今日ご紹介するのは、おそらく当ブログ初、そしてワタクシにとっても初めて読む不動産投資本。
興味はあってもなかなか手が出せなかった分野。
はたしてど素人のワタクシに理解できるのか?と不安もありましたが、それは杞憂。
持っていたあれこれ疑問に丁寧に答えてくれる1冊でした。そして厳しさも。
【目次】
推薦の言葉
序章 なぜ、サラリーマンこそ不動産投資なのか
第1章 不動産投資の7つの”うま味”
第2章 注意! 不動産投資の思わぬ落とし穴
第3章 不動産投資の成否を分ける「戦略」
第4章 一番のキモ、お金を引き出す「融資戦略」
第5章 購入、融資の前に「自分を知る」
第6章 チーム経営で「時短」を目指そう
おわりに 「ハッピーリタイア」はゴールではない
【ポイント&レバレッジメモ】
★不動産投資の7つの”うま味” サラリーマンだからやるべきこれだけの理由(抜粋)
メリット1 毎月収入が得られ、安定している
家賃は、毎月、定期的にあなたの手元に入ってきます。収益性の高い物件さえ選べば、長期にわたって安定した収入を得られることがほぼ約束されています。
このご時世ですから、社会情勢の変化や経済の悪化などによって、しさんの価値が暴落する可能性はありますが、社会情勢の変化や経済の悪化などによって、資産の価値が暴落する可能性はありますが、株のように、ただの紙切れになってしまう心配もありません。
メリット3 自分の努力次第で収益をアップできる
株式やFX、投資信託、商品先物取引などの投資で得られる成果は、世界情勢、景気や政局の動向などの外的要因に大きく左右されます。<中略>不動産は違います。
勘やツキに頼らずとも、”自分自身の努力”で、物件の価値を高め、収益アップを図ることが可能なのです。
メリット7 副業禁止の会社でもOK
副業禁止の会社でも「不動産投資だけは」大丈夫です。
不動産投資は、不動産賃貸業という立派な「事業」ですが、一般的にはあくまで「投資」の一種として位置づけられています。そのため、企業の副業禁止規定には抵触しないことがほとんどです。
★あなたの「属性」を確認しよう
ところで、融資に有利なサラリーマンのなかでも、さらに融資を有利にさせるものがあります。
それが「属性」です。たとえば、「属性」の1つに「勤務先」があります。これは、勤務先が世間にどう評価されているかです。<中略>
金融機関が「貸したお金をちゃんと返してくれそう」と考える大きな要因が、安定した会社に務めていることに加え、「年収の高い人」であることです。<中略>
基本的に年収1000万円を超えていれば、ほとんどの金融機関でしっかり融資の審査をしてもらえます。<中略>
そのほか、几帳面な性格の人、無駄遣いをしない人も、金融機関には好印象を与えます。
より融資に有利な人になれるよう、自分の属性を整えていきましょう。
★自分のすべてを”棚卸し”してみる
なぜ「自分を知る」ことが不動産投資に大切なのか。
2つの理由があります。1つは「なぜ不動産投資をするのか。不動産投資をして、自分はどうなりたいのか」を明確にし、ブレない軸を持たなければ、失敗する危険があるということです。<中略>
私がここまで「自分を知る」にこだわるのは、もう1つの理由でもある「融資対策」に深く関係するからでもあります。
金融機関の窓口で融資のお願いをしたら、融資担当者に必ず聞かれます。
「あなたは、なぜ不動産投資をするのですか?不動産投資に対するビジョンを聞かせてください」
銀行は、「ちゃんと返せるか」シビアに見ています。
私は、融資を受ける条件は満たしていたのに、「なぜ不動産投資をするのか」をしっかり考えなかっただけで、希望する額の融資を受けられなかった投資家の方を何人も知っています。
もしあなたの属性がよくても。ビジョンがしっかり考えられていなければ、それだけで融資を断られる可能性すらあるのです。
★不動産投資の成功に必要な「5つの知識」
1.自分を知る
2.融資を知る
3.不動産を知る
4.税金を知る
5.経営を知る
★優秀な不動産コンサルタントを、金のわらじを履いてでも探す
最高のパフォーマンスを生み出すためのチームづくりは、どのようにすればよいのでしょうか。<中略>
私がいつも申し上げているのは、「まず、優秀な不動産コンサルタントを見つけてください」ということです。
長年不動産業界にいて、実績のあるコンサルタントには、必ずよいチームがついているからです。<中略>
プロのコンサルタントが、一番よい成果を出すために考えて編成したチームを、利用しない手はありません。
【感想など】
世の中にはギャンブルも含めて様々な投資方法と、それを解説する投資本が数多くあります。
そして残念ながらその多くは、?と思ってしまうものがほとんどです。
そういった?本に共通するのは、
「3年で3億稼いだ」とか、「1日10分で~」といった、”楽して儲けたい”という気持ちをくすぐるタイトル。
だから、そういったタイトルの本はこれまで避けてきました。
本書も「月100万稼ぐ~」というキャッチーなコピーと、ややあやしげな表紙デザイン(編集者さんごめんなさい)で「ちょっと胡散臭いなぁ」という印象でしたが、中身はしっかりした良質な投資本でした。
さて、ワタクシが考える良質な投資本とは、”本当のことを書いている本”。
つまり、リスクについてもきっちり書いている本。
その点本書は
「楽して儲けたい」という安易な動機しか持てない人に不動産投資は無理だ
とキッパリ。
こういう本は信用できます。
さらに、
ワタクシ正直に言うと、不動産投資はすごく楽な投資だと思っていました。
投資額は大きいものの、一旦物件を買ってしまえば、あとは入居者の募集や家賃の回収、クレーム対応など細々したことは管理会社に任せておけばいい、お気楽投資だと。
しかし読み進めていくと、
投資の成否は戦略で決まる。
そしてその戦略には、購入戦略・運営戦略・出口戦略の3つがあり、
投資の対象には、
新築なのか中古なのか、都心部なのか地方なのか、アパートなのかマンションか
また、いい物件を購入するには資金調達力が必要だし、情報収集力も必要。
法律や税制、会計など、勉強しなければならないこともたくさん。
なんだか不動産投資ってかなり敷居が高いですね。
想像以上に大変そう。
結局のところ、株やFXといった投資と違って不動産投資というのは起業して経営者になるということなんですね。
その覚悟があるなら、不動産投資は著者が主張するようにサラリーマンという安定収入がある人にはうってつけの投資法だと思います。
ミドルリスク、ミドルリターン。
長期にわたって家賃収入が安定して入ってくる。
これはすごく魅力的。
では、その高い敷居を超えるにはどうしたらいいのか?
著者はいいコンサルタントに相談することを勧めています。
普通だったらここで、「なんだ、自分の業務の宣伝か」とワタクシなどはツッコミをいれたくなるのですが、今回は違いました。
だって、株やFXとかは一人でできるけど、不動産投資は関わる「パートナー」をざっとあげると
不動産仲介業者、金融機関、損害保険会社、司法書士、税理士、弁護士、不動産管理会社、建物管理会社、リフォーム会社・・・
これだけの業者を選び、最善のチームを組むなんて、よきアドバイザーがいなければ素人のサラリーマンには無理ですよ。
不動産投資に興味のある方、そしてチームを組んで、経営するという志のある方に本書をお勧めします。
本書はあさ出版編集者の吉田さんから献本していただきました。
ありがとうございました。
一龍様
はじめまして、大野晃弘です。
この度は素晴らしい書評をしていただき誠にありがとうございました。
とても参考になりましたので、今後に役立てたいと思います。
今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。
大野様
ちゃんとリスクについても説明している投資本、すばらしいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。