世界の博物館、今号は東京国立博物館です。
やっと日本の博物館の登場ですが、今号で紹介されているアートは我々の御先祖が創ったのにもかかわらず、かなり異次元です(笑)。
【今号の一押し】
今号、東京国立博物館の一番の見どころは、こちら。
青森県の亀ヶ岡遺跡から出土したものが有名ですが、この圧倒的な造形と存在感から、縄文時代の土偶と言えば真っ先に「遮光器土偶」が連想されるほど。
体全体を覆う独特の模様、臀部を強調したスタイル、そしてなんといってもインパクトがあるのはとても人間とは思えない大きな目の顔。
この顔から、ワタクシも大好きな大真面目なとんでも雑誌「ムー」などでは宇宙人説が語られているのも納得できます。
この目に関しては諸説言われてますが、本誌に紹介されている代表的な説を4つご紹介しておきます。
1.「遮光器」説
雪の季節に強力な紫外線から目を守るために使われる遮光器をつけた姿ではないか?という説。今のところこの説が一番有力です。
2.「誕生の顔」説
赤子が目を閉じているような表情で、「誕生した瞬間」を表現してるという説。
3.「死後の顔」説
「死」と「再生」は表裏一体。誕生説同様、生命の再生に関する説。
4.「辟邪」説
その大きな眼でにらむことで、魔物や悪霊などの邪悪なものを払い退ける、いわゆる魔よけとしてつくられたとする説。
文字のない時代なので、今後の発掘で状況証拠を積み上げていくしか解明のしようがないのですが、いずれにしても我々の御先祖はかなりファンキーなアート感覚を持っていたのは確かなよう。
本誌には縄文文化が世界に誇るアートである、「火焔土器」も掲載されていますが、その躍動感たるや岡本太郎でもかないませんよね。
ぜひ本物をご覧ください。
次号はトプカプ宮殿博物館です。