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まずは「ライスワーク」を身につけよ【書評】常見 陽平(著)『自由な働き方をつくる 「食えるノマド」の仕事術』 日本実業出版社

おはようございます、全身筋肉痛の一龍(@ichiryuu)です。

世間では3連休ですが皆様いかがお過ごしでしょうか?
さて今日は、昨今流行の”ノマド”について、常見陽平さんがしっかりと地に足をつけて論じた本をご紹介。

流行に流される前にまずは一読していただきたく、紹介します。

 

【目次】
はじめに 「自由な働き方」は、自分でつくる
第1章 ノマドという自由な働き方が注目される理由
第2章 自由な働き方のリアルを知る
第3章 あなたは自由な働き方に向いているか?
第4章 自由な働き方のヒント[基本スキル編]
第5章 自由な働き方のヒント[大事な哲学編]
おわりに それでも、自由に向かって走れ

【ポイント&レバレッジメモ】

★「ノマド=自由」は本当か?

 会社に拘束されることはありませんが、仕事には拘束されます。仕事には顧客とパートナーがいて、その人たちには拘束されます。この時点で、完全に自由というわけではありません。その意向には従わなければなりません。顧客が要求する水準や納期を必死に守らなければなりません。このあたりは会社員と全く一緒です。いや、会社に守られていない分、より厳しい要求をされることもあるでしょう。<中略>
 不自由さと表裏一体の「自由」とどう付き合うか、どうコントロールするかが、ノマドで働くカギになるでしょう。

★ノマドワーカー同士でも主従関係はなくならない

 「会社は上意下達な縦社会。ノマドはフラットな世界」
 そう思っている人がいることでしょう。大間違いです。フラットなパートナー関係が皆無とは言いませんが、多くの場合、仕事をつくる人・もらう人、物事をリードする人・される人の主従関係があります。<中略>
 仕事を持ってくる立場、人に仕事を渡せる立場にならないと、ずっと弱い立場が固定化する可能性があるということです。昔も今も、フリーランスで成功している人はよっぽど腕がいいか、顧客をガッチリつかんでいるか、あるいは自分は手を動かさずに人に仕事を配ることができる人です。
 人間関係が苦手、上下関係が嫌だという理由で「自由な働き方」を目指すのは結構ですが、仕事の仕方を考えないと状況は変わらないのです。

★今いる会社は最高の「ビジネス・スクール」

 はっきり言います。もし、自由な働き方をしたいなら、そういう人ほど、今の会社、今の仕事を大事にしてください。せっかく会社に入ったのだから、今の会社を利用し尽くしましょう。
 なぜか?会社は最高のビジネス・スクールであり、ソーシャルネットワークだからです。<中略>
 せひ、小さな成功体験でかまわないので、最初の会社で「名刺代わりになる仕事」をしてください。こういう仕事の経験がないと、会社を辞めてもなにか後ろめたいものです。どんなに小さな成功体験だとしてお、あなたの仕事ぶりというものを伝える材料にはなるものです。

★制約の中でも自由を追い求めよう

 私が本章の最後に言いたいのは、「制約の中でも自由を極めろ」ということです。
 ノマドワーカーは油断すると、会社員以上に様々な束縛に苦しむことになります。そこに抵抗し続け、少しずつ自分なりの自由を追求する。その過程で制約が減ることもありますし、制約を制約と思わなくなることもあるでしょう。制約と理不尽を楽しみ尽くすのが大事なのは、サラリーマン時代と全く一緒です。
 自由を極めるためのチャレンジをし続けることで、理想の働き方に近づけるはずです。

★「ご飯の仕事」と「おかずの仕事」のバランスをとろう

 ここで考えたいのは、ライフワークとライスワークという考え方です。ライフワークとは、「人生をかけてでもやり遂げたい、やりたい仕事」です。ライスワークとは、「食べていくためにやる仕事」です。そういえば、私が新人サラリーマンだった頃の教育担当者は「ご飯の仕事と、おかずの仕事」とたとえていました。
 特に自由な働き方の場合は、仕事の掛け持ちが可能となるわけです。やりたいことをやらないとフラストレーションもたまりますが、一方でやりたくないことをしてでも食べていかなくてはいけない。そのため、両方にバランスよく取り組むのです。一見すると恥ずかしいことのようですが、実はこれ、よく行われていることです。

★あなたに仕事を頼む理由はありますか?

 フリーランスの先輩に言われて、今もしばしば思い出す言葉があります。
「あなたに仕事を頼む理由を考えてみて」
 非常にシンプルですが、これは深い言葉です。じっくり考えてみましょう。<中略>
 非常に大雑把に言うならば、「あなたに頼んだほうが得する」とふんだ場合のみ、仕事の依頼が来るわけです。<中略>
 仕事は何らかの価値を生み出すものであり、課題を解決するものなのです。「あなたに頼んだほうが得をする」と思われるためには、速い、値段が適切(多くの場合は安い)、質が高い、その人にしかできない。、これらのいずれかが期待されるわけです。
 仕事を年齢、経験だけで区切ることはよくないと思いつつも、キャリア初期におけるウリは若さでしかありません。若さを活かして、仕事が速い、料金が適切、若いうちにしかできない発想の仕事、体当たりの仕事をする、といったことを心がけましょう。ゼッタイに納期を守る、依頼される金額に文句を言わない、まずは依頼される仕事を完璧にこなす。これらは基本です。

★「これ、やってみない?」には「はい、喜んで」と答えよう

 自由に働いている人で成功している人ほど、自分の「やりたいこと」ではなく「お願いされること」を大切にして働いています。つまり、このように振られる仕事によって新たな専門分野をつくったり、スキルを獲得したりするのです。それが近い未来、自分のメイン業務になることさえあります。<中略>
 自由な働き方をしている人は「好きなこと」「やりたいこと」をついつい優先していまいがちですが、むしろ、「〇〇君、これやってみない?」と誘われる仕事、声をかけられる仕事こそやるべきだと言えるでしょう。

【感想など】
最初に言っておきますが、ワタクシ自身、ノマドスタイルには憧れを持っております。

ただしその場合のノマドの定義としては、どこでも仕事ができるという意味でのノマドで、所属は会社でもフリーでも関係ありません。
この単語が使われだした頃は、そういう定義でしたよね。

で、これは誰でも感じたことがあると思うのですが、デスクで仕事をしていて、「これって職場でなくてもできる仕事だよな」って思うことあるじゃないですか。

ワタクシの場合は、通勤が車で1時間かかっていた時期がありまして、特にその時はラッシュの渋滞中、毎朝そう思ってましたよ。

これだけ通信技術が発達して、通信コストもタダみたいなものになった今、はたして8時間も職場に拘束される必要があるのか?って。

しかし、昨今のノマドは「フリー」という意味合いに変化。
そして、もはやファッションのような流行を見せている状況には、警鐘を鳴らしたいと思います。

昔、バブルの頃、フリーターという言葉が流行し、自分の夢を追い求める手段としてフリーターという手段を選ぶ若者がたくさん出現した、あの頃を思い出してしまうのです。

あのときもマスコミがこぞって新しい生き方として取り上げましたが、今のノマドとノマドスタイルでうまくいているごく一部の方への持ち上げ方がフリーターのときとそっくりだなと。

ワークスタイルはファッションとは違います!

当ブログでワタクシはずっと「簡単に会社を辞めるな!」というスタンスを取ってきましたが、ノマドに対してもやはりそれは変わりません。

そして、ノマドスタイルに対して本書はまさに我が意を得たりなのでした。

ワタクシなどが偉そうに言うのもなんですが、まずは会社で実績をあげましょう!
そのために一生懸命働きましょう。

昔、大学生の頃、バイトの上司に言われた言葉が今も脳裏に焼き付いています。

「会社いうのは、人の3倍働いて、やっと1つ好きなことさせてもらえる。で、そこからだんだん自分のやりたいことを広げていくんや。そしたら仕事がまた面白なっていくんや」

この段階を経験しないで、なんでフリーになって成功するんですか?

他者とは違う圧倒的な実力があるものだけが、フリーになっても「ライスワーク」で最低限食べていける、そういう現実に目を向けてください。

フリーへの道は昔も今も基本的に変わっていません。
会社で実務の中で仕事を覚え実力をつけ、人脈を築き、しっかり準備をし、満を持して独立開業。

「いつか自分も・・・」と、虎視眈々とチャンスをうかがいつつ努力するのが実は一番の近道。
そして、今いる組織の中で自分の裁量をどんどん広げて、組織内で自分好みの環境を築くのもひとつの道。

それを胸に刻んで日々の業務に向き合ってほしいですね。

けっしてMacBook Airを持って、カフェで仕事する格好良さだけに惹かれてはダメですよ。
まずは本書を読んで、現実を見て、作戦を練ってください。

「いつかは俺も・・・」と思っている未来のノマドワーカーへ。

本書は日本実業出版社編集者、滝様より献本していただきました。
ありがとうございました。

【関連書籍】

本書内で紹介・引用されている本

 

転機を活かして人生を変えた人たちの、ほんの少しの勇気。
 本書は、自分の将来キャリアや人生の選択に悩みながら道を切り拓いていったごく普通の人たちのケースを、心理学者であるキャリアカウンセラーが読み解きながら、変化の激しい時代における仕事やキャリアの新しい考え方を示しています。
 「みなさんには、今後一切キャリアに関する意思決定をしないでほしいのです」という著者のアドバイスは痛烈ですが、大学生や若手ビジネスパーソンなど、人生や仕事の転機に直面している多くの人々にとって、示唆に富み勇気を与えてくれる書となっています。

 

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参考記事

 

www.s-ichiryuu.com

 

【管理人の独り言】

今マスコミがこぞって取り上げているのがこの方ですね。

ワタクシは未読なので何とも言えませんが、どうもお名前の方が先行しているような気がしてなりません。
機会があったら読んでみようかな。

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