あなたのアイコン、あなたのことをどれだけ伝えているでしょう。
ワタクシのように、なーんも考えずにアイコンを決めた方、知らないうちにかなり損をしているかも。
この本を読むと衝撃を受けますよ。
Twitter読書会のお知らせもあります。
【目次】
はじめに
第一章 センスとは何か?
第二章 なりたい自分をデザインする技術
第三章 プレゼンはデザインで勝負
第四章 デザインでブランドが育つ
第五章 デザインがわかると未来が見える
おわりに
【ポイント&レバレッジメモ】
★ワンキャッチワンビジュアル
広告の世界では「王道」とされているコミュニケーション手法の一つに「ワンキャッチワンビジュアル」というものがあります。一つの決めゼリフには、何枚もの絵をくっつけるよりも一枚の絵で勝負するという意味です。<中略>
ワンキャッチワンビジュアルというのは、絵と言葉の組み合わせが、ただのそれを越える可能性を示しています。2008年に出した『視覚メーケティングのススメ』にも書いたことですが、コピーとデザインは補い合い、そして助け合うということ蛾で期す。両者があいまって、たとえ少ない情報量であっても人間の心の琴線に触れる大きな感動や、深く考えざるを得ない重大なテーマに付いて瞬時に伝え得るのです。
★デザインセンスのいい人
アイコンは、もちろん見栄えがいい方がいいに決まっています。でも、最も大切なのは、あなたという「本体」(これは、きっと、プロフィールに記載されていることでしょう)と、あなたらしい発言内容と、これらの関係性が、アイコンとともにきちんとデザインされているかというところにあります。<中略>
(VANヂャケット創業者の故石津謙介さんを例に)何を着たら、相手はどう思うのか。どんなおしゃれをしていったら、相手は喜んでくれるのか。それを、自分自身に問いつめて、まずは自分から変える。
決して独りよがりになることなく、思いやりと気配りというセンスを、ファッションに託して見せる。それが、実際には、恒例である石津さんをかっこうよく、誰よりもセンスよく見せていたのではないかと思います。「デザインセンス」のいい人のやっていることというのも、そういうことなのです。
★日本メーカーとグローバルブランドは対照的なアングル
日本のメーカーが常にカタログカット(ハイアングル、製品カット)を主力広報などで使いたがる理由は、消費者から「商品がよく見えない」「天面がわかりづらい」などといわれることに神経質になっているからではないかと思われます。<中略>
一方、グローバル展開で躍進を続けるほぼすべてのブランドは、「ローアングル」「アドバタイジング(広告向け)カット」のアングルを採用し、ブランドの価値と、デザインからの主張、「ね、ウチの製品って本当にクールでしよ? 格好いいですよね?」というような「見せ場づくり」と感情的価値の共有に集中しています。
★「色」の「実現力」
構図やフォーカスには優れた「演出力」「表現力」などがあります。もちろん、色にもこういった力はありますが、「色」には誰でもがすぐに使えて、しかも即効性にも持続性にも優れたすばらしい機能があります。それが「実現力」です。
実現力とはどういうことかというと、「色を選ぶこと」それ自体に、なりたいものに近づく強い影響力があるということです。
つまり、目から入った視覚情報がもともとある「現実」に対して、バランスをとっていくようにプレッシャーをかけるため、結果として人の「行動」にも直接的に影響を与えることができるのです。<中略>「〇〇色に染まる」という言葉がありますが、これは、色の話ではなく実際には「影響力」の話です。色に染まってしまうことで叶う夢や現実もあるということを示唆します。
★「ふさわしさ」のデザイン
「センスのいい」誰かのデザインをあなたが取り入れても、同じように「センスがいい」と見られるとは限らないのです。
「ふさわしさ」すなわちトーン・アンド・マナーを理解すること。これこそ「デザインセンス」を語る上で最重要課題といえるでしょう。
★「あなたらしさ」をどうやって盛り込むか
あなたらしさ、というのはいわばプレゼンの最終兵器。あなたの人間力のみに頼るというような企画はそれ自体が危険ともいえますが、もし、あなたがプレゼンされる側の立場であったとしたらどうか、というところで考えてみます。
競合プレゼンのときなど、どちらも同じ食らいよい企画であったとしたら、好感が持てるシートであったりインパクトを感じるシートであったり、より強い印象の残る方が選択される可能性は大きいのです。
強い印象、というのは一般的に「押し」のイメージを持たれる方が大きいと思いますが、実際には「引き間際」の見せ方というのはとても大切です。私自身は、プレゼンの際はすべてのシートの「おしまい」シートに、ある一つのグラフィックとワンフレーズのコピーを記載してそれを「おわり」のしるしにしています。<中略>
すべてをやり尽しました、ご拝聴ありがとうございます、というタイミングで充実した時間の余韻を演出するために「あなたらしさ」の気配を残せたら素敵だと素敵だと私は思います。
★シンプルなデザインはなぜ強いのか
シンプルであることが強いというのは、要素が少なくなればなるほど、「はっきりと見える」からです。そして、はっきり見えるということは、「あれもこれも」という迷いがない状態です。
見る方も見られる方も、自信を持って堂々としていることができる。だから強くてしっかりとしているように見えるし、見る側もしっかりと見つめられるのです。
【感想など】
自分に足りないものを補うために読んだので、こうなることは予想できたのですが、やっぱりでした。
読み始めてすぐに打ちのめされました・・・orz
本書はまず、SNSで使われるアイコンを例にデザインの本質が語られているのですが、ワタクシがいかに何も考えていないかを思い知らされてしまいました。
今や、ファーストインプレッションの場は徐々にリアルからネットへ移行しつつあります。つまり、人の「評価」にまつわるような重要な判断を、ブラウザの中でたった200ピクセルほどのアイコン(しかも最高で72dpi)に託しているという恐ろしい時代が来てしまったのです。
とおっしゃるように、本当に人と人との最初の出会いの場はリアルよりネット上に移行していますよね。
特にワタクシのように、地方の田舎に住んでいて、ブロガーなどをやっている場合、ほぼ100%ファーストインプレッションはネット上です。
で、ワタクシのアイコンが、「名刺の代替」となり、「見せたい自分、間違われてはいけない自分を表現する」ことができているかといえば、全然できていない。
当ブログの左上のプロフィール欄にある”龍”の文字がワタクシが使っているアイコン。
本当は顔写真が一番いいのはわかっていますが、人様にお見せできるような顔じゃないので、Twitterデビューするときに、顔写真以外でなにかわかりやすいアイコンはないものか?と考えたときにハンドルネームの一龍にちなんで龍の絵にしようと最初考えました。
(ちなみにこの名前は“一流”とかけているのと、尊敬する坂本龍馬から一字勝手にいただいたもの)
ところがあの小さいアイコンに龍の絵では、何を描いてあるのかよくわからない。
そこでかっこいいデザインの龍の字はないかと探していて、戦国武将上杉謙信の”「懸かり乱れ龍」の旗”に行き着いた次第。
以後、ずっとかわらず使っております。
使ってみてわかったのですが、総攻撃や突撃の合図に用いた旗で、戦場でも視認性が高いものであるため、小さなアイコンにしても、流れの速いTL上でもかなり目立つみたいです。
が、それとこれとは別のお話。
初めてリアルでお会いした方からは、「一龍さんは想像してたよりずっと優しそうですね。アイコンのイメージからすごい怖い人だと思ってました」と言われることが多々ありまして。
これはちょっといかんなぁと。
また、ブログデザインに関しても、”できるだけシンプルなもの”という基準と、白と黒という色が実は力強い色であると思っているので現在のテンプレートを使用しております。
ですが、
いい本を紹介する
という書評ブロガーとしての目標も
日本を元気にしよう
人生を楽しもう
というミッションも伝えられていませんね。
自分やこのブログの”存在の意味”を伝える重要な手段なのですから、デザインは真剣に考えていかなければ。
と、考えていて気がつきました。
デザインはコミュニケーションツールなんですね。
さて、もう一つ本書を読んで目から鱗だったのが、”デザインセンスがいい”とはどういうことかという点でした。
てっきり黄金比だとか、写真撮影時の光の当て具合だとか、色使いだとか、要するにテクニックの部分だとばっかり思ってましたが違うんですね。
何を伝えるかという中身、そして相手の側に立った表現。
優しい言葉で言うと、”思いやり”とか”気遣い”と言えばいいのでしょうか。
個人のセルフブランディングでも、企業のブランド戦略でも、自分勝手に何でもかんでも盛り込んで伝えようとしてうまくいかないのは、コミュニケーションツールということで考えれば合点がいきます。
自分のことばっかりしゃべる人とは話してても楽しくないですもんね。
一生懸命しゃべればしゃべるほど、相手は聞いてくれていないという状態に陥ります。
(ということは、ワタクシの見苦しい顔を出さないのは正解かも)
そして、コミュ二ケーションだと考えれば誰に伝えるのかという視点も大切。
世の中ではデザインが絶賛されるアップルのiPhoneも、ワタクシの妻には「色がかわいくない!」の一言で一蹴されております。
”宇宙に衝撃を与える”ジョブズも、うちの嫁さんには太刀打ちできない現実を間近で見ると、万人に受けるデザインは存在しないという割り切りも必要かと。
難しいですね。
まずは、自分は何者か?、そして、どこを目指すのか?
人生のデザインから始めないといけませんね。
【関連書籍】
ウジトモコさんの著書
プロじゃなくても「デザインの正解」は導き出せます。デザインを資産として完全に機能させるための方法を、「ポジショニング」と「トーン・アンド・マナー」という手法を組み合わせて、分かりやすく具体的に紐解きます。デザインと正しく向き合うための本。
「なりたい自分」を印象づける、「会いたい人」が集まってくれる。ブログデザインリニューアルで“一生モノ”のノウハウを学ぼう。アルファブロガーが学んだ講座を再現。
本書内で引用・紹介されている本
喋りはうまいのに信用できない人と、無口でも説得力にあふれた人の差はどこにあるのか。女性の嘘を見破りにくい理由とは何か。すべてを左右しているのは「見た目」だった!顔つき、仕草、目つき、匂い、色、温度、距離等々、私たちを取り巻く言葉以外の膨大な情報が持つ意味を考える。心理学、社会学からマンガ、演劇まであらゆるジャンルの知識を駆使した日本人のための「非言語コミュニケーション」入門。
人々は、生活をシンプルにしてくれるデザインを買うだけではない。さらに重要なことに、それを愛しているのだ。ここ当分の間は、複雑なテクノロジーが私たちの家庭や職場に押し寄せつづけるだろう。したがって、過度な複雑さを減らし、シンプリシティを追求することは、きっと成長産業になるはずなのだ。複雑化するデザイン、テクノロジー、ビジネス、人生をどうシンプルに保つかウェブ・デザインの先駆者が教える、10の法則と3つの鍵。
「消費者志向」はもう古い!マーケティングは「2.0」から「3.0」にバージョンアップした。モノを売り込むだけの「製品中心」が「1.0」。顧客満足をめざす「消費者志向」が「2.0」。では、「3.0」とは何なのか。ツイッター、ブログ、ソーシャル・ネットワーキング・サイト、ウィキペディアなどソーシャル・メディア上の評判が決定的な影響力を持つ時代に、マーケティングは何をめざすべきか。新興国市場やグリーン市場にはどう取り組むべきか。“マーケティングの神様”による新時代のマーケティング原論。