世界の博物館、第26号は韓国国立中央博物館です。
朝鮮半島の至宝を概観できるこの博物館では中国、朝鮮、日本の関係性を強く感じる展示物があります。
【今号の一押し】
韓国国立中央博物館のルーツは朝鮮王朝歴代の宝物を集めた李王家博物館だそうで、高麗・朝鮮王朝時代の展示が充実しているようですが、ワタクシはコチラを一押し。
朝鮮半島の三国時代(紀元前1世紀~後7世紀)で、高句麗、百済とともに勢力を争ったのが新羅。
その王と王妃の墓とされる皇南大塚から出土した埋葬品です。
金冠はいくつか出土しているのですがこの金冠が特に豪華。
冠帯の下に計6本の垂れ飾りが付いているうえに、翡翠製勾玉が77個。
この翡翠製勾玉、実は新潟県糸魚川市で産出するものなのです。
大陸での日本の記録は魏志倭人伝など非常に少ないのですが、ワタクシは日本、朝鮮半島、中国の交易は想像をはるかに超える規模と活発さであったのではないかと思っています。
ちなみに、この金冠のデザイン。
「聖なる木」をイメージしたものだそうですが、「世界樹」の思想は洋の東西を問わずあります。
不思議ですね。
また、その他の金製品もかなり豪華で多種多様。
古代朝鮮で、これほどの金工芸が発達していたとは知りませんでした。
青磁や仏教美術だけでなく古代朝鮮文化も独特の魅力があります。
次号はナポリ国立考古学博物館です。