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今読むべき本が多すぎて目移りしてしまう件【読書特集】日経ビジネス Associe 2013年 09月号

こんばんは、読書の秋到来ですね、一龍(@ichiryuu)です。

さて今日は、毎年楽しみにしている、「日経ビジネスアソシエ」の読書特集をご紹介。

いつものように、もう次の号が出る直前ですが(汗)、一龍が惹かれた読書についてのあれこれをピックアップ。
もちろん気になる本の紹介も!

【特集項目】

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● PART1 プロを支える読書の流儀
・新しいものを生み出すための3冊+α 鹿毛康司さん(エステー 執行役 宣伝担当 クリエイティブ・ディレクター)
・人を巻き込む力を育んだ6冊 杉本真樹さん(医師、医学博士)
・人づき合いを支える5冊 髙木久子さん(会員制高級クラブ「ベルベ」オーナーママ)
・耐える力を鍛えた4冊 矢作芳人さん(競馬調教師)
・「求めず、本質を見ろ」世界が認めた成果の源泉 水野和敏さん(自動車エンジニア)

この1冊が私の仕事人生に影響を与えた
・世界一になる「陰の原動力」 世界一のサービスマン 宮崎 辰さん(「クープ・ジョルジュ・バティスト」サーヴィス世界コンクール優勝)
・本で気づいた女の感性 人気雑誌の編集長 伊藤 綾さん(ゼクシィ編集長)
・読むたびに違う魅力を新発見 カリスマ書店員 間室道子さん(代官山 蔦屋書店)

● PART2 社長が薦める仕事の必読書
・私をプロ経営者に育てた“王道”読書術 岩田松雄さん(元スターバックス コーヒー ジャパン CEO)
・成長は、延長線上にはない「創造的破壊」に邁進せよ 林野 宏さん(クレディセゾン社長)
・起業を目指す今田耕司さんに12人の社長が「読ませたい!」本

● PART3 ビジネスに効くマンガ
・キャリアデザインの専門家が選ぶマンガ8分野24作
・ヒット作『キングダム』に学ぶ複数の視野の持ち方
・「教養書」として読む手塚治虫19作品
・本好きのためのマンガ案内

● PART4 主人公に学ぶリーダーシップ
千 利休/長谷川平蔵/坂本龍馬/村岡花子/白洲次郎/神谷美恵子/則天武后

● PART5 本とのつき合い方を深める
・人気書評家が指南!「目からウロコ」の書評活用術
・“知の拠点”をビジネスに生かす!大人の図書館利用術
・斬新な発想はこうして生む書店内回遊術
・Dr. 嶋が悩みに答える「本・書店とのつき合い方」相談室
・今すぐ始めたい電子書籍ライフ
・読書を促進するオーディオブック
・全国の書店員さんに聞きました「知られざる良書を教えてください!」
・辞書を楽しむ本

【ポイント&感想など】

毎年恒例のアソシエの読書特集。

今回も渾身の総力特集!
「ビジネスパーソンの課題図書200冊 完全ガイド」 でございます。

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まず最初は、各業界のプロフェッショナルの読書の流儀。

以前御著書を紹介したことがある「しょ〜しゅ〜りき〜」のCMでおなじみの鹿毛さん。

モノ作りのプロフェッショナルとして、鹿毛さんは

手塚治虫さん、黒澤明さん、山田太一さんは、言葉で説明がつかないモノ作りを、それぞれの分野において極めて高いレベルで達成している。関連する本には、そうしたパイオニアたちの生き方や思想そのもの、あるいは『ここまでこだわるのか』というモノ作りのすごさが書かれています。

モノ作りの本質を、これらの本が発する”周波”を通して感じた気がする

として、以下の3冊をピックアップされています。

また、いわゆる

ノウハウ本に期待しない方がいい

”口当たり”がいい部分だけを寄せ集めたノウハウ本は、読んでも理解した気にさせられるだけで、結局は何も学べない

とも。

んー、『〇〇術』的な本が大好きなワタクシとしては耳が痛いです・・・。

鹿毛さんの著書

www.s-ichiryuu.com

競走馬調教師の矢作芳人さんは、下積み20年、劣等生から「最速200勝」を達成した異端の調教師。

その長い下積み時代を支えてくれた本を4冊ピックアップしてくれています。

矢作さんはこれらの作品の主人公、吉田松陰や石田三成に自分を重ね合わせ下積み時代でも自分流を貫き通し、苦境を乗り切ってこられたのだとか。

また、読書樹としても

本を読むときは、ニュアンスをつかむことを重視しています。感じたことを自分の生き方に照らし合わせ、自分の立ち位置を確かめる。その中で気に入った本は、何十年も読み続け、自分の受け止め方が変わるのを楽しむ

と興味深い示唆をしてくれています。

いい本と長く使い合う。
そして自分の成長とともに味わいが変わっていく。

これもまた素晴らしい読書スタイルですよね。

水野和敏さんはNISSAN GT-Rの総責任者として活躍された名物エンジニア。

水野さんは「自分は3つの軸でできている」とおっしゃっていて、それぞれの軸とそれらを支える愛読書は以下のとおり。

1.「求める」ことをやめる

人は今日より明日の方がいいことが起きるだろうと信じているから、そして脳内麻薬で気持ちよくなりたいから生きている」。若くしてこの2点を学び、「じゃあ、生きることに没頭してみようと思った」

2.仕事の本質を見抜き、実行に移す
信長を題材にした本を何百冊と読まれたそうです。

水野さん曰く

「織田信長は本質を見抜き、実行する天才だ」

3.エンジニアリングのキホンをつかむ

「重さは力であり、それで宇宙のすべてが成り立っている」→「『質量と力』という簡単な方程式を起点にすれば、世界最高峰のクルマは簡単にできる」

「『変化』の単位である時間で、この世は成り立っている」→「過去は二度と起こらない」、「未来は個人の想像と感性で作り上げるしかない」

最後に水野さんの読書観を

本を読んでその内容を頭に入れ、様々な人と出会って刺激を受けると、もっと身になる。本は幹でしかなく、自分自身の努力でそこに枝をつけていくわけです。そして少しずつ、全体を人間力という大きな木に変えていくんだと思う。結果、一人ひとりが形作られていくんですよ。

この言葉すごくわかります。
バーチャルとリアルの融合と言いましょうか、ふたつの相乗効果で大きく成長することができる。
これはワタクシも実感としてすごくあります。

部屋にこもって本読んでるだけではダメですよ!(←自戒を込めて)

水野さんの著書

ポルシェを超えた世界初のマルチパフォーマンス・スーパーカー日産GT‐Rを創った男が語る!逆説の勝ち方、ヒットのつくり方。

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各分野のプロフェッショナルの次は、社長の読書術です。

登場するのは元スターバックス コーヒー ジャパンCEOの岩田松雄さん。

目の前の仕事に必要な本を、人間的な成長に必要な本を、バランスよく読む

ことを心がけてきたという岩田さんのピックアップした本は”超定番”ばかり。

ビジネスパーソンには、その時々に読むべき本がある

名著の良さは、読む側の機が熟していないと分からないもの。その場合は、ひとまず本棚に置き、いつか再読すればいい。今、自分が置かれている状況から、何を学ぶべきかを考えるのが、本選びの第一歩です。

ということで、超定番の名著を折に触れて読み返すのが岩田さんの読書スタイル。

そしてすごいのは、この特集ページでは岩田さんの読書に書かせないマーカーの使い方や読書ノートも紹介されているのですが、そこから伺える”本から学ぼうとするどん欲さ”です。

岩田さんの読書術も必見ですよ。

ちなみに岩田さんのおすすめ本をいくつかピックアップすると

◇入社1年目

ギリギリの在庫で工場を回せば、隠れていた問題点が明らかになるという発想は、生産管理以外の仕事にも応用可能

◇30代前半

企業を取り巻く外部環境を重視し、5つの要因から経営戦略を考える「ファイブフォース分析」が有名。

◇30代後半

日本の理髪店の収益構造を比べた冒頭部分は、その20年後に「1000円カット」が登場することを、見事に予測。「これぞロジカル思考の底力」

◇40代以降

経営の経験のない著者が、経営者の仕事と心理を、深く理解していることに感嘆させられる。読み返すたびに、新たな発見がある本。

岩田さんの著書

さて、ここまで前半は、各界のプロフェッショナルや経営者の推薦本や読書術が中心。

いわば、ビジネス雑誌の読書特集としては王道の部分。

しかし後半は一転して本当にバラエティにとんだ内容となっています。


(ここに注目して読む!の下の×マークはなに?何が掲載されてないの?)

最近の読書特集では必ず一コーナーできるようになってきた”マンガ”。

ワタクシ自身はいい歳をしたビジネスパーソンがマンガを読むことに、ちょっと抵抗があるのですが、一般的なビジネス書よりも扱うテーマが広く、しかも中身がしっかりしたものもあるので、上手に利用すれば血肉になる読書(マンガを読むことを読書というのも抵抗があるが…)ができると思います。

ということで、テーマ別に紹介されているマンガの中から気になったのを紹介。

◇一皮むける

主人公の行動を通して「すべてを捨てたところから生まれる覚悟や、やる気だってあるんだ」ということを感じ取ってください。

◇グローバル化時代を、どう生き抜く?

「理解不可能なものを抱える人たちとの間にも、コミュニケーションはあり得る」ことを教えてくれます。

◇競争で生じる「負の感情」と向き合う

真に頼りになる人とは「厳しい状況でも周囲に目を配れる人」だということを訓練の過程から学び取ってください。

◇歴史マンガにサバイバル戦略を学ぶ

彼(古田織部)の「複線で生きる」キャリアは、先行き不透明な時代にビジネスパーソンがどう生きるのかの、1つのロールモデルだと思います。

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このコーナーもなかなか面白い切り口でした。

歴史上の人物、主人公からリーダーシップを学ぶというもの。

千利休、長谷川平蔵、白洲次郎などなど、7名がモデルとして登場しますが、ワタクシとしてはこの方を取り上げないわけにはまいりません。

なるほど、坂本龍馬から学べるのは人を巻き込むコミュニケーション力かぁ。

資本金がない龍馬が亀山社中を結成するまでにいたるのはこのコミュニケーション力なんですね。

おっと龍馬関係の本は結構読んだけど、この本読んでないなぁ、チェックチェック

龍馬の能力を「交渉力」「人心掌握術」「危機管理能力」など19のスキルにわけて解説する

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そろそろ最後のパートです。

最後のパートは「本との付き合い方を深める」がテーマで、読書にかかわる様々なお役立ち情報を紹介してくれています。

その中でもワタクシにとっていちばん役立ちそうなのがこちら。

新聞の書評面の活用術です。

実をいうと書評ブログ書いてるのに新聞の書評欄はあまり読んでいませんでした。

大きな声では言えませんが、理由は、よく興味のない本がピックアップされているから・・・

興味のある本かどうかは別にして、身近なところに書評のお手本があるんだから、これからはしっかり読むことにしよう。

ところで、こんな小ネタも書かれていますね。

「出版社は書評面の読者が本好きであることを見越して、決して安くはない出稿料を払う。広告の有無やスペースの大小で、どの新刊を読者に押したいのかがよくわかります」

なるほど書評面の本の広告かぁ、これもこれからチェックしよう。

その他、

すごい勢いで伸びている電子書籍市場(このグラフはあくまで予想ですが…)や、その中でも中心的役割を果たすであろう電子書籍リーダー、Kindleの使い方の紹介も。

さて、長々と書いてきましたがいよいよオオトリです。

全然知らなかった、この特集を読まなかったら知ることもなかっただろう本と出会えるのも読書特集の魅力です。

最後の最後にそういった、教えてもらえなければ死ぬまで読むことはないだろうという本をご紹介。

実はこの本、美崎栄一郎さんの本に登場するので、以前から気になっていたのですが、この特集にも登場して、しかも”イグ・ノーベル賞もの!”とさえ言わせるのであれば1度読んでみようかと。

ということで、今回はこのあたりで。

読書の秋です。
アソシエの特集を読んで、よい本との出会い、そしてよい読書を!

2 COMMENTS

かず

さっそく紙版の42ページをチェックしました。
マンガ特集の中で、×マークの部分にはマンガの1コマが書かれています。電子版では×になってしまってるのは、著作権の関係なのでしょうね。
でも、『まだ、生きてる・・・』では「主人公・憲三さんの表情に注目してください」と言われても、「どこ??」ですよね。
私も早く改善されることを願います。

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讃州屋 一龍

かずさん、ありがとうございます。
マンガの1コマが書かれているんですね。
電子書籍ではなぜ載せれないんだろう?簡単にコピペされるからですかね。
販売サイトには「電子版では、紙の雑誌と内容が一部異なる場合や、掲載されないページがある場合があります」と注意書きがあるのですが、特集内容で読めないところがあるというのはどうも納得いきませんね。

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