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スピード&チャレンジで抜きん出る【書評】大塚 寿(著)『9割の人ができるのに、やっていない仕事のコツ』 三笠書房

おはようございます、「仕事はスピード」と肝に銘じつつ、ダラダラとブログを書いている一龍(@ichiryuu)です。

さて今日は、大塚寿さんの本をご紹介。

若いビジネスパーソンは絶対に読んでおいて損はない、というより他者より一歩先に抜きん出るためには絶対読んでおきたい1冊。

仕事ができる人のポイントがわかります。

 

【目次】
はじめに 「これからの時代に必要な力」が自然と身につく本
1章 仕事は、「当たり前のこと」で大差がつく!
2章 結果を出すために「今すぐできる」こと
3章 「自分の頭で考える人」だけが稼げる!
4章 失敗をチャンスにできる人、 できない人
5章 さらに、「人生が充実する」仕事のコツ

【ポイント&レバレッジメモ】

★まず「手をあげる」

「色白は八難隠す」ではありませんが実社会では「積極性は八難隠す」と言っても過言ではありません。
ポイントは、誰もがやりたい仕事に手をあげるのではなく、むしろ、人がやりたがらない仕事、本業とは直接関係のない仕事を、積極的に取ること。たとえば、勉強会の世話役、宴席の幹事、クレームの多い顧客の担当など、どんどん手をあげていくのです。
 「おいしいところ」を取るのではなく、人がイヤがるところを取りに行く。この姿勢は、もはや奉仕の精神などではなく、「最善のキャリア戦略」だと言えます。
「点数稼ぎと思われて、疎まれるのでは……」という心配は無用です。昨今の企業では、点数を稼げない社員のほうがお荷物になるために、職場からいなくなってしまう可能性大なのですから。

⇒「積極性」は最高のスキル

★仕事は70点で「見切る」

「一流と二流のビジネスパーソンを分ける要素とは何ですか?」
経営者や管理職の方にお会しすると私に決まって彼らにこう質問してきました。
彼らが一番多く取り上げたことは何か、おわかりでしょうか?それは、
「仕事が速いこと」
これが断トツに多い答えでした。私が同じ質問を受けたとしても迷わずそう答え ます。それくらい、「仕事の速さ」は、仕事で大切な要素なのです。<中略>
ここでは3つのコツを紹介しておきましょう。
1.「満点主義」ではなく「合格主義」で
2.締め切り「当日」ではなく「前日」に提出
3.「結果報告」の前に、必ず「経過報告」をする

相手の求める合格点が70点なら、70点を超えた段階で提出するという見切りか重要なのです。

⇒「スピード」と「質」は両立できる

★課題は「2回でクリア」

 勤務時間に遅刻するとか無断欠勤するとかは言語道断として、仕事上のミスにおいて同じミスを繰り返すことも「3度目からの注意はない」と心得ておいたほうがいいでしよう。<中略>
 一番大切なのは、注意を素直に受け止めること。すべての業種、企業に共通して言えることですが、ビジネスパーソンは最終的には素直な人がもっとも成長します。
 逆を言えば、上司や先誰の注意や助言に対し、「でも」「ほかの人だって」と素直に受け止められなかったり、自分のやり方に固執してしまったりすると、結局、うまく吸収できません。その結果が、成長力の差になるのです。

⇒仕事では「素直」になる

★「細部」にこだわってみる

たとえば、ホチキスの綴じ方、資料の整え方にも「仕事力」が表れる。<中略>
ホチキスの綴じ方は、本の綴じ方と一緒で、文字が横書きであれば左上、縦書きであれば右上を止めるのが常識とされています。<中略>

 ビジネスルールに対応するため、「仕事力」をアップする5つの基本常識があります。
1つ目は、「適当なやり方」で済まそうとしない心構えからです。だいたいこの「適当」という言葉は非常に使い勝手がいいために、私たちは説明が難しかったり面倒だったりするとぐに「適当に」とか「量は適当に」とかやってしまうのです。
 当然、「適当に」と言われた人は、その人が思う「適当」でやりますから、上司の「適当」の範鴫を超えてしまい、失敗してしまうことが多いのです。
 ですから、自分の「適当なやり方」では済まさず、具体的な指示を仰ぐことから始めるのが鉄則です。
2つ目は我流の排除です。最初に指導者につかずに我流で始めてしまうと、どこかで変な癖がついてしまって上達の障害になってしまうからです。
 3つ目は、とにかく「見本を求める」ことです。口で説明されるより、実際に見本を示してもらうことが、一番理解できるからです。
 4つ目は、わからないことはとにかく人に聞くこと。特に、20代のうちは、知らないことを遠慮なく聞けるという特権があります。だから、とにかく直属の上司や先輩でなくても、そばにいる人をつかまえて、知らないことを尋ねることです。
 最後は、確認を怠らないことです。とにかくちょっと心配な時には冒頭で確認しておけば、大きな失敗をやらかすことはないので、とにかく「これでよろしいでしょうか」と確認をすることです。

⇒「ホチキスの綴じ方」にも心をこめてみよう

★「20分の倍数」で刻む仕事術

自分に負荷を与える。これが成長への近道です。<中略>

 私が一番おすすめの方法は、1日のTo Doリストの1つひとつのタスクを、「20分の倍数の時間内に収めていく方法」です。
 打ち合わせやミーティングの予定を立てる時、1時間、つまり、60分をひとつの単位にすることが多いと思います。
 しかし、人の集中力が継続する時間は20分と言われています。ですから、これを標準的な単位として、この倍数でミーティングや1タスクを予定するのがもっとも合理的と言えます。
 この20分の倍数という特性を用いて、現状の所要時間のすべてをシェイプアップ、つまりは時間短縮する目標を持って仕事に取り組みましょう。

⇒仕事は常にストレッチが求められる

★「なぜ?」「どうして?」はしつこく

「なぜ?」「どうして?」をしつこく問う習慣は、勝ちパターン、負けパターンによる知見をどんどん蓄積させてくれます。そうした情報が多ければ多いほど、自分が直面している課題と類似したものを容易に見つけ出すことができるのです。
 その類似事例をたたき台にして、そこに自分の個性を加味したり、やってみたいことを付加したりすれば、もっとも成功率の高い対策ができるわけです。

⇒ひっと商品が「ヒットした理由」を考える

★「バカ」になってみる

 実際、「成功者とは、一番多く失敗した人」、つまり、「一番多くチャレンジした人」のことです。<中略>
失敗を恐れ、チャレンジしてこなかった人は、「無難な人生」ではなく「不遇な晩年」を迎えています。<中略>
 チャレンジにも旬があるのです。それがまさに20代、30代という年代です。
20代の失敗というのは勲章みたいなもので、その失敗から学んだものが、次のチャレンジや20代、30代からの仕事に活かされてくるのです。
 それでも、チャレンジに二の足を踏んでしまうようでしたら、そのチャレンジのハードルを思い切り低して、自分の跳べる高さから始めるのがコツです。
 どんなに低いハードルでも、自分にとってチャレンジングであれば、それでいいのです。それを跳ぶことになれたら、その高さを少しずつ高くして、チャレンジするということになれていきましょう。

⇒まずは「跳べるハードルを跳ぶ」

★謝る時は「いさぎよく」

 意外に思う力もしれません力謝るべき時に「いさぎよく謝れず、言い訳をする人」には、まずチャンスは巡ってこないと認識してください。
 謝るべき時に、まず言い訳から始める人間というのは、相手から疎まれるだけでなく、それで運気を損ねてしまっているというくらいに、チャンスに恵まれません。
 もちろん、こちらに非がない場合は謝る必要などありません。しかし、少しでも非が認められるのならば、「いさぎよく」謝ってしまって、次に進んだほうが明るい未来になることは間違いありません。
 なぜなら、人の器とか人間性といったものは、平時で評価されるのではなく、トラブルが発生した時の対処の仕方で評価されるものだからです。よく信頼関係は平時ではなく、トラブル時に育まれるものと言われますが、まさにそれと一緒です。

⇒まず「言い訳を1つ減らす」ことから始めよう

★「距離感」を大切にする

私はリクルート時代に、同期だったJさんのうなずき方を見て、相づちの重要性を認識しました。以来、ずっとその相づちを模倣しています。Jさんの相づちは、「なるほど」とか「はあ~」とか言いながら、うなずく時に「目をつむる」のです。
 目をつむりながら深くうなずくものですから、話し手は相手が深く共感、感嘆してくれていると思って、どんどんその気になってその会話にはまっていくのです。
 その相づち相のやり方が.じっにさりげなく印象深かったため、気がついたら私もJさんのやり方をしていたわけです。

⇒相手を「上手に乗せる」スキル

★借金してでも「海外に出る」

 自分の体験からも、あるいは自分の周りのビジネスパーソンの例を振り返っても、「金はなくても海外に旅に出る」ことを絶対にすすめておきたいと思います。<中略>
 (その効果は)まずは、「命の洗濯効果」とも言うべき体験です。海外での非日常に触れることによって得られる、心が洗われるような体験のことです。<中略>
 2つ目の効用は、「アイデンティティの確認効果」です。文字どおり「自分が自分たる所以」を確認できるのは、海外ならではのことだと思います。<中略>
 この「命の洗濯効果」と「アイデンティティ効果」を利用して、自分はどこから来て、どこにいくのかという輪郭をつかもうではありませんか。<中略>
 海外に出ることによって、感度を研ぎ澄まし、自分の土俵を再確認できれば、キャリア戦略とか将来設計も描きやすくなります。

⇒「自分のアイデンティティ」を実感してみよう

【感想など】

◆「当たり前」を知る

当ブログでもおなじみ、大塚寿さんの仕事術本です。

著者は元リクルートの方だけに、すっごい仕事術かと身構えてしまいましたが、内容としてはいたって真っ当というか非常に基本的な仕事術本となっています.

ただ、あなどるなかれ、タイトルがすべてを物語っていますが、こういった基本的な仕事術は読めば「ああ、そんなことわかってるよ」と思うものの、実際にはほとんどの人ができていないものです。

だからこそ1章のタイトル、 仕事は、「当たり前のこと」で大差がつく! となるのです。

バブル以降、若者の価値観や質が変わってきています。
ですが、ビジネスの現場で求められる「当たり前」、「これができて当然」といった水準は変わっていません。

だって、管理職はバブル世代ですからね。

で、若いビジネスパーソンはその「当たり前」の水準を理解して、それを実行するだけで他者より一歩リードすることができます。

その「当たり前」を知るのに本書は格好のテキストかと思います。

◆チャレンジング!

本書全体を通し、若いビジネスパーソンへ求める姿勢として、一貫して感じるのは”チャレンジング”でした。

基本的に本書は、若いビジネスパーソンを読者に想定して書かれています。
(まぁ、ワタクシのようなオッサーンが読んでも参考になりますが、今頃仕事術本を読んで参考にしている時点でかなりダメダメですよね)

その若いビジネスパーソンに求めるのは”チャレンジング”、これにつきます。

人は「失敗」から多くのことを学びますが、「失敗」することも、先輩に「教えてもらう」ことも20代の特権です。

本書では30代も若いビジネスパーソンに入っていますが、現場の感覚でははっきり言って30代ではもう無茶なチャレンジによる失敗はもう許されない空気がありますよね.

そう考えると、20代の数年間が勝負。
その後の長いビジネス人生を大きく左右すると思います。

また、「いさぎよく謝る」姿勢を学ぶことも20代の特権です。

できるかぎり20代のうちに”チャレンジ”して、できるかぎりの「失敗」を経験する。
今春社会人になった新人さんは、もう半年が過ぎましたが、チャレンジしているでしょうか?

◆運動量で勝負

さて、チャレンジと関連して、若いビジネスパーソンに求められるのは”運動量”でしょう。

物理的に活動範囲を広げていくこと、これも体力のある20代の特権です。

例えば本書には 多方面に「首をつっこむ」 というメソッドがあります。

会社内にあっては、自分が任されている仕事以外も手伝ってみる、自分が所属している部署だけでなく他部署にも応援に行ってみる。

これをすると会社全体の仕事を俯瞰し理解することができますし、他部署で人脈を広げる効果もあります。

まさに一石二鳥。
ワタクシ自身の実感として、他部署の人脈ほどのちのち強力な武器となります。
自分が大きな仕事を抱えているとき、思わぬところから応援の声が上がって救われるということがたびたびありました。

もし、他部署と協力して行う仕事や、仕事でなくても運動会とかの行事でも、積極的に”取りに行く”ことをオススメします。

また、「海外に出る」ことも著者はおすすめしていますが、これなどは独身のうちが一番動きやすいわけですから、就職してから結婚するまでの期間、本当に勝負だという危機感を持って活動したいですね。

◆仕事はスピード

チャレンジングと運動量を意識しつつ、実務についてのポイントです。

若いビジネスパーソンは何を一番意識して仕事をするべきか?

それは間違いなくスピードでしょう。

本書にもありますが、多くの経営者が「一流のビジネスパーソン」の条件に
「仕事が速いこと」

をあげています。

仕事は7割の完成度でいいから、早く提出してくれるとその後のブラッシュアップに時間がかけられるし、チームでの共有、相互理解する時間も増えます。

そして、そのブラッシュアップの過程やチームから意見を出してもらう時が最上の学びの時間でもあったりします。

間違ってもしてはいけないのが、あなた自身が仕事のボトルネックになることです。
仕事を滞らせ、他人の時間を奪うだけでなく、自分の学びの機会もなくしてしまいます。

まず本書からすぐに取り入れるべき最重要項目を1つ挙げろといわれたら、ワタクシは迷わず

「仕事はスピード!」

と言いたいと思います。

と、いうことで、若いビジネスパーソンに向けたアドバイスみたいになってしまいましたが、最後に同年代のオッサーンにも。

本書のタイトルの「9割」という数字。
この中にはオッサーンも含まれています。

若いビジネスパーソンに書かれた本ですが、我々オッサーンもできるのにしていないことが沢山あります。

まだ遅くはない!
できるモノから(というかできることしか書いていません)取り入れていきましょう。

本書は著者の大塚様より献本していただきました.
ありがとうございました。

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