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知っておかないとかなり怖い【書評】笠井 奈津子(著)『甘い物は脳に悪い』 (幻冬舎新書)

もうね、ビックリの連続ですよ。
私たちが食に関して常識だと思っていることのなんと間違いの多いことか。

なかには、続けると重大な病気の原因になるようなものも。

体が資本のビジネスパーソン必読です!

 

【目次】

はじめに
第1章 食生活が悪いのは、あなたのせいではない
第2章 仕事ができる人は朝からこんなに食べている!
第3章 前向き思考・集中力・決断力は食事で決まる
第4章 仕事で結果を出す人の食事のルール
第5章 局所にダイレクトに効く食材の話
終章 食事が人格をつくる
あとがき

【ポイント&レバレッジメモ】
★ゼロカロリーだから太らないわけではない

 いくら低カロリーでも、それを摂取すると、ノンカロリー、低カロリーにするために加えた食品添加物によって、酵素の働きが阻害されてしまいます。それによって身体が疲弊することで代謝が落ち、太りやすくなってしまうのです。

★食べなければ痩せられない

 でも、多くのクライアントは「食べ過ぎているから太る」と思い込んで、ただやみくもに食べる量を減らすことから始めます。ダイエット中の男性には、お昼はそばだけ、という方も多いようですが、それでは痩せられないのです。「そんなに食べていないのに、なぜか痩せないんだよね」という声をよく聞きますが、「食べていないから痩せない」のです。
 特に良質のタンパンク質は、代謝を上げ、筋肉を落とさないためにも、ダイエットをするうえで欠かせない食材です。お昼にそばをよく食べる方は、卵をトッピングしてほしいですし、野菜が足せるならその方が確実に痩せやすくなるのです。

★朝食にとってほしいミラクルな食べ物

 朝食に菓子パンを食べることは、私は今すぐやめてほしいと思います。そして、その代わりに食べてほしいものは、ずばり果物です。<中略>
 果物には酵素が豊富に含まれているからです。
 私たちが食べ物を消化するのも、栄養を吸収し身体の隅々に運ぶのも、それを代謝し排泄するのも、すべて酵素の働きなくしてはできないことです。いわば生命の源なのです。

★タンパク質不足と、鬱の増加は一致している

 私は、良質のタンパク質の不足と現代人の鬱の増加が、実は密接に関係しているのではないかという仮説を立てています。なぜなら、鬱を訴える人は、私たちが飽食の時代を迎えたあたりから、急激に増加しているからです。
 現代人のうつが話題になるたびに、私は、その中の多くの人がトリプトファンの慢性的な不足ではないかと疑います。クライアントに食事指導を行い、良質のタンパク質をとるようにしてもらうと、実際にかなり改善する人も出てきます。とくに、疲労感や慢性的倦怠感の症状にはとても手応えを感じます。

★質のよい油をとると、思考が柔軟になる

 人のすべての細胞膜は、主にリン脂質によって作られています。
 もちろん、脳細胞の膜も脂質でできており、細胞膜がきれいな状態でなければ、本来届くはずの神経伝達物質もうまく届いてくれません。<中略>
 ここでいう質の良い油とは、DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)のことです。オメガ3系の油ともいわれ、イワシやサバなどの青魚、大豆などに多く含まれています。
 健康には植物油がよくて動物油が悪いという認識の方が多いと思いますが、植物油だから体に良いという認識は誤りで、油のとり方も重要になってきます。<中略>基本的にはどんな油も、揚げ物に使うよりはドレッシングに使った方が効率的です。

★仕事が立て込んでいるときにコーヒーを飲むのはNG
 

コーヒーのカフェインには、覚醒効果があります。しかも、それは即効性のものですから、私たちは徹夜で眠くなると、ついコーヒーに手を出してしまいがちです。
 しかし、コーヒーのカフェインには利尿作用があり、コーヒーをがぶ飲みすると、すぐにトイレに行きたくなるのも事実です。その結果、コーヒーで覚醒したものの、一方では水分が排出されて、だるくなったり眠くなったりするのです。<中略>
 結論をいえば、徹夜するときにコーヒーを飲むと、かえって能率は落ちます。だるくなったり、眠くなったりしないためには、水を飲むことです。オフィスに水がない場合は、カフェイン抜きの飲み物をとりましょう。それが、追い込みの仕事を時間内に完成させる秘訣です。

【感想など】
いやぁ、まいりました。

数年前に大きな病気をしてから、かなり健康や食べ物には気を使っているつもりでしたが、この本にはガツンとやられました。

今回はそのガツンとやられたところの中から、特に一般常識といいますか、固定概念といいますか、私たちが”当たり前と思っていたら大間違いだった”部分をピックアップさせていただきました。

まずビックリしたのが”甘いもの”に関するもの。

受験生の頃、先生に「脳のエネルギーは糖質だから、試験日の朝はジャムや蜂蜜を摂るように」と教えられました。
今でもビジネス書には、朝一から仕事がはかどるように糖質を摂りましょうみたいなことを書いているものが少なくありません。

受験のような短期決戦ならそれもいいのでしょうが、毎朝となると注意が必要。
急激にあがった血糖値を押さえるため、膵臓に負担がかかり、糖尿病の原因になるのだとか。

また、脂質に関しては、ダイエット中でサラダに油分を含んだドレッシングをかけるのを敬遠する女性をよく見かけますが、揚げ物など加熱した脂質を摂るよりドレッシングの方がいいんですね。

それに、脳の働きと精神の安定には良質の脂質が不可欠だったなんて・・・。
むやみやたらに脂質を目の敵にするのは間違いなんですね。

そして個人的にワタクシが一番ショックだったのはコーヒー。

かなりのコーヒー中毒のワタクシは、仕事中に水代わりにコーヒーを飲んでおりますが(1日に4、5杯は飲む)、コーヒーの利尿作用で水分不足になり体がだるくなって、目が覚めるどころかかえって眠くなるんですね。

気合いが必要な仕事に取りかかるときに、コーヒーをがぶがぶ飲んで、目を覚まして気合いを入れて仕事に挑むのですが(仕事モードに入るちょっとした儀式になっている)、もしかして、すぐにすごく眠くなるのはコーヒーのせいだったのかも(←モチベーションの低さは棚上げ)。

全く逆効果だったのか・・・。

それにしても我々は、なんと食に関する知識の乏しいことか。
この本を読んで思い知らされました。

そもそも我々は植物のように光合成して体内でエネルギーを作り出すことはできず、100パーセントエネルギーを口から入る食べ物に頼っている生き物。

生命維持の根源が食べ物であるはずなのです。

なのにそれほど大切な食べ物にあまりにも無頓着ですよね。

 私は、食べることは戦うことだと思います。その意味で、朝食を十分にとらなくなった現代人は、戦うことを忘れた人々だといわなくてはならないでしょう。<中略>
 仕事ができる人になることも、夢や目標を達成することも、人生の成功を手に入れることも、すべての道は朝食から始めるということです。

「腹が減っては戦は出来ぬ」と昔からいいますが、現代のサムライであるビジネスパーソンが戦場に向かうのに朝食抜きとか、あるいはお昼はそばや丼物で適当に済ませるなんて、ある意味無謀なことだといえます。

お昼ご飯のほとんどをうどんですませてしまうワタクシもかなり反省です。
明日からはうどんに卵をトッピングしよう。

病気ではないけどなんか体調が良くない、疲れが取れない、気分が落ち込んでいるという人はもちろん、今以上にアグレッシブに活動してさらに上を目指そうという人にも、ぜひ一読してもらいたい一冊。

本書は幻冬舎編集者、四本様より献本していただきました。
ありがとうございました。

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