〇まったく、人の世には、三毒の焔が燃えさかっておる。
三毒は、仏法で説く害毒で、貪欲、瞋恚、愚痴、すなわち、むさぼり、いかり、おろかさの三つである。
〇「人は、だれでしも毒をもっておりましょう。毒あればこそ、生きる力も湧いてくるのではありますまいか」
<中略>
「肝要なのは、毒をいかに、志にまで高めるかではありますまいか。高きをめざして貪り、凡庸であることに怒り、愚かなまでに励めばいかがでございましょう」
■欲を持つことはけっして悪いことではない。欲は生きるエネルギーだ。ただその向かうベクトルがどの方向を向いているのかが問題。
三毒の焔を高い次元に昇華できれば、それは志になる。そして人は志をなすために生きるものである。