おはようございます、暗記のコツをつかんだ頃に入試が終わってしまった一龍(@ichiryuu)です。
今日は、受験生や資格試験に挑戦する社会人に強い味方になる一冊をご紹介。
「忘れたくても忘れられない」状態になる、強烈な記憶法です。
【目次】
はじめに
プロローグ 試験合格への悩みが消えた!本書を勉強技術のバイブルに
第1章 なぜ、記憶できないのか?
第2章 記憶術でつなげて覚える
第3章 速読で目に焼き付けて記憶する
第4章 速聴きと自動記憶で耳から勉強を極める!
第5章 学習の効果を最大化させる
おわりに
【ポイント&レバレッジメモ】
★合格できる記憶をつくる
試験勉強というと、「とにかく覚えたらいい」と一生懸命に覚えようとする人がいますが、こうした努力家は試験に落ちることが多いのです。
その理由は、合格できるタイプの記憶をつくっておらず、単に勉強の対象を丸暗記しているにすぎないからです。
合格できるタイプの記憶とは、思い出すのに時間がかからず、頭に負荷がかからないタイプの記憶です。<中略>
いくらきちんと覚えていても、試験ではすばやく思い出せなければ、時間内に解答することはできません。つまり、記憶には、覚えているのか覚えていないのかという「量」の観点からの価値と、すぐに思い出すことができるのかという「質」の観点からの価値があるわけです。
★記憶には2つの種類がある
記憶には大きく分けて、「再生記憶」と「再認識記憶」という2つの記憶があります。勉強は、この2つを区分して進めていくことが大切です。
再生記憶とは、何のヒントもなく思い出すことができる記憶のことです。それに対し、再認識記憶とは、何かヒントとなるものを見て初めて思い出すことができる記憶です。
勉強の際には、その内容がどちらの記憶に当てはまるのかを考えた上で、それぞれの記憶にあった勉強のやり方をしなければなりません。
例
・拓一式試験 → 再認識記憶・・・繰り返し読んだり聞いたりして覚え込む
・論文試験や口述試験 → 再生記憶・・・1秒につき1項目を瞬間的に思い出すことができるような勉強方法
★覚え込み作業ではなく覚え移し作業をする
長期記憶に保存されると容易に忘れることはなく、しかも多くの情報を保存することができます。そのため、試験に受かるためには、短期記憶から長期記憶への覚え移しをする必要があります。
あなたが合格するには、いかにして覚えるかということよりも、いかにして多くのことを忘れないか、多くのことを忘れない状態をつくることの方が大切なのです。
★忘れない記憶をつくる方法
忘れない記憶をつくるためには、復習する範囲を極限まで広げることです。<中略>
多くの難関試験合格者が直感的に知っていることは、1日あたりの復習する範囲が広ければ広いほど合格できるということです。司法試験や税理士試験の合格者が論文暗記用のレジュメを1日で何周もさせるということを、聞いたことがある人もいるかもしれません。
復習の範囲を極限まで広げるには、何度も復習をするか、あるいは最初から高速で復習できるように勉強の計画を変更して、高速で復習できる状態、言い換えれば記憶するためのベルトコンベアーを設計するように勉強を進めていくことが大切です。
一般的によくある勉強法は、まずは一度ざっくり最初から最後までテキストを勉強し、再び頭に戻って復習をして行く方法です。けれども、こういう勉強をすると、最後まで勉強し終わったときには、はじめの方に書いてあった事柄はきれいさっぱり忘れています。
これでは頭に記憶が残らないのも無理はありません。そうではなく、76ページの図のように、少しずつ勉強し終わった箇所に戻りながら、何度何度も復習を重ねていくことが大切です。こうすると忘れたくても忘れることができなくなります。
記憶術を使って何かを覚えるときに、頭の中に思い描くイメージに、感覚や感情、行動を加えるとさらに記憶に残ります。感覚というのは、味覚や聴覚、触覚などのことです。
次ページの図のように、感覚や感情、行動の体験が伴ったものは頭に残ります。これに理由がついたエピソードが加われば、さらに記憶に残りやすくなります。
【感想など】
試験に合格するための暗記法に特化した本です。
ワタクシも拙い受験勉強の経験から暗記に関しては思うところがあるのですが、この本の主張とほぼ同意見です。
まず、
勉強は、「方法単位」で考えるのではなく、「総合的」に考える必要があるということです。
さらに別の言い方をすれば、モノゴトの両面を常に見て、メリットとデメリットを考えて、いろいろな勉強法を状況によって使い分けなければならないということです。
試験の内容や特製、そこで課される科目の性質によって、勉強方法はその都度最適化する必要があるということ。
英語を思い浮かべるとといいですね。
英語は1つの科目ですが、「読む」「書く」「聞く」「話す」という性質の異なる要素で構成されています。
単語や熟語、構文を暗記することは大切ですが、それだけでは点数は上がりません。
「聞く」には「聞く」練習、「話す」には「話す」練習をして、総合的にレベルアップしなければなりません。
また、暗記中心の科目でも、例えば世界史にしましょうか、センター試験のようなマーク試験と、国立大学2次試験のような論述試験では、対策の方法が違ってきますよね。
そうすると当然暗記の方法というか質も変えなければなりません。
何でもかんでも同じ勉強方法ではダメですよということ。
そして、暗記のために一番いい方法は”繰り返し”です。という結論までが、本書前半部分です。
今回の【ポイント&レバレッジメモ】ではだいたいこの辺りまで。
で、その繰り返しをどうやってやるかが本書後半部分のキモとなるところ。
本書で推奨している方法は
暗記速読 × 速聴き
ここはネタバレになるので詳しくは実際に本書をお読みください。
一応簡単に説明すると、
テキストの大切なところ、暗記しないといけないところをマーカーで線を引く。
その部分をスキャンするように速読で何度も繰り返し読む。
この方法の効果はワタクシも経験済み。
というのは、まったく同じ方法を受験生のとき世界史のテキストでやっていました。
これ、最初は速読とはほど遠いスピードでしか読めなかったのですが、繰り返すうちにドンドンスピードアップしていくんです。
最終的には入試までに50回以上はテキストを読み込んだと思いますし、実際テキストの内容がまるまる頭に入っていました(もう忘れちゃったけど)。
しかし悲しいかな、当時の勉強法としてはここまでで、速聴きはできませんでした。
テープレコーダーの時代でしたからね。
本書で推奨する速聴は、ICレコーダーに、先ほどの速読テキストを読んで録音し、繰り返し聞くというもの。
もちろん聞き方にもコツがあるので、その辺は本書をお読みいただくとして、速読してさらに速聴きするという2重の繰り返し。
これは本書で言うように、「忘れたくても忘れられない状態になると思います。
本書にも書いていますが、ワタクシの経験でも同じで、20回くらい繰り返すとほぼその内容は覚えることができます。
重要なことは過剰と思えるほど復習すること。
その方法が
暗記速読×速聴き=自動暗記
なのですね。
受験生諸君、資格試験に挑戦する社会人のみなさん。
試してみる価値ありです。
本書は日本実業出版、編集者の長谷川様より献本していただきました。
ありがとうございました。
【関連書籍】
同著者の既刊本です。
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