世界の博物館、第２８号はドイツ博物館です。
ドイツ第３の都市、バイエルン州のミュンヘンにあるこの博物館はドイツの科学と技術を展示し、技術を感じて、見て、体験することができる世界最大級の参加型の技術博物館です。
【今号の一押し】
ドイツといえば技術立国であり、特に先の大戦ではナチスドイツの最新兵器は連合軍の脅威であった。
その最新兵器の中でも特に脅威だったのがロケット技術を使ったこの兵器だっただろう。
「V2ロケット」
人類の歴史は戦争の歴史。
残念ながら現代でも軍需技術が最先端であり、その技術がやがて民間におりてくるという図式が続いている。
それを表すよい例がこのV2ロケットであろう。
現代のロケット技術から言えば、まだまだ未熟なもので、特に照準システムは非常に粗末なものであった。
けれども、対戦中ロンドンへ向けて発射されたV2ロケットは１３５９基も着弾し、死者２７５４人、負傷者６５２３人を出した。
まさしく負の遺産である。
しかし、このロケット開発に携わった技術者は大戦末期にアメリカに亡命したり、大戦後にソ連の捕虜となったりしてロケット技術を伝授。
後の宇宙開発につながるのである。
技術開発の最先端が兵器開発というのは悲しい現実ですが、技術を開発するのも人ならば、それをどう使うかも人次第。
新しい技術には必ず光りと影があるということを我々は心しなければならないのでしょうね。
さて、このドイツ博物館は技術博物館だけに航空宇宙関連だけでなくたとえばコチラ
何かわかりますか？
これはカメラのシャッターなのですが、ライカ、ローライ、ツァイス、イコンといった、おそらくカメラ好きにはたまらない逸品も数多く展示されています。
また、ドイツといえば自動車。
ベンツやBMW、ポルシェといった数々の名車が貴重な資料として展示されています。
なお、本書の巻末には 自動車の父カール・ベンツの伝記も掲載されています。
自動車ファンも必見です。
次号はカラチ国立博物館です。