時間がもったいない。

★記事は「くだり」だけを貼る

 読み返しの気楽さと活用度で考えれば、「記事の中のいいところだけ切り抜いて貼る」というのがベストでしょう。
たとえば、記事の第一段落、つまり「リード」と呼ばれる部分だけをスクラップする。解説記事やコラム前半の現状説明だけ、雑誌の特集のある段落だけを切り抜くという具合です。

★日曜の新聞からは「まとめ」と「書評」を切る

 特に、日曜の新聞は切り抜きに最適です。
なぜかというと、まず「まとめ記事」が多く、「書評」が載っているからです。<中略>
グラフや年表などの基礎データも多くなるので、いくつも切り抜いて、じっくり読むことにしています。<中略>
書評の前半は、たいていその本の要約と背景説明になっているからです。書評の前半部分を読むだけで、その難解な本のポイントが「わかる」。

【感想など】

◆完全版!
まだまだ抜き書きしたいところがあるのですが、ネタバレ自重します。

本書は、2008年に出版され、100円ノートブームを巻き起こした

を全面改稿・増補したリニューアル版です。

オリジナル版が発売去れた当初、そのあまりにアナログ過ぎる手法に衝撃を受けたワタクシでしたが、世の中は本格的なデジタル社会への過渡期でした。

同じ年の夏にiPhone3Gが発売され、また、競合他社がタブレット市場に本格参入、世の中はすごいスピードでデジタル化、そしてクラウド化していきました。

そんな時代の変化の中、約5年の月日の中でさらに進歩してきた著者のノート術が今回「完全版」として登場しました。

◆時代に流されない
本書全体を通して読んでの率直な感想は、「感服いたしました」という感じでしょうか。

本書を読む前に、”時代の変化にともなう完全版の出版”ということを聞いて、ワタクシはてっきり、アナログとデジタルの連携や融合も取り入れたのかなと思ってしまったのです。

ところがですよ、デジタルツールが登場するのはオリジナル版でも書かれていたExcelによるノートの検索システムだけ。

この頑さ。
本当に「感服いたしました」です。

ワタクシもアナログノート派手はあるものの、デジタルの良さも捨て難いなといつも思っています。
今はアナログ:デジタルの割合は8:2ぐらいでしょうか。

今後も新しいガジェットやアプリが登場すれば、どんどん試してみて取り入れたいと思っています。
おそらく多くのライフロガーが同じようにアナログとデジタルの使い分けに試行錯誤し続けていることでしょう。

そんな時代の流れに流されることなく、自分のやり方を続け、進化させている著者の姿勢に感服したのです。

おそらく、下手に”evernote”だの”スキャンしてクラウドへ”だのといったメソッドが登場していたら、この本の魅力は半減していたんじゃないでしょうか。

奥野式のノート術は時代に流されないからこそ価値のあるメソッドなのです。

◆世界で一番ハードルの低い「知的生産につながるノート術」
世のなかがデジタルに流れていけばいくほど、最新ガジェットや機能を使った記録方法は誰でもすぐに始められるメソッドではなくなっていきます。

PCやタブレット、スマホ等の機器がなければならないという、まずハード面が障壁となります。

それに対して奥野式は、ノートと一般家庭にある文房具(ペンとはさみとのり)があればすぐに始められる。

なんだか、世のなかがどんどん進めば進むほど、逆に純アナログ方式の奥野式ノート術が誰でも実践できる唯一の「知的生産につながるノート術」となっていく感じがしてしまいます。

そして、なによりも奥野式ノート術の魅力は”楽しそう”ということ。

見てください。

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(笹!)

これなら見返すのも楽しみになりますよね。

この”楽しい”というのが一番大切。

昔から知的生産のための方法って色々ありました。
ワタクシもカード式にチャレンジしたことがありましたが、すぐに止めてしまいました。

全然楽しくないんですよ。
だからあの方法を提唱した某大学の先生はマゾ気質だったんじゃないかと秘かに思っています。

◆みんなちがって、みんないい
最後にワタクシからアドバイス。

本書を読むと必ず”ノートのある生活”を始めたくなります。

実際、いつも身近にお気に入りのノートを置き、どこへいくにもノートとともにという生活は本当に楽しいものですので、ぜひ”ノートのある生活”を始めることをおすすめします。

ですが注意してほしい点がひとつ、それはアナログの宿命的欠点。
いわば”質量保存の法則”です。

これはワタクシのライフログノートですが、

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モレスキンのラージサイズですが、ごらんのとおり、まだ半分のページしか使っていないのにこの膨らみ様。
この調子で行くと使い終わる頃にはちょっとした辞書ぐらいの厚さになります。

当然重いです。
重いと持ち歩くのも、カバンから取り出すのも億劫になります。

ということでこれから始める方は、ページ数の少ないノートで始めることをおすすめします。
それだといろいろ貼付けてもそんなに分厚くなりません。

最初は欲張って、ページ数の多いノートを選んでしまいそうですが、まちがっても200ページぐらいあるノート(モレスキンとかLIFEノートとか)は選ばないほうがいいですよ。

「それだとノートがすぐに終わってしまう」という方、終わってもいいんですよ。
ノートを一冊使い切ると達成感があります。

新しい習慣を始めるとき、あくまで最初のハードルは低くが鉄則です。

まずは薄めのノートで1冊使い切ってみましょう。
きっとそのとき、自分の変化に気づくはずです。

さあ今日からあなたも、ノートとともに人生を楽しみましょう。

本書はダイヤモンド社編集者の市川様より献本していただきました。
ありがとうございました。

【関連書籍&お薦め文具】
本書には巻末に付録として ノートを200%使い倒すアイデア集 が掲載されています。
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まずは 「知的生産」に関するおすすめブックガイド より、いくつかご紹介

学校では知識は教えるけれど知識の獲得のしかたはあまり教えてくれない。メモのとり方、カードの利用法、原稿の書き方など基本的技術の訓練不足が研究能力の低下をもたらすと考える著者は、長年にわたる模索の体験と共同討論の中から確信をえて、創造的な知的生産を行なうための実践的技術についての提案を試みる。

すぐれた論文・レポートは文章技術の修練だけでは生まれない。目のつけどころや発想法、材料のあつめ方や整理術、さらには構成力や説得術が必須の条件となる。本書は、こうした一連の知的作業の技術やコツを、すぐ役立つように、著者自身の貴重なノウハウを惜しみなく公開して微に入り細を穿って教えてくれる、具体的で楽しいアイディアを満載した現代人必読の知的実用の書である。

アイディアが軽やかに離陸し、思考がのびのびと大空を駆けるには?自らの体験に則し、独自の思考のエッセンスを明快に開陳する、恰好の入門書。

知的生活とは、頭の回転を活発にし、オリジナルな発想を楽しむ生活である。日常生活のさわがしさのなかで、自分の時間をつくり、データを整理し、それをオリジナルな発想に結びつけてゆくには、どんな方法が可能か? 読書の技術、カードの使い方、書斎の整え方、散歩の効用、通勤時間の利用法、ワインの飲み方、そして結婚生活……。本書には、さまざまなヒントとアイデアが、著書自身の体験を通して、ふんだんに示されている。

新聞・雑誌・書物から個人や組織にいたるまで、多様なメディアが発信する膨大な情報を、いかに収集・整理・活用するか。情報の真偽を吟味・加工し、ゆたかな知的生産を行うには、何が必要か。ジャーナリズムの最前線で活躍をつづける著者が、体験から編みだした考え方と技法の数々を公開する。

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携帯用の細いタイプ。名刺サイズくらいのメモを貼付けるのにはこれくらいがちょうどいいと思います。

また、このコーナーに記載されているカスタマイズ方法も楽しいので参考にしてください。

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【管理人の独り言】

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読書の記録も1冊のノートにまとめるのです。
すべてはノートへ。

そしてそこで化学変化が生まれる。
これが奥野式の真骨頂です。

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