世界の博物館、第12号はメキシコ国立人類学博物館です。
アジアともヨーロッパとも違う独特の文化を持つマヤの様式がわれわれの心を鷲掴みにします。
【今号の一押し】
中南米の遺物は独特の様式がどれも目を引くのですが、やはり今話題となっているのはこれでしょう。
「太陽の石」
いわゆる「アステカ・カレンダー」とか「マヤ暦」といわれるものですが、手前に立っている人と見比べると大きいですね。
もともとはこの想像復元図のように、極彩色に彩られていたのでしょう。
こういう美的感覚が特異で非常に面白いですね。
円の中心は太陽神で、舌を出しているのは、神が人間の血と心臓を養分として必要としていることを示しているそうです。
さて、この「マヤ暦」がなぜ最近注目されているかご存知ですよね。
このカレンダーによると、今は5つ目の太陽の世界で、人類はこれまで4回滅んでいるのだとか。
そして暦では、この第5の太陽の世界は「地震の太陽」と呼ばれ、神話では大地震で人類は滅亡することになっています。
その日が2012年12月21日(一説では23日)なのですよ。
ノストラダムスはじめ、この手の予言は全く信じないワタクシですが、時期が時期だけに「地震」というのはかなり引っかかりますよね。
で、何事も起きないように太陽に昔は毎日生け贄を捧げていたのですが、生け贄である人間の心臓を乗せたのがこの「チャクモール」です。
あまりに凄惨な儀式を見続けてきた神への使者は、なんだかすっとぼけた顔をしています。
それが逆に怖いですよ。
次号は奈良国立博物館です。