<楽天ブックスはコチラ> 『仕事で成長し続ける52の法則』
本書は日経ビジネスアソシエの連載を単行本化したもの。
ホンワカ優しい雰囲気の和田さんですが、本書では泥臭い“努力”の部分を惜しげもなく公開。
“世界№2セールスウーマン”は運や才能だけで慣れたのではないということをとくとお読みください!
【目次】
はじめに
第1章 仕事力を高める法則1~25
働く姿勢
目標達成
コミュニケーション
情報とのつき合い方
発想術
タイムマネジメント
第2章 キャリアアップのための法則26~39
仕事への覚悟
リーダーシップ
第3章 生き方を見直す法則40~52
おわりに
【ポイント&レバレッジメモ】
★法則1 「一番にならなくてもいい」という言葉に惑わされない。何かにおける一番を目指す。
私は別に、「一番になれなければ、それまでの頑張りはすべて無意味だ」と言っているのではありません。人間には個性や得意不得意があるし、ゲームには勝者がいれば必ず敗者もいるからです。
でもやっぱり、「一番にならなくてもいい」といえるのは「一番を目指して精いっぱい頑張った人」だけです。上を目指してもいないのに、「負けてもいい」というのは、「勝負しないで人生を生きてもいい」という逃げの姿勢だと思うのです。
★法則6 目標達成の3つのコツ、「行動量を決める・達成までの距離を短く設定する・感謝数を意識する」を実践する。
私は保証付きで達成できる目標を設けるようにしていました。それは「自分の行動量」です。「え?」と思いましたか?つまり、結果目標ではなくプロセス目標を立てるのです。<中略>
プロセス目標には、期限が必要です。そしてゴールまでは近い方がいいのです。ゴールが遠いと、一向に届きそうになくて挫折してしまいます。そのため、私は1年を52周で区切って毎週の目標を立てていました。目標を短期目標に置き換えたのです。区切りが52個もあれば、何度かは達成できます。こうして、行動量の目標を立てて、短期で追うことで、私は最終的に、大きなゴールに到達できたのでした。
★法則7 目標達成の3要素、「仲間・柔軟さ・やる気」を揃える
◇「目標達成できない3原則」
①仲間がいない
②1つの方法に固執し、他の方法を取り入れることができない
③(究極ですが)やる気がない
◇「目標達成できる3原則」
①協力者がいる
②いろいろな方法を考えて、柔軟にやり方を変える
③やる気があり、やり抜くと決意する
★法則11 自分の拠り所となるような考え方や信条を持つ。
私がライフワークとして伝えていて、「日経ビジネスアソシエ」の連載でも4年以上書き続けてきた「陽転思考」。これは「事実は1つ、考え方は2つ。悲しいことも辛いことも、無かったことにはできないので、その事実から『よかった』を探し、明るい方に切り替えていこう」というものです。考え方を変えると言動が変わり、人づき合いも仕事への取り組みも根底から変わります。その結果、性格も良い方向に変わるはずだと、今までずっと伝えてきました。<中略>
陽転思考は、マイナスの事柄も見つめ、時に痛みを感じ、反省し、学びを得る。悲しみから幸せの種を見つけるという考え方です。
★法則18 「お、いいな」と思ったらとりあえずやってみる。
直感というのはそこに「気づき」と「わくわく」と「勇気」と「行動」が加わって、始めて力を発揮するものだと思います。だから、「いいな」とか「やってみたいな」とひらめいても、現状や自分の立場を考えて、「今の状況だと、消費者に受け入れられないのではないか?」とか「自分には難しいかもしれない」と判断して、「ひらめき」を殺してしまう人は、直感を活用できないのです。<中略>
ひらめきとは、一瞬で深いところまで届く光線みたいなものです。心まで届いている光線を無視して過ごしていたら、それを感じない人になってしまいます。最初は失敗するかもしれませんが、その一瞬の感覚に自信を持ってトライしていけば、エラーは確実に減っていきます。そうやって、自分って磨かれて、さらに鋭い直感を持てるようになるのだろうと私は思うのです。
★法則22 「時間を意識する」「期限を決める」「コミットメントする」この3原則で、時間を有効に使う。
◇「時間をうまく使うために必要な項目3つ」
①「時間を意識すること」
②「期限を決めること」
③「人にコミットメントすること」
「ここぞという時の追加の1つ」
さて、ここぞという時、私はさらに、追加で一点集中の作戦に出ます。周りに「私、今週は〇〇の仕事に集中します」と、「わがまま宣言」をしてしまうのです。その時間は、緊急案件以外のメールには返事をせず、当然、お誘いも断ります。そうやって強引にも「これしかやらない時間」を決めてしまうのです。
★法則26 打たれることを覚悟して自ら「出る杭」になり続ける。
会社は、必死で働く人もいれば、必死でサボろうとする人もいる、最高の学びの場所です。そんな環境の中で忘れてはいけないことは、誰が何と言おうと自分と誰かを比較せず、どんな自分でありたいかを、絶えず意識することです。そうすれば嫌なことを言われても何が正しいか見えてきます。
★法則36 昇進を打診されたら迷わず受ける。その後で、必死になって、約に見合う器を創る。
地位が人を創るつというのは事実だと思います。だから私はいつも「機会があるのなら、プロモーション(昇進)したほうがいいですよ」と人に言います。確かにポジションが上がると面倒なことが増えます。責任も増えます。場合によっては仕事も増えます。こんなことばかりだったら、何だか病に冒されそうです(笑)。けれど、昇進するともっとたくさんのギフトをもらえるので、結果的には、自分が一番得するのです。<中略>
ですから、自信がなくても、目の前にチャンスがやってきたら、一か八かで昇進することを目指してください。さらに言うと、日頃から昇進を目指した方が人生のステージは上がるはずです。だから、今よりもっと大きな自分を得るためには、ちょっと背伸びして頑張っていた方がいいのだと思います。
【感想など】
今ワタクシが一番お会いしたいビジネス書作家さんの一人がこの和田裕美さんです。
それは一龍が美人好きということももちろんあるのですが、それだけではありません。
和田さんの本には一種独特の世界というか雰囲気といったものがあるからなのです。
ワタクシも書評ブロガーのはしくれですので、少なからずビジネス書は読んできました。
が、和田さんの本が他のビジネス書と違うのは、読んだ人が「あっ、俺にもできそう」と思ってしまうところではないでしょうか。
これは和田さんの人柄が行間に滲み出ているのでしょう。
ホンワカしているというか、やさしいというか。
ビジネス書を読む目的のひとつに「問題解決」があると思います。
誰でも現状を打開したい、その答えを欲しくて本に解答を求めて読む。
ですが、当然ビジネス書作家さんって凄い経営者さんだったり、実績(数字)を残した人だったりと、ワタクシのような凡人とはレベルの違う人がほとんど。
だから、例えば勝間さんの本を読むと「俺もこうなりたい!」とは思うものの、心の片隅で「でもやっぱ無理よな~」なんて考えてしまう。
しかし、和田さんの本ではなぜか、「これなら俺にもできそう。よしやってみよう!」となるんですよね。
ビジネス書は、読んだことを行動にフィードバックして初めて価値が出ます。
そういう意味では和田さんってビジネス書界で希有な方ですね。
ただし、そんな和田さんの人柄に油断(?)してはなりません。
“世界№2セールスウーマン”に、ホンワカ雰囲気だけでなれるはずはありません。
そこには血のにじむような努力があるのです。
例えばこちらのページをご覧ください。
51番目の法則に「自分を成長に導くアイテム」として7つのアイテムが紹介されています。
そのうちのひとつがこの本。
もはや古典的名著である
7つの習慣―成功には原則があった! (1996/12) スティーブン・R. コヴィー、ジェームス スキナー 他 |
です。
この線と書きこみと付箋。そしてボロボロぐあい。
もう、「なんじゃこりゃ!」ですよ。
部下と一緒に読書会を開いて読み合わせをしたそうですが、本1冊をここまで読みこむ。
この写真を見た瞬間、「ワタクシの読書など子供の遊びだわ」と、自分の読書習慣を反省してしまいました。
だって、ワタクシの7つの習慣はまだまだ新品同様 ↓
写真と同じ283ページは線一つなく、書き込みもなく、付箋もなく・・・
一応ワタクシも、かれこれ10回や20回は読み返しているんですがね・・・。
この読みこみのレベルの違いが現在のワタクシと著者のレベルの違いを生み出している...、とりあえずもう1回読んでみるか。
ちなみに他のアイテムには
和田さんをして、最高の絵本と言わしめる
そして、見ると勇気がわいてくる
なども紹介されています。
もちろんこちらもどうぞ!
さて、本書では、上記のアイテム紹介も含めて52の法則が紹介されています。
テーマも“働く姿勢”であったり、“発想術”であったり、“リーダーシップ”であったりと、ワタクシ達が実際の職場で直面するものが網羅されています。
正直言って奇をてらったものはありません。
この辺も和田さんの真っすぐな人柄が表れているのでしょう。
しかし、正攻法な法則だけに、だれでも受け入れやすいものばかりだと思います。
自分の職場での課題、必要に応じて一つでも取り入れ実行すれば、必ず良い変化が期待できる。
そんな仕事術本。
和田さんの自虐ギャグ(?)も含めて、ワクワクしながらお読みください。
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