世界の博物館、第24号はダマスカス国立博物館です。
東西文明の十字路に位置するシリアには、古代文明の至宝が多く出土するところ。
人類の至宝が収蔵されています。
【今号の一押し】
前1世紀から後3世紀にかけて、ローマの属州でありながら、シルクロードを押さえ、オアシス都市として栄えたパルミラ。今号の一押しはそのパルミラの遺跡から博物館に移築されたコチラ。
これは富裕市民のお墓で、墓は基本的に家族墓で、数世代にわたって一族が葬られます。
このお墓の場合は、壁面の4段の棚におよそ150の遺体が埋葬されていました。
そして、棺の小口に取り付けられた胸像は被葬者が生前に制作させたもの。
今でいう遺影の役割も果たしています。
遺族はここで故人を偲んだのでしょうね。
この遺跡は約2000年前のものですが、いつの時代でも、亡くなった家族への想いは変わらないのですね。
と、しんみりしたことを書いておきながら、もう一つ紹介したいものがありました。
「ヒッタイト王の離婚判決文」
前13世紀のウガリット王、アミスタムル2世の離婚調停判決が記されている。中央のくぼみは、調停を務めたヒッタイト王トゥダリヤ4世の押印。
これもある意味いつの時代も変わらないものですが、紙のない時代は粘土板で記録したんですね。
次号はアメリカ自然史博物館です。