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本心からならば恐れずに書け!【書評】イケダ ハヤト(著)『武器としての書く技術』 中経出版

おはようございます、プロブロガー修行中の一龍(@ichiryuu)です。

さて今日は、イケダハヤトさんの本をご紹介。
なにかと叩かれることの多いブロガーさんですが、ブログで食べているプロブロガーであり、結構稼いでもいらっしゃる方。

その文章術やブログ運営のノウハウを惜しげもなくさらしてくれたのが本書です。
あなたがプロブロガーを目指しているなら必読です。

 

【目次】
はじめに 新しい時代には新しい「書く技術」を
1章 文章が残念な人の10の特徴
2章 凡人の文章を最強の文章に変える10の魔法
3章 月40万字を書き続けるぼくの12の秘密
4章 ここまで公開していいのか?書いて月50万円稼ぐ法
5章 書く技術はこんなに人生を豊かにする
おわりに 書くだけで人生は変わる

【ポイント&レバレッジメモ】

★文章が残念な人の10の特徴(抜粋)
◇同じ語尾が続く → まずは「話すように書く」でいい
同じ語尾が続くと単調で眠くなります。<中略>

話すことと書くことは違う、という意見もありますが、ぼくは話すように書くという意識で問題ないと思っています。実際にぼくがブログを書くときも、目の前にいる読者に語るようにして文章を書いています。
話すように書くと、自然と文章にもリズムが出てきます。語尾が揃ってしまうなんてこともなくなります。

◇私的すぎる → 誰にでも役に立つことは書ける

役に立つことを書きましょう、読者に価値を提供しましょう。というと「そんな役に立つことなんて書けないよ」という方もいます。平凡な毎日でそんな特別な経験をしているわけでもない、と。でも、それでいいのです。先ほどの例でもただピクニックに行っただけです。そこで立ち止まって「読む人の価値になるようなもの」を探すのです。平凡な日々だからこそ、多くの人に共通する価値が隠れているのです。あなたが時間を割いたことであれば、それはどんなことであれ貴重な経験です。

◇まじめで優等生 → あなたの「言いにくいこと」は、誰かの「言ってほしいこと」

あなたが「言いにくい」と感じることは「毒」の部分です。そして、その毒はしばしば多くの人が代弁してほしいことでもあります。この場合、口をつぐむのはもったいないことです。勇気を持って発言し、一番乗りのポジションを獲得しましょう。二番手では意味がありません。
「言いにくいこと」を発言する以上、攻撃を受けることは確実です。しかし、その発言は、現状を変えるための議論を巻き起こすきっかけになり、多くの人から感謝され、読者の心を癒す可能性も秘めています。自分を曲げないことで、誠実な生き方を貫くこともできるでしょう。

★凡人の文章を最強の文章に変える10の魔法(抜粋)
◇「編集者」になって自分の文章を添削する → 見出しや太字を入れよう

主観的に書いた文章を編集者視点で客観的に加工していくときに、「見出し」や「太字」を入れていきましょう。<中略>
見出しは文章を読みやすくするだけでなく、書きやすくもしてくれます。見出しは「道しるべ」のようなものです。
また長い文章が続く場合には、メリハリをつけるためにも「太字」を入れましょう。「ここは特に読んでほしい」「ここが特に重要だ」という部分を太字にするのです。ただただのんべんだらりと続く文章よりも、ときどき太字が出てくる文章の方が飽きずに読み進められるのです。

◇ワンテキスト・ワンテーマの法則

文章を通して何かを伝えるときには、「パッケージ」を意識しましょう。自分の知識や体験を切り出し、まとめ、タイトルをつけ、読んでくれる誰かにパッケージとして届ける。そんなイメージです。<中略>複数のテーマをひとつの記事に入れ込んだ上で、わかりやすい文章を書くのはとても難しいことです。基本的に「ひとつの記事ではひとつのテーマ」という原則にもとづき、文章を執筆すべきです。
文章を書いていて余計なテーマやメッセージが入り込んでくるようなら、記事を2つ以上に分けることをおすすめします。自然と語り出してしまうくらい熱い思いがあるのなら、もう一本記事を書くことは難しくありません。

◇半系3メートル以内の言葉を使う

目安としては半径3m以内にあるような言葉を使うことです。文章を書くのは何かを伝えるためであって、あなたの知識をひけらかすためではありません。多くの人に伝わるようなわかりやすい日常語で文章を書くようにしましょう。
難しいことを難しいまま伝えるのは誰でもできます。難しいこと、伝わりにくいことをやさしい言葉でわかりやすく伝えるのが本当の「頭のよさ」なのです。

★月40万字書き続けるぼくの12の秘密(抜粋)

◇目の「解像度」を高くしておく

解像度は日々の鍛錬によっても磨くことができます。ぼくは「今日一日の体験のなかで、ブログ記事にできそうなことは何だろう?」と、毎日自分に問いかけるようにしています。

◇刺激を文章化する高速な回路を持つ

ぼくが見る限り、優れた物書きというのは、この「書こう!→実際に書く」というプロセスの回し方が、異様に早い人たちです。「文章を書く」ということは基本的に苦労を伴うことですが、優れたもの書きは、まるで息を吐くように、文章をしたためることができます。

◇割り切れないことを考え続ける繊細さを持つ → 答えを探して旅を続けよう

優れた物書きは、世の中の割り切れなさに延々と向き合い、自分なりの答えを見つけつつも、断定的に語ってしまう自分に違和感を抱き続ける人です。<中略>
世の中はそう簡単に割り切れません。けれども、文章を書くということは、ある程度世の中を割り切ってしまうことです。その行為の乱暴さに気づき、自省しつづけ、考え続けられる人は、自然と文章を書き続けることになるでしょう。

【感想など】

◆ブログ界の問題児?
著者のイケダハヤトさんは人気ブログ「ihayato.書店」の管理人さんです。

本書の表題にもあるように、「30万人に届けて月50万円稼ぐ」人気ブログで、そのアクセス数や収支もブログ内で公開されています。

実はこのブログ、ワタクシも毎日巡回しているブログの一つです。
書評記事やプロブロガーとしての運営記事などを参考にさせていただいております。

がこのブログ、人気ブログではあるのですが、よく物議をかもすといいますか、よく叩かれることでも有名。

ご本人は最近のエントリー

ihayato.書店:ぼくは「狙って」炎上してませんよ:「炎上マーケティング」について

でもおっしゃっていますが、けっして「炎上」狙いではなく、本心から書かれているとのこと。
ですが、例えばこのエントリー

ihayato.書店:たかが挨拶ぐらい、できなくてもいいんじゃない?

をはじめ、「それはちょっと、どうなの?」と思わせる記事を書く名手であります。

まぁワタクシの場合は、自分の意見と合わないからといって叩いたりはしませんが、書く立場で考えると相当な反響がありそうな文章は、たとえそれが本心であってもやっぱり書くのに躊躇します。

そこをズバッと書いてしまうあたりがイケダさんのすごいところ。
ワタクシも、ついついブログを毎日チェックしてしまう。

どうやらこのあたりに、新しい時代の文章術の秘密がありそうです。

本書は文章術から始まり、後半はブログのアクセスアップ法やマネタイズまで幅広くブログ運営に付いて書かれた本ですが、今回は本書前半の文章術に関するところだけをピックアップし、注目してみました。

◆新時代の文章術に必要な力とは
本書で著者が「新時代の文章術に必要な4つの力」として伝えたいのは

「スピード感」「コピー力」「引きつけておく力」「リピートしてもらう力」

とのこと。

日本語の文法だとか、言葉の使い方などは出てきません。
ブログなどウェブを主戦場に文章を書くことに特化した文章術を本書で展開しています。

タイトルの工夫と文字数
リズムのよい文章
完璧主義にならない
ネットで受ける文脈  等々
 
これらを読むと、確かにこれまで多くのプロが語ってきた文章術と、ネット上の文章術は違うということがわかります。

しかし、イケダさんの真骨頂はそんな小手先のテクニックではなく、基本戦略にあることがすぐにわかります。

つまり「なにを書くか」。

「ニッチなテーマで攻めること」はもちろん、

あなたが「言いにくい」と感じることは「毒」の部分です。そして、その毒はしばしば多くの人が代弁してほしいことでもあります。

そう、イケダさんは自分が本心から思うことなら「毒」でも恐れずに書くのです。

もちろん、誰かに危害を加えるような誹謗中傷などはダメですが、そうでなければマイノリティな意見でも恐れずに書く。

だからこそ尖った存在となりえるのです。

ちなみにイケダさんは炎上を恐れていません。

 本音を語って炎上することなんて、大会に意志を投げ込むようなものです。こんな小さな波紋、何を気にする必要があるのでしょうか。ガンガン発信していきましょう。

◆書き続ける
批判や炎上に負けずに書き続けることにどんな意義があるのか?

これに関しては「書くことが武器になる」の一言につきます。

わかりにくいかもしれませんが、ブログを書き続けることは世の中に「あなたという存在」を知らせるツールとして最適です。

今後テクノロジーのさらなる発達で、違った形での表現方法が誕生するでしょうが、現状ではあなたの考えを蓄積していけて、それを誰でも閲覧することができる”ストック型の履歴書”ともいえるのはブログだけです。

実はこの”ストック型”というのがブログのキモです。

書けば書くほど、そこには自分自身の知識や体験がどんどんストックされていく外部脳でもあります。

それが誰かの目にとまり、新しいコミュニケーションがはじまり、新たな価値につながっていく。

それはビジネスにつながるかもしれないし、そうでないかもしれない。

けれど、なにも書かずに終わる人生とは全く違ったものになるはずです。

とにかく書くこと。
「備忘録」でもいいから書きはじめること。

それは自分自身の軸をつくることにもつながります。

◆ブロガー必読!
さて最後に、プロブロガーを目指しているひとが一番知りたい部分。

ブログで食べていくにはどんなスキルが必要なのか?
ブログってどれくらい儲かるの?

これをハッキリ公表している数少ないブロガーがイケダさんです。

本書後半では「書いて月50万円稼ぐ法」として、アフィリエイトや広告収入、そしてどれくらいのPVがあればいくら収入になるかといった目安も公開されています。

が、現実は非常に厳しい。
ブログで食べていける条件として

 ブログのみで食べていこうと考えるなら、「1万人が読む記事はすぐに書ける」「毎日1万字以上の文字を生産できる」といったスキルレベルは、基本として求められます。

という基本ラインを提示されています。

当ブログでは、1万人が読んでくれた記事は多分まだないだろうし、1日に1万字は今のワタクシでは頑張っても5時間以上かかるでしょう。

プロブロガーを目指しているワタクシですが、まだまだ道のりは遠いですね。

ただ、本書でブロガーとして必要な素養といいますか、吹っ切らなければならない部分は教えていただけました。

よし、誰に何と言われようと、恐れずに進もう!

【関連書籍】
◇本書内で紹介・引用されている本

 

ネットで大事なのは、読まれて理解されるための「情報」ではなく、まずはクリックされる「ネタ」なのだ。クリックされない情報にもはや価値はない。だがネットは、ウケるコツさえつかめれば、実はうまく儲けることができるツールである。
本書では、ニュースサイト編集者である私が「そんなことを知らないなんてもったいない!」と常々思っていた「ネットで儲ける法則」を提言していく。

 

わかりやすい文章を書くためには、何に気をつけたらよいか。日頃から心がけるべきことは何なのか。『朝日新聞』のコラム「天声人語」の元筆者が、福沢諭吉から沢木耕太郎にいたる様々な名文を引きながら「文は心である」ことを強調するとともに、読む人の側に立つこと、細部へのこだわり、先入観の恐ろしさ等のポイントをていねいに説く。

◇同著者の既刊本

 

ブロガーは新時代の「農民」である!!!
そんなコンセプトのもと、プロブロガーイケダハヤトの2012年度収穫報告を一冊の電書にまとめました。

 

お金のために働く先に明るい未来は感じられないけれど、問題解決のために働くのはたのしい。社会の課題を見つけたら、ブログやツイッターを駆使して、自分で旗を立てろ!新しい仕事はそこからはじまる。不況や低収入はあたりまえ。デフレネイティブな世代から生まれた、世界をポジティブな方向に変化させる働き方・生き方のシフト宣言!

 

ソーシャルメディアマーケティングのビジネス書。フェイスブック登場の意味を理解できるかどうか。24歳の書いた「何」ではなく「なぜ」の仕事法。

【管理人の独り言】
気になる新刊を紹介

 

なぜ、どのように、架空の一人乗り機”メーヴェ”を実現させたか。10年をかけたプロジェクトの全容。
アーティストは考えた。「ないものは、作ればいい」
メールソフト「ポストペット」の生みの親であるメディアアーティストがオープンスカイ・プロジェクトを始動させたのは37歳の時。宮崎駿監督が「風の谷のナウシカ」で描くナウシカ愛機 “メーヴェ”を、自分の手で作ってみたい……最初は模型、次に実寸サイズの機体を制作し、ゴムで引っ張るグライダーでの飛行訓練を経て、ようやくジェットエンジンで飛翔するまで。

こういうプロジェクトがあることは知っていたいし、実際に飛行した映像もYouTubeで見ましたが、まさか本になるとは!
それに、「ポストペット」の八谷和彦さんが仕掛人だったとは驚きました。

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