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手帳の習慣が人生を変える【書評】能率手帳プランナーズ (編)『ビジネス手帳で中高生の「生活習慣力」がみるみる変わった!』日本能率協会マネジメントセンター

おはようございます、手帳大好き一龍(@ichiryuu)です。

さて今日は、中高生がビジネス手帳を使うことで様々な変化が出たという実験的試みの報告が書かれた本をご紹介。

手帳はワタクシも大好きですが、改めてその効能を認識することになりました。
その驚きの効果とは!

 

【目次】
はじめに
序章 ビジネス手帳で「学ぶ力」が育つ
第1章 遅刻や忘れ物が減るだけじゃない!
第2章 時間の大切さを実感すると行動が変わる!
第3章 目標を達成できる人になる!
第4章 失敗を活かす人が成功できる!
終章 手帳を使っている学校の先生に聞きました

【ポイント&レバレッジメモ】

★手帳によって身につく4つの力

1 生活習慣力
 生活習慣力とは、よい生活習慣を身につけ、良い生活リズムで毎日を安定して過ごしていく力のことです。

2 時間管理力
 時間管理力とは、説明するまでもなく、時間を管理する力のこと。手帳派そのための道具だというのが一般的な認識でしょう。<中略>
 時間管理力は、受験勉強でもその力を発揮しますし、社会人になってからもとても役に立つ能力です。なぜなら、時間管理とは、単に時間を管理するだけでなく、「自分の行動」を管理することにほかならないからです。

3 計画実行力
 計画筆耕力とは、目標を決め、その目標を達成するための計画を立て、その計画を実際に実行していく力のことです。

4 経験活用力
 経験活用力というのは、ちょっと聞き慣れない言葉かもしれませんが、うまくいったこと、うまくいかなかったこと、成功体験、失敗体験など、様々な経験を将来に活かす力のことです。

★「学ぶ力」

 「生活習慣力」「時間管理力」「計画実行力」「経験活用力」、これら4つの能力を養うことで「学ぶ力」が育ちます。
 「学ぶ力」と学力は似て非なるものです。学力は、英語や数学など、その科目の学習によって得られた能力のことです。これに対して「学ぶ力」は、学校の勉強にかぎらず、何か自分が知りたいと思うことをみずから学ぶための力です。
 「学ぶ力」が、なにを、いつ、どこで、どのように学ぶかという学びのプロセスを強化するための力だとすると、学力はそうやって学んだ結果の力です。ですから「学ぶ力」なしに学力がつくことはないのです。

★手帳によるダブル効果で記憶力がアップ

 中高生4万人アンケート調査に寄ると、実際に手帳を使うようになって忘れ物や提出物遅れが「大幅に減った」「減った」と答えた人が38768人中、14439人と約4割います。手帳を使いはじめて3ヶ月という早い時期でも、これだけの人が自分自身の行動の変化を実感しているのです。
 忘れ物や提出物遅れが減ったのは、手帳を見返すことで記憶を呼び戻しただけではなく、手帳に実際に手で書くことで記憶自体が深まったからです。<中略>
 手帳に友達との約束や提出期限を書くことで記憶が深まり、手帳を見返すことでもし忘れていたとしても思い出すことができる。この手帳のダブル効果によって「忘れ物や提出物遅れが減った」人が多かったのでしょう。

★書く習慣が身につくと頭が良くなる?

 最初は面倒くさいと感じたり、特に書くことがないという人もいますが、手帳に慣れるにしたがって抵抗感がなくなり、人によっては楽しいと感じるようになります。
 前出の植木先生は、「常に書くことで、脳にとどめておこうという構えができ、物忘れしにくい脳に変わっていく。書くことを習慣化すると脳がそういうものだと理解して成長していくサイクルができる。これは頭が良くなるということです」と笑いながら話してくれました。

★手帳は「自分」を知ることができる貴重なツール

 「手帳にいろいろなことを書くようになると、自分はこういうことに時間を割きたい人間なんだなとか、こういうところが苦手なんだなとか、自分自身のことを振り返る機会が豊富になりますから、自分のことをよく知ることができるようになります。
 また、人格形成という意味においても、思春期のタイムスケジュールを手帳で管理するという力をつけることはとてもよいことなのではないでしょうか」<中略>

 3週間、手帳を書き続けることができたら、自分の時間の使い方が見えてきます。 
 3ヶ月、手帳を書き続けることができたら、自分の特徴がいろいろわかってきます。
 1年間、手帳を書き続けることができたら、青春の1ページならぬ青春の1冊となり、人生の宝物になるでしょう。

★3ヶ月で3割の人の学習時間が増加

 学習、部活、遊びを色分けして記入すると、それぞれの時間が1週間にどれくらいずつあるかが一目瞭然となり、「今週は遊びの時間が多くて、勉強の時間が少ないな。終末にもう少し増やそう」とバランスの良い計画を立てられるようになります。
 スケジュールを色分けするのも楽しいですし、色分けされたスケジュールを見るのも楽しいものです。楽しくなると不思議ともっと書きたくなってきます。空白がもったいなく感じるようになり、「数学の問題集」とか、「漢字練習」とか書いてしまう。書いてあると勉強するしかないという気分になり勉強時間が増えてくる・・・。
 なかなかそこまでうまくいきませんが、「こんなこともできるんじゃないか」と自分で自分の行動に期待するようになり、少しずつ行動が変わってくるのは確かです。

★最初は親のサポートも必要

 最初は保護者がサポートしてあげたほうが1人でやるよりもうまくいくようです。
 たとえば、1週間の計画を立てた段階で手帳を見てあげて、「ガチガチ計画」や「無謀な計画」になっていないかを確認し、「もう少し空き時間をつくったら」とか、「こんなに長い時間同じ科目をやるより、半分にして2科目やったほうがいいんじゃない」などのアドバイスをします。
 同様に、過去の計画でうまく実行できなかったものがあれば、「なぜ実行できなかったのか」を一緒に考えて、同じような計画を今後は立てないようにするだけでも計画の実行率が上がります。

★読み返すだけでも計画実行力が上がる

 それでは、1週間を振り返って手帳に書いた「うまくいったこと・計画どおりだったこと」と「うまくいかなかったこと、計画倒れに終わったこと」を次ぎに活かすには具体的になにをすればいいのでしょうか。
 答えは簡単。ときおり読み返せばいいだけです。休み時間や通学のバスや電車の中で座れた時などに手帳を出してパラパラと過去のページを読むだけで、目標への意識が高まり、失敗の原因を思い出したり、成功の秘訣に気づいたりできます。
 新たな目標を設定したり、そのための計画を立てる時に、同じような過去の事例を思い出して、それに関する「振り返り」を読み直せば、前よりも精度の高い計画を起てることができるでしょう。

【感想など】

本書は、中高生に手帳を使うことで「自ら考えて行動できる人」になってもらおうという試みを紹介した本で、仕掛けたのはあのビジネス手帳の老舗、能率協会さん。

2012年4月から「能率手帳スコラ」というビジネス手帳のノウハウを加味した中高生向けの手帳を活用している学校が、中学校で34校、高校で200校あります。約6万人の中高生が実際に現在もこの手帳を使っています。

いやぁ、こういう取り組みが行われていたんですね。
おもしろい!

当ブログの読者さんはご存知でしょうが、ワタクシも手帳好き。

まぁ、ワタクシの場合は何でも書き込んで、何でも貼付けるライフログですので、学生さんとは使い方がちょっと違いますが、手帳の効能は同じだと思います。

予定を書き込み、記録を取ることで、時間の使用状況や、自分の思考と嗜好。
普通に暮らしていては気がつかない部分をたくさん発見させてくれるのが手帳です。

これを中高生の頃から習慣化できるなんて、なんと羨ましい。

だって、大抵の大人は、社会人になってから手帳術を必要に迫られて編み出すわけですから。
しかも自分に合った形が完成するまでかなりの時間を要するもの(だから手帳術の本の需要があるわけですが)。

この試み、すごくいいと思います。

そもそも何で中高生にこういうことをさせなかったのか?(ワタクシも思いつきませんでしたが)

ワタクシが通った小学校だけかもしれませんが、記憶が正しければ、小学校時代は連絡帳なるものがあって、帰りの会の時に、「明日の時間割と予定」「明日忘れてはいけないもの」などなど書かされていたと思います。

それが中学に入ったとたん、野放し。
生徒手帳はありましたが使いにくいことこの上ない代物でした(これはどの都道府県も似たり寄ったりじゃないかな)。

この状況は高校も同じ。

小中高と継続的に指導してくれていたら、もっと違った学生生活だったかもと本書を読みながら思ってしまいました。

さて、本書を読みながら思ったことはたくさんあったのですが、もう一つだけ書かせてもらいます。

それはアナログ手帳(ノート)の素晴らしさです。

今の高校生の多くはスマホを所有しています。
もしかしたらスマホのアプリでスケジュール管理している子もいるでしょうね。

ワタクシもiPhoneのスケジュールアプリを使用していますが、基本はアナログノートです。
仕事用にはシステミックにキャンパスカレンダーをいれて、プライベートではモレスキンを使っています。

デジタル機器はバックアップ的な使い方です。

閲覧のしやすさ、書き込みの手軽さは圧倒的に紙の手帳のほうが便利。
しかも本書に書かれているように、手で書くことで記憶が強化されるとワタクシも思います。

そして、これらの効能以上に、特に中高生にとっては紙の手帳は素晴らしい点があることに、本書を読んで気がつきました。

それは、友達や先生とシェアできるということ。

学校で実際にどういう指導をしているのか、先生が生徒の手帳を見て指導する機会があるのかが本書では残念ながらわからなかったのですが、この手帳を見ながら問題点を考える材料になりますよね。

本書に

「『日常生活がすべての基本』と生徒にうるさく言っているわりに、生活指導の良い方法がなかった」

という先生の言葉がありましたが、生活習慣こそが学力の基礎。
手帳をシェアすることで、あるいは友達とも見せ合って励まし合って目標に向かっていく。

そういう使い方がしやすいのはアナログ手帳のいいところですね。
そして、もちろんこれは親子間でも同じ。

さらには、目標達成の後はこの手帳が宝物として残る。

この試みが全国的に広がると、学校環境や親子関係なども含めて日本が変わっていくかもしれませんね。

本書は日本能率協会マネジメントセンター、編集者の木村様より献本していただきました。
ありがとうございました。

【関連書籍】

手帳関連の本を紹介。

ビジネスパーソン向けですが、手帳活用のノウハウはおそらくこの一冊があればOKです。

参考記事

 

www.s-ichiryuu.com

 

 

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本書は、「見返したときに楽しい手帳になる」をコンセプトに3色ボールペンで簡単に描けて、仕事に使えるかわいい手帳イラストの描き方を教える1冊です。
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当ブログ未紹介

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