おはようございます、保険の営業のおばちゃんが苦手な一龍(@ichiryuu)です。
さて今日は久々、菊原智明さんの新刊をご紹介。
7年間もがき苦しんだダメ営業マンだった著者が、4年連続No.1営業マンに生まれ変わることができた「話し方」とは。
営業マン必読です!
【目次】
はじめに
第1章 会社で教わったやり方はウソばっかりだった
第2章 ダメ社員から抜け出したきっかけ
第3章 結果を出す人はやっている!人を動かす話し方の技術
第4章 自分の意見を相手に伝える
第5章 自分の意見を通して思い通りにする
第6章 こんなときはどうする?困った人、場面での対処法
【ポイント&レバレッジメモ】
★先輩から得たヒント
私は先輩から学んだ話しの内容を1枚の紙にまとめました。
また、学んだことに私の考えも加えました。
まとめると以下の5つになります。1. まずアイスブレイクで共感を得ている
2. 相手が聞いてこないことを必要以上に言わない
3. 結果を出している人はマニュアルトークなどしていない
4. 人はメリットではなく、デメリットのほうが聞いてくれる
5. 良い結果を導くための質問をしている
★内容よりアイスブレイクが大切
よく直属の上司から「商談の前には必ずアイスブレイクをするように」と言われたものです。
アイスブレイクとは、商談に入る前にお客様の緊張をほぐすことを言います。
お互い緊張したままでは意見交換もできませんし、うまく人を動かすこともできません。<中略>
初対面の方とお話しする時も、お互いに緊張しているものです。
そんなとき、いきなり本題から始めても内容の半分も伝わりませんし、何も話してはくれません。
やはり軽い話題で緊張をほぐすことが必要になります。<中略>
話す内容より、アイスブレイクのほうが重要ということを忘れないで下さい。
★商談は初めの1分で決まる
私の経験上ですが、アイスブレイクをしたあとの1分間でお客様をつかみきれないと商談成功率は一気に下がります。
初めの1分で伝わらない話しをすると「この営業マンはなにを言っているの?」とまず不審に思われ、相手を思いどおりに動かすことが難しくなります。
さらに時間が経てば「この人じゃダメね」と見切られてしまうのです。「今日はたたき台のプランをお見せしますから、そこへ〇〇さんに変更点を書き込んでいただきます」とお客様にしていただく行動をまず伝えます。
こう言っておくと、お客様は「これから見せてもらうプランに自分の考えを記入するんだな」とやることが明確になります。
そうすることで商談への集中力が高まるのです。
★自己開示で距離を縮める
お客様と商談をするとき、アイスブレイクの時にプライベートのことをちらっと話してみて下さい。
一つの自己開示から一気に距離が縮むこともあります。とはいえ、プライベートなことは手短に話すことが大切です。<中略>
何も情報を明かさない人も怖いですが、しゃべりすぎるほうも付き合いづらいものです。
とにかく相手に自分の情報や考えていることを手短に伝えることが重要です。
出会いではそれが相手との距離を縮め、信頼関係を築くポイントになります。
★4つのサイクルで潜在ニーズを引き出す
潜在ニーズを引き出すヒアリング方法については、次の4つの構成になっています。
承諾トーク → 質問(ヒアリング) → 展開トーク → 確認トーク・承諾トーク
「承諾トーク」は、「これからいくつか質問してもよろしいですか」と相手に質問する承諾を得ることです。
初めに承諾を得ることで相手に心の準備をしていただき、さらに自分自身でOKを出したことで質問にも積極的に答えようという気持ちになります。・質問(ヒアリング)
主にリストを使って質問します。・展開トーク
展開トークとはお客様が答えたことに対して、深堀して質問するということです。
どんな解答であっても、必ず一回以上は展開トークをして下さい。・確認トーク
2〜3項目質問したところで、相手の言ったことを「〇〇でよろしいですね」と確認します。
確認することで「この人は私の話しをきちんと聞いてくれる」という印象を与えられますし、さらには相手の考えもまとまるといったメリットもあります。
★問題点を1つに絞ったら2択で提案する
お客様から問題点を聞き取り、1つに絞った後はどうすればいいのでしょうか?
しごった後は、ただ単に『それを解決しましょう』というのではなく、2択で提案するとすんなり受け入れてもらえることもよくあります。
その理由は、候補が2つあるほうが選びやすくなりますし、何より相手は「自分で選んだ」ことで納得するからです。
【感想など】
本書は菊原智明さんの最新刊です。
これまで当ブログでは下記の2冊を紹介したことがあります。
参考記事
参考記事
著者はハウスメーカーの営業マンとして活躍された方で、本書では「7年間ダメ営業マンだった」という程度でさらっとしか触れられていないのですが、その間相当苦しまれたようです。
対人恐怖症になったこともあるそうですし、ましてや上記の「上司本」を書かれるぐらいですから相当上司からプレッシャーをかけられ続けたのは想像できます。
さて、そんなダメ営業マンだった著者が4年連続No.1営業マンに変身していくのですが、そのきっかけの一つが本書のテーマとなる「話し方」。
いわゆる「営業トーク」の方法の変更でした。
みなさんは敏腕営業マンといえば、どんなイメージを持たれるでしょう。
共通して持っているイメージは「話しがうまい人」じゃないでしょうか。
でも本当は違うのです。
仕事が結果を出す人は口八丁手八丁で話しをする人ではありません。
どの業界のトップ営業マンも、トークを磨くための練習などしていないのです。
そのかわり、日常から人の話しや自慢話を楽しく聞く練習をしています。
あなたの目の前の相手は話しを聞きたいのではなく、話しを聞いてほしいと思っているのです。
と本書の冒頭にあるように、お客様の話しを聞く人、うまく引き出す人なのです。
これ、武道の世界で言うと「剛能く柔を断ち、柔能く剛を制す」の「柔能く剛を制す」の部分。
あるいは、相手の攻撃をしっかり受けておいてから相手の弱点を突く「後の先」、という感じでしょうか。
ところが身の回りの営業さんでよく見かけるタイプはこの正反対の人。
とにかく私の話しを聞いて下さい!商品の説明をさせて下さい!というすごい勢いでこちらの都合なんて関係なくどんどん押してくる人が多いですよね。
冒頭で「保険の営業のおばちゃんが苦手」と書きましたが、うちの職場に来ている方がまさにこの行け行けどんどんタイプ。
残業したくないから必死で集中して仕事をしているのに、「お時間とらせませんから」としつこくアンケートに答えるよう強要してくる。
こういう方には憤りさえ感じてしまいます。
人間関係を築く前の段階で、自ら壁をどんどん高くしている。
これでは営業トークを繰り出すこともできません。
それに、お客様に話す必要性を感じさせなくなります。
「この人はお客のことを考えてないな」というイメージを持ってしまいますから。
お客様の話しを聞くということにもつながりますが、お客様の状況を察するということが人間関係の第一歩。
「強気の営業」とか「積極的な営業」なんて言葉を使う人がいると思いますが、考え違いをしてはいけません。
本書にヒントがたくさんありますが、なにがいちばん大切なことかということを常に考えてほしいですね。
そういう意味で、本書はもちろん営業トークのテクニックを解説してくれているハウツー本の範疇には入るのですが、著者の苦労した経験からくる「お客様第一」「お客様のことを本気で考える」という姿勢が伝わってくる良書。
若い営業マンは特にそのあたりを読み取ってほしいです。
また、本書後半には会社組織内での困った時の対処法が紹介されています。
特に上司との関係に関する部分は4月から新入社員になるフレッシュマンは必読。
おそらく最初の1年はガンガン言われますからね。
あなたの人格やプライドなんて会社組織の前には何の価値もありませんから、今から心が折れないように本書を読んでおくといいと思います。
若き営業マンたちへ
本書は日本能率協会マネジメントセンターの編集者、木村様より献本していただきました。
ありがとうございました。
【関連書籍】
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【管理人の独り言】
補足ですが、先述した「保険の営業のおばちゃん」のその後です。
実は出入り禁止になりました。
表向きは情報漏洩防止のため部外者を入れないということで、このおばちゃんだけでなくすべての営業さんが勝手に入って営業活動しないようにということだったのですが、ワタクシの同僚から「仕事に支障がでて困る」という苦情が多数上司にでたからというのが真相のようです。
お客様のことを考えない強引な営業が、結局自分で自分の首を絞める結果になってしまった典型例ですね。
なお、このおばちゃんは最近、職場の玄関で帰宅途中の職員を狙って待ち伏せする作戦に出ております(笑)。
この根性はちょっと見直した。