おはようございます、一龍(@ichiryuu)です。
さて今日は、伝説のバイヤーこと藤巻幸大さんの新刊をご紹介。
阿久津氏との共著という形になっていますが、中身は藤巻さんの「自分ブランド」論がこれでもかと展開されております。
セルフブランディングを考えている方、独立を考えている方、必見です。
【目次】
プロローグ 真似をやめて、唯一無二のオリジナルを目指そう
第1章 夢なき者に理想なし
第2章 行動が世界を変える
第3章 コミュニケーションを武器にしろ
第4章 成功のカギはマーケティングにあり
第5章 「自分ブランド」を確立させる
エピローグ 人生は「楽しむ」より「楽しませる」ほうがダンゼンおもしろい
【ポイント&レバレッジメモ】
★会社の肩書きを一切捨てよう 何も残らない自分に気づくことがスタートだ
ピンで立てていない人の大きな特徴が「会社の名前=自分」と思っていることだ。
君も「会社の名前=自分」と思ってはいないだろうか。<中略>
会社の肩書きを語るのではなく、自分自身の個性を語る
学歴も会社の肩書きと同じ。学歴も、会社の肩書きもない状態で、「自分はこういう人です」と語れる人はどれくらいいるのだろう。
ピンで達ということは、唯一無二のオリジナルになるということだ。
会社の肩書きも学歴もない状態で、自分のことを語れる人間になってほしい。
そのためにはまず、自分の棚卸しが必要だ。1度、自分ができることを紙に書き出してみてほしい。<中略>5つ以上書くことができればたいしたものだ。<中略>ピンでたつ努力を続けて、5つ以上、自分の個性を語れる人間になってほしい。
★会社は社員の幸福を考えてくれない 会社のために働くな 自分のために会社と「契約」しよう
「会社のために働く」なんて考えは、絶対に持たないでほしい。会社のためにではなくて、あくまで自分のために働く。会社は「目的」なのではなくて、あくまで自分の目的を達成するための「方便」だ。
会社に属しながらピンでたっている人間は、こう考えている。
「この会社にいるからこの仕事をする」ではなく、「この仕事をしたいからそれができる場所にいる」
さらにこんな発想がある。
「どこでもやっていけるけれど、一番力を発揮できるから今の会社にいる」
ピンでたっている人は「雇われている」感覚がないのも特徴だ。
「自分の仕事で会社に利益をもたらし、その利益の一部を給料として受け取る」というように、対等な「契約」の感覚で働いている。
ぜひ会社とは良好な契約を結ぶつもりでいてほしい。
★居心地のいいラクな池に群れるヤツにはなるな ラクに慣れると池から出られなくなる
僕には、「池→湖→海」理論という持論がある。
ピンでたつためには、池で群れているのではなく、池から湖、さらに広い海を目指して行動を起こさなければならない。
池で群れるとはこういうことだ。
会社でいつも同じ仲間とつるみ、なじみの居酒屋で愚痴を言い合って、その毎日の繰り返し。新しい仲間を求めようとせず、小さなフィールドで小さくまとまって一生を終える。
僕はそういう人たちを「サラリーマン」と呼んでいる。目的もなく、給料をもらうためだけに働いている。夢を持って、ビジネスのフィールドを常に広げていく努力のできる人が「ビジネスマン」だと思う。
★4P理論はもう古い これからはCVHPSだ
マーケティングんの本には必ず「4P理論」って言葉が出てくる。
1 製品(Product)
2 価格(Price)
3 場所(Place)
4 プロモーション(Promotion)
僕が今提唱するとしたら、さしづめ「CVHPS」だ。
1 顧客目線(Customer View)
2 VMD(Visual Merchandising)
3 ヒストリー(History)
4 フィロソフィー(Philosophy)
5 ストーリー(Story)
4P理論だけをいまだに信奉しているから、「売るなら値段を下げるしかない」という価格競争に巻き込まれてしまう。<中略>
「顧客目線」「VMD」「ヒストリー」「フィロソフィー」「ストーリー」があれば、高くたって売れる。僕はそんな企業もたくさん知っている。
★人に流される相対的な価値観を持つな ピンで立つためには絶対的な価値観を持つ!
相対的な価値観でなく、「自分はどうしたいか」という絶対的な価値観を持つことが必要だ。ぶれない自分の「軸」を持ってほしい。<中略>
絶対的な価値観を持つために必要なのが、やはり信念だ。信念を持つと、その信念が世間に受け入れられないときがある。<中略>そんなとき、バカにされたり、笑われることもあると思う。<中略>
自分が信じたのなら、笑われても一切気にしない、決して折れない、曲げないこと。
世間ではなく、自分がどうしたいのか。それができるようになることが、ピンで立つということだ。
★背中を見せられる人になれ ビジネスのコツは人付き合いのコツだ
いいビジネスをするためのコツは、いい人付き合いのコツでもある。
もちろん、ビジネスをしていく上で知識や技術の習得は重要な要素だ。でも僕は、知識や技術を越える大切なものがあると思っている。それは、誠実さ。
誰からも後ろ指を指されないような働き方をする。策を弄する人より、誰に対しても誠実な人のほうが、最終的には周囲に認められる。<中略>
自分だけでなく、ほかの役割を担ってくれている人にも感謝の気持ちを示して、常に配慮をする。例えば、自分が営業なら、事務をやってくれている人にも感謝の気持ちを示す。
それが誠実さであり、後ろ指を指されない働き方だと思う。別の言い方をすると、「背中を見せられる人になれ」ということだ。<中略>自分の道を信じて、誠実に働く。
結果的にそれが、成功への一番の近道になる。
【感想など】
最近、「ノマド」って言葉が流行っていますよね。
ちょっと前まではPCやスマホを駆使してどこででも仕事をする、仕事の方法、スタイルをさす言葉だったのに、今ではフリーエージェントの様な意味合いも加味されて、”会社にしばられない自由な生き方”を表す言葉に変化してきています。
ワタクシ自身も憧れてはいますよ。
プロブロガーさんのように、できればブログ書いて生きていけたらなぁなんて考えています。
けれど、ノマドスタイルを無条件で礼賛する風潮や、またそれを煽るマスコミのあり方にはちょっと警鐘を鳴らしたいと思っています。
「冒険に出よう」と誘われて、ホイホイと出かけてしまうのはちょっと待て!と。
「冒険とは生きて帰ること」と植村直己さんは言いましたが、生きていくための体力やテクニックを、あるいは補給部隊となってくれる人脈をしっかり準備できていますか?
そこを冷静に判断してほしいです。
そして、もし「俺にはまだ無理だな、準備不足だな」と感じたらこの本を読んでほしいですね。
ずっと以前から、「自分ブランド」という言葉を藤巻さんは使ってこられました。
今回、本書の「ピンで立つ」というのはその「自分ブランド」の究極形と藤巻さんは位置づけています。
残念ながら、このレベルにいきなり到達することはできません。
しかし、会社に勤めながら、修行すればいい。
「ピンで立つ」ための意識を持ちながら、会社に属して給料をもらいつつ修行すればいいのです。
で、何を目指すか?
本書では、自分のセールスポイントを5つあげられますか?と、問いかけられています。
これがひとつの目安ではないかと。
業界に精通している、専門技術を持っている、大きなプロジェクトを成功させた、ヒット商品を生み出した等等。
そういった実力を身につけ、実績を積んで、「あの会社には〇〇がいる」と言われるようになったり、他社の社長に「お前うちに来ないか?」と誘われるようになれば「ピンで立つ」準備完了でしょう。
改めて言いますが、マスコミはこぞって時代の寵児を持て囃します。
憧れるのはかまいませんし、目標にするといいと思います。
ただ、彼ら彼女らは元々勤めていた会社でも実績を残し、人脈も築いてきた方々です。
しかも出身大学も勤めていた企業も超一流の方々。
さらにはストイックなまでに自己管理を徹底できるメンタルの持ち主。
自分とは全くレベルが違う人たちだと認識した上で、本書に書かれている内容をひとつ、またひとつと実行し、近づいていくことが現実的でしょう。
そうすれば、たとえ会社に属したままでも、新しいステージが開けるんじゃないかと思いますし、それでも充分「冒険」ですよ。
さて、本書で印象的なのは、後半にある藤巻さんのマーケティング理論でした。
著者に取っては専門分野なわけですが、これ、「ピンで立つ」ことへ応用できるんだと改めて感心しました。
特に、
マーケティングとは「相手の側にたって物事を考えること」
だと喝破しておられますが、これこそピンで立って生きていくための極意。
というのは、「相手は自分に何を求めているのか」そして「自分が提供するべきものは何か」、これに気がついて実行できるかどうかが冒険を生き抜く勘所となると思われるからです。
組織で生きようと、ピンで生きようと、絶対に人とかかわって生きていくわけですから「顧客目線」を手に入れることが生きていく武器になりますよね。
人生は好奇心に満ちた「冒険」だ。
と本書巻末に書かれています。
藤巻さんは昨年国会議員になられましたが、次々と新しいステージに進み、経験を積み上げ、また新しいステージに登っていく。
どうせ生きるなら、こういう冒険に満ちた人生を生きたいですね。
これから冒険に出発しようとしている人たちへ。
本書はあさ出版編集者の吉田様より献本していただきました。
ありがとうございました。
【関連書籍】
本書内で藤巻さんが何度も読み返す本として紹介している本。
全4巻。
本書は、江戸時代後期の林家の儒者佐藤一斎の、42歳から80歳にかけての、前後40年にわたる思索の賜物と言われる「言志四録」のうち、その第1巻たる「言志録」をを上梓するものである。変革期に於ける人間の生き方に関する問題意識で貫ぬかれたこの語録集は、幕末から明治にかけて多くの人々に影響を与え、西郷隆盛も自己の座右の書としていたと言われており、今日なお修養の糧として、また処世の心得として得難き書である。
【管理人の独り言】
昨年出版された藤巻さんの本。
こちらもオススメです!
折れない心で会社に埋もれず求められ続ける人であるために知っておきたい仕事のルール。働くあなたに伝えたい48のこと。