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入社式までに読むべし!【書評】生方 正也(著)『仕事を「一歩先」へ進める力!』 実務教育出版

おはようございます、春になるとまた新人が入ってきて、一つ歳を取るんだなぁと思っている一龍(@ichiryuu)です。

さて今日は、仕事の基本の基本について解説してくれている生方正也氏の本をご紹介。

春からいよいよ新社会人となるフレッシュマンに入社式までに読んでほしい一冊です。

 

【目次】
はじめに
第1章 考える基本姿勢を身につけよう
第2章 何事も目的を押さえることから
第3章 正しい状況のとらえ方
第4章 問題を乗り越えるための「なぜ?」
第5章 言いたいことを上手に伝える方法
第6章 生産性を高める対話の技術
第7章 次につながる仕事のマネジメント法

【ポイント&レバレッジメモ】

★「とりあえず検索」はやめよう

 そもそも情報収集には、検索だけではなくアウトプットにするところまでが含まれます。その際、目的をはっきりさせておけば、どのようなアウトプットが求められるのかもはっきりしてきます。<中略>情報収集は、どんな立場の人でも多かれ少なかれ行います。その際、安易に検索すればいいと考えるのではなく、目的をしっかり押さえられるかどうかで、業務の生産性が大きく変わってくることを忘れないで下さい。

★モレやダブりなくとらえる

 状況を捉える時、細分化してみるとその傾向や特徴がよりはっきりと把握できます。<中略>状況を細分化する場合にはぜひ心がけたいのが、モレやダブりがないようにすることです。このような「モレなく、ダブりなく」ということを、MECE(Mutually Exclusive,Collectively Exhaustiveの頭文字をとったもの)と言います。<中略>
 MECEに細分化する時には、考えられる要素を思いつくままあげるのではなく、一定の観点で全体を切っていきます。<中略>何となく状況を見るのではなく、様々な観点でMECEに分けて状況を把握することが、問題の本質をつかむことにつながるのです。

★状況を把握するための3つのポイント

・視座を高める
 より高い視点で見ることです。例えば、現場の目線と経営者の目線では、同じ状況でも違って見えるはずです。

・視野を広める
 特に自分が関係していることに関しては、視野が狭くなりがちです。そうなると、ひとりよがりの発想につながります。

・視点を変える
 これは物事を見る角度のようなものです。

★「なぜ?」を何度も繰り返す

 「トヨタ自動車では『なぜ?』を5回繰り返している」という話しを聞いたことがある人もいるでしょう。こうした話しに代表されるように、「なぜ?」を何度もくり返すことで本質的な問題や原因が見えてきます。<中略>裏側に潜んでいるより本質的な問題に目を向けるようになるからです。

★ないものねだりの原因追及をしない

 問題の原因を考えるときに注意しなければならないのが、ないものねだりです。つまり、「〇〇がないことが原因で問題になっている」という発想です。<中略>自分の力で解決できるかもしれない問題にわざわざコストと労力をかけていては、能力アップにもつながりません。

★伝わる文章表現のための4つのポイント

・主語と述語は極力近づける

・あいまいな接続詞を何度も使わない
 「〜が」「〜し」「〜おり」などは論理的関係があいまいになりやすい

・指示語の連発を避ける
 「それ」「これ」などの指示語を連発すると、途中で何を指しているのかが分からなくなる

・否定表現は否定対象を明確にする
 「〜でない」は途中から何を否定しているのか分からなくなる。「〜でないわけではありません」などの二重否定は、誤解や混乱のもと

★仕事を次のフェーズに進める質問

 良い質問の切り口として、「本質制」と「具体性」があげられます。ここでの本質とは、目的に沿った質問かどうかということです。つまり、どんな質問をしても目的と関係がなければ、意味がありません。
 同時に、具体的な質問かどうかも重要です。あまりに漠然とした質問では、相手は何を答えてよいか分かりません。仮に答えられても、知りたい内容とは無関係なものになる可能性が高いでしょう。
 質問の内容をどれだけ考えたかによって、その後の展開は大きく変わってくるのです。

【感想など】

もうすぐ新年度。
ちょうどいま卒業シーズンですが、入社式までの残りわずかな時間に、卒業旅行もいいけどちょっと新入社員として予習を兼ねて読んでほしいのがこの本です。

目次を見てもらえばわかると思いますが、およそ、職場でビジネスパーソンとして求められる資質やスキルのごく基本的なところをピックアップして解説してくれています。

それにしてもこうして項目を見るだけでも、現場で求められるスキルの多さを改めて実感しますね。
新人さんにはちょっと気が重くなるかもしれません。

でも大丈夫。
これらのスキルは仕事をしながら身につけていくもの。
入社したら「そんなこともできないのか!」「自分で考えろよ」なんて偉そうなことを言う先輩が必ずいると思いますが、その先輩だって最初はビギナーだったんです。
何の心配もいりません。

さて、本書では最初の項目に「考える基本姿勢を身につけよう」をもってきています。
これがいちばん大切な基本の基本ということです。

「考える姿勢」を早いうちに持つことができるかどうかで、その人の職業人としての一生が大きく変わってきます。

ただ、ワタクシから新人のうちは心に留めておいてほしい言葉があります。

「及ばざるは過ぎたるより勝れり」

これは徳川家康の言葉です。

よく「指示待ち」という言葉を悪い意味で使っていますが、これって新人のうちはそんなに悪いことだとは思いません。
むしろ、自分の頭で考えて、分かったつもりで勝手に行動されたほうが大迷惑。

「及ばざる」はなんとでもリカバリーできますが、「過ぎたる」はリカバリーできません。

仕事を理解するまでは、それこそマシーンのようになってひたすら指示されたことをやり続ける時期があってもいいと思いますよ。
もちろんその間、周りの状況をよく見て、仕事のやり方を学ぶことは必須ですが。

考える姿勢はもちろん大事。
でもその前に学ぶ姿勢はもっと大事です。

ところで、本書はいわばビジネスパーソンとしての入門書的なレベルの本です。
だから、ベテランの人が読んでみると「そんなこと分かっているよ!」「なにをいまさら」と、各項目について言ってしまうことでしょう。

しかしと、よくよく読んでみるとなかなか奥が深いものだったりします。
いや結構この本に書かれている内容って、実際にできているかと言われたらかなり難しいことがたくさんあります。

たとえば、多角的に物事を見るとか、次に進めるための質問とか。

ときたまこういった本を読むことで、自分の仕事に対するスキルや、できている点、まだまだな点を確認するのもいいかもしれませんね。

この春に働きはじめるあなたへ。

本書は実務教育出版社、佐藤様より献本していただきました。
ありがとうございました。

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