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まずは確固たる人生設計を【書評】多田 健次(著)『毎日続く勉強法』 (日本実業出版社)

会計の世界で資格試験受験生から絶大な人気を集める人気講師、多田健次先生の最新刊。
今回はガチの勉強本です!

と、思いきや、ちょっと視点の変わった勉強本に仕上がっております。
さて、人気講師が書いた勉強本、その重視するポイントとは・・・。

【目次】
はじめに  勉強を続ける人だけが、生き残れる
第1章 勉強が必ず続く「目標」の立て方
第2章 1日30分でも集中できる「気持ち」の持ち方
第3章 挫折を未然に防ぐ「環境」のつくり方
第4章 無理無く学び続ける「時間」の使い方
第5章 勉強の継続をじゃまする「問題行動」とのつき合い方
第6章 学びを進化させる「アウトプット」の仕方

【ポイント&レバレッジメモ】
★まずは「楽習」の姿勢を身につけよう

 「やらされて学ぶ」ではなく「やりたいことを学ぶ」。
これを「楽習(がくしゅう)」と言います。
このスタイルであれば、むずかしい内容に遭遇したとしても、なんとか乗り越えることができます。それが充実感につながり、さらに楽しく学び続けていくことができるのです。<中略>

「楽習」の姿勢を身につけるためには、次の要素が重要になります。
1. 自分が興味を持てる分野を探す
2. 「自己成長」につながるものを選ぶ
3. 自分にとって「価値がある」と思えるものを選ぶ
4. 誰かのために役立つと思えるものを選ぶ

★目標同士の「ぶつかり合い」に決着をつける

 大きな方向性として2つ、3つの異なる分野に興味がある場合、まずは絶対に達成したい目標1つに絞ることを考えてみてください。絞るときには、「ワクワク感」「自己の強み」「社会のニーズ」という3つの観点をふまえて慎重に判断します。
業界が安定しているからとか、親の期待に応えるためなどの理由で大きな方向性を決めないようにしましょう。自分のチャレンジがワクワクするようなものでなければ、勉強は長続きしません。

★「33分サイクル」で時間対効果を上げる

・30分で一区切りとする
・頭に残すことを明確にしてから勉強に取りかかる
・30分で学んだことを3分間で要約する

この一連の流れをワンセットとして、可能な限りセット数を増やすことで、質を高めながら量を増やすことができるようになってきます。

★気持ちのムラをなくす「やる気チェック手帳」

 やる気を保つためには、手帳を使ったシンプルな自己管理法が有効です。
1日の勉強が終わったときや、夜寝る前に「1日トータルのやる気」を、手帳に記号を使って記入するだけです。記号の横に一言コメントも書き添えれば管理に役立ちます。
やる気レベルを3段階に分けるのであれば、
「やる気充実」は◯ (短期的な目標が明確になった など)
「やる気はまずまず」は△ (おおきな変化がなかった場合)
「やる気なし」は× (睡眠不足 など)
といった感じになります。<中略>

ちなみにiPhoneを使っている人であれば、「モチベーションカレンダー」というアプリ(有料)を利用されるのもよいでしょう。非常にシンプルなアプリで、入力も簡単にできるのでおすすめです。

Streaks – Motivational Calendar App


カテゴリ: 仕事効率化

価格: ¥170

★「スタートする回数」を増やして勉強量アップ

 勉強量が多いか少ないかは、勉強をスタートさせる回数が多いか少ないかで決まるといっても過言ではありません。
<中略>些細なことでも、きっかけになりそうなことはなんでも取り入れるくらいの気持ちで、まずは「エンジン」をかけて、勉強をスタートさせましょう。
(例)
・テキストをパラパラめくる
・好きな科目から始める
・文房具をセットする 等々

★自宅以外に3カ所以上「なじみの勉強場所」をつくる

 活用できる場所として、図書館、自習質、喫茶店、電車やバス、公園やデパートのベンチなどが挙げられますが、どんな勉強に適しているかをもとに、3つに分類できます。
・図書館
使用量無料、充実した設備、ライバルの存在などを考えれば、片道30分以内であれば、電車や車で移動しても利用する価値があると思います。
・専門学校の自習室
専門学校に通っている人は、自習室をどんどん利用しましょう。
・喫茶店
適度に雑を¥御が響いている喫茶店では小さく声を出すことができますので、音読や暗記系の勉強をするのにも適している
・電車、バス
通勤ラッシュを避けて座席を確保できれば、立派な勉強スペースになる
・公園やデパートのベンチ
すんなりと頭に入ってこない内容を声を出しながら理解したり暗記したり

★時間を9種類に分けて勉強の「流れ」をつくる(抜粋)

 無理無く学び続けるためには、いかにして時間をコントロールして行くかが最大の鍵となります。私が一番重視しているのは「時間の性質に合わせて流れをつくる」ということです。
・朝時間
前日に勉強したに用を10分間で復習するための時間
・ランチ時間
ランチ時間を使って、午後以降のプランを再確認
・すきま時間
すきま時間は基本的に暗記に使う
・がっつり時間
「すきま時間」とんぽ連動を最大限考慮する ⇒ 資料を切り貼りしてテキストに集約する作業、暗記したい内容をカード化

【感想など】
著者の多田健次先生は大原簿記専門学校や関西大学で教鞭をふるう会計の先生。

学生、社会人問わず資格試験にチャレンジするたくさんの生徒達を教えてきた経験に加え、ご自身の公認会計士試験勉強の経験もふまえての社会人のための勉強術は、さぞやマニアックな勉強術のネタの宝庫かと思って読みはじめるといい意味で期待を裏切られます。

世に多く出回っている”勉強本”とは若干重きを置くポイントが違うのが本書の特徴。
その理由は著者がメンタルヘルスカウンセラーでもあることからきているのでしょう。

そう、メンタル重視!

ただでさえ忙しく、時間がない中で資格試験の勉強を続けることは非常にむずかしいこと。
そこをどうやって続けるかが資格試験に挑戦する社会人にとって最大のポイント。

そこで、細かい勉強テクニックよりも

自分の「心・時間・環境」をコントロールする仕組みを作ることができれば、楽しく勉強が続いていきます。

と冒頭で述べているように本書前半では「心」に焦点を当てているのです。

要するに動機とかモチベーションの部分。
これ、すごく重要。

最近こういう人多くないですか?

例えば就職難の時代、履歴書の資格の欄を埋めるために資格試験を受ける就活学生さん。
普段英語を使う機会がないのに、昇進・昇級の条件だからとTOEICの勉強を続ける社会人。

こういった勉強が意味がないとは思いませんが、「楽しく続ける」という観点からするとかなりキツイものでしょうし、目的が達成されたらそれで終わりというパターンじゃないでしょうか。

人生の貴重な時間を割くのなら、就職や昇進・昇級のツールとしてだけでなく、自分の人生を豊かにして周りに貢献できるものを勉強したいですよね。

また、それが本当に意義のある勉強だと思います。

そのためには、

「やらされて学ぶ」ではなく「やりたいことを学ぶ」。これを「楽習(がくしゅう)」と言います。

この考え方が非常に大事だと思います。

どんな人生設計をして、そのためにどんな資格を取るのか?
まずはそれを考えることに時間をかけるべきでしょう。

その点をしっかり前半で書き込んでいる本書は良書だと言えます。

ちなみに進むべき道の見つけ方の方法として、「ワクワク感」「自己の強み」「社会のニーズ」の3要素が重なる部分を狙うようアドバイスされていますが、「社会のニーズ」を知る参考にこちらの本も読んでみてはいかがかと。

さて、「方向は決まっている、問題は勉強する時間がないんだ!」という方には本書後半をぜひお読みいただきたく。
時間の使い方について詳しく書かれております。

まとまった勉強時間をとりにくい社会人には、昔からよく、「すきま時間の活用」という言葉が使われてきました。

基本的に著者は、

すきま時間は基本的に暗記に使う

ことを提唱されています。
暗記は繰り返すことが重要なため、すきま時間にさっとポケットや鞄からテキストやカードを取り出し目を通す。

そういえばワタクシも受験生の頃は英単語帳をすきま時間で見ていたのでこれにはすごく共感ですが、ではその見直す教材はいつ作るの?というところが当時も引っかかっていました。

単語カードを作るのも時間がかかるし、面倒くさい。
それで、市販の単語帳を使っていたのですが、これだとせっかく長文読解の授業で習った内容と関係のない単語ばかり見てしまうことになる。

当時は「そういうものか」と思ってましたが、本書を読んで目からウロコ。

「がっつり時間」(まとまった時間)に「資料を切り貼りしてテキストに集約する」とか「暗記したい内容をカード化しておく」など、「すきま時間」との連動を最大限考慮した勉強をする。

つまり、「すきま時間」に暗記する内容と、「がっつり時間」にテキストを読み込んだり問題集を説くことの内容を最初から意識的に結びつける考えで勉強する。

なるほど、こうすればそれぞれの時間に応じた勉強の内容がリンクするわけだ。
うーん、受験生のときに知っておきたかった・・・。

さて、最後に。
本書の最終章では「アウトプット」について触れられています。

「資格試験勉強の本なのにアウトプット?」と疑問に思われるでしょうが、これは合格して以後の話。
資格試験は合格したら、それで終わりではありません。
資格試験合格は舞台に上がるための許可証のようなもの、むしろそこからがスペシャリストへの長い長い道のりのスタート。
本当の学びはそこからです。

自分の知識を深め、人脈を築き、更なる高見を目指すための「アウトプット」について書かれているこの章は、「資格は取ったけど仕事がうまくいかない」という人、必読ですよ。

資格試験に挑む人たちへ。

本書は著者の多田様より日本実業出版社編集者の滝様を通じて献本していただきました。
ありがとうございました。

【関連書籍】
多田健次先生の著書

100年に一度といわれる大不況の真っ只中の日本。こうした混迷の時代を生き抜くには、会社や組織に頼ることなく自ら「知的武装」するしかありません。その「知的武装」にすばやく効果を発揮するのが「資格」と「検定」です。「資格」を取れば、不況の時代を生き抜けます! 「検定」に受かれば、人生ステップアップすることもできます! 本書は、勉強初心者から上級者まで、資格試験・検定試験に確実に最短で合格するための「合格技術」に徹底的にこだわって解説しました。「準備」から「本番後」にいたるまでのさまざまな合格技術は、著者自身の公認会計士受験体験と講師としての11年間にわたる受験指導などから導き出した、実践的かつ効果の高い勉強スキルやメンタルコントロール方法ばかり。数々の受験ノウハウは、確実にあなたを合格へと導いてくれるはずです。本書の巻末には「付録:日本で実施されている検定試験一覧(304種類)」も紹介しました。あなたが本気で今の状況から脱却したいと思うなら、本書で紹介する「試験の合格技術」をマスターして、積極的に資格試験や検定試験にチャレンジしてみましょう!
●本書では、合格に向かって効率よく勉強が進められるように、各項目に重要度を示す「A」「B」「C」ランクを表示しています。自分の学習習熟度に応じて取り組んでみてください。
Aランク…実践しやすくて、効果も大きい
Bランク…実践しやすいが、効果は小さい
Cランク…実践は難しいが、効果は大きい

参考記事

www.s-ichiryuu.com

【管理人の独り言】
社会人のための資格試験勉強本ということなら、こちらもオススメです。

参考記事

www.s-ichiryuu.com

とにかく資格試験で点数を取ることに特化した勉強法が紹介されています。

1 COMMENT

多田健次

一流さん、お礼遅くなりすいません^^;
いま「多田健次」検索をして気付きました 笑
すごく丁寧に書評をしてくださり感謝申し上げます!
ガツンという内容ではありませんが、
かなり大切なことを自分なりにお伝えできたかと。
これからも多くの方に手にとっていただけるように頑張ります。
いつもありがとうございます!

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