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パパにはパパの子育てがある【書評】おおたとしまさ(著)『忙しいビジネスマンのための3分間育児 』Discover21

おはようございます、3連休は1日仕事、2日はゴロゴロだった一龍(@ichiryuu)です。

さて今日は、忙しいお父さんのための育児書をご紹介。

世の自称イクメンたち、そしてイクメンを目指す子育て中のお父さんたち、本書は仕事と育児との両立のヒントが満載です!

 

【目次】
はじめに
第1章 忙しいからこそできること
第2章 3秒でもキメる!パパの名セリフ集
第3章 3分間でも楽しい!パパ遊びアイデア集
第4章 忙しくてどうしようもないときの超時空作戦
第5章 子どもを伸ばす夫婦のパートナーシップ
おわりに

【ポイント&レバレッジメモ】

★「サバイバル育児」より「サステナブル育児」

 そもそも、仕事を効率化すれば家族時間が捻出できるというのは危険な幻想です。<中略>
 時間の絶対量を追いかけてしまうと、常に限界への挑戦みたいなことになってしまいます。それでは長続きなんてしません。
 目指すべきは、常に限界に挑戦するような「サバイバル育児」ではなく、無理をせず持続可能な「サステナブル育児」です。

★家族時間は量より質

 限られた時間を濃密に過ごすスキルを身につければ、仕事の状況に左右されず、時間の絶対量が少ないなら少ないなりに、家族にとっても満足な時間が過ごせるようになります。
 家族時間を充実させたいのであれば、まずすべきは、質を高めることなのです。

★2人目のママになるべからず。「ハイブリッド育児」のすすめ

 忙しいパパはどんな育児を心がければいいのでしょうか。
 結論から言いましょう。
 ママが苦手なこと、嫌がること、かつ、自分が得意なことからするのが正解です。<中略>
 つまり、ママの役割を2人で分担するのではなく、ママにできない役割こそパパが担当するのです。
 両親がそれぞれの特性を活かして、別々の角度から子どもにかかわることを「ハイブリッド育児」と私は呼んでいます。

★3秒でキメる!パパの名セリフ集(抜粋)
◇「今日も会えてうれしいよ」

 朝、子どもが目覚めた時に伝えます。ギューッとハグもすれば、なお効果的です。
 子どもは、「自分は、目覚めるだけで誰かに喜んでもらえる、大切な存在なんだ」「パパは自分のことをそんなにも大事に思ってくれているんだ」と感じます。

◇「ママにはナイショだよ」

 子どもは秘密が大好きです。<中略>どれだけで、子どもにとってはすごく楽しい時間になります。「ナイショだよ」は、何気ない日常を、非日常に変えてしまう魔法の言葉なのです。

★「お世話系育児」と「能力開発系育児」

 食事の世話などの「お世話系育児」は。必ず誰かがしなければ、子どもは生きていけません。一方、遊び相手はいなくても、見た目上、子どもは生きていけます。でも実は、誰かが遊び相手をしてあげなければ、子どもは心身ともに健やかには育ちません。
 なので、「お世話系育児」を誰かがしてくれるのであれば、忙しいパパは「能力開発系育児」を優先するという考え方は、ありかなしかでいえば、ありでしょう。

◇カラダ遊びで運動神経を鍛える(抜粋)

・ごみ箱バスケット
 微妙な感覚を調整する能力を伸ばしましょう。

・新聞紙チャンバラ
 相手の動きに反応し動作を切り替えたり、道具を上手に使ったりする能力を鍛えることにつながります。

・パパ登り
 筋力やバランス感覚が鍛えられます。

★子どもの心の中に「パパの居場所」をつくる(抜粋)

 仕事をしていれば、悪いことが重なる時期はあります。自分の努力ではどうにもできない不可抗力というのもあります。そこで必要以上に自分を責めないでください。
 状況を変えられない自分を責めるのではなく、そういう状況下でさえできることを見つけて、そこに自分の存在価値を認めてください。

◇ときどき自宅に電話する

 ほんの数分間でも電話でパパの声を聞くことができれば、パパの存在を感じることはできます。「パパは今、お仕事しているんだ」ということが実感できます。そして、「離れていても、パパは自分のことを思ってくれているんだ」ということを感じることができるのです。

◇「9時には帰るよ」と言っておいて8時に帰る

 もう寝る直前で、実質的に子どもとはほとんどふれあえないとしても、「パパが早く帰ってきてくれた」という幸せな気持ちで、子どもは眠りにつくことができます。

★「お菓子の家」ならぬ「好奇心の家」づくり

まったくの父親不在でも、子どもを伸ばす仕掛けを仕込むことはできます。
子どもの知的好奇心を刺激するアイテムで、家の中を満たすのです。

◇リビングにさり気なく置いておきたいおすすめアイテム

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【感想など】
◇ワタクシはもう子どもたちが中学生以上になってしまったので、本書の対象読者を卒業してしまっています。

ですので、子どもたちが小さな頃を懐かしく思い出しつつ読ませていただきました。
(というか、最近は子どもが相手にしてくれないのでちょっと寂しい)

ワタクシの場合も多くのパパさん達のご多分に漏れず、仕事が忙しくて土日も出勤することが多く、母子家庭状態でした。

当時はまだ”イクメン”という言葉はなかったけど、子どもは大好きなので、もっと子どもと一緒にいられる時間が欲しいといつも思っていましたが、現実はとても厳しい。

育児休暇という制度もありましたが、実際に休みをとれるはずもありません。

土日に出勤するときは、出がけに「今日もお父さんお仕事やって、寂しいねぇ」と聞こえよがしに娘に語りかける妻の言葉がグサグサと刺さったものです。

きっと今、同じ経験をしているパパさん達、たくさんいますよね?

◇日本のイクメンたちよ、自信を持とう!

まずは日本のイクメンたちに自信を持ってほしい。

本書の冒頭にこんなことが書かれています。

 先ほど、平日に子どもと過ごす時間は、アジア4都市の中で東京が最も短いと述べましたが、実は逆に、休日に子どもと過ごす時間は東京が最も長いこともわかっています。
 日本のパパたちだって、時間さえあれば子どもともっともっとかかわりたいのです。やる気はあるのです。

日本のパパさん達は、高度経済成長期からの固定観念が刷り込まれているからでしょうか、仕事最優先で、家庭を顧みないイメージが未だにあります。

でも現実にはライフとワークに対する考え方は大きく変化しています。

「もっと時間があれば、子どもとたくさん遊べるのに」と思っているパパさんが多数派なんですね。
そして忙しい中、休日はしっかり子どもと過ごす時間を確保している。

パパさん達の努力している姿がこの記事からわかります。

日本のイクメンたちは自分たちは頑張っているんだともっと自信を持っていいと思いますよ。

◇パパの存在感

さて、日本のイクメンたちは自信を持てと言ったものの、子どもと過ごす”物理的な時間量”は、やはり短いのです。

この”物理的な時間量”を増やすことは、並大抵なことでは実現できません。
長引く不況で、一人当たりの仕事量の増加が、もはや仕事術とか効率アップでカバーできるレベルを超えているからです。

しかも今後、アベノミクスが成功して景気が良くなったとしても、さらに仕事が増えるだけで、まったく時短にはつながらないでしょう。

では子どもとかかわる物理的時間が増やせないなら、どうするか?
それが本書の本題です。

端的に答えると、要するにポイントは”量より質”

いかに短時間でインパクトを与えるか、という視点に立って子どもとのかかわり方を考えていけばいいということ。

実際のところ、

「子どもの集中力がもつのは、年齢の数+1分間」

なのだそうです。

時間の長さはあまり関係ない。

だとしたら、

3分間が、6分にも60分にもなる。

接し方ができれば、十分子どもにパパの存在感を残し、楽しいあたたかい思い出を残すことができるのではないか。

そのためのメソッドが本書では紹介されています。

例えば本書では 3秒でキメる!パパの名セリフ集 が記載されていますが、これが秀逸。

「キミはパパの宝物だよ」
「何があってもパパはキミの味方だよ」

とっても照れくさい言葉ですが、自尊感情を高め、「自分にはパパがついていてくれる」と子どもの心の中にいつもパパが存在する状態になる言葉ですよね。

ちょっとした表現の工夫だけで、会えない時間を埋めてくれると思います。

特に「ママにはナイショ」はワクワクするでしょう。
小さな子どものことですから、ママと二人の時にすぐにペラペラと喋ってしまうのですが、二人だけのヒミツと言うのは親密度を増すのに効果絶大です。

どんどん二人だけのヒミツをつくりたいですね。
(なんか、まるで恋愛のようですね。)

◇パパにはパパにしかできない育児がある。

パパにはパパの役割がある。パパにしかできない育児がある。
どうあがいても母乳は出ないし、仕事をしつつ3度の食事の世話はできません。

特にワタクシなどは家事がまったくダメ。
でもそのかわり、ママにはない筋力と体力、そして運動神経でママにはできない子どもとの接し方を心がけました。

本書にもパパ遊びとして登場しますが、カラダ遊びはとにかくよくやりました。

忙しいパパは「能力開発系育児」に徹してみてはいかがでしょう。

小さい頃は”パパ登り”はしょっちゅうでしたし、少し大きくなってからはキャッチボールを徹底的にやりました。

サッカーが流行っている影響かどうかは分かりませんが、いま、キャッチボールができない子どもがすごく増えています。

ボールを投げる、ボールをキャッチするという動作は、非常に難しい動作で、10代のうちに練習して運動神経をつないでやらないと、一生うまくできません。

こういう子どもの運動神経を伸ばす役割はやっぱりパパですよね。

それから知育系のゲームの相手。
やはり勝負事になると子どもも燃えてくるので面白いですよ。

オセロはよくやりましたね。
それから全員参加してのUNOやトランプ。

こういった勝負系の遊びは、ちょっとおおげさですがフェアプレイ精神を教える場にもなっていいと思いますよ。

◇さて、本書で是非じっくりと読んでほしいのが 第5章 子どもを伸ばす夫婦のパートナーシップ です。

子どもと接する時の心がまえやテクニックよりも、子育てにおいては奥さんとの関係が最重要だと思うからです。

実体験から誤解を恐れず言わせてもらうと、パパにとって子育ての最大の障壁は忙しい仕事ではなく、実はママなのです。

本書にも 妖怪「イクジヅカレ」vs妖怪「シゴトヅカレ」 なんて表現が登場します。

先述したようにパパにはパパにしかできない育児があります。
そう思って仕事から帰って疲れていても、毎日頑張って体を使った遊びをするわけですが、そうすると必ず

「あんたはいいわね、そうやって子どもと遊んでるだけなんやから」

という趣旨の一言が。

この言葉には
「私は家事をすべてこなしている上に、24時間子どもの面倒を見てるのよ!」
というストレスが表現されています。

でもここで、「家事を手伝ってあげたらいいんだな」と思ってはいけません。
なぜならそこはママの聖域だから。

どんなに頑張って掃除しても、洗濯しても、「あれがダメ、これができてない」のオンパレードで認めてくれることはありません。

しまいに、「何もしないで!」となってしまいます。

ではどうするか?

結局、ケンカでもなんでもいいから本音を出し合って、ママが本当に苦手なところ、できないところを聞き出して、パパのできる範囲で補いましょう。

うちの場合、ママが一番苦手としていたのが”夜泣き対応”でした。

きまって2時頃に娘が泣きはじめるのですが、ママは疲れきっていて起きることができません。
それでワタクシが毎晩1〜2時間くらい抱っこしてあやして再び寝かしつけていました。

きつかったなぁ。

ちなみにこの役割には、どんなに頑張っても嫁さんは寝ているから頑張っている姿を見ていないため、やっぱり評価されないというオチがつきます(笑)。

まぁ、世のイクメンのみなさんは、何をやってもママの評価は得られないと割り切って育児に取り組んだ方がいいのかもしれませんね(それを言ってはおしまいですが・・・)。

パパにはパパにしかできない育児がある。
「パパ遊んで〜」と言ってくれる時期はあっという間に過ぎ去ってしまいます。
貴重な子どもとの時間、本書を参考に楽しんでください。

本書はDiscover21社、編集者の三谷様より献本していただきました。
ありがとうございました。

【関連書籍】

★同著者の既刊本

子育てをラクにする方法は、「パパ育て」にあった!パパをそのまま放置しておくよりも、「全自動育児ロボット」に育てるほうが、絶対にお得です!人気サイト「パパの悩み相談横丁」主宰、パパの気持ちを知りつくした著者が提案する「パパの取扱説明書」。

★本書本文中で紹介・引用されている本

 

悩むことはありません。しっかり遊ばせてあげてください。子どもの脳と心が、「遊び」の中で驚異的な成長を遂げることを最新の科学データで証明した画期的な育児書。

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