本を耳で読む Amazon Audible 30日間無料体験キャンペーン実施中

上司は敵ではない【書評】横山 信治(著)『「評価される」技術』 かんき出版

おはようございます、上司とは付かず離れず絶妙な間合いを取っている一龍(@ichiryuu)です。

さて紹介が遅れに遅れておりましたが、横山信治さんの本をご紹介。

長いサラリーマン生活の実体験を基にした、貴重な提言です。
若いうちに読んでおくと絶対差がつく1冊です。

 

【目次】
はじめに
1章 評価される人になるための大原則
2章 評価される人になるための上司とのコミュニケーション
3章 評価される人になるための習慣
4章 評価される人になるための考え方
5章 評価される人になるための行動

【ポイント&レバレッジメモ】

★評価される人は、他者を先に認める

 評価される技術の大原則は、認めて欲しい相手を先に「認める」ことです。
 評価するというのは、相手のいいところを認めること。それを相手に伝えること。相手に好意を持つことなのです。その結果、相手の自己重要感が満たされ、幸せな気持ちになってもらうことができます。
 もしあなたが、上司に好感を持てなかったとしても、「先に認める」ことでしか解決方法がありません。<中略>
 「仕事の能力が高ければ、上司との人間関係など気にしなくても評価される」という考えは捨てましょう。会社は表面的には能力重視を謳っています。上司も、たとえ自分に反抗的な部下でも、能力が高ければ当然評価するというかもしれません。
 でも現実は、上司が必要としているのは、自分のことを認めてくれて助けてくれる部下なのです。

⇒ 小さなプライドを捨て、先に相手を認めてあげましょう。人のために行動し、人を喜ばせることにより成功はあなたの手に入る。

★評価される人は、上司の指示を最優先している

 出世するには、上司の心をつかむことが条件です。<中略>それには「ニーズを満たす」ことが重要になってきます。
 ニーズを満たすというのはつまり、上司が何を望んでいるのかを察して、それを最優先で叶えるということです。<中略>
 実は会社を含めた人生そのものが、人の心をつかむゲームです。おべっかを使ったり、お世辞を無理して言う必要はありませんが、この世の中は相手が何をしたら喜ぶのか、なのをしたら嫌がられるのかを考えるゲームなのです。このゲームの得意な人が、人に好かれるのです。
 人のために行動でき、人を喜ばすことができる人が人生の勝者です。
 今日から上司のニーズを満たすことを、最重要ファクターにしてください。

⇒ 上司が何を望んでいるのかを察して、それを最優先で実行しましょう。上司に好かれることが評価される一番の近道。あなたを評価するのは上司である。

★評価される人は、上司より出過ぎない

 あなたがどんなに優秀でも、頭が良くても、社交的であっても、上司より目立ってはいけません。上司の影になることが大切です。
 これはよく胃の腑に落とし込んでいただきたい心構えです。

 会社で評価される人に共通しているのが、出過ぎないこと。口が堅いこと。思慮武深いこと。この3つのポイントが上司に好かれる条件です。
 ぜひ上司に信頼され、好かれる部下になってください。
 それがあなたの幸せにも繋がります。

⇒ 上司に評価される大原則は、「出過ぎない」「口が堅い」「思慮深い」。そして、上司に評価されない人の3大特徴は「悪口」「愚痴」「不平」を言う人間。

★評価される人は、自慢と正義を語らない

あなたは正義や正論で人を裁いていないでしょうか?
ただしいことqだからこそ逃げ道がなくなり、相手の自己重要感を損なうのです。
正義はあなた一人のものにするのが美学です。人に語ったとき、それは美しくなくなります。自慢しなくても、見てくれる人は必ず見てくれています。
ですから、あなたも自分のことを自慢するのではなく、人のいいところを発見して伝えられる人になってほしいのです。そうすれば、不思議とあなたが語らなくても、あなたのことを褒めてくれる人、認めてくれる人が増えていきます。
これは不思議な因果関係ですが、事実です。
あなたが人のいい部分を発見して伝えられる人になれば、あなたが自慢しなくても、あなたを認めてくれる人が増えていくのです。

自慢と正義を語ることは、相手の自己重要感を下げる行為。自慢するのではなく相手から褒められる人間になろう。正義は語るのではなく、陰でこっそり実行しよう。

★評価される人は、勝者にエールを送っている

人を褒めることには2つの大きな副産物があります。
1つ目は、人間の脳は主語を認識しないと言われています。自分が発した言葉が誰のことを言っているのか理解できないのです。<中略>人を褒めると、脳は自分を褒めたのだと勘違いします。

2つ目は、結果への執着が減るということです。
人を応援し、人の幸せを喜ぶことで、結果への執着や葛藤がだんだん減っていくのがわかるでしょう。もちろん、人はブッダにはなれませんから、欲がなくなることはありません。でも、人のことを喜べたとき、それがあなた自身の喜びとなっていきます。その清々しい気持ちそのものが、幸せでもあるのです。<中略>

真の競争相手は、自分自身なのです。誰かに勝っても、また次の相手が現れるだけです。人を喜ばせる自分になったほうが、昨日の自分に勝てるのです。

⇒ 己が勝つのではなく、勝者を称賛してあげる。勝った人のことを褒め、絶賛し、感動する。これが一番手軽で確実な勝利の方程式である。

★評価される人は、「For You」の精神を持っている

 会社で出世する人、成功する人の共通点は、「For You」(人のために尽くす)の精神がある人です。
人のために尽くすことが、結局、成功への近道なのです。<中略>
それは、人間には人に喜んでもらったときに最高のエネルギーが出るからです。<中略>
たとえ、1%でも多くの人に喜んでもらえる行動ができれば、あなたの周りの世界は大きく変わります。<中略>
私が尊敬するSBIホールディングス代表取締役執行役員社長の北尾吉孝も、「徳は孤ならず、必ず隣あり」という論語の言葉を好んで伝えています。つまり、徳を持った成功者の隣には、必ず仲間がいるということです。一人では成功できません。
人が喜んでくれることを喜びとする。
その気持ちが1%でも多く、51%あれば、それでいいのです。

⇒ 利他の精神がないと、継続した成功を掴むことはできない。

【感想など】
本書は、以前当ブログでそのデビュー作を紹介し、ワタクシ自身が非常に共鳴し感銘を受けた

参考記事

 

www.s-ichiryuu.com

 

の著者、横山信治氏の2冊目の本です。

ワタクシ、はっきり言って著者の本が好きです。

それは、30年にわたるサラリーマン生活の中で、およそサラリーマンが味わう辛酸をすべて味わい、またリタイアしていく同僚たちをたくさん見つめてきた経験から書かれた本ということが、文面から滲み出てくるからです。

しかも人柄なのでしょう、実直さが伝わってくる。

世の中には、一代で大企業や財産を築き上げた成功者のビジネス書が溢れています。
それはそれで読んでいて楽しいのですが、言わばそれは、血湧き肉躍る冒険活劇。

それを読んで自分に火を付ける、という意味ではいいのかもしれませんが、実際に圧倒的多数を占めるごく普通のビジネスパーソンが、読んで参考になるかと言えば、ワタクシは懐疑的です。

ビジネスパーソンの現実的な戦略としては、転職や起業を考える前に、まずは自分のおかれた環境で、いかに成果をあげ実績を残すかに集中すること。

または、今いる環境で上を目指し、権限を広げて行くことだと思います。

そういう意味で横山さんの本は貴重な実戦の書。
仕事術以前に心構えとして、仕事に臨む時の基本戦略として必読だと思います。

さて、本書のテーマは「評価される」ということ。

この分野、日本人が苦手としているところですよね。

すっかり廃れてしまっているはずの武士道をまだ引きずっているのでしょうか?
上司に媚を売ったり、おべんちゃら使ったりといったことにたいしてのマイナスイメージが根強いです。

もちろん、無理にそうしなさいとは言いませんし、ワタクシもそういうのは大嫌いです。

そうではなくて、「上司や管理職というのは決して敵ではないですよ」という意識にまずは変えて欲しいのです。

ワタクシもこれまで、上司の言うことをきかない人を何人も見てきました。

その人たちは確かに個人としては有能な人たちでした。
だからその人たちにとっては余計に上司が馬鹿に見えたのかもしれません。

しかし、長い目で見たらその人たちがいい仕事をしたかといえば疑問です。
はっきり言って、何も残していない。

結局彼らには協力者がいないのです。
「言っていることは間違いじゃないけどなぁ、全部が全部正しいとは思えない」というのが彼らへの同僚の大体の評価でした。

そしてある日の会議で、例によって上司に散々噛み付いて嫌な雰囲気で会議が終わった後に、別のワタクシが尊敬する先輩が一言ポツリとつぶやいたのです。

「管理職は敵じゃないんやから」

この言葉の本当の意味は、正直に言ってその時はわかりませんでした。
恥ずかしい話しですが、若かったワタクシは上司に意見する人をちょっとカッコいいなとも思っていたのです。

でも、今はハッキリわかります。
上司は敵ではない。
むしろ仕事の強力なパートナー。

いちばん大切にしなければならないパートナーです。
だって、なんかあった時に全部責任とってくれるんですよ(笑)。

そして、実績を残して初めて「評価される」わけですが、上司がハンコ突かないと「評価される」材料作成がスタートしないのです。

さらに、出来た材料を評価するのも上司です。

こういうふうに考えていくと、上司とのつきあい方、考え直したほうがいいことはおわかりでしょう。

では上司とはどう付き合っていけばいいのか。
それを本書で読み、学んでください。

上司に噛み付いたり、飲み屋で上司の悪口を言ったりするエネルギーがあるなら、上司と協力してそのエネルギーで大きな仕事を成し遂げたほうがすっと充実した建設的な人せとなるはず。

特に上司に不満を持つ若いビジネスパーソンは早く気がついて欲しい。
よほどひどい上司でない限り、何でも反対して噛み付く部下をよく観察するといずれわかります。
彼らは自分に酔っているだけだと。

酔うなら自分の成し遂げた実績に酔いたいですね。

本書は著者の横山信治様より献本していただきました。
ありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA