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「本物のひらめき」はあなたにもできる【書評】苫米地英人(著)『「1日10分」でひらめき脳に生まれ変わる』( イースト・プレス)

久々の苫米地本のご紹介。
今回のテーマは“ひらめき”。
それも、「普通のひらめき」とはレベルの違う、「本物のひらめき」をするためのトレーニング法。

はたして、IQ測定不能のドクター苫米地が伝える「本物のひらめき」、そして「ひらめき脳」になる方法とは。

 

【目次】

Introduction これまで、どんな本を読んでも何もいいアイデアが思いつかなかったあなたへ
STEP1 あなたもノーベル賞クラスのひらめきができる
STEP2 「ひらめき脳」を持っている人の頭の働かせ方
STEP3 「ひらめき脳」のメカニズムを理解する
STEP4 「ひらめき脳」をつくる1日10分トレーニング
STEP5 誰でも、毎日、気軽にできる「ひらめき脳」実践トレーニング
Epilogue 「ひらめき脳」になれば、すべてが思い通りになる

【ポイント&レバレッジメモ】
★「本物のひらめき」とは何か

1.「本物のひらめき」とは、問題を抽象化した理論であること
2.「本物のひらめき」とは、人類史上初の問題を発見すること

 ⇔ 「普通のひらめき」は過去の最適化でしかない

★本当に大事なのは、問題発見力

 ニュートンは、リンゴが落ちるということを問題だと発見しました。他の人は、リンゴが落ちること自体、誰も不思議に思わなかった。ニュートンは、「なぜ、リンゴは地面に落ちるのだろうか」という問題に気づいたわけです。
 アインシュタインも同様で、「なぜ光だけが速度が一定であるという特別な振舞いをするのだろう」という問題を発見しました。量子論でいえば、量子サイズになったとき、ニュートン力学や相対性理論で説明できないことがあるということに気づいたのです。
 だから、ひらめき脳の基本は、問題発見脳だということ。しかも、過去に誰かが発見したことがある問題ではなく、人類史上初となる問題を発見することです。

★「ひらめき脳」に欠かせない二つの道筋

1.高い抽象思考 ・・・ 視点を変えるだけでも問題を発見できる
2.膨大な知識量 ・・・ 知識がないものは問題として見えない 

★日本人のひらめきが弱くなった理由

1.資本主義 ・・・ 高い抽象度で商品やサービスを紹介しても、大衆は理解できません
2.情報社会 ・・・ 情報が多くなると自分で考える能力が低下する
3.民主主義の運用法 ・・・ 抽象度が低くてあいまいな人が当選する

■「ひらめき脳」をつくる1日10分トレーニング <抜粋>
★「携帯電話瞑想」でカラクリを考える

 実は、携帯電話のからくりを考えることは、抽象思考のトレーニングになります。<中略>
 携帯電話のカラクリを本気で知ろうと思えば、量子力学が必要になってきます。また、離散フーリエ返還と言った現代数理科学の知識が必要なのですが、この「携帯電話瞑想」のゴールは抽象思考空間の臨場感を上げることですから、間違っていてもいいのです。
 これは、携帯電話だけでなく、すべてのことに当てはまります。ですから、身近なものを見たら、そのからくりを考えてみるのです。

■誰でも毎日、気軽にできる「ひらめき脳」実戦トレーニング <抜粋>
★作者の裏の意図を考えながら本を読む

 裏を読む方法として、二つあります。小説のストーリーの裏を読むこと。そして、作者の裏を読むことの二つです。
 まずはストーリーの裏を読むことから始めるといいでしょう。ストーリーの展開を先読みするだけでなく、登場人物の発言の裏を読むのです。<中略>
 ただ、それだけではまだ抽象度はあまり高くありません。
 もう一段上の抽象度で見るためには、作者の裏を読むことです。この作者はどういう事情で、どういう性格で、この小説を書かないといけなかったのかを考えるのです。

【感想など】
久しぶりの苫米地本。
かなり苫米地ワールドを堪能できました。

今回のテーマは、「本物のひらめき」についてと、「ひらめき脳」になるためのトレーニングについてです。
苫米地先生にとっては得意中の得意分野でしょう。

が、のっけからワタクシのような、ひらめきのかけらもない凡人には面食らってついつい引き込まれます。

まず、「普通のひらめき」と「本物のひらめき」の違いについて。

苫米地先生にかかれば、

あの東京都の選挙にも常連の某天才発明家や、精神分析のフロイト、そしてビジネスパーソンには必読書の著者であるデール・カーネギーにいたっても、「普通のひらめき」の人。

彼らの発明や研究は「過去の最適化」でしかないと言います。
(十分すごいと思うのですが・・・)

それに対して「本物のひらめき」というのは根本的に違う。

この違いについては「抽象度の高さ」とか「論理的であること」などなど、詳しく説明されていますので本書をお読みいただきたいのですが、その中でワタクシも強く納得できたものが、「問題発見能力」

人間って同じモノを見ても、見える人と見えない人がいますよね。
もっと俗っぽく言うと「よく気がつく人と、気がつかない人」と言ったらいいのでしょうか。

その違いの根底にあるものは、固定観念だと思うのですよ。
そこに気がつくかどうか、気がついたならそれにこだわれるかどうかの違いが、結果に大きな違いとして現れるんじゃないかと。

例えば先ごろ亡くなられたスティーブ・ジョブス。
彼の製品へのこだわりのスゴさは有名ですが、冷却ファンの音がうるさいからという理由でPCからファンを無くしてしまう。

普通、コンピュータの大敵は熱ですから、冷却ファンが少々うるさくても「まぁ仕方ない、これは外せないな」で終わるところですが、スティーブはそこで妥協しない。

その結果、静かでエレガントなPCが誕生するわけですが、だれも「冷却ファンがあって当たり前」という固定観念で疑問に思わなかったものを無くすことで、大きな違いを、商品価値を生み出しています。

見えるか見えないか。気がつくか気がつかないか。

本当に紙一重です。

で、その“紙一重”の能力=脳力を身につけるためのトレーニングが本書では紹介されていますので、ぜひお読みいただきとレーニングしていただきたい。

それほど難しいトレーニングもありません。
ごく簡単なものばかりで、生活の中で習慣にしてしまうことができそうなトレーニングばかりです。

ちなみに、「俺はそんなひらめきなんて必要ないぜ。仕事だって順調だぜ」という、順風満帆人生の方。
それはそれで結構。
ただし、あなたは“見えていない人”の可能性が高いです。

「本物のひらめき」は、無くても生きていけます。
ではなぜ「ひらめき脳」が必要か?

この世の中で正しい選択というのは、自由な選択のことを意味しています。自由な選択をするためには、選択される内容よりも一段上に上がらないといけません。

「ひらめき脳」になることは、この自由な選択をするために必要なこと。

と著者は言っています。
人生の選択肢は無限にあります。

そして、

幸せとは、あくまでも自由であること。それは身体的にも精神的にも自由であることです。

あらゆるものから縛られない人生こそ、幸せな人生なのです。

ワタクシの目指す生き方は、縛られない人生です。

本書はイーストプレス社編集長の畑様から献本していただきました。
ありがとうございました。


【管理人の独り言】

現代最高の「本物のひらめき」を持った人。
スティーブ・ジョブズの伝記が発売を早めて登場します。

Amazonから引用 <内容紹介>

取材嫌いで有名なスティーブ・ジョブズが唯一全面協力した、本人公認の決定版評伝。全世界同時発売!
未来を創った、今世紀を代表する経営者スティーブ・ジョブズのすべてを描き切った文字どおり、最初で最後の一冊!!
本書を読まずして、アップルもITも経営も、そして、未来も語ることはできない。
アップル創設の経緯から、iPhone、iPadの誕生秘話、そして引退まで、スティーブ・ジョブズ自身がすべてを明らかに。本人が取材に全面協力したからこそ書けた、唯一無二の記録。
伝説のプレゼンテーションから、経営の極意まで、ジョブズの思考がたっぷり詰まった内容。ビジネス書、経営書としても他の類書を圧倒する内容。
約3年にわたり、のべ数十時間にもおよぶ徹底した本人や家族へのインタビュー。未公開の家族写真なども世界初公開。
ライバルだったビル・ゲイツをはじめ、アル・ゴア、ルパート・マードック、スティーブ・ウォズニアック、そして後継者のティム・クック……世界的に著名なジョブズの関係者百数十名へのインタビュー、コメントも豊富に。まさに超豪華な評伝。

 

1 COMMENT

しま

こんにちは。
>あの東京都の選挙にも常連の某天才発明家や、精神分析のフロイト、そしてビジネスパーソンには必読書の著者であるデール・カーネギーにいたっても、「普通のひらめき」の人。
でも、絶対に苫米地英人の名は、フロイトやカーネギー程には残りませんよね。
もしかして、一番“見えていない人”だったりして。

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